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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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ビバ、名人戦!――前検のピット

2006_0417___008  ピットにいて、こんなにも心躍るのはなぜなんだろうか。
 これまでのSG取材でおなじみの顔は、ひとつもない。ほぼ、初めて間近で接する選手たちばかりだ。その意味では、たしかに現況の艇界の頂点に君臨する選手たちではないかもしれない。それでも、彼らはまぎれもないトップレーサーのたたずまいで、ピットを闊歩している。さらに、積み重ねてきた航跡の数々が、いい意味での余裕を生んでいるようでもある。涼やかな雰囲気で、しかし勝負師の顔も絶対に手放そうとはしない。カッコいいと思った。そして、やはり敬意を抱かずにはいられない。彼らがリングに上がり、間もなくゴングがなるのかと思うと、なんだか心が沸き立ってしかたがない。ビバ、名人戦! 前検からそう叫びたくなるような興奮が、尼崎に立ち上っている。

2006_0417___118  大西英一には笑わせてもらった。ドリーム戦の共同会見だ。席に座ってマイクを取ると、「18番、与作」と言って熱唱!……はさすがにしなかったが、まずは場を和ませる。記者さんたちの顔に笑みが浮かんだのを見渡すと、「みなさん、お元気そうで」とニッコリ笑った。うーん、大人の男の振る舞いです。引いたモーター45号機は、勝率32・3%。その手応えを聞かれて、「38・2%くらいの感じ(笑)」とのこと。プラス5・9%とは、刻みましたね、大西さん(笑)。数字の根拠はさっぱりわかりませんが、勝率以上の好感触であるのは、間違いないようです。最近は抽選運がいいそうで、びわこでは55%のエンジンを引いたとのこと。「あれはすごかったね~。(尼崎に)持ってきたかった(笑)」って、エンジンは大西さんのものじゃありません(笑)。最近は減音(消音)エンジンが多かったから、ちょっと不安、とも言っていたが、「そのための準備は何かしましたか?」と問われて、「うーーーーん……あ、髪を切ってきました(笑)」。名人戦のために散髪に行ってきた……って、そんな準備のことは聞いてません(笑)。とにかく、終始、快活なギャグを飛ばしていた大西英一。今節の気になる男は、彼で決まりか?

2006_0417__015  共同会見では、関忠志も報道陣を笑わせる場面があった。ドリーム戦は5号艇。とはいえ、関といえば、そう、どの艇番からでも動いて動いて、イン奪取! というわけで、当然のように、コース取りについての質問が浴びせられた。関は、その質問が終わる前から、悪戯っぽくニヤリ。そして、「皆様のご想像にお任せします」と、もういちどニヤリ。僕らの想像すること、と言ったら、もちろん……ねえ? というわけで、皆さん、関選手は前付けするでしょう(笑)。それが、我々が期待する関忠志、でもある。4号艇の新良一規も、「黄色い人が、ね(笑)」と笑ってたし。で、マイコースを狙われる1号艇の松野京吾は、「インから……と、思っております」とやけに丁寧な物言い。黄色いカポックが襲いかかるのをすでに想定されてるんでしょうね。ドリーム戦、進入から見逃せないぞ。

2006_0417__010  艇界の至宝・加藤峻二の持つオーラには、ただただ圧倒される。スタート練習の展示航走を終えてピットに上がると、キビキビと動いて整備室へと向かう。整備室でも、キリッとして点検をテキパキと終える。整備室を出ると、背筋をシャキーンと伸ばして、悠然と控室へ。ほんと、頭が下がります。いやいや、加藤自身は、そんなふうに言われるのも不本意なのであろう。年寄り扱いするな! そんな声が聞こえるかのように、その瞳の奥には、勝負に対して燃える炎があった。今回、そんな加藤峻二に会えたのが、何よりの幸福だと僕は思います。明日は5R1号艇と9R6号艇。ちなみに今日、真っ先に水面に飛び出して試運転を繰り返していたのも加藤峻二でした。応援してます!

2006_0417___110  ついつい目を奪われてしまったのが、石田栄章。その風貌は、お父さん!と呼びたくなるほど、非常に人の良さそうな雰囲気。他選手のボート引き上げを手伝いながら、周囲と談笑している姿には、思わずこちらも頬が緩んでしまう。だが、次の瞬間にふと真剣な表情を見せると、そこにはまぎれもない勝負師の鋭さが! 陸の上ではニコニコしつつも、レースになると飄々と敵を捌いていく、そんな石田の走りが頭に浮かんできた。レース前とレース後の表情が、今から楽しみになったぞ。

2006_0417___214  この人が名人戦とは……と思ってしまうほど、あまりにも若々しい鈴木幸夫。ほんと、48歳には見えないよなあ。やや童顔ということもあるのだろうが、明らかに若く見える。というより、今節出場選手のほとんどが、ピットで見る限りは、かなり年齢より下に見えるのだけれども、鈴木幸夫はその最たる選手だと思う。眩しそうに水面を眺める顔つきや、強い視線でモーターと向き合う表情を見ていると、ここが名人戦のピットということを一瞬忘れてしまいそうになる。その“若さ”溢れるレースが、明日からのレースを盛り立てるスパイスになるのは、間違いないだろう。

 とにかく、名人戦のピットは、実に輝いている! SGの雰囲気ともまた違う、渋いきらめきに満ち満ちているのだ。これがいぶし銀ということなのか……いや、今日のところはそう言うのはやめよう。そんなありふれた言葉ではなく、素晴らしき名人戦ならではの表現を、明日からのピットで探していきたいと思う。とにかく、名人戦、サイコー!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)

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【明日から尼崎G1競艇名人戦】 戸田の人気者といえばレース名にまでなってしまう走る人間国宝加藤峻二御大。 その加藤御大の初日は5R1号艇と9R6号艇ですが、モーター2連対率は21位とそこそこなものの前検タイムが44位と冴えず。  コメントも「普通ぐらいで一緒。」と冴...... 続きを読む
受信: 2006/04/18 7:53:02
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