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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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ピット特注・海野ゆかりに直撃!

「海野ゆかりに変化の兆しが見える」
 2日目のピット情報で、僕はそう書いた。今節の海野は、明らかに何かが違う。それも、いわゆる変調ではない。なぜか一回り大きく見えるのだ。
 これまでピットで海野を見たのはSGで、これはGⅠ、しかも女子限定戦であるということも関係しているのかもしれない。格上の存在としてピットにある海野が、風格を漂わせていてもたしかに不思議ではない。
 だが、僕にはそれだけではないように思えて仕方なかった。
 海野ゆかりには、強者のメンタリティが芽生えてきた。そう思えたのだ。

2006_0304__140  準優勝戦を1着で勝ち上がり、優出を決めた海野に、その疑問をぶつけた。
「何か変わったところ? うーん、別にないですけどねえ。自信タップリに見える? モーターもペラもいいからでしょうね」
 質問は、MB記念の際に取材班・松本が特注選手で海野を取り上げている、あれから半年、海野の中で何か変わったところはあるか、というものだ。
 その答えは、あまりにもアッサリしていた。もちろん、織り込み済みの回答でもあった。おそらく、海野は自覚的に変わったわけではない。何がきっかけだったのかはわからないが、知らず知らずの間に一皮むけたのだと思うのだ。
 精神的に変わったことはありませんか? さらに突っ込むと、海野は再び首をひねった。
「うーん……特にないですけどねえ」
 そのときの海野は、なんだか不機嫌なようにも見えた。あんたなんかに何がわかる、そう言いたかったのか。それとも、実は海野自身もがいていて、まだその途上で簡単に評価などくだしてくれるな、と思ったのか。それはわからなかったが、海野のプライドの部分に触れるテーマのように感じた。それくらい、海野は困ったような、答えづらそうな、そんな様子だったのだ。

2006_0304_10r_030  僕は、具体的に問うてみた。もしかして、海野さんの中で「史上初の女子SG制覇(MB記念特注時のテーマ)」を自覚してきているんじゃないですか?
 海野は、少し顔をしかめながら言った。
「そのためには、SGに出なきゃいけない。SGに出られるところまでいかなきゃいけないんです。そのために、頑張ってるんですから。女子王座を優勝したら、総理杯には出られるんですよね? だから……」
 MB記念のとき、海野は何と言っていたか。
「(SGには)次はいつ出られるんでしょう?」
 あのとき、海野はSG出場の機会を待つ身であった。だが、今の海野はSG出場権をもぎ取ろうとしている。そう、やはり海野の意識は高いレベルで成長しているのだ。
 今節、折々に口にしてきた強気なコメント。ピットでのオーラ。それらはやはり、海野の中で育ってきた「さらに上のステージへ!」という思いが生み出したものだった。そういえると思う。
 正直、現時点では日高逸子のたたずまいは、群を抜いている。オーラのパワーは、海野でさえも及んでいないと思う。しかしながら、欲しているもの、もしくは何かを欲する力は、もしかしたら海野のほうが強い。その闘志を抱いて、明日、優勝戦に臨む。僕らは明日、さらなる海野ゆかりの脱皮を目撃することになるのかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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