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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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カドを凌ぐカド受けまくりで菊地、SG初V!

 菊地がまくるか、今垣と西島が残すか。勝者は別でも、レースの焦点はそれだけだと見ていた。
 神聖なファンファーレとともに、6艇が一斉に飛び出す。スタンドのファンは、まだ静かだ。おそらく植木がいないせいなのだろう。だが、オレンジブイで西島が豪快なモンキーを繰り出すと、観衆はドッと沸いた。
「またインや~!!」
DSC01218  若者が叫ぶ。スタート展示で同じようなモンキーターンからインを強奪した西島。本番でも……と思わせたが、さすがに深すぎる進入を嫌って今垣に内を譲った。今垣、西島がすんなりおさまり、やや後方に菊地。満を持して智也、辻、田村の3艇が水飛沫をあげて遠ざかってゆく。152/346の3対3進入。予想通りだ。また思う。
 菊地がまくるか、今垣と西島が残すか。
 菊地はカド受けのスローだが、この思いは変わらなかった。それほど今シリーズの菊地の伸びは凄まじいのだ。暴力的といってもいい。唯一、菊地と同様にスリットから1艇身近く突き抜ける男がいたが、その男、植木通彦もいない。
 大時計が回る。心臓が高鳴る。
「トモヤ~~、まくれ~~!!」
 鮮烈なカドまくりを決めた準優の余韻がまだ残っていて、あちこちから「トモヤ」の声が聞こえる。その智也がふんだんにとった助走距離を生かして、内3艇に迫る。智也か……!? 一瞬その伸びに目が奪われたが、その視線はすぐに内に向いた。智也と同じような足色の菊地がいた。そして、スリット直前で菊地はツインカムターボを噴射させた。キュイッという感じで、半艇身ほど西島を置き去りにする。スリットを過ぎて1艇身。ダッシュの智也も併走するが、足色はやはり同じ。
「まくりだ!」
DSC01222  心の中で叫んだときには、もう菊地がインの今垣まで呑み込んでいた。今垣と西島が無念の航跡を引きながら流れてゆく。菊地をマークした山崎はこれっきゃないという鋭角モンキーで、その2本の航跡を超える。この瞬間、優勝争いは2艇に絞られた。菊地か、智也か。智也の舳先が菊地の艇尻にかかった。内にハンドルを切って、菊地が振り払う。智也が失速して2艇身差。また菊地が伸びる。1周2マーク、伸びの差で水が開いたはずの智也が、また超鋭角のモンキーで2艇身後方にへばり付く。
「まだまだ、SGウイナーの仲間にはさせねえぜ!」
 そんな気迫が伝わってくるターンだ。が、直線で3艇身、そして2周1マークで2艇身、またバックで3艇身……。離されないが、近づかない。恐らく菊地は生きた心地がしなかっただろう。相手は智也だ。マークを1度でも外せば、あの天才レーサーの差しが突き刺さる。俺は同じような展開から智也が逆転したシーンを何度も見てきた。5艇身先を走っているのに、ブイに接触して転覆した艇もいた。SG優勝戦ともなれば、なおさらのこと。
 しかし、菊地は最終コーナーまで一度もターンマークを外さず、2艇身~3艇身のアドバンテージを保ったままゴールした。ガッツポーズ。ドンッと一発花火が上がってMB記念が終わった。優勝は菊地孝平。前回のオーシャンカップでも、その前のグラチャンでも低調機に苦しみ水面を這っていた。惨敗続きで敗者戦に回っても、菊地はほとんど毎日一番乗りで特訓水面に飛び出していた。何度も何度も足合わせを挑んでいた。そんな不断の努力が、智也の猛追に耐えうるだけの精神力を生んだのだと思う。
DSC01224  ウイニングランとともに、何発もの色鮮やかな花火が打ち上げられた。カドを圧倒するカド受けまくりの快勝。手を振って観衆の声援に応えるニューヒーローの顔が、花火とともに赤、青、黄……虹色に染まっていた。(畠山)


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受信: 2005/09/05 0:06:06
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