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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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強者たちの表情――2日目、後半のピット

2006_1023__060  豪華メンバーの12R、勝ったのは濱野谷憲吾だった。1周2マークで先行する西島義則と江口晃生を大逆転。2走2着1着だから、予選前半を最高に近い形で乗り切ったことになる。その濱野谷、レース後は決して嬉しさを爆発させていたわけではなかった。むしろ、頬を引き締め、瞳にグッと力を入れて、凛々しさをたたえているのである。この濱野谷の表情を現時点では読み切れていないが、確実にいつもと様子が違う。明日からの濱野谷には、さらに注目するべきだろう。
2006_1023__386  一方、敗れた西島と江口は、カポック脱ぎ場で苦笑が爆発。レース直後は悔しさを隠せなかった西島、サバサバした表情だった江口、顔を合わせた瞬間、目尻がくいくいっと下がったのだった。時に「ガハハハハ」と笑いながら、レースを振り返る二人。濱野谷もそこに加わったが、やはり濱野谷は二人ほどは笑っていない。西島の言葉がだんだんと愚痴みたいになってきたようで、江口はさらに笑っていて、カポック脱ぎ場を去るときにも柔和な顔つきは変わらなかった。悔しさは明日晴らせ! 激戦12Rの風景でした。

2006_1024_01_402  11R後、こちらも笑顔でレースを振り返っていたのは植木通彦。2着に敗れたが上々の走りで、それほど悔しさを感じさせない表情だ。ヘルメットをかぶったまま、ともに振り返り合ったのが仲口博崇。こちらは3着、重野哲之が突き抜けたあと、2着争いを繰り広げたのが仲口と植木だった。仲口の表情は確認できなかったが、1着2本3着1本ならばむしろ好調といっていい予選前半。植木の言葉にふんふんとうなずく雰囲気は、決して悪いものではなかった。それにしても、植木の笑顔は実に爽快。今節は、あの悠然たる植木が戻っている印象を受けるのだが、この肩の力の抜け具合がまさに復調ぶりを表わしているように思えてならない。ドリーム4着+今日の2着という結果を受けて迎える明日の植木がどんな表情でいるのか、ちょっと楽しみになってきた。

Cimg1511  その11Rで勝ったのは、水神祭の記事にあるように重野哲之。その重野を松井繁が祝福していた、ということも同記事内に記している。その決定的瞬間が、こちらの写真です。ピンボケですまん(黒須田撮影です)。ボートからモーターを外している重野の背後からススススーッと近づいた松井は、重野のケツをぽーんと軽く叩く。それに気づかなかったのか、重野が反応しないと見るや、もう少し強めにぽーんっ。ようやく気づいた重野がペコリ。いったん松井は、同地区の吉川元浩の片付けを手伝いに向かったが、それが終わるとボートのチェックをしていた重野にもう一度近寄っていって、しばし歓喜の会話を交わすのだった。
2006_1024_01_264  そんな松井の優しい姿をニタニタしながら見ていると、松井はくるりと踵を返して、整備室へ。えっ、整備室? 今度は僕がススススーッと整備室に近寄って、中を覗き込むと、松井はギアケースの整備を真剣な表情でしているではないか。そう、松井は必死の整備の間に、重野を祝福し、さらに水神祭にも参加して、笑顔を振り撒いていたのである。確かに松井は、やや不本意な成績で2日目までを終えている。10Rに出走し、その後は少ない時間しか残されていないにもかかわらず、整備に没頭し、そして笑顔で水神祭にも現われる。この時間の使い方の見事さ、緊張と弛緩のスイッチングの巧みさ……まさに王者のプロフェッショナルな部分を目の当たりに見せつけられたような気がした。強さというのは、単に水面のパフォーマンスのみに留まらない意味を持っている。松井を見ていれば、ハッキリとそう思い知らされる。松井にしてみれば自然体であろう、これらの所作は、たしかに彼が王者たる根拠を示していると思った。一言、尊敬です。(写真は昨日のものです)

2006_1023__627  午後の遅めの時間帯には、若手選手たちが翌日の艇番・艇旗を準備する、ということを昨日の「後半のピット」記事に記した。12R直前、僕の持っていた出走表を覗き込んだのは、平田忠則だ。もちろん、先輩たちの艇番・艇旗を準備するためである。今節、福岡支部からは日高逸子、今村暢孝、植木通彦、藤丸光一、吉田弘文、そして平田……6人! 同期の吉田弘文は帰宿バスの第一便で帰ってしまったのか、平田は一人で6人分の準備をしようとしているようだった。しかし、ですねえ……6人分の翌日一走目の艇番をきっちり覚えるのは大変っすよ、ハッキリ言って。平田も「えっと、2、2、4……あれ?」と必死で記憶。僕も一緒に覚えこもうとしましたが、まーったく覚え切れませんでした、ハイ。相当苦労して頭に叩き込んだ平田、そそくさと艇旗置き場に走っていきました。
 それにしても、簡単な会話を交わしただけですが、平田は実に気持ちのいい男でありました。僕は断然、彼のことを応援しちゃいます、ハイ。SG復帰戦、頑張れ!

Cimg1509  さて、はるか対角線に見えるピットを眺めながら、見えるわけないのに姿を探してしまう、気になる山崎智也。今日は9R6号艇で4着。智也としては不本意だったのだろう、レース後はペラ調整に懸命であった。装着場ペラ小屋が彼の指定席、そこでかなり長い時間ペラを叩いていた。しかも、細かいところの微調整ではなく、力強く木槌を振り下ろして、金属音を装着場内に響かせていたから、かなり大幅な調整を施していたのは間違いない。これが奏功して、明日の足色は変わるだろうか。あ、そうそう、12Rで勝った濱野谷が勝利者インタビューに向かう際、何か目配せしているところも目撃しました。関東二大スーパースターの競演でした。写真は撮れませんでしたが……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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