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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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本日の水神祭!?――初日後半のピット

Cimg1477  翌日の出走表が出るのは、だいたい11Rの前後である。まず報道陣がそれを入手するわけだが、選手たちにとっても大きな関心事だから、その時間帯には選手が報道陣の持つ出走表を覗き込むシーンがよく見られる(私もよく「見せて」と言われて、ドキドキしながらお見せしてます)。特に若手選手は、同県同地区の先輩の艇旗&艇番を準備する仕事があるので、関心事という以上に知っておかねばならぬこと。右のピンボケ写真は、静岡支部の仲間のレースを確認している菊地孝平と、そこにふらりと自分の出走を確かめに来た山崎智也である。
Cimg1470  こうした選手の行動パターンを熟知しているのが、元選手にして現在はJLC専属解説者の佐藤正子さん。出走表を入手し、近くの整備室で作業をしている85期の選手を見つけると、つかつかつかとガラスに近寄っていった。そして、出走表を窓越しにピターッ。これに気づいた作業中の森高一真と田村隆信が、おっ、という感じで出走表を覗き込んだ。それに気づいた私が、その様子を撮影した次第であるが、あら、森高と田村はちゃんと写ってないですね。ヘタクソでごめん。そんな僕の写真の腕を知ってか知らずか、佐藤さんは「なんか動物園みたいだけど、どっちが檻の中の動物か、わからないね」と爆笑。写真がヘタなおかげで、佐藤さんが覗き込んでるように見えますね、ハイ。陽気で心優しい佐藤さんの和み系ジョークでした。

2006_1023__018  菊地孝平は、BOATBoyで書評を連載してもらっている関係上、ピットで顔を合わせると爽やかな笑顔を向けてくれる。今日は、競技棟内の通路でバッタリ。「お疲れ様です」「お疲れ様です!」「今月も原稿、ありがとうございました!」「ああ、こちらこそ!」「あ、お子さん、おめでとうございます!(8月に娘さんがお生まれになったのです)」「ああ、ありがとうございます!」やっぱり、いちばん声が踊り、笑顔が弾けたのは、お子さんの話を振ったときでした。お父さんになった菊地孝平、思えば8月以降は絶好調である。ここは一発、SGウィナーとなった姿を娘さんに見せたいですね。頑張れ!

2006_1023__096  10レース、4着に終わってしまった木村光宏。ピットに引き上げてきた際には淡々とした表情だったが、その後は最後の最後まで、ペラ調整に励んでいた。思えば、あの松井繁がフライングをしてしまった桐生オーシャンカップ、王者とともにスリットオーバーしてしまったのが、この木村だった。松井と同様、SG出場権を失い、このダービーがSG復帰戦。おかえりなさい、木村光宏! 心に期するものがあるのかどうか、すっかり閑散となったピットにあって、一心不乱にペラを仕上げているのだった。木村のTシャツの背中には、「遊び人」と記されている。その意味するところは確認できなかったが、中尾カメラマンの「Tシャツは遊び人だけど、本人は働き者だよね」という言葉が、木村の何たるかをよく表わしていると思う。

2006_1024_01_066  11R、1号艇で出走した上瀧和則は3着。1マークで山室展弘にマクられ、道中では濱野谷憲吾の逆転を許してしまった。それでも、ピットに戻ってきた上瀧は、なんだかご機嫌に見えた。大声でレースを振り返る、というか、濱野谷に軽口を叩いているのだが(くそー、卑怯だぞー、とかいう声も聞こえた)、表情はもうニッコニコ。もちろん悔しさが目元ににじみ出てもいるのだが、いわゆるサバサバとした、いや、サバサバの笑顔バージョンといった感じだったのである。初日のこの段階で、その表情の裏読みをするのは速すぎると思う。悔しさを紛らしてるように見えなくもなかったが、その判断は明日からの上瀧を見て下したいように思う。ただひとつ、雰囲気は悪くないことだけは付け加えておこう。いいオーラが身体から出ているのは、間違いない。

Cimg1485  ドリーム戦を制したのは、西島義則だった。3コースからのマクリはお見事で、もちろん予選トップに立つ快勝であった。引き上げてきた西島は、やはり笑顔、笑顔、また笑顔。ボートから降りた瞬間、小さくグッと拳を握ったようにも見えた。ヘルメットを脱いでも、やっぱり笑顔。うーん、男っぽく、そして味わいのあるスマイルである。一言、カッコいい。実は昨日の共同会見で、4コースからのスタートをほのめかしていたのだが、作戦を聞かれて「ひとマクリ!」と力強く語っていた西島である。ただ、それがちょっと冗談めかしているように聞こえたため(だからインを狙うかもしれないと思った)、ついスルーしてしまっていたが、それを現実にしてしまったのだから、自分の不明を恥じるしかなかった。やっぱりサムライ西島、やるときゃやります。脱帽です。

Cimg1487  そのドリーム戦、3着争いがもつれた。3周1マークで中村有裕がキャビり、植木通彦がそのスキを捉えて接戦に持ち込んだのだ。結局、ユーユーがなんとか凌ぎ切ったのだが、ピットに引き上げてきたユーユー、すぐに出走選手控室のモニターに張り付いて、レースをチェックし始めた。そこに植木が現われて、競り合った二人が顔を合わせる。先輩を競り落としたユーユーは、植木に気づくとすぐに「すいません」と頭を下げた。すると植木、穏やかな顔つきでニコーッと笑い、「よかったねえ!」と先着したユーユーを祝福。まさかのキャビテーションで逆転されなくてよかったね、なのか、最後勝っていてよかったね、なのか、ともかくユーユーの心中を慮った植木(事故にならなくてよかったね、かもしれないが)。追っていたのが自分だとはいえ、選手の思いを知り尽くした男ならではの、気遣いである。その後は並んでリプレイに見入った二人。戦い済んでノーサイド。真剣勝負とは、そういうものである。 

2006_1023__336  そのユーユーに、「おいっ、ユウスケ! こっちっ!」と声がかかった。声の主は太田和美。けっこう大声だったから、一瞬、ユーユーが怒られたのかと思った。「タラタラとレース見てないで、さっさと片付けろ!」てな具合に。慌ててカポック脱ぎ場に駆け出すユーユー。ちょっと緊張感が走ったのだが……ユーユーが駆けつけると、そこには笑顔の太田が。森高一真、湯川浩司らの顔も見える。さらには守田俊介も駆けつけた。そして太田は、ユーユーをボートリフトに引っ張っていく。ん? 水神祭!?
Cimg1488 そうです、なんと水神祭が行なわれたのであります! もちろんMB記念制覇の水神祭。桐生での本チャン時にはすでに帰途に着いていた太田が、改めてユーユーの快挙を祝福したわけだ。おぉ、粋なはからいじゃないですか。ワッショイスタイルで持ち上げたユーユーを、せーのでドッボーン! けっこう高い位置から投げられたから(折りしも干潮でした)、ユーユーが水面に叩きつけられた瞬間、不気味なほどに高い音が響いた。「“モミジ”だよ、あの音は」と森高は大笑い。びしょ濡れで上がってきたユーユー、身体をねじって痛がっています。Cimg1494 「背中とわき腹が痛いっス!」。「こりゃあ、明日は欠場だな!」とジョークが飛んだところで拍手喝采。太田選手、ほんとに粋なはからいですよ、これは! ともかくユーユー、改めておめでとうございます。

2006_1024_01_073  さて、ドリーム2着とまずまずのスタートで気になる山崎智也。レース後、ボートリフトで出迎える村田修次に、ボートの上から手振りで小さく「セーフ」。マクられたけど、なんとか2着に凌ぎ切れた、というところだろうか。レース後の表情は悪くなく、手応えもある程度は得た様子。明日からの快走に、期待を寄せたいところであります。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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コメント

何時も楽しく拝見してます。
どうでもいいことなのですが、
中村の水神祭の件
スポニチには、長男誕生を祝ってのもの
と記載されてますが・・・・・・・・・

投稿者: 競艇愛好家 (2006/10/25 5:59:10)

日刊スポーツにも同じことが書いてありました。
ちゃんと取材されていますか?

投稿者: 競艇愛好家2 (2006/10/26 1:06:13)

競艇愛好家様
中村選手の件、ご指摘の旨、確認しております。
中村選手のことを今後記事にする際に書こうと思ってたのですが、
……それはこちらの都合でしたね。
申し訳ございませんでした。

投稿者: 取材班・黒須田 (2006/10/26 8:00:15)
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