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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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心地よい騒々しさ――初日、後半のピット

SANY0054   すでにほとんどの選手たちが1走を終えた後半。レースでの足色を掴んだということもあってか、ほぼ全員が整備、ペラ調整に集中している。試運転に出て行く選手もかなりの数にのぼり、明日からの戦いに向けて牙を研いでいる雰囲気がピットに充満している。津のピットは、これまで取材した場に比べてやや狭いのだが、そのせいもあって、空気が慌しさをかなり帯びている。モーター音、ペラを叩く音、選手たちの話声、それらが和音のように響いてもいる。ダービーの初日を迎えているのだと思えば、実に心地のいい騒々しさだ。
SANY0092 初日1着2本と絶好のスタートを切った烏野賢太は、レースが終わってもペラ調整に余念がない。かなり細かい部分を一心不乱に叩いているのだ。ピンを並べても、まったく油断はない。その表情には崇高さすら漂っている。結局、ドリーム戦が終わるまでペラを叩き続けた烏野。この勢いは明日にも引き継がれる可能性大と見た。このペラ室(というか、整備室の隅のほうに設けられたペラ調整スペース、といった感じ)、今日はとにかく入れ代わり立ち代わり、選手がやって来てはペラを叩く。満員御礼状態だ。初日らしい光景、と言えるかもしれない。
SANY0989  奥の整備室でも、選手たちの姿が数多く見られる。長くモーターを整備していたのは、川崎智幸、佐々木康幸、中村有裕、柏野幸二といったところ。柏野は今日の6R、3コースから見事なマクリ差しで1着を取っており、そのレースぶりからは足的な不安はあまり感じられなかったのだが、本人的にはまるで納得がいっていないのか、やはり12Rが終わるまで整備を続けていた。中村も、今日は2着2本。それなりに好感触かと思いきや、こちらもまだ満足はしていない様子だ。整備を終えて、試運転をしないまま格納した彼ら。明日の気配には注目してみたい。

SANY0074  10レース、11レースともなれば、もはや試運転ピットにはほとんどボートが繋がれていない。すでにその日の出走を終えた選手たちは、とっくにボートを引き上げて、あとは動くにしても整備かペラ調整となるわけだが、今日の11レース前、その試運転ピットから2つの艇が勢いよく飛び出した。西田靖と笠原亮である。
 西田については、前半でもその姿勢を称えたばかりだが、後半でも同じ姿を見かけた、ということになる。先述の烏野や柏野、中村と同様、彼もまた7R1着と好スタートを切っているのに、そのことに安閑とすることなどないのである。そして、笠原もこれまで取材してきたSGすべてで、常に懸命なチューンアップをはかり、最後の最後まで試運転に励んでいた。その2人が、いちばん最後まで水面を走り続ける。ベテランにしてこの上昇志向の西田には尊敬の念しかないし、若くしてSGをイワしても慢心することなくレベルアップを追求する笠原には頭が下がる。心から、素晴らしいと思う。
SANY0082  笠原は、どうも「今日の朝はすべてが最悪だった」らしく、それを1日かけて少しは改善したらしいのだが、試運転を終えて二人してピットに戻ってくる際、アイドリング状態で併走しながら、西田が大声で「良くなった?」などと気にかけていた。笠原も大きな声で西田の問いかけに応える。西田も笠原も、応援せずにはいられなくなった。

SANY0037   10レース、見事に差しを決めて快勝した原田幸哉。めっちゃくちゃご機嫌でピットに戻ってきた。出迎えた東海地区の若手選手と笑顔でじゃれ合う。菊地孝平、赤岩善生、伊藤誠二(先輩だが)らの笑顔が弾け、ヘルメットの下で原田の目もくにゃりと曲がっていた。前半は不本意な走りとなってしまったが、これで胸のつかえも取れたのか。弾むように勝利者インタビューに向かう姿が印象的だった。
SANY0005  7レースで、激しい2着争いを制した池上裕次も、気分が良さそうだ。競った服部幸男と比べて、明らかに伸びが上回っていただけに、明日からの戦いにもメドが立ったということだろう。関東地区の選手のボート引き上げの際には、熊谷直樹らと会話を交わし、満面の笑顔を見せている。不惑を超えているとは思えない若々しい表情に、5年前のダービー再現の可能性を見たぞ。

DSC01325  とにかく明るい今村豊。某スポーツ紙の旧知の記者とふざけ合う。「俺が引退したら、入社させてよ」「給料安いですよ」「何言ってんの? 俺が入ったら、すごいことになるんだから。○○▲▲スポーツが、世界▲▲スポーツになるよ(○○には、某地名が入ります。○○から一気に世界に誇るスポーツ紙になる、ということでしょう)」元気いっぱいの今村は最高だけど、引退のことを考えるのは早すぎるって! たしかに体調不安は拭えない今村だけど、まだまだ走ってもらわなければ困ります!
SANY0097  無事故目標と言いながら、やっぱり今村豊、ドリームはきっちりと2着を守った。やはりモーターは好調のようだ。レース後、濱野谷とすれ違うと、「頼むよ~~~~」と濱野谷にいちゃもんだ。もちろん、顔は笑っていて、ジョークを飛ばしてじゃれついているわけです。「もう、やっちまったかと思ったよ~」と、Fを切ったかとヒヤヒヤした、ということなのか、それともマクってきた濱野谷を牽制したことで不良航法でも取られると思ったのか。ともかく、笑顔いっぱいでした。いやあ、ほんと明るい今村豊。この調子で、ぜひとも上位進出を!

DSC01295  さて、もう気になって気になって仕方のない山崎智也。午後の早い時間に試運転から上がると、あとはペラ調整をかなり入念に。ドリーム組のなかでは、ボートを水面に下ろして展示用ピットにつけるのがいちばん最後になった。ドリームでは敵となる赤岩とペラについて話し込むシーンも見られたが、近況好調の智也のノウハウを赤岩が質問しに来た、という感じだった。聞きに来れば快く教えましょう、でもレースでは手加減しないよ、ということだろう。そんな智也もまた、カッコ良し。
SANY0069  で、ですね、あまりにも気になりすぎて、私、ついに智也に声をかけてしまいました! 展示用ピットにボートを係留し、引き上げてきた智也とバッタリ出会った瞬間、思わず目線をもらう写真を要請したわけです。智也は「はいっ」と応えて、はいチーズ。僕がお礼を言うと、ニッコリ笑って会釈を返した智也。うがぁぁぁぁぁ、緊張したーっ! ともかく、これでまた明日も気になることが確定。ドリーム3着はまずまずの初戦、明日からは一気に突っ走ってくれ!(黒須田守)


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