この特集について
ボートレース特集 > 闘志と悔恨が渦巻く――2日目、後半のピット
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

闘志と悔恨が渦巻く――2日目、後半のピット

 地元勢、快進撃! エース・森永淳が2日目ピンピン、岡部大輔は昨日に続いての1着で2戦2勝(現時点で予選1位)、三井所尊春も前半レースで初日が出て、中尾誠は2着2本、松江秀徳は2着3着と、軒並み好着順が並んでいる。選手代表を務める小野勇作は苦境に立たされているが、参加52選手を牽引するという重責をきっちりと果たしている(昨日、話を聞いたら「やっぱ大変っす。でも、頑張ります!」。頑張れ!)。とにかく、佐賀6人衆は、完全に勢いに乗っている。
SANY0427  森永は、とにかく気合がパンパンに乗っている。後半8Rではインから1着。2連勝を決めて、さぞかし大喜びしているだろう……と思いきや、ピットに上がってきたときには笑顔など少しもなかった。むしろ渋い顔で、出迎えた佐賀勢とアイコンタクト。勝てばいいってもんじゃない。準優へ向けて、いや優勝へ向けて、気がかりな部分があるからには、笑ってなんかいられない! そんな気迫を感じるのだ。レース後は、穏やかな様子で笑顔も見せてはいるが、そんなときでも胸の奥にたぎる何かが透けて見える。 森永、お前は男だ!
SANY0455  負けナシで2日目を終えた岡部は、とにかくご機嫌。モーターは超抜、結果も出ている、これで気分が悪いわけがない、といった雰囲気である。9Rは、コンマ05のスタート。黄色いベストの仲間入りを果たしてしまったわけだが、吉永則雄や顔見知りの記者に「あはは、着させられてる」とからかわれても、その笑顔に苦笑いは1割くらいしか混じらない。もう、絶好調!なのだ。明日は6、10Rの2回乗り。10Rは井口佳典との再戦である。今日は1号艇に入りながらマクられてしまった井口は、「岡部君の行き足はすごい」と舌を巻いていたが、SG戦士の意地としても、明日は返り討ちにせんと牙を剥くはず。GⅠ初出場の岡部にとって、明日の2走は試金石となるはず。明日もこの笑顔が見られたら最高だ。

SANY0478  そんな佐賀勢とは対照的に、レース終了後に急いで整備室に駆け込んだのが、松井賢治。後半の出走は10R、6着。得点率3・00と苦戦気味で、なんとか立て直したいのだが、今日はもう残された時間がわずかしかない。レースが終わってホッと一息、なんて休んでいる場合ではないのだ。閑散とした整備室で、一人モーター調整に励む松井。飄々とした表情ながらも、目には真剣な光が宿っていた。兵庫といえば、取材班としてはシラケンサンバこと白石健を応援しているわけだが、後輩・松井にはまさにマツケン・サンバを捧げたい。オーレッ!
 もう一人、杉山正樹も長い時間、整備室に。噂のエース機・64号機を引き当てて、初日は3着2着。しかし今日、5着と点数を落としてしまったことで、軌道修正を決意したようだ。下降気味という説もあったエース機、たしかに期待通りの動きというわけではないのだろう。絶好のチャンスを得たはずが、2日目にして多忙な時間を強いられてしまった杉山。この甲斐あって、明日は超抜パワーを取り戻すことができればいいのだが。

SANY0491  市橋卓士が見事にまくって勝った10R、顔をゆがめてみせたのは、中村有裕。同期の小野勇作に声をかけられて、言葉少なに苦笑いを見せて、直後に目から笑いが消えた。ドリーム2着に、この10Rで4着。得点率的には決して悪くはないが、彼自身はひとつも納得などしていないのだろう。着替えをすませると、足早に整備室に入り、手早くプロペラを外して、ペラ調整室へと駆け込んでいった。イライラしているとまでは言わないが、心穏やかでない様子である。明日は待望の1着なるか。

SANY0483  湯川浩司が、悔しさをにじませた。11R、1号艇。彼としては、確勝を期して臨んだはずだが、同期・高沖健太のまくりを受け止めている間に、荻野裕介に差し抜けられてしまった。なんとか2着は確保したものの、前半の不運な6着が尾を引いて、予断を許さない状況。取りこぼしてしまった2点が悔しい……。出迎えた石野貴之は、湯川と顔を合わせた瞬間こそ、笑顔を向けていたが、ヘルメットの奥の表情を察したのか、すぐにともに悔しがるような表情となった。ほんの一言二言、声をかけあって、すぐに石野に背を向けた湯川。石野も、湯川を気遣ってか、それ以上は何も言わず、ボートのほうを向いた。この気分の重さが、きっと勝利のチッチキチーを弾けさせる。湯川よ、明日はリベンジを果たせ!

SANY0449  8Rで2着、なんとか中堅どころで踏みとどまった福来剛。それでもレース後は、整備室でモーターの点検を入念に行なっていた。彼にとっては、上位に食い込むためのきっかけとなる2着でもあり、だからこそさらに足を上向かせたい、そんな思いが芽生えているのだ。そこにやって来て声をかけたのが、“亮太スペシャル”こと中村亮太。5R3着後は、もうやることありませ~ん、とばかりに、記者さんや全モ連・大野氏(86期の教官を務め、亮太は教え子なのです)とニッコニコで雑談に興じていた亮太。福来にも、やっぱりニッコニコで近づいて、なにやら話し込んでおりました。二人の明日の戦いや、いかに。

SANY0443  一貫して淡々としているように見えるのが、東本勝利。昨日の後半6着が惜しいが、2着2本とそこそこの成績。そのせいもあって、それほどバタバタしていないのであろうが、それにしても実に落ち着いたたたずまいである。“ミスター不動心”こと山本浩次とはちょっと違った感じだが、逆に言えば26歳の若さでこの落ち着き、僕も見習いたい……ではなくて、なかなかできないことである。写真は、9Rの井口佳典を出迎える様子。淡々とした様子が伝わるでしょうか……。

SANY0435  唐津にウルトラマンがやって来た! 幼い頃の記憶が甦り、はしゃいで駆け寄ってみたら、今節最若手の91期・川上剛選手でした。今日は1R2着で、ゴンロクだった昨日から少しだけ巻き返した川上。その後は、午後の深い時間まで、試運転、ペラ調整などで、忙しく動き回っていた。彼の服装がウルトラマンだと気づいた瞬間、「シュワッチ!」とポーズでもとってもらおうかと思ったのだが、その働きぶりを見ていたら、とてもそんなことはお願いできません。こうして写真を撮るのが精一杯でした。「それ、ウルトラマンですよね」と確認すると、タハッ、と照れくさそうな笑みを見せた川上。明日はM78星雲スペシウムターン(?)で、怪獣のような先輩たちをやっつけろ!

SANY0474  最後に、その真摯で懸命な姿に感心しているうちに、気になる存在になってきた笠原亮。昨日、ピット内モニターでレースを見ていたら、「ニフティってことは、インターネットで記事を書いているんですか?」「賞金王も写真とか載ってるんですか?」などと声をかけられて、あまりにも嬉しく、ミーハー魂が爆発してしまったこともあるのですが……だはは、まったく個人的な感情で応援するぞ、笠原亮! それはともかく、12Rの展示を待っている間の笠原には、やはりこれまでのSGで見てきた彼とは違うものを感じずにはいられなかった。やはり、ここでは格上なのだ。そしてきっと、彼自身、それを自覚している。いや、無意識に、なのかもしれないが、笠原の中にはたしかにSGウィナーとしての誇りと、この舞台ではチャレンジャーではいられないという責任感が、ひしひしと渦巻いている。その12Rは6着。一気に苦しい星取りになってしまったが、だからこそ、明日の笠原はさらに一味違う、と思う。これは個人的な感情ではなく、見逃したら損をするほどの強烈な走りを見せるはずだと確信するのだ。(黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
コメント
コメントを書く




※メールアドレスは外部には公開されません