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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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強者の資質――2日目、前半のピット

Cimg0267  2日目の朝、整備室をのぞくと、田村隆信が昨日に続いて、本体を整備していた。水面では、ちょうど朝特訓が行なわれていて、ピット内にもモーター音が響いている。そんななか、田村は一人、整備室。強い目つきでモーターを覗き込みながら、田村は黙々と作業を続けた。まるで、己の世界に没入するかのように。
 田村が作業を終えて、整備室を出ると、同じ場所で松井繁が整備を始めた。足はそれほど悪くも見えないのだが、この妥協を許さぬ姿勢こそが王者たる所以なのだろう。モーターを組み直すと、整備室を出る松井。今度は、またまた同じ場所に、上瀧和則が陣取った。本体だけを外して持ち込んだ上瀧は、遠目からもド迫力の視線で、作業を始めるのだった。

Cimg0303  作業を終えたばかりの松井繁が、装着場でモーターをチェックしていると、話しかけたのは服部幸男。64期コンビ、今日も言葉を交わしながら、ともに闘志を高めている様子である。落ち着きの中に、ほのかに見える燃える魂。ホットとクールを併せ持った、パーフェクトとも言える魂だ。同じ期に、雰囲気が図抜けている男が二人いるという事実は、奇跡的のようにも思える。あるいは、しのぎを削り合うなかで、この二人の中に根を生やすものがあったのか。ともかく、男として憧れる何かを持つ二人である。
 服部は、たまたま通りかかった野長瀬正孝に「どう?」と声をかけた。「伸びはいいよ」と野長瀬。服部は満足そうに、うなずいた。静岡軍団の結束も、堅い。

Cimg0269  服部は、基本的にはペラ室にこもっている時間が長い。ペラ調整に戻った服部を追って、ペラ室を覗きこんでみると、今日も満員御礼。ざっと見渡すと、赤岩善生、秋山直之、市川哲也、田中信一郎、今垣光太郎を確認できた。ん? 今垣? 宣言通り、ペラ調整をしているぞ。たしかに、昨日の午後から、整備室ではまったく姿を見かけないわけで、これは明らかにいつものSGとは違った光景。ペラ→試運転→ペラ……と繰り返しながら、間違いなく別バージョンの今垣光太郎を見せている。
 ペラ室でもう一人、目についたのは、ディフェンディング・チャンピオンの山本浩次。言うまでもなく、淡々とした表情を崩さないミスター不動心。ペラを叩きながらも、普段と変わらないたたずまいで、秘めたる闘志を胸の内に押さえ込んでいる。連覇を考えていないわけはないと思うのだが、彼を見ていると、そんなことはまったく眼中にないようにしか見えない。これもまた、すごいことである。

2006_0620_02_091 「足はいいよ」。記者さんの問いかけに、一言ビシッと言ってのけたのは西島義則。背筋をピンと伸ばして歩く姿に、圧倒的な迫力を感じる。といっても、素顔は優しい西島義則。原田幸哉と最高の笑顔で、談笑しているところも見かけました。己の仕事をまっとうする男だけに与えられた、誰をも魅了してやまないその表情は、ただただ痺れるものであります。今日の登場は8R。3号艇から、どんな仕事を見せてくれるだろうか。

2006_0620_02_251  さて、お出迎えイベントでも大人気の気になる山崎智也。イベントから戻ると、速攻で作業に取りかかっていた。他のイベント参加選手もみな同じだったが、この機敏な行動もまた、一流の証。こういった些細な部分にも、強者の資質は宿っている。整備室付近で顔を合わせると、挨拶を返してくれた智也。おーふぉさん、伝えましたよ、「ヘッドホンを首にかけた姿がカッコイイって読者の方が言ってましたよ」って。智也、ちょっと苦笑しつつ、「ありがとうございます」。照れ笑いですかね? ただ、そのまま整備室に入っていったので、何を聞いているのかは質問できませんでした。また機会があれば、ということで。ちなみに、今日はあのヘッドホンが見当たりませんです。(PHOTO/中尾茂幸=西島&山崎 黒須田=その他 TEXT/黒須田守)


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