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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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安心と感心――2日目、後半のピット

2006_0621_01_300  9R、ヒヤリとする場面が、1マークであった。インから逃げ込みをはかる市川哲也が、振り込み気味に失速。そこに山崎智也が正面から突っ込んだのだ。智也は大急ぎでハンドルを右に切ったそうだが、追突は避けられなかった。残された市川は、ボートの上でモンキーの体勢のまま、身動きひとつしない。救助艇が駆けつけ、市川を収容すると、レースが終わるのを待たずにピットに急行。だ、大事故か……!?
  10R後、整備室には、にこやかに微笑む市川がいた。同県の西島義則をはじめ、今村豊、川﨑智幸ら中国地区の先輩たちと、笑い合っているのである。よかった……。ホッと胸をなで下ろす。打撲した左腕は、実に痛そうである。少しだけひじを曲げたまま、固まっているのだ。だが、それ以外は極めて元気一杯。先輩たちはつまり、慰めていたのだと思うが、それに対して心からの笑みを見せていたのだから、まずは安心してよさそうだ。明日は、今のところは出走予定。今夜一晩、様子を見て、明日もういちど診断が下されるとのことだが、出走表に名前が載ったのは本当に嬉しいことである。出走できるのなら、めっちゃ応援するぞ! そして選手のみなさん、事故にはくれぐれも気をつけてください。

2006_0620_01_022  誰もが認める節一パワー、湯川浩司。10Rは服部幸男の渾身の走りを追いかけ続けたが、惜しくも2着。それでも、オール連対をキープできたことで、表情の明るさは保たれている。モーター格納のため整備室に向かう途中、菊地孝平と出くわす。菊地のほうから声をかけ、湯川がやや苦笑い気味に、言葉を返した。すると菊地、「これから、どんどんプレッシャーがかかってくるよ」。強力な足色でシリーズを引っ張っているのは、序盤のうちは、爽快なことに違いない。しかし、準優勝戦、優勝戦が近づくにつれ、機力と成績の両方が重圧へと変わる。それを、菊地は去年のMB記念で経験した。湯川に、そのことを優しく教えたのだ。まさしく、先輩からの貴重なアドバイスである。湯川はすーっと透明な笑みを浮かべて、「はい」と返した。若い湯川にとって先輩の経験談は何よりの薬、そしてそれをスポンジのように吸収できる素直さが湯川にはある。湯川、まだまだ突っ走れそうだぞ。

2006_0621_01_042  その湯川に、「ごめ~ん」と笑いかけたのは、池上裕次。10R終了直後のことだ。湯川も首を振りながら笑い返す。1周2マーク、湯川のターンはやや流れ、そこを服部に差されたのだが、その内には池上が逆転を狙って走っていた。それを気にしての湯川の大回り、ということなのだろう。笹川賞ではやけにハイテンションだった池上に、ようやく陽気さが見えた瞬間である。昨日の成績は悪くはなかったのだが、いずれも道中逆転を食らって、順位を落としている。今日は先頭争いに加わって、3着を確保したということで、やや機嫌を取り戻したということだと思う。午前中には、植木通彦と話し合う姿も見られたが、そのときはどちらかというと淡々としていた。しかし、レース後に西村勝と会話をかわす際には、笑顔と大きな声が出現。もしかしたら、笹川賞的チョーノリノリモードに入りかけたか? 明日の表情に注目してみたい。

2006_0620_01_160  かなり遅い時間まで、必死に試運転を続けていたのは、池田浩二。ピットは閑散としかかった時間帯に戻ってきたから、出迎えたのは作間章、ただ一人。初戦の1着以降は、消化不良の成績が続いただけに、機力の再確認が必要だったのだろう。モーターを下ろして整備室に駆け込むと、ギアケースを外して、さらに調整。その動きは、実に素早かった。対岸にかけられた池田への横断幕には「不断の努力」と記されている。明日は1Rに出走だが、池田の“不断の努力”は間に合ったのだろうか。

2006_0620_01_207  装着場の片隅で、一人、モーターをチェックしていた三嶌誠司。かつての三嶌といえば、開会式でのエンターテイナーぶりが有名だった。朗らかでひょうきん、それが三嶌のキャラクターだったわけだ。しかし、ピットで見る三嶌は、生真面目という言葉がふさわしいほど、冷静かつストイックだ。一人黙々と作業をしていることのほうが多いように見受けられるし、ピット内を移動するときにも真っ直ぐ前を見つめて、静かに歩いている。もちろん、陽気なのは間違いない。また、実に礼儀正しくもある。だからこそ生真面目に見えるのだろうが、あの頃のノリを知る者としては、実に意外な素顔と言える。ともかく、声援を送りたくなるだけの人徳が、彼にはあるのだ。

2006_0621_11r_014  11R、江口晃生が6着に敗れてしまった。道中、あおられて失速したのが痛かった。初日は堅実に着をまとめたが、今日は一時急停止。ピットに戻ってきて、ヘルメットを脱ぐと、前方に誰かを発見したのか、笑顔が苦笑いを浮かべた。といっても、普段から素晴らしい笑顔を見せる江口だけに、苦笑いと普通の笑顔の区別がつかないのだが、状況からすれば、歓喜の笑顔であるはずがない。で、視線の先にいたのは、松井繁。「やっちゃったよ~」とばかりに松井に近づき、松井はあまりにも優しい表情で江口を迎えた。おぉ、この二人、仲良しなんですかね。松井は、やっぱり優しい目で江口と視線を交わしながら、お尻のあたりをポンポンと軽く叩く。江口はひとつ頷いて、控室に向かうのだった。友情、美しきかな。

2006_0621_01_036  さて、9Rの事故はとにかく市川が心配だったが、追突してしまったことがとっても気になった山崎智也。智也のほうも、ひとまずケガなどはないようである。心なしか、元気がないようにも見えたが、市川とお互いを励まし合うように話しているのも見かけたし、大過なかったということだろう。こちらもまた、ひと安心である。で、おーふぉさん、午後の遅い時間はまたヘッドホンしてましたよ。話しかける時間がちょっとなかったので、何を聞いているのかは、また後日。ともかく、あれだけの事故をなんとか無事に乗り切ったのだから、ツキもあるものと思いたいですね。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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コメント

伝言ありがとうございます!
質問、楽しみにしています。よろしくお願いしますね。
9R何事もなかったようでよかったです。巻き込まれて転覆してもおかしくなかったと思いますが、立て直して、さすがですよね。笹川賞でも2日目に4着取ったけど、優勝したし、明日以降が楽しみです
頑張れ!智也!!

投稿者: おーふぉ (2006/06/21 22:52:00)

いつも楽しく読ませて頂いております
ちょっと気になったので質問なんですが、写真の山崎智也選手の右胸に書いてあるサイン(?)は誰のものなんですか?
誰でも知ってることなんでしょうか?
今節も山崎選手調子が良さそうで今日以降のレースも楽しみにしてます。
頑張れ!!

投稿者: ジョニ (2006/06/22 9:18:38)

おーふぉさんへ

智也選手が今節聴いてる曲はYUIさんの、GOOD-BYE DAYSだそうです。


ジョニさんへ
智也選手の右胸のサインは中野次郎選手のものです。

投稿者: さくら (2006/06/22 16:42:24)

>さくらさんへ
教えて頂いて、ありがとうございます

投稿者: ジョニ (2006/06/23 15:04:53)
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