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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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瑞々しい!――新鋭王座、前検のピット

SANY0093  最初に正直に申し上げておく。私、今回初めて顔を見る選手が大半なのです、この新鋭王座決定戦は。唐津入りする前に、パンフレットなどでしっかり予習をしたのですが、ピットではやはり即座には名前が浮かんでこないことも多々あり、どうしても登番と突き合わせて確認せざるをえない状況。選手の皆さんには本当に失礼な話なのだが、しかしこれぞ新鋭王座決定戦、とも言えるわけで……。もちろん、一両日中には、きっちり全員をすぐに認識できるよう、ピットに張り付く所存ではございます……。
SANY0122  で、何が言いたいのか、というと、SGジャンパーの存在感は、やはりこの空間にあっては図抜けて際立っている、ということである。もちろん、これまでのSG取材でおなじみの顔ばかりであるから、「おぉ、湯川」「おっ、丸岡」「おっと、井口」と視界に入った瞬間に認識できることも影響してはいるだろう。しかし、それでも彼らの雰囲気は、一味違うと言わざるをえない。最高峰の戦いをくぐり抜け、鬼たちと対峙する修羅場を経験してきたSG経験者たちは、やはり何かが違う。この新鋭王座もビッグレースには違いないが、彼らにとってはもはや、よそゆきの顔をする必要などどこにもないのだ。しかも、実績上位であるからには、シリーズの主役を担わなければならないという自覚も、彼らにはあると思う。そんなこんなが溢れ出して、彼らを一回り大きく見せているのではないか、と考えてしまう次第なのだ。
SANY0133  たとえば、湯川浩司。SG戦線においては、活きのいい若手、というのが、現時点での彼のポジションだろう。しかし、今日の湯川は悠然にして、泰然。早くも優勝を射程圏に捉え、特別な精神状態に入っているように見える。森高一真も同様。「今日は早めに帰りますよ」と顔見知りの記者に話して、作業も早々に切り上げ、比較的ゆったりと過ごしていた。いちばんのんびりしているように見えたのは、丸岡正典。なんだか、余裕綽々だ。うむ。やはり彼らの動きからは目が離せない。言うまでもないことなのかもしれないが、シリーズを引っ張っていくのがSG経験者たちであることを、ピットで改めて確認した前検日である。

SANY0178  というわけで、SG戦士たちの動向から。ドリーム戦1号艇で出走する中村有裕。モーター調整、点検をかなり入念にしていた。ドリーム組のなかでは、整備室にこもっていた時間は圧倒的に長く、明日への準備に余念がないといったところだ。新鋭王座、1号艇、中村有裕といって思い出すのは、宮島で行なわれた昨年大会の優勝戦。王座を手にする絶好のチャンスで、ユーユーは2着に敗れてしまった。今節は彼にとってリベンジの舞台だが、その初戦で再び白いカポックを着る。幸先のいいスタートを切るためにも、明日のドリーム戦で、1号艇の悪夢を払拭したいところだろう。明日も、妥協のない調整に励むユーユーが見られることと思う。
SANY0174   ドリーム5号艇の中野次郎も、ユーユー同様に整備室で過ごす時間が長かったが、たたずまい自体は非常に落ち着いた印象を受ける。他選手のボート引き上げを手伝いに出てくる際も、どたばたしたところは少しもない。ひたすら、いい雰囲気をたたえていると言っていいだろう。ドリーム戦、穴ならこの男と見たが、どうか。

SANY0149  一方、ピット内を走って移動していたのが、笠原亮だ。おぉ、SGでの様子とあまり変わりがないではないか。スタート練習、展示のあとは、整備室に直行。点検をテキパキとして、駆け足でペラ調整室へ。トントンとペラを叩き、お次はボート揚降機にダッシュ! ボート吊りを手伝って、またまたダッシュ! ペラ室に飛び込んで、またトントントン。間違いない、笠原の去年のブレイクは、この姿勢にある。SANY0162 いつでもどこでも全力投球。今年も僕は、笠原のこんな姿に感心させられまくるのだろう。それでも、作業を終えたのは、割と早めだった笠原。丸岡と談笑していたが、さすがにSGウィナーのオーラが出ておりました。うむ、やっぱり応援せずにはいられないな。

SANY0109  SG経験者以外で、もっとも目を奪われたのは、表憲一だった。穏やかかつにこやかな顔つきで、誰かに声をかけられると、ほよほよっと相好が崩れる。人の良さそうな表情には、慌しい前検のピットにあって、実に癒される次第である。登番は上から2番目の4003。いろいろな意味で、選手たちを牽引していくはずである。現時点では伏兵的な存在ではあるが、その走りに注目してみたくなった。勝利の笑顔もきっと、最高なんだろうなあ。

SANY0190  常に報道陣に取り囲まれていたのが、中村亮太。ふと見ると記者の取材を受けており、数分後にもう一度見てみると、今度は別の記者の取材を受けている。僕がいったんその場を離れて、15分後くらいに戻ってみると、中村はまたまた別の記者の取材を受けている。次から次へと、記者たちが彼をつかまえて話しかけているのだ。中村といえば、独特のプロペラを作り上げて、話題になっている。艇史に残る傑作『モンキーターン』の洞口スペシャルにインスパイアされて研究、開発した亮太スペシャル。今節も多くの関心が集まっているのだ。ニッコリと、胸を張って取材に応える中村。亮太スペシャルが大舞台で旋風を巻き起こすかどうか、やはり注目するしかないだろう。

SANY0120  噂のエースモーター・64号機を引き当てた杉山正樹。昨年は優出した杉山、今年もエース機を味方に暴れまくるか……と思いきや。「勝率の足はないですねえ」と苦笑い。下降気味という噂は、本当だったのか……。それでも、決して暗い表情ではなかったから、立て直しての大活躍も充分ありうる。まずは、明日の動きにも注目してみよう。

 それにしても、新鋭王座のピットは、さすがに若い! 瑞々しい! SANY0083 考えてみれば、選手たちはみな20代、つまりはみーんな僕より年下。もっとも先輩の選手でも、約10歳も下なのである。いやあ、なんだか30代半ばをすぎたオッサンも、若返るような気がするピットであります。彼らに負けずに、元気ハツラツで行こう!と盛り上がってきたぞ。選手たちも、若さ爆発で頑張れっ!(黒須田守)


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コメント

読んでてちょっとはっとしました
ふだんSGに出ている連中は「鬼」なんですね
たぶん顔とかだけじゃなくて雰囲気に鬼気迫るものがあるんでしょうね
今年もそういう雰囲気の伝わる記事楽しみにしています

投稿者: おーふぉ (2006/01/23 23:49:50)
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