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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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新たなヒーローが放つ「強烈なオーラ」――優勝戦、後半のピット

1img_5555  ゴール後、反り返るようにして「よっしゃ!」とガッツポーズを決めたのは魚谷智之である。
 表彰式で、「山あり谷ありでしたね」と振られたときには「ちょっと遠回りしたんですけど」と笑って返していたが、グラチャン優勝戦における痛恨のフライングから2年以上が経っている。そのあいだ、「辛抱の時」を過ごして、努力を続けていたことが、ここに結実したわけである。こみ上げてくるものがどれほど大きなものだったかがよくわかる渾身のガッツポーズだった。

2r0010913  今日一日の魚谷は、「いい時間」の過ごし方をできていたように思う。
 昨日のピットでも、魚谷にはオーラを感じていたが、SGなどのピットではこうした選手が発見されることが少なくないし、それがそのまま結果につなげることは意外と多い(私事でいえば、舟券にはつながらないのだが……)。
 そして、今日の魚谷は、昨日以上のオーラを発散していたのである。
 朝のペラ叩きに始まって、その後もずっと作業を続けていた。同じ兵庫支部の吉川元浩と並んで作業をしていることも多かったが、その顔には常に、気持ちのいい笑顔が見られていたものだった。
 そして、展示航走を終えたあと、魚谷は選手控室の前で入念なストレッチを開始した。先のMB記念で優勝した中村有裕ともイメージが重なるが、このように「それぞれの儀式」を持っている選手は少なくない。
 ストレッチを開始するとともに、それまで笑顔を振りまいていたのが嘘のように、魚谷の表情はぐっと引き締まっていったのだ。
 その場面は一枚だけ写真を撮ったが、カメラを向け続けているのは気が引けて、あとは遠目で様子を見ていた。MB記念の中村有裕もそうだったが、この瞬間、魚谷が放つオーラは頂点に達したようだった。

3img_6825_01  レースについては別記事に譲るが、「見事」のひと言に尽きるものだったといえるだろう。
 ウイニングランのあと、引き上げてきた魚谷を迎えたのは、2着の吉川である。「やられたわ」と言ったのか、あるいは「やったな」と言ったのか、そんなひと言を発して、固い握手を交わすと、ひしりと抱き合った。
 期のうえでは後輩だが、3歳年上で、SG優出回数でも魚谷にまさる吉川からすれば(これまで魚谷はSG優出1回、吉川はSG優出5回)、先を越されたかたちになったわけだが、これまで何度か見てきた祝福の抱擁にくらべても、とても力強いもので、感動的な一幕だった。

4yoshikawa  その吉川は、優出メンバーのなかでもとくに熱心に作業を続けていた一人といえる。朝のインタビューにおける「やることは全部やろうと思います」との言葉に偽りはなく、魚谷と話しているときを除けば、常に厳しい表情をしながらペラやモーターと向き合いつづけていたのだ。優勝こそ逃してしまったものの、その成果が2着という結果に出たとはいえるのだろう。
 兵庫支部にとっては46年ぶりのSG制覇となったが、2着までが兵庫支部だったのだから、昨日感じられた「連鎖」はここまで続いていたわけである。

5img_6836  もう一人、動きが気になっていたのは、SG初出場で初優出を果たしていた重野哲之だ。今日は一日、作業に追われていたかたちで、昨日のように、一人で水面を眺めているような場面は見かけられなかった。
 それでも、レース前には選手控室の外で、水面とスタンドを見るようにしながら、ゆっくりゆっくりとカポックを着ていた。そのときの表情からは、魚谷に劣らないほど高い強い集中力が感じられたものだ。結果は4着とはいえ、いいかたちでレースに臨めていたのだろう。
 レース後の重野は、各選手に礼を言いながら、笑顔を爆発させていた。この優勝戦を無事に終えたことでホッとした部分も大きかったに違いない。その気持ちがよく伝わる最高の笑顔であったのだ。
 関係者と思われる男性から「上出来、上出来」と声を掛けられると、「まだまだ若いですね」と、やはり重野は笑顔で答えた。
 このシリーズを通しての経験が、今後の大きな糧になるのは疑いようもない。見た目よりもおとなしい部分があるという重野だが、これからも注目していき、「次」を期待したい。

6img_6833  1号艇で人気を背負った松井繁は6着に敗れた。レース直後、ほかの選手たちに囲まれているあいだは、ボートの揚降装置のポールにぶら下がるなどして、おどけていたものの、その悔しさは相当に大きかったのだろう。
 ほかの選手たちが離れていって、一人になった途端に、唇を噛みしめ、肩を落としたようにも見えていた。それがまた、弱々しい姿などには映らず、不思議なほどカッコいいのだから、こんなところにも「王者の矜持」は窺える。
 このレースに限らず、勝敗は常に紙一重のものともいえるはずだ。賞金王への道は、王者の前にしっかりと開かれているのは間違いない。
(PHOTO/山田愼二、池上一摩=吉川、内池久貴=魚谷2枚目 TEXT/内池久貴)


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