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競艇特集

優勝戦、私的回顧 江口、執念の3カドまくりで快勝!

 赤いカポックがスッと艇を引いたとき、桐生のスタンドに地鳴りが響いた。
「うわ、やった~!!」
「引いた~!!」
 凄まじい歓声。それはもう、レースが終わって勝者を讃えるような地響きだった。江口晃生、執念の3カド奪取。地元のファンが燃えないわけがない。大時計の12秒針が回って、江口が発進する。歓声のボルテージはさらに上がる。
「江口ィィィ、行け~~!!」
「江口~~~~!!」
 何十、何百人もが、スリットに突入する前から叫んでいる。驚いた。予想をはるかに超える声援だ。来場した客の、すべてが江口ファンに思えた。
 そして、スリット。
「よっしゃ、行った~!!」
DSC00845  手を高く掲げて、拍手する若者までいる。見た目にはほぼ同体なのだが、誰もが江口15号艇の伸び足を確信していた。深紅に染められたボートが、濱野谷を叩き、植木を抱き込む。懸命に抵抗する植木。2艇が並び、接触しながら流れつつ、江口の艇はスルリと植木の舳先をすり抜けていった。間一髪、マジギリのツケマイ。
 俺の前にいる何人かの客が、拳を真っ暗な上空に突き上げた。が、まだ勝利が決まったわけではなかった。植木とともに流れた内側から、狙いすました林美憲のまくり差しが突き刺さったのだ。ぴったりと江口の内に張り付く4号艇。江口の伸びも凄いのだが、林の伸びはそれ以上だったかもしれない。その差は半艇身、まるで江口の服を鷲づかみにして死んでも離さないぞ、という感じでへばり付いている。
 スタンドの地響きは鳴り止むことがなかった。
「江口ィ、潰せ、潰してくれ~!」
 江口にはふたつの選択肢があった。艇を外に持ち出して2マークで差しに回るか、そのまま艇を被せて力ずくで潰すか……迷うことなく、江口は後者を選択した。林を引きずったまま、2マークのブイに直進する。林も引かずに押し返そうとしたが、江口の執念のツケマイの前にズルッと滑り落ちるようにして失速した。この瞬間、第10回オーシャンカップのトロフィは、地元・江口の手に引き継がれた。
DSC00847  2周目のホーム、スタンドはもうお祭り騒ぎ。口々に「江口!」と連呼しながら、諸手を挙げて拍手する人、人……地元の選手がSGを勝つ。一度、平和島で野澤大二が勝つシーンを見たが、その比ではなかった。山崎智也と江口晃生。ここ数年、群馬支部で一線級を張りつづけている選手はふたりしかいない。山崎智也が欠場している今節は、江口ひとりに大きな重圧がかかっていた。その重圧を、ファンは知っている。
 3周をしっかり回り終えた江口は、ゴールの手前で派手なガッツポーズを披露した。花火が上がって、拍手、拍手、拍手。ここではもう、地元も他県も関係のない、ほとんど観客全員によるスタンディング・オベーションだ。
 ウイニング・ラン。ヘルメットを脱いだ江口が、まだ続く地鳴りを浴びながら笑顔で手を振る。その口元には、ただ嬉しいというだけではない、責任を果たし終えた男の安堵があった。数少ない地元レーサーである傍ら、選手代表の大役を任され、さらに15号機という超抜モーターまで担ったプレッシャーは、どれほどだったか。
DSC00850 「ココでの開催が決まった1年以上前から、このオーシャンカップを照準に置いた。シリーズの途中で弱気になりかけたこともあったけど、ゲスト(桐生では客を「ゲスト」と呼ぶ)の声援に応えなきゃ、という思いで頑張ることができました。以前にチャレンジカップで優勝したときより、数倍嬉しいです」
 表彰式で、共同記者会見で、江口は減量で痩せこけた頬を緩めっぱなしで胸のうちを明かした。やはりその笑顔には、深い安堵の色が入り混じっていた。
「終わったら思いっきりビールを飲もうと思っていたけど、そんな体力もなさそう。今はただ、ゆっくり横になりたいです」
 おめでとう、お疲れさま、そして、ありがとう。あの3コースから腹を括るように艇を引いた姿と、その瞬間の大歓声。こんなにスタンドと水面が一体となった光景を、俺ははじめて目の当たりにさせてもらった。江口のことだけを書いて、他の選手のファンには申し訳ないが、今回だけは許してほしい。俺の目は、凄まじい地鳴りに背を押されながら、ただただ、赤いカポックだけを追いかけていたのだ。(畠山、photo/ゆいちろ)

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【桐生SG】さよならオーシャン♪夏の海【最終日】 【競艇 blog AQUA BOO】
結局サメはいなかったよね>桐生 オーシャンカップは本日が最終日ですが11Rを終わって的中なしの坊主。 昨日のヒゲダンディ資金も底をついて青色吐息。 最後ぐらいビシッとコイ 続きを読む
受信: 2005/08/02 11:30:03
コメント

昨日、本場に行きましたが、準優12Rでの江口に対する歓声はすごかったですね。
JLCニュースで表彰式を見ましたが、やっぱりすごい歓声ですね。

3カド進入がスタ展以前みたいに多用されればレースが面白くなっていくと思います。

投稿者: ラリーズクラブ (2005/08/01 23:31:37)

記事を読んで、なんか幸せな気持ちになりました。私は地元の植木選手を買ってたので、ハズレましたが・・・・。
次回のSGは地元の若松です。
グランドスラムを達成してのウイニングランの植木選手の姿が浮かんできました~。

投稿者: ゆっけ (2005/08/01 23:51:13)
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