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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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艇王のオーラと、ゆるやかな時間――準優勝戦、前半のピット

R0010104b_2  午後1時、レース前のピットを覗くと、準優メンバーも、準優進出がならなかった選手も懸命に作業に取り組んでいる光景が見られた。
 装着場の入り口付近にボートがあったため、まず目についたのは植木通彦だ。カメラマンに取り囲まれながらモーターをチェックしたあと、ボートを水面に下ろして待機ピットで、また各所をチェックする。
 久しぶりのSG準優勝戦でも、その姿はいい意味での自然体に見え、気負いすぎずリラックスしすぎず……。
  さすがは艇王! いまさら精神面についてはとやかく取り上げる必要はない感じである。

 

R0010109b    この時間帯の山崎智也は、村田修次と長話をしていたあと、ペラ小屋に向かった。
 そのペラ小屋には、準優メンバーでいえば、今村豊、市川哲也、辻栄蔵などの姿が見られた。
 整備室には人が少なかったが、奥のほうで、ひとり作業をしていたのが濱野谷憲吾である。
 そうして、それぞれの選手たちが着実にレースの準備を進めるのを見て、MB記念も“大詰め”にきている実感がわいてきた。

 いちど記者席に戻ったあと、1R前に再びピットに戻ると、雰囲気は一転していた。ピットで作業をしている選手の数はぐっと減っていたのだ。
 それでももちろん、作業を続けている準優メンバーの姿もちらほら見かけられる。
 装着場には松井繁や菊地孝平らがいて、ペラ室には川﨑智幸、辻栄蔵、田村隆信らの姿が見かけられた。ただ、その時点ではそれぞれが自分のペースで作業を進めているようで、特別な印象を受けた選手はいなかった。

R0010119b  ピットをうろうろしていたあと、再びペラ小屋を覗いてみると、またまた目に留まったのは植木だ。
 市川と並んでペラを叩いていたが、時おり市川にペラを見せているというか、見てもらっているような感じで、最近のSGにおける植木とはずいぶん印象が違った。
 これまで肩に背負っていた重いものを下ろしてしまい、“孤高の存在”であることをやめた感じがしたのである。そんな中、あくまで自然体で自分のできることのすべてをやっている。そんな印象を受けたものだ。
 ただ、そのしばらくあと、通路をひとりで歩いている植木とすれ違ったが、そのときにはまた身にまとっている空気が変わっているようにも思えた。一人でいるときの植木からは怖いくらいの集中力を感じられた。声などはとても掛けられないほどのオーラがあったのだ。
 この植木、今日は超強力メンバーが揃った10Rの4号艇という微妙なポジションになるわけだが、優勝戦に乗ったその姿を見てみたいという気持ちが強くなった。

R0010129b  準優メンバーの本格的な動き出しはまだ先かと思っていたが、2R直後に吉川元浩が試運転に出て行くと、辻や菊地がそれに続いた。
 水面に出た感触はそれぞれ悪くなかったのか、ピットに戻ってきたあとも雰囲気が慌しくはならなかった。
「ペラ男」ともいえる辻は、当然すぐにペラを外していたが、そのままペラ小屋へは向かわず……。待機ピットに行って、菊地、田村、井口佳典らと、しばし談笑していた。
 なにか「時間の流れ」がとてもいい感じなのである。

 1~3Rあたりの時間帯においては、シリーズリーダーの山崎智也のほか、江口晃生、上瀧和則、今村豊あたりが、作業をしている様子が見られなかった。日が暮れかけてくる頃にはもう一度、ペラ調整をすることにはなるのだろうが、とりあえず現段階では、これ以上、行なう作業はないということだろう。
 いま挙げた選手のなかでは、今村豊がずっと記者陣と談笑しており、とくにリラックスしているように見えていた。
(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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