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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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埼玉が止まらない――2日目、後半のピット

Sany0161  いやあ、止まらない止まらない。埼玉の勢いが止まらない。後半は、8~10Rで秋田健太郎、鈴木賢一、中澤和志と3連勝。今日は全5勝だから、完全にシリーズの趨勢を支配していると言っていいだろう。ピットでは、誰を見ても本当に明るい! 次々と仲間が1着を重ねていくのだから、それも当然ではあるが、ひたすらアッパーな空気が埼玉勢を取り巻いているのを見るのは、なかなかに痛快でもある。「これがSGのメンバーか?」、そんな声が、この笹川賞にあったのは重々承知している。そして、その根拠の大部分が埼玉勢の大量出場にあったことも理解はしている。しかし、どうだ、この埼玉勢の活躍は! いや、正直、僕にも似たような感覚があったのは否定しないが、結果としてのこの爆裂ぶりを目の当たりにしては、もはやひれ伏すしかないだろう。この勢いで、埼玉勢は果たして何人を準優に送り込むことができるか。そんな楽しみも明日以降、生まれたと言っていいだろう。

Sany0157  そんな埼玉勢を見て、他の選手たちは果たして何を思うのだろう……、ふとそんなことを考えてしまった。たとえば、秋田の初勝利に装着場周辺が沸き返っていた頃、喧騒を尻目に田中信一郎が整備室で懸命にモーターに取り組んでいた。今日は、2着2本。成績的には、上々である。しかし、信一郎は機力にはまるで納得していないようだった。アナウンサーの内田和男さんに「ぜんっぜんダメ」と顔をしかめて話すのも目撃した。着順に関係なく、まるで満たされない自分がいるのだろう。だから、整備室にこもる。必死で立て直しをはかる。そんな姿は、埼玉勢とは実に対照的と言うしかなかった。まずは、明日の信一郎の走りを刮目して見たいと思う。間違いなく、彼が今日見せていた姿勢は、尊いからだ。

2006_0524__2_12r_036  ピットの隅のほうで長嶺豊師匠たちと話していたら、今村豊が姿を現わした。長嶺師匠、すかさず「おい、身体は大丈夫か?」と今村に問いかける。今日の5Rでの転覆を心配しているファンの声を聞いた長嶺さん、今村にケガなどがなかったかを非常に気にかけていたのだ。皆様、ご安心ください、今村選手、非常に元気でした。12Rに登場しているので、無傷であったことはご存知の方も多いだろうが、長嶺さんと話す今村はとにかく元気一杯。ペラが壊れてしまったことには渋面を作っていたが、モーターのほうはひとまず大過なし。伸びは変わらず、回り足がやや弱くなったような……とのこと、それでも長嶺さんは「転覆したら、悪くなって当たり前。ケガなかったことを良しとするべきや」と今村を慰めるのだった。で、伸びのほうは、節イチ宣言の山崎智也と変わらないとのこと。ただし、行き足に大きな差があるそうだ。その部分の上昇をはかるため、懸命にペラ調整をしているようで、長嶺さんや記者さんと話し終わると、またペラ小屋へと向かうのだった。明日も元気な姿を見せてください!

2006_0523__02_170 『BOATBoy』の「レーサーズ・カルチャー」というコーナーで書評を連載してくれている菊地孝平。その関係もあって、ピットで会うと、いつも声をかけてくれる(7月号の原稿は、昨日ピットでもらいました。前検の夜、宿舎で書いたそうです。ぜひご覧ください)。もちろん、こちらも挨拶をするわけだが、今日の菊地は「おはようございます」と言いながら、苦笑いを向けた。試運転ピットから上がってくるところだったのだが、どうもあまり機力がよろしくないらしい。そのままペラ室に向かった菊地は、その後、試運転とペラ叩きを何往復か繰り返していた。昨日のレースで減点もあったため、予選クリアはかなり厳しい状況だが、だからといって勝負を投げ出すわけにはいかない。そんな努力の甲斐あって、8Rは3着に入り、上昇の予兆は示している。菊地選手、明日は最高の笑顔で会いたいですね!

2006_0524__2_01_166  水神祭が続々と出現して、こうなると次に期待したいのは、やっぱり中村亮太! 6・4・6着と苦しいSG初陣となってしまったが、本人はまったくメゲていない!「ギアケースをやったら、良くなりました」と足は上向きのようで、明日からの巻き返しに意欲を燃やしている。亮太といえば、なんといってもニュータイプのペラ、“亮太スペシャル”が話題になっているわけだが、だからこそその威力がSGをも席巻することを期待したいところ。割と一匹狼のところがあって、「今節は一人だからダメなんですかねえ」と苦笑いしているが、いやいや、革新的なプロペラを創出した原動力は、その孤高な性格にあるはずだ。そう、中村亮太には確固たるオリジナリティがある。それを十二分に発揮して、なんとしても今節中の水神祭を!「次は亮太さんですよ!」と声をかけたら、「ハイッ!」と力強い言葉が返ってきたぞ!

2006_0524__2_9r_103  さてさて、10Rで4着に敗れてしまったものの、相変わらず素晴らしい足色を披露している、気になる山崎智也。整備室の前あたりにたたずんでいたら、試運転のためボートリフトにボートを運びながら、な、な、なんと、智也が目配せをしているじゃないか。近づいて会釈すると、「アレ、いつやるのぉ?」と悪戯っぽく笑う智也。実は『BOATBoy』のインタビューの際、智也ととある約束を交わしていたのだが、どうやらその確認らしい。いやいや、智也選手、不肖・黒須田、約束は絶対に守りますって! そしたら、智也、「ほんとにぃ?」とやっぱり悪戯っぽく笑って、僕をからかいながら、リフトに乗って水面に出て行くのだった。……で、これでは智也と仲良し自慢みたいなので、念のために言っておくが、つまりは智也、ゴキゲンなのだ。今村豊も「優勝できる足だぞ」と激励したそうだが、早くも飛び出す節イチ宣言は、決してハッタリや自分を鼓舞するための言葉ではない。ハッキリとした手応えがあるからこその大言壮語だし、僕ごときへのアプローチであろう。おそらくは時間が進むにしたがって男っぽい智也に変身していくだろうが、ここまでの澄み切った表情で臨む予選後半、爆走ロードに揺るぎなし!なのだ。今節は、いつにも増して、気になりまくりになりそうである。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=鈴木、田中 TEXT/黒須田守)


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