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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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美しき激情――3日目、後半のピット

2006_0302__003  4R藤田美代、落水。5R金田幸子、落水。9R渡辺千草、転覆。3日目は、残念なことに事故が相次いでしまった。予選3日目、レースは激しさを増している。それぞれが選手責任の事故であり、つまりは得点アップのため、あるいはそうでなくても“負けたくない!”の強い思いのため、渾身のハンドルを切ったということではないかと思う。結果は最悪に出てしまったが、彼女たちの闘魂は尊い。幸いにも全員が無事で、だからこそ言えることなのかもしれないが、攻めの結果の失敗は責める必要のないもののはずである。勝負駆けを目前に控えていたのだから、むしろ称えてすらいいと信じている。とにかく、3人もみな元気で一安心。明日以降のリベンジを期待しています。

2006_0302__063  12Rは歴代女王決戦。女子王座優勝経験者6名が出走した(今節参戦者では、日高逸子以外)豪華カードを勝ったのは、谷川里江だった。前回の浜名湖・女子王座は12年前の第7回。そのときの優勝者こそ、谷川里江である。コンマ04の超絶スリットから、一撃でまくり切っての勝利。レース後は意外と淡々としていたものの、瞳の奥には歓喜がうかがえる。華奢な女子選手たちの中でもひときわ小柄な谷川が見せた、あまりにも豪快なレース。カッコ良かったっす。SANY0463 谷川は、公開勝利者インタビューに向かうため、関係者の運転するワゴン車に乗り込む。サンホールに向かって快走するウィンワゴン。すると、前方には解説者の佐藤正子さんの姿が。「里江~、やったやったっ!」と車中の谷川に向かって、佐藤さんは手を振った。車内の様子はうかがえなかったが、谷川は満開の笑顔を見せたはずだ。佐藤さんといえば、第6回女子王座決定戦を優勝した元女王。おぉ、ここでも歴代女王決戦が実現ですか。谷川の勝利を我がことのように喜ぶ佐藤さんも素敵でしたよ。

SANY0430  いやあ、強い。11Rの日高逸子である。H記者が言うように、決して足が完調とは思えないのである。しかも11Rは6号艇。ハッキリとビハインドを背負って、レースに臨んだ日高なのだ。しかし、そんなものは外野の余計な詮索でしかなかった。結果は快勝。これで3勝目である。現時点で予選1位。早々と準優当確を決めてしまった。強い。強すぎる。ピットに引き上げてきても泰然としている日高からは、浜名湖を包む夕日のような真っ赤なオーラが見えた気がした。緑のカポックなのに。もはや、このピットの中では圧倒的な迫力を日高はたたえている。強い女は、美しい。女子王座のポスターには、そう書かれている。このコピーに従えば、日高逸子はまさしく絶世の美女ということになる。真理だと思う。今の日高は、男なら誰もがクラクラするくらいの魅力を発散している。そしてそれは、ライバルであるべき他の女子選手たちをも圧するパワーがある。このピット内に、日高逸子を止められる女がいるのだろうか……。

SANY0437  その日高のオーラに怯んでしまったのだろうか。11R、1号艇の永井聖美は3着に敗れた。日高の前付けを制して(4号艇の高橋淳美が先に抵抗したとはいえ)インを取り切ったことは、素晴らしい。その度胸と決意は、絶賛してもよい。だが、スリットはコンマ41。思い切り遅れてしまったのは残念だった。ドカ遅れ覚悟でインを死守したのなら、もちろん称賛に値するが。レース後の永井は、五反田忍と話し込みながらも、なんとなく精彩のない表情に見えた。もし落胆していたとしても当然だし、むしろその悔恨が彼女にとってトビキリの栄養分となる。明日は2走4点で予選突破。今日の失敗を胸に刻むことができれば、楽勝でクリアできる条件だろう。あれだけの遅れでも3着に食い込んだのだから、機力は文句なし。気持ちを切り換えて、明日は爽快な走りを見せてほしい。

SANY0403  傾く西日のなか、試運転ピットに残されたボートは一隻。武藤綾子のボートだ。今節は、正直、這っている。4走8点は、準優絶望。今年の女王の道は絶たれてしまった。それでも、昨年の優出者として、このまま終わらせるのは許されない! 2R1回乗りが終わっても、延々と整備、試運転を繰り返していた武藤であった。結局、12R前まで試運転をし、いちばん最後にボートを引き上げた武藤。あと3日、意地の一発があると見たが、どうか。
SANY0390  そのほか、遅くまで試運転をしていたのは、香川素子、田口節子、三松直美。香川と田口は、現時点では得点率6・00を割っていて、明日は魂の勝負駆け。準備は怠りなし、といったところだろうか。三松は武藤同様、予選突破は厳しい情勢だが、今後への確かな手応えを得て、浜名湖を後にしたいところ。取材した場内解説の柴田稔さんは、エンジンは出ているはずだとおっしゃっていた。残り3日間、三松の逆襲は十分にあるぞ。

SANY0423  11Rのピットアウト直前、向井美鈴が整備室に駆け込んで、誰かに合図を送った。??? 整備室から駆け出たのは、田口節子。さらには、金田幸子もやって来て、3人で水面のほうに走っていった。3人は何やら、下のほうを覗き込んでいる。声をあげたりするわけでもなく、ただただ見守っている、といった感じだ。いったい何をしているんでしょうか……?
 で、右SANY0454 の写真が、向井と田口のいた場所から見える景色。12R出走前に撮ったものだが、おそらく彼女たちが眺めていたであろう構図だ。11R、その視線の先にいたはずなのは、3号艇・片岡恵里。向井にとっては同県同期、田口と金田にしても同地区同世代である。11Rの片岡は、3着以上で明日の勝負駆けに望みをつなぐことができる、という状況。しかし相手はかなりの強敵揃い、しかもスタート展示では6コースに出されていた。向井、田口、金田は、本番での片岡を祈るような気持ちで応援していたのだろう。もしかしたら、控室で片岡に激励の言葉を送っていたかもしれない。だから、ピットアウトを間近で見たい、その思いを抱いた。SANY0395 片岡が、3人の視線に気づいていたかどうかはわからない。それでも3人は、その眼差しで片岡を後押ししようとした。その思いに応えるかのように、片岡が入ったのは4コース。2号艇の垣内清美を制してのコース取りだった。麗しきかな、女の友情。結果は5着で、願いはかなわなかったが、こうして一つになって戦ったことが美しいと思う。準優進出のチャンスがある向井、田口は片岡の分まで頑張れ!

2006_0302_1012r_104  さて、猛烈に気になり始めた横西奏恵。10Rは1着! シリーズ2勝目で、準優当確です。おめでとう! 勝利者インタビューを終えてピットに戻ってきた奏恵は、わりと淡々としていて、記者さんに声をかけられた際にも、粛々と取材に応えていた。明日は12R1号艇。足は仕上がったようで、「逃げ切れる足です」とのこと。このまま一気にシリーズリーダーを奪ってしまえ!(PHOTO/中尾茂幸=冒頭イメージ、谷川の走り、横西 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)


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【女子王座3993】ボーダー高っ!! 【臥薪嘗胆!日刊レース&虎ニュース】
例によって、3日目回顧は[http://blogs.yahoo.co.jp/tetteisenkoh/28368656.html 前の記事をよろしく]。 [[attached(1)]] === こんな夜は前検日のレース場入りフォトでも見てたそがれとくか・・・。 === ええコート着てますなあ。去年の年収2千万超だからこんなもんか。 {{{ 今日のレースをもう少し補足しますと 1号艇の永井聖美は、よほどエゲツナイことをされなければ、必ずイン主張します。 J瀧とかU飼とかには、さすがに..... 続きを読む
受信: 2006/03/03 0:18:16
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