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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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静かに勝負駆け――4日目、前半のピット

2006_1025_01_231  朝イチでピットに行ってみると、不思議にも静かな静かな勝負駆けの朝。試運転係留所を覗いてみても、この時間帯にしては珍しく空きがある。そういえば、装着場にボートの数が多いような……。始動には早い時間帯ということもないのに(1R出走選手はすでに控室に待機していましたから)、選手の姿もほとんど見えない。さすがにペラ室を覗いたら、何人かの選手が木槌を握り締めていたが、それにしても穏やかな空気が降りている勝負駆けデーなのである。ちなみに、試運転係留所には中村有裕がいました。でも、ユーユーだけでした。そして、ピットで最初に顔を合わせて挨拶を交わしたのは守田俊介。朝イチ、滋賀支部。どうでもいいことだけど。

Cimg1576  ん? この白い物体は何だ? 近づいてみると、2R1号艇の笠原亮がストレッチをしていたのでした。展示控室の前で、身体をほぐす笠原。彼がボートに乗る前に行なっている、ルーティンである。ほんと、身体がくにゃくにゃと柔らかい笠原は、レース前などにいつも、こうして運動をしている。スポーツマンは柔軟なほうがいいに決まっているし、レースで思うように身体を動かすためにも準備運動は欠かせない。競艇選手もアスリートなのだと、こういうときに改めて実感する。笠原は勝負駆けには関係ない成績ではあるけれども、レース前の儀式を欠かすことはないのだ。

Cimg1577  1Rは大場敏が1着。派手さはないけれども実力派の大場、これが今節2勝目で、後半に予選突破の望みを残すこととなった。ピンピン勝負の今日、まずは幸先のいい1走目である。ピットに引き上げてきた大場は、相好を崩すこともなく、淡々としていた。彼は静かに燃えるタイプなのだ。カポック脱ぎ場では、2着の太田和美とレースを振り返っていたが、太田はニコニコとしているのに、大場の顔つきはやはり淡々。ピンピン勝負の1走目で1着を獲ったら、僕だったらガオオオオとか吼えたくなるだろうけどなあ。昨日の日本シリーズ、三振を奪ったダルビッシュのように、ね。でも、大場は淡々と次走に思いを馳せる。なかなかできないたたずまいである。

Cimg1582  人気の少ないピットをうろうろしていると、原田幸哉がモーターをボートに装着したまま、チェックを始めた。すると、報道陣やテレビカメラがさささっと原田を取り囲む。わかる、わかるよなあ。勝負駆けの原田を取り囲みたくなる気持ち。こういう局面での原田が虎のように獰猛な迫力を見せることは、よく知られている。ここ一番に圧倒的に強いのである。やっぱりみなさん、原田に注目してるんだなあ。で、僕が装着場の隅で取材メモの確認をしていると、「おはようございます!」。原田だった。実にリラックスしていて、ものすごく柔らかい雰囲気。バネは、縮めば縮むほど、弾ける。原田の強烈な闘志は、こうした溜めの時間があるからこそ生まれるのだろうか。

Cimg1580_1  予選トップで一躍注目を浴びる存在になった重野哲之が、ピットをゆっくりゆっくりとした足取りで歩き回っていた。なんというか、こう、手持ち無沙汰、って感じなんですよ、これが。ゆっくり歩いているのは、「なんか仕事ないかなあ」てな風情にも見える。というのも、キョロキョロしながら歩いているからで、若手である彼にとっては雑用も大事な仕事であろう。では、自分のための仕事は?というと、何しろオール連対の快パワー。もはや時間をかけていじるところはないのであろう。だから、手持ち無沙汰というふうに見えてしまう。もちろん、この手持ち無沙汰は、勝負駆けの今日においては、最高にポジティブな余裕と言える。このまま、一気にブレイクなるか。

2006_1024_01_224  さて、3着勝負の勝負駆けだから気になる山崎智也。今日の智也は、珍しく4R1回乗り。ということで、朝の智也はレースの準備もあり、ひたすら真剣な表情でありました。そして、4Rは見事に1着。勝負駆け成功! いやはや、すごいレースでした。原田のマクリを止めて、そのままマクっていく超絶テクニックは、智也ならではであります。ともかく、準優進出はめでたい限り。午後、どんな表情を見せてくれるかも楽しみだ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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