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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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横溢する気合と頬緩むシーン――2日目、後半のピット

SANY0176  前半「本体に手をつけた」と報告した服部幸男。そこで服部が何をしたかというと、「クランクシャフト交換」。あれから大整備をしたわけだ。モーターの背骨とまで言われるクランクシャフト、それを換えることでモーターの大改造をほどこしたわけだが、これがどうやら当たったようだ。12R、インから力強い逃げ切り。「モーターにパワーが出た」と服部も証言している。もちろん、彼自身まだ万全とは考えていないらしく、明日からさらにパワーアップするべく調整をするわけだが、これで戦いにメドは立ったと見ていいだろう。5人が参戦している静岡勢は、ここまでやや苦戦気味。今日の1着で勝率6・00とした服部が最上位という状況だが、明日からの追撃体勢はこれで整った。大将格の服部を中心に、渾身の走りを期待したい。

SANY0161  その静岡精鋭部隊の一人、菊地孝平。勝率6・00で服部とタイ、1着がない分だけ服部より下のランクだが、きっちり着順をまとめて、上位をうかがうポジションにはつけている。まだまだ足には納得していない菊地、今日は遅くまで試運転を繰り返していた。引き上げたのは11R前。とにかく熱心に乗り込んだのだ。
 この菊地、朝特訓では常に一番乗り組で、レース間の試運転もいつだって懸命に行なっていた。優勝したMB記念はもちろん、モーターがまるで噴かず、苦戦を続けたそれ以前のSGでも、同様の姿を見かけたものだ。たとえ一般戦回りの5日目6日目であろうとも、である。この真摯さが、MB記念の優勝をもたらした一因だと僕は思い込んでいるが、今日の動きを見れば、それは確信に近いものになる。この男、まだまだ強くなるはずだ。

SANY0142  試運転といえば、昨日は西田靖と笠原亮がいちばん最後まで行なっていたが、今日は中野次郎だ。ピットに引き上げてきたのは、なんと12R前。本当に最後の最後まで水面に出ていたのだ。今節、登番がもっとも新しい彼は、陸の上でも大忙し。若手の仕事をこなし、そのうえで自身の調整もしなければならない。ピットで見かければ、移動の際はほとんど駆け足。新人だから、当然の宿命でもあるのだが、傍観者としては感心するしかない。試運転を終えたあとも、ボートとモーターの片付けもそこそこに、先輩のボートに翌日の艇旗と艇番板などを配り歩く。それが終わった後、ようやくモーターの格納。とにかく、汗をかきまくっているのだ。
SANY0168  試運転終了後、大急ぎで上がってきた中野を偶然見かけたのが、12Rを控えた高橋勲。神奈川の先輩だ。揚降機に駆け寄った高橋は、中野のボートを運ぼうと艇の先端についている取っ手を引っ張った。中野はまさか誰かが自分のボート引き上げをしてくれるとは予想していなかったらしく、素早くボートから降りようと立ち上がった瞬間、ボートが引っ張られてグラついた。「うわぁぁぁ!?」。ふと目を上げると、高橋が手伝おうとしているのを見つけて、慌てて「すいません」。驚いた声をあげた中野に、高橋は「ダハハハハハハハッ!」と大笑いだ。いいシーンだよなあ。中野よ、今節中の水神祭を期待してるぞ。我々の取材を取り仕切ってくれている全モ連・大野氏は、本栖の教官だった時代、86期を担当。つまり、中野は大野氏の教え子だ。大野氏も水神祭を見たがってるぞ。中野、頑張れ!

SANY0171 “整備の鬼”今垣光太郎が、8R後に整備室にこもった。その8Rも、電気一式を交換して臨んだ今垣。3着ともうひとつの結果だったこともあり、まだまだチューンアップをはかる心積もりのようだ。正直、表情はやや曇りがちに見える。すべてのレースが終わった後でも、晴れやかな表情には程遠い。しかし、鋭い眼光でモーターをいじる今垣は、まさしく“いつもの今垣”。今回はピストンとピストンリングは新品しか交換できないため、そこには手をつけないと言っていた今垣だが、ならばと思い切って手を入れたのが電気一式。今垣らしい、と言うしかない。この成果が出るかどうか、まずは6号艇と不利な枠に入った6Rに注目してみたい。

SANY0136  左の写真をご覧ください。11R1号艇で出走した原田幸哉を、展示航走の前につかまえて撮影させてもらいました。で、さらに。昨日アップした原田の写真も見てください(リンクをクリックしてください)。これは昨日の前半に撮影した写真。昨日の前半は5R4号艇です。それぞれの原田幸哉には違いがあります。さて、どこでしょうか?
 正解はズボン。今日は白で、昨日は青。そう、枠色に合わせた色を履いているのであります。毎回毎回だったかどうかはちょっと記憶が薄れているのだが、あるとき原田がレースで着るカッパと同色のズボンを履いていることが多いのに気がついた。2回乗りのときは、前半と後半でズボンを換えていたりするのだ。で、今日も白を履いていたので、思わず声をかけた次第。それを僕が指摘すると、原田は「遊び心です」とニッカリ笑った。たしかに、レースを見ているお客さんは原田のズボンなど注意して見てはいないだろうし、それは僕も同じこと。選手仲間だって、いちいち気にはしていないだろう。だが、美は細部に宿る、という。こんなところにも気を配る原田は、素敵だと思う。彼のスピード感溢れた華麗なレースを彩るのは、間違いなくその「遊び心」だと思った。

SANY0139  さて、ピットに行くとソワソワしてしまうほど気になる山崎智也。6号艇で出走した10Rは、スタート展示では5コースに入ったものの、本番では6コースに出されてしまい3着。まずまずのレースだったとは思うが、ピットに上がってきた瞬間、熊谷直樹に声をかけられて渋い顔を見せた。智也のこんな顔は初めて見たような気がする。6コースで3着、まずまず。こんな発想はないのだろう。勝負師としての一面を見た思いだった。
  で、次の11R。僕が水面のほうに出てレースを見ていると、隣に選手らしき人がやって来た。ちらっと見ると、うがががががっ、と、と、智也ーっ! 僕らは並んでレースを見ることになったのである。智也に気づいたのはレースが2周1マークに差し掛かったあたり、そこから先はもうレース観戦どころではありません。とりあえず写真を撮らせてもらいました。
SANY0163  さらに。12Rが終わってそろそろ記者席に帰ろうかと思っていると、智也が視界に入った。ん? ん?んんんんっ? こっちを見てる! 目が合った瞬間、智也が僕のほうに歩いてきた。会釈すると、智也は「明日の出走表ってある?」。あ、あ、あ、ありまーーーすっ! たまたま持っていた出走表を智也に渡し、一緒に覗き込む。当然、智也が探しているのは自分のレース。僕が先に見つけて指を差すと(8R4号艇。1回乗りです)、智也はざっとメンバーを見て、ちょっと顔をしかめたように見えた。ひとつ外の5号艇に尊敬する先輩・江口晃生がいるからか、と想像したが、真相は果たして。見終えた智也は「ども」と言って、去っていった。僕は智也の背中に向かって思わず、「明日も頑張ってください」。軽くうなずいて、控室に向かった智也だった。うーーーーーむ、昨日から緊張する瞬間の連続である。かなりたじろいでいる、黒須田なのでした。(黒須田守)


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しげ爺の全日本選手権予想 (3日目) 【しげ爺の競艇予想】
管理人のしげ爺じゃ。 2日目の結果は、全然予想が当たらずダメダメな結果じゃった。 わしの予想を参考にしてくれた読者方々、本当に申し訳なかったのう。 [@nifty 競艇特集] のK記者殿同様わしも予想引退した方が良いかもな・・・ しかし!わしは往生際が悪いんじ... 続きを読む
受信: 2005/10/27 0:22:32
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