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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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悲喜こもごも――4日目後半のピット

 勝負駆けデー、4日目のピットでは様々な表情が見られる。
 午後のピットにおいて、目が離せなかったのは西島義則だ。前日までの点数でいえば、5着・5着でも準優に進出できるうえ、11Rは1号艇なのだから、“準当確”ともいっていい状況だった。……にもかかわらず、7Rで転覆! そのため、一転して11Rでは「1着条件」になったのだ。
1_8  だが、救助艇で引き上げてきた西島の表情に曇りはなかった。苦笑いこそ浮かべていたものの、気落ちしている様子がまるで見られなかったのには驚かされたほどだ。競技本部からの呼び出しがかかると、さっと駆けていったが、その後は、モーターをばらして、11Rに間に合わせて組み直さなければならない。それでも、その表情は普段と変わりなく、ひたすら黙々と作業をこなしていったのだ。
 そして迎えた11R。ここで西島は、惜しくも2着に破れてしまう。さすがにここでは、西島も落胆の色を隠しきれず、レースから引き上げてきてすぐには大きな溜息をついていた。その後には「まあ、しょうがないやろ」と割り切ったような言葉を発していたものの、引き上げていく足取りはやはり重かった。
 その西島が……、12Rの結果によって、滑り込みで準優進出を果たすことになる。
 得点35.0には4人が並ぶ激戦だったが、それまでの着順によって、今村豊や服部幸男などをおさえて、17位に入ったのだ。
 だが、その直後に受けた準優進出決定インタビューで、西島の顔に笑みは見られなかった。むしろ、レース後しばらく経ったあとに、ちらりと見かけた顔のほうがずっとサバサバしているものだった。他選手の「結果待ち」という形で決まったこの準優進出を素直に喜びきれなかった部分もあったのかもしれない。だが、これが「自力の進出」であるのは間違いないことだ。
 明日は11R6号艇での出走となるが、「魂の前付け」で、ぜひ優出を勝ち取ってほしいものだ。

2_5  そんな西島のほかにもう一人、この日、「男」を感じさせられたのが辻栄蔵だ。同県の西島の転覆後、ボートの引き上げなどで、かなり長い時間、西島のフォローを続けていたのだ。
 それがひと段落したと思えば、さっとペラ小屋に閉じこもる。予想外のことで時間は削られていたのは間違いないはずなのに、他のモノなどはまったく目に入ってないような集中力でペラを叩いるその姿には、しばらく見入ってしまったほどだ。
 そして辻は、10Rではゼロ台のスタートを決めて、見事に1着。勝利者インタビューで、明日に向けてのコメントを求められると、「気持ちだけですね」とひと言で締めた姿には、侍にも似たムードが漂っていたものだ。
 明日は、西島と同じ11Rで1号艇に乗るのだから、「男同士の対決」が楽しみになってきた。

 最後の最後までもつれて、準優メンバーがなかなか決まらなかったこととも無関係ではないのだろう。今日の後半戦で準優進出を決めて、笑顔をはじけさせる選手は少なかった。
3_6  たとえば、8Rで1着をとり、文句のない準優進出を決めた湯川浩司は、その後にそれを報告するように、ペラ小屋にいる森高一真や井口佳典のもとへと向かったが、その表情は、同期の仲間たちといるとは思えないほど重かった。
 準優進出は果たせなかった井口のほうが、湯川を慰めているようにも見えたのは気のせいかもしれない。
 ただ、このときの湯川の硬い表情は、井口に対する遠慮などではなく、自分自身の内面的な問題だったのだろう。
 モンスター機といわれる61号機を引いておきながら、3日目に成績を大きく落とした自分をいましめていたのか、あるいは、今日の1着でもまだまだ自分で納得できない部分があったのか……。
 結局、すべてのレースが終わるまで、明るい表情は見られなかったが、それは気落ちといった類いのものではなく、「ストイックな姿勢」と受け取りたい。
 明日は10Rに2号艇で出走。復活の兆しを見せている湯川の走りに注目したい。

 準優進出を果たせなかった男たちにも、ドラマがある。
4_5 たとえば原田幸哉は、2着・2着が条件だったなかで、最初の4Rで6着敗退。それでも9Rでは、0.09のスタートで見事な逃げ切りを決めている。
 その後、記者集団の中に、元選手の野中文恵氏を見つけて、レースのことを訊かれると、「オレが1号艇で負けるわけがない!」と豪語した。もちろん、笑いながら言ったジョークとしての言葉だが、「常に全力駆け」は、偽りのない原田のモットーだ。
 明日は7R4号艇の一回走りだが、「魂の前付け」ならぬ「魂のカド一撃!」を期待したい。

 夕方となり、ピットで見かける選手の姿が徐々に減っていっても、「カンカン、カ ンカン」とペラ小屋から聞こえてくる木槌の音はやまない。
 12R出走だった服部幸男もギリギリまで作業をしていたが、そのほか、準優メンバーの中では田中信一郎が粘っていたのが目についた。また、準優進出はならなかった山本浩次、佐々木康幸、上瀧和則などは、12Rが始まる直前まで、ほとんど無言でペラを叩き続けた。
 こんな職人たちの走りも見逃せない。「敗者戦」などといった言葉は、彼らの辞書にはないのだから。
(PHOTO/池上一摩、内池久貴=西島義則 TEXT/内池久貴)


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