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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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締まった空気――賞金王シリーズ、3日目前半のピット

2005_12_20__035  賞金王決定戦、開幕!……といえども、こちら賞金王シリーズは予選3日目の大切な闘い。準優進出に向けて、1点でも2点でも多くポイントを稼いでおきたい、力のこもる一日である。ピットでの注目は、どうしても5分の1(12名)に向けられがちになるわけだが、12人と決定的な差があるなどと考えている者は、48名のなかに一人もおるまい。ピットの空気がカキンと引き締まったように思える今日、その雰囲気を作っているのは何も決定戦出場選手だけではない。

2005_12_20__036  尻上がりに成績が良化している白水勝也。3走19点はまずまずの結果だろう。ただ、今日は7R1回乗り、6号艇での出走。予選を突破するためには、まさに正念場となる。といっても、山本浩次並みに淡々としているのが白水。肩に力が入っている様子もなく、また焦燥感みたいなものもいっさいない。黙々と調整をして、黙々とレースに臨む。それが白水勝也である。派手さはなくとも、確実にポイントを重ねていくのが白水スタイル。賞金王というお祭り的な場であるからこそ、その静かな戦意がアドバンテージとなるのではないか。白水のたたずまいを見ていると、そう思いたくなる。

SANY0307  成績も好調、足にも当たりが出始めている坪井康晴は、やはり好ムードを感じる一人である。気温が上昇し、調整に奔走している選手が多い中、比較的ゆったりと過ごしているようにも見受けられる。もちろん、ペラを調整している姿は真剣そのもので、さらなる上積みをもくろんでいるのも間違いない。ただ、何というのだろう、仕事に集中している姿にも、たくましく包む余裕の膜が一枚見えるような、そんな気がしてくるのだ。いわゆる一皮剥けたときに、次に姿を表わす強靭な膜、というか。何を言ってるのかよくわからなくなってきたが、とにかく、大仕事をしそうな雰囲気があるということだ。絶対に気にかけておいたほうがいい一人である。

2005_12_19__402  今日も渋いぞ、倉谷和信。間違いなく、優勝を意識していると思えるのだが、どうだろう。もしかしたら太田和美や田中信一郎にとっては不本意な言い方かもしれないが、松井繁が暮れの住之江にいないのは、やはり異常事態である。松井こそ、大阪の頂点であり牙城。その異変をピリッと締めるのは、やはり倉谷の役目。選手代表として全体を統率する仕事もそうだが、その走りでなにわスピリッツをアピールしなければならないのだ。田中信一郎との大阪タッグは、その雰囲気においても超強烈。後半9Rは5号艇と枠は遠くとも、無視するわけにはいかない。

 頭が下がるというか、エライというか、池上裕次の献身ぶりは、いったいどうしたことだろう。自分の仕事はそっちのけで、他の選手たちの世話を焼いているのだ。プロペラの自主チェックの中心にいるのも池上。後輩たちに優しく声をかけているのも池上。レースが終わると、引き上げのヘルプに全速力で向かうし、もう、ご立派!の一言なのだ。でも、もっと自分のために時間を使ってもいいんじゃないかなあ……などと思っていたら、おぉ、2005_12_19__036 1R終了後、他の仕事のかたわら、モーター整備にかかり出した。予選突破はやや苦しい情勢になってしまったものの、このままでは終われない。明日のレースで一発があってもおかしくないぞ。というか、このままではあまりに報われないじゃないか。

 さて、今日の気になる男は吉川元浩。闘志満々、といった風情でピットを歩いていた。試運転も精力的に行なっており、貪欲に勝利を目指す狼のようだ。いつも格闘家を思わせる鋭い目つきの吉川、今節は笑顔を見る機会も多い。精神を研ぎ澄ませつつ、ひとかけらの余裕も潜ませている、といった感じだろうか。今日は8Rに登場、狙いすました一発があるか?(PHOTO=SHIGEYUKI NAKAO+黒須田 TEXT/黒須田守)

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