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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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汗。――準優勝戦、後半のピット

1_10  「暑い……」
 10R終了直後、西日を顔に浴びてのTVインタビューが始まろうとしていたとき、勝者・森竜也は、開口一番そう言って、汗をぬぐった。
 このインタビューに対しては、どう答えていいかわからないというように戸惑っている感じもあったほどだ。その後の記者インタビューでは、「まだ優出の実感はないですね」「7月からA2になるので、これが最後のSGになるかなとも思っていたんで、まさか優出できるとは考えてもいませんでした」とも話していたように、この勝利にいちばん驚いたのは自分自身だった部分もあったのかもしれない。
 今日は、0.03のスタートを決めておきながら、「元来、ゼロ台の選手じゃないんで明日はマイペースで行きます」とも語っていたが、このまま無欲、無心で優勝戦に臨めるようなら、明日も怖い存在になってくるはずだ。
 このレース後、同じ東海勢として温かい拍手で森を迎え入れていた菊地孝平は、その後にスリット写真を見て「いいスタートだ」と、ぽつりと言っていた。あそこまでのスタートが、もう一度見られる可能性は低いのかもしれないが、汗の匂いがするような会心のスタートは、もう一度見られる可能性はあるだろう。

2_6  2着の向所浩二は、レース後、なんとか興奮を抑えているようにも見られたが、最初に発したセリフは「嬉しいですね」という正直なものだった。
 記者インタビューの席に着いた頃には、すっかり表情もほぐれていて、「今のところ、プレッシャーはない」とリラックスした様子を見せていた。
 こちらもやはり、軽視はできない存在だ。
 ……なお、向所は「この服の唐草模様を流行らせる」とも意気込んでいた。

3_7  11R。2着の烏野賢太は自分でバンザイしながら帰還!
 先に書いた二人にくらべても、素直に喜びをあらわしながら、TVインタビューでは、アクション付きでギャグまで飛ばすほどの余裕があった。
 その後には、「気楽に行きます。慣れたものですから。……当たるも八卦、当たらぬも八卦です」ともコメント。
 これを翻訳するならば、「勝つか負けるかは五分五分」ということなのか……!?
 烏野の場合、優勝戦当日になっても、熱心に整備を続けるタイプなので、明日の動きにも注目したい。

4_6  順番が逆になったが、11Rの勝者は辻栄蔵だ。こちらは、レース後にインタビュー場所への移動を促されながらも、なかなかボートの傍から離れない独特のふるまいを見せていた。
「明日もどん欲にいきます」と話していたが、今日も9R前まではペラ調整をしていたように、その姿勢はあくまでストイック! こちらも烏野同様、明日もレース直前まで、整備などを続けているのではないかと予想される。
 インタビューなどがひと段落したあとの辻は、太田和美(11R/3着)と互いにしつこいほど頭を下げ合って、太田の去り際には、ひときわ大きな声で「ありあとござあす!」
(↑もちろん「ありがとうございます」と言っているのだが、競艇選手たちが大きな声で礼をすると、こんなふうに聞こえることがある)。
 レース後、同県の西島義則と話しているような場面は見られなかったが、やはり元気に「ありあとござあす!」と言っていたことだろう。いくらえげつない進入があったといっても(スタート展示後に辻は、「あれは艇番、関係ないですね」と苦笑いしていた)、戦いが終わってしまえば、あとは気持ちのいい「礼」が交わされる。
 明日の優勝戦のあとにも、結果を問わず、気持ちのいい顔が見られることだろう。

5_1  12R。勝ったのは1号艇の坪井康晴だ。
 インからの逃げ切りとはいえ、地元・静岡勢でただ一人、準優に残っていたのだから、プレッシャーがなかったはずは絶対にない。
「みんな、応援してくれているんで負けられないという気持ちは強かったです」とインタビューでも話していたが、レース後には、服部幸男、菊地孝平、佐々木康幸らのひときわ大きな拍手で迎えられ、ホッとした笑みをもらしていたものだ。
 ただし、その後には、向所と同じように「(初優出は)今のところプレッシャーになってない」とも言っている。それも、強がりではない証拠に、その表情には少しも硬さが見られなかったのだ。
「明日もあのターンができれば優勝できると思います」
「明日もしっかりスタートを決めて、自分のターンができれば優勝できる足だと思います」
 と似た言葉を繰り返して、“優勝宣言”までが飛び出した!
 明日ももちろん、坪井は1号艇。
 坪井が今の平常心をスタート時まで持続できるかどうかに、レースの行方は左右されると言ってもいいかもしれない。

6  このレースの2着は、「ミラクル智也」こと山崎智也だ。
“フツー”とは言えないようなレースぶりで2着をもぎ取っておきながら、レース後に見られたのは「いつもの智也」だったのだから、この男はいったい何者なのか……。今の智也には、何かが宿っているのではないかとも思えるほどだ。
7 レースから引き上げてきたあとの智也は、なかなかインタビュー場所に向かわず、自分でボートの清掃を始めた
(↑辻も同じことをやりかけたが、他の選手に止められてインタビューに向かわされたように、準優や優勝戦のあとには、こうした光景はあまり見かけられない)。
 そして、一緒に作業している秋山直之に何かを言われると、智也は笑いながら、「前からお前はオレを馬鹿にしている」と一喝!?
 これはあくまでこちらの想像に過ぎないものの、「1周1マークで終わったと思った」などといったことでも秋山は言ったのではないのだろうか。
 もしそうだとしたなら、「終わった」と思って当然だったのが、このレースだった。それでも、智也にとっては、あのレースぶりは少しも、“フツーじゃないもの”には当たらないということなのだろう……。
 今の智也は、本当に怖すぎる。
(PHOTO/山田愼二+内池久貴=森、烏野、山崎・下 TEXT/内池久貴)


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コメント

準優勝戦前半の記事と後半の記事なんですが、3枚目までの写真が両方とも同じものが表示されているのは私だけでしょうか?

投稿者: くぅ (2006/06/25 0:19:49)

くぅ様
たしかに、同じです。
早急に前半を更新し直します。
ご指摘ありがとうございました。

投稿者: 取材班 (2006/06/25 8:30:24)
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