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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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ボートレース特集

次回はナデシコ決戦!

_mg_3949 新鋭王座決定戦は、松尾昂明の優勝で幕を閉じました。松尾は、最後の「1月の新鋭チャンプ」。次回の新鋭王座は時期が移動して、今年9月の開催となります。今年は新鋭王座が2回!

そして、取材班が次に駆けつけるのは最後の「3月の女子王座」。ボートレース多摩川で開催される女子王座決定戦であります! 2月28日開幕のナデシコ決戦、もちろん27日の前検から3月4日の優勝戦まで現地レポートしてまいりますので、次回もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、2012年最初のシリーズも管理解除となって、取材班は芦屋を後にいたします。今年は6月にもう1回来るんだな~。というわけで、今節もご覧いただき、本当にありがとうございました。多摩川でお会いしましょう! ではでは~(PHOTO/池上一摩)


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THEピット――顔

2012_0129_0065  池永太が、憤怒の表情を見せていた。レース後、敗者は誰もが悔しがるに決まっているが、池永の表情は「悔しさ」というより「怒り」としか言いようがないものだったのだ。
 息は荒く、視線はとげとげしく、腰に手を当て、時に首をひねる。触れたら爆発しそうなほどだった。こうなると、あの笑顔が濃くて深い池永の顔つきは、途端に迫力のあるものになる。好漢が垣間見せた骨太の男っぷり。池永には悪いけれども、それはなかなか魅力的なものだった。
 とはいえ、モーター返納とプロペラ検査が終わると、池永はいつもの笑顔も見せている。気が晴れたわけではないだろうが、レース直後の興奮は収まり、好漢らしさが表に出ていたのだ。本当は総理杯で会いたかったが、こうなったらダービーで会おう、池永太。7月末までの半年、その航跡にはおおいに注目させてもらう。
2012_0129_0244  大池佑来は、ただただスタートが遅れたことを悔やみ、眉間にシワを寄せていた。3カドはある程度は想定していたそうである。土屋智則が動かなければ、3カドに引こうと決めていたというのだ。だが、スタートが遅れた。最近3カドがあまり見られないのは、実はスタートが決めにくいからということもあるようだが、それがモロにここ一番の舞台で出てしまったのだから、悔やんでも悔やみきれない。それでも、新鋭王座初出場で、優出メンバーではもっとも後輩でありながら、気後れせずに勝ちに行ったという姿勢は尊いものだ。今日の眉間のシワは、次の機会には目尻に移って、かわいらしい笑顔になることだろう。
2012_0129_0522  土屋智則は苦笑いしかなかったようだ。スタート展示では動き、本番では動かなかった。もちろん、松尾昂明をマークする策を選択したのである。だが……「マーク切れちゃいました」そう言って苦笑する。土屋は土屋なりに後悔のないように作戦を練ったわけだが実らず、しかもあてにしていた松尾は一気に自分をも置き去りにしていったのだから、これはもう笑うしかなかったか。もちろん、胸の奥に悔恨の炎がたぎっているには決まっているのだが。
2012_0129_0004  奈須啓太が、ふっと柔らかい表情になったのが印象的だった。モーター返納とプロペラ検査を終え、控室に戻ろうと整備室を出て報道陣の顔を見た瞬間、まるで憑き物が落ちたみたいな笑顔になったのだ。そうか、奈須の本来の表情はこれか。今節は選手班長として、気が休まるヒマもなかっただろう。もちろん、自分のレースもある。しかも優出したのだ。奈須の表情が凛々しく見えたのは当然だった。しかし、優勝戦後に見せた顔は、とことん優しくとことん穏やかで、実は今節最年長のこの人もとびきりの童顔なのであった。尊敬する瓜生正義とよく似てるな。もちろん結果は悔しいものだったが、奈須としては「終わった」という思いも強いだろう。今節は本当にごくろうさま。今日の打ち上げはとことん飲んでくださいね。
2012_0129_0465  もっとも悔しい思いをしたのは、茅原悠紀で間違いない。ピットに戻った瞬間、山口達也が肩を抱いて慰めていた。西山貴浩も、勝った後輩や敗れた先輩と同期ではなく、まず茅原に歩み寄って声をかけている。「こんなもんかな」、カポックを脱ぎながら吐き捨てたようにつぶやいた茅原のその言葉を勝手に翻訳すれば、「チクショー!」に決まっている。それを誰もがわかっているから、誰もが茅原の胸中を気遣っているように見えた。そのとき、ピットはやや重々しい空気が充満していたのだが、それは茅原を思いやろうとし、無念を共有しようとする仲間たちの作り出したものだったように思う。
 それからの茅原は、やはり苦笑いばかりが浮かんできていた。「やっちゃいましたね」という言葉も聞こえてきたが、コンマ15のスタートをインから決めた茅原にはミスらしいミスはなかったと思う。それでも、茅原にしてみれば、敗れてしまえば同じことなのだろう。報道陣の質問に真摯に応える茅原の苦笑いは、痛々しいというしかないものだった。もちろん、この悔恨を悔恨のままにしておくような茅原悠紀ではないだろう。

2012_0129_0216   松尾昂明、おめでとう! というわけで、第26代新鋭チャンプは松尾昂明である。コンマ06のスタートからまくり一撃! 3コースの大池がヘコんで1艇身以上も出し抜いた瞬間、松尾の勝利を確信した人は多かっただろう。
 ウイニングランから戻ってきた松尾を出迎える仲間、という光景は、実に壮観であった。まず、大挙参戦の福岡勢。池永と奈須以外は全員が集結していたはずだ(多すぎて確認できてないけど)。さらに、同期である100期勢。松尾をのぞけば6名が参戦。これが一気にリフトを囲んだのだ。ヒーローの出迎えに、ここまで多くの選手が集まったことはあっただろうか。あったとすれば、同期が多く参戦する新鋭王座か。でも、これまでこんなにも大人数の出迎え祝福は見た記憶がない。
 そして、その輪の中心で、松尾は人のよさそうな笑顔を爆発させていた。そう、松尾といえば、やっぱり笑顔。ピットではサービス精神旺盛に、仲間と笑い合う姿が目立つ。レース前などの緊張感漂う表情は鋭いけれども、こんなに嬉しい勝利のあとだから、持ち前の笑顔が爆発して当然だ! 持ち味のまくり一撃に、持ち味の笑顔。彼の個性が完璧なかたちで、厳寒の芦屋に輝いたのである。
_u5w9420 表彰式、記者会見などが終わると、もちろん水神祭! これは、人数多すぎてもってことで福岡勢が遠慮したのか、100期勢だけで行なわれている。秦英悟、永田秀二、末永由楽、桐生順平、青木玄太、松崎祐太郎。記念すべき100期生から初のビッグウィナーが出現したことを、松尾以上に喜んでいた彼らである。もちろん、松尾はそのなかでもまた笑顔! おどけて見せる様子は、彼らの前で大仕事を果たせた喜びに満ちていた。
 おめでとう、松尾。これで総理杯の権利も得たわけだが、舞台はまくり水面の戸田。SGでも代名詞ともいえるまくりで、先輩たちをキリキリ舞いさせて、爽快な笑顔を見せてくれ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=水神祭 TEXT/黒須田)


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新鋭王座ファイナル 私的回顧

“復習”するは、我にあり!!

12R優勝戦
①茅原悠紀(99期・岡山)  15
②池永 太(97期・福岡)   21
③大池佑来(101期・神奈川)26
④松尾昂明(100期・福岡)  06
⑤土屋智則(97期・群馬)   07
⑥奈須啓太(96期・福岡)   07

2012_0129_r12_0896  土屋に、やられたっ!!
 私がそう感じたのと、スタンドが奇声に包まれたのは同時だった。
「うわ、土屋、やりやがった!」
「ずるいぞーー、ツチヤーー!」
「そんなん、ありかよっ!」
 そんな奇声ばかり。当の土屋本人は、水面で何もしていない。松尾の外でゆっくりと艇を流しているだけ。ありふれた光景なのに、観衆はエキサイトしているのだ。もちろん、これには布石がある。優出選手インタビューで「動きます、動かないと面白くないでしょ!」と前付け宣言し、スタート展示で宣言どおりにゴリゴリ動いた。125/346の隊形を、ほとんどの人が絶対的なものと信じたはずだ。私も。

2012_0129_r12_0898  だが、本番の土屋は、目の前で飄々と艇を流している。宣言を覆し、スタート展示を覆している。みんな、やられた。何の変哲もない枠なりの待機行動の中、奇声は止むことがなかった。こんなに大騒ぎになる枠なり進入、今まで見たことないぞ。
 ミリオンアタックが、進入で終わっちまった。
 私は心の中で、1枚の舟券を捨てた。帯封を目指すべく、私は1-6-3を12000円買っていた。土屋が動いて、キーマンの松尾がカドでもない5コースになる。それでも、外の奈須先輩への思いも含めてシャカリキに攻めるから、1-6。枠なりでは、奈須の役目が土屋に変わる。いや、それ以前に、4カドなら松尾がまくってしまう。どっちにしても、1-6になる可能性は限りなくゼロに近づいた。
2012_0129_r12_0876  土屋に、やられたっ!!
 また、胸中で吐き捨てる。本当は、自分がバカだったと気づいている。土屋は何の反則も犯していない。スタート展示で深くなりすぎたから、本番ではやめた。そんな例は、何度も見てきた。選手の言葉もスタート展示も、一介の頼りない情報にすぎない。
 情報信ずべし、しかもまた、信ずべからず。
 博打の鉄則を、古人が明確に表現している。もしも博打打ちらしく土屋の“情報”を疑っていれば、4カド想定の松尾は「買い」になる。みんなが「松尾がカドでもない5コース」だと盲目的に信じた(共同幻想)分だけ、松尾アタマのオッズは飛躍的に跳ね上がった。今日の私は、土屋を1ミリも疑わずに、限りなくゼロに近い可能性に大枚を投じてしまった。何度復習しても、同じような過ちを犯すバカ。今日の私は、スタート以前のギャンブルに敗れ去った、気のいい間抜けなオッサンだった。
 あっちこちの奇声(私と同類)が、やがて力強い歓声に変わりはじめた。
2012_0129_r12_0929 「マツオーーッ、行ってまえーー!!」
「まくれ、松尾っ!!」
 そう、どんな進入予想だったかはともかく、松尾のアタマで勝負しているファンが俄然色めきたったのだ。そりゃ、そうだ。「松尾の4カド」なのである。
 と、思うと、また奇声。3コースの大池が、颯爽と艇を引いた。松尾の4カドが消えて、大池の3カドに。で、3カドというのは颯爽として見えるものだが、大池の内心はイヤイヤというか、非常手段だったはずだ。土屋を入れて4カドに引こうとしてたら枠なりに……想定外のスロー3コースじゃスタートも自信ないし、松尾にまくられるのも悔しい。だから、悔いを残さぬように艇を引いたのだろう。大池も、土屋にやられたひとりだったか。

2012_0129_r12_1079  そして、大池は遅れた。3カドと4カドでは、S勘がまったく違う。多くの選手がそう言っている。心の準備がないまま3カドに引いた大池には、難しすぎるスタートだった。大池コンマ26、松尾コンマ06。松尾の艇にロケットほどの加速度を与えるのに、十分なタイミング差だった。
 奇声がまた、大歓声に変わった。誰もがスリットからそれとわかる、豪快なまくり。インよりも4コースが活躍した今節を象徴する、美しいまくりだった。(Photos/中尾茂幸、text/H)


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H記者の『1-6にはじまり1-6に終わる!!』予想

 さあ、行こう、優勝戦。
 極選11Rの結果はわかりませんが、憲吾老どの、hiyoちゃん、燃える男さんなど読者の皆さんに貢献できなかった今節。最後の最後に、決めたい!!

12R優勝戦
◎①茅原悠紀(99期・岡山)  SS
 ②池永 太(97期・福岡)  S↑
▲③大池佑来(101期・神奈川) A
 ④松尾昂明(100期・福岡)  A(伸びSS)
 ⑤土屋智則(97期・群馬)  A↑
○⑥奈須啓太(96期・福岡)  A
進入125/346か152/346

 もちろん、キーマンは松尾。5コースから節イチの伸びで、4カド大池を越えられるか。あっさり越えれば弾みがついて、茅原まで攻め潰すでしょう。が、やはり5コース想定がネック。私の結論は、「ギリギリ越えられない」。27号機の底力で舳先を残した大池が、松尾に急かされる形で先に仕掛けるとみます。そして、その窮屈な攻めは、茅原まで届かない。茅原の逃げきりです。
 相手本線は、松尾マークからの決め差しだけを狙っている奈須。選択に迷いのない戦法は、かなり脅威のはず。1-6勝負で1-3押さえ。遊びでピンサロBOXを買い、ミリオンアタックはシルシどおりに……!!

3連単★勝負1-6-全、押さえ1-3-全、遊びピンサロBOX
ミリオンアタック★1-6-3に12000円(100万円に届く金額)

 今回の私の好調は、芦屋に入る前に立ち寄った児島の1-6流しから始まりました。最後の締めくくりも1-6で、悲願の帯封を掴みます!!


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“本紙予想”新鋭王座決定戦優勝戦

12R 優勝戦 
1コース想定=茅原 まくられ率3.7% 差され率16.7%
2コース想定=池永 逃がし率41.0%
展開のカギ①池永2コース時まくり/差し=8/8
展開のカギ②大池4コース時まくり/差し=4/1
展開のカギ③松尾5コース時まくり/差し=2/5
進入は125/346が濃厚か。まず、茅原は1コースまくられ率が激低。たとえば松尾がスタート決めて一気に出切ってしまえば、さすがに抵抗はできないだろうが、もしツケマイのようなかたちになれば、茅原は抵抗してまくらせない公算が大。こうなると、池永の2コース時はまくり勝ちも差し勝ちも同数で、ジカまくりも充分にあるタイプだが(今節は2回あった)、ここは差し構えとなるだろう。ダッシュ勢は、大池は4コース時はまくって勝つことが多く、松尾の5コース時は実は差して勝ったほうが多い。ただ、松尾の伸びを考えれば、ここはまくり狙いであることは間違いなく、スタート同体ならばまくり競りになる可能性もある。松尾がスタートのぞいていけば、大池は叩かれて不発に終わる可能性も。基本は茅原のイン逃げが濃厚と見た。大池または松尾のまくりがツケマイ気味になったときに、茅原が張れば池永の逆転も。この一騎打ちが勝負舟券だ。ヒモ穴は展開突ける外枠だが、内にまくり2騎いる奈須が面白い。
◎茅原 ○池永 ▲奈須  
3連単1=2-全 12-6-全


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