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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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万全の態勢を整えるために――賞金王決定戦、トライアル初日前半のピット

2006_1220_01_350_1  トライアル初戦を数時間後に控えて、ベスト12戦士たちは朝から調整に忙しい。もちろん、作業傾向はそれぞれに違うが、大事なファーストバトルを万全の態勢で戦うべく、機力気力を整えている。ごくごく大雑把に言うと、こうなるだろうか。
モーター派……濱野谷憲吾、川﨑智幸、三嶌誠司、魚谷智之
ペラ派……山崎智也、瓜生正義
試運転派……松井繁、坪井康晴
装着場派……辻栄蔵、中澤和志、中村有裕
姿見えず派……上瀧和則
 言うまでもなく、これは1R開始あたりからの前半ピットで、僕がもっとも多く見かけた場面、というだけであって、たとえば松井は試運転後はペラを外して磨いている姿を見かけている。瓜生も、試運転を走っているところを見ているし、川﨑は僕の目の前で、モーターを装着してボートを着水していた。ずっと同じことをしているわけなどないのであって、自分流のスタイルで着々と準備をしている、ということである。

2006_1220_01_408_1  そんななか、上瀧の姿をあまり見かけないのが、もっとも気になったことだった。これまで上瀧をピットであまり目撃しないときというのは、現われたときには凄まじい気合を発散していることが多いのだ。装着場のボートからはペラが外されていたから、どこかで調整中であることは間違いないが、それがスーパー上瀧に変身するための儀式のような気がして、早くレース直前の彼を見てみたい気にさせられるのである。
 もっとも激しく動いていた選手をあげるとするなら、川﨑だろう。昨日に引き続いての、本体整備。ひたすらモーターと向き合う川﨑は、もうすぐ午後の時間帯に入ろうかというときに、ようやくモーターをボートに装着したのだった。選手仲間などと会話している表情は決して暗くないのだが、これはクールな川﨑にしてみれば普通のこと。その胸の内はなかなか読み取れない。果たして、整備が功を奏したのか、それともハナからパワーに不安はないのか。こちらはレースが楽しみである。
 本体に手をつけていたのは、他に濱野谷。三嶌と魚谷はギアケースの調整のようだった。チャレンジカップで「クロちゃん!」と呼んでくれるようになった三嶌は、顔を合わすなり、今日も「クロちゃん!」。「今節もお世話になります」って、それはこっちのセリフですってば! ひとまず、彼に妙な緊張感がないことはわかった。

2006_1220_01_047  上瀧の姿をあまり見ないと書いたが、中澤も控室にいる時間が長いのか、頻繁にピットで見かけるわけではない。取材を受けているところを見ると、実にスカッとした表情であり、おそらくは機力の不安はほとんどないのだろうと見受けられる。どちらかといえばのんびり過ごしている前半戦、むしろこれくらい余裕があったほうが、力を発揮できるはずだ。あ、辻もまた、中澤と似たような雰囲気に見えている。こちらもいい感じだ。
 逆に、ピットで頻繁に見かけるのが、中村ユーユー。というより、しつこいくらいまで装着場での点検、微調整を熱心にしているのだ。まあ、これはユーユー流というか、SGを勝つ前から見られた彼の特徴。普段通りということでもある。こうしたところも、ユーユーのハートの強さなんだろうな、と思う。
 坪井は、前半戦ではもっとも試運転をしていた選手だったと思う。それでも、決してアタフタしている雰囲気はなく、ピットにいるときには笑顔が見えている。手応えあり、ではないかと思う。瓜生も、試運転から引き上げてきた後は、手ぶらで控室に入っていって、けっこうな時間ピットに戻ってこなかった。ゆったり過ごす前半戦、こうして作り上げられていく闘志は、絶対にプラスに働くはずだ。

2006_1220_04_034  さて、今日も気になる山崎智也。実は、智也もピットではあまり見かけない一人である。装着場にある彼のボートの近くに20分ほど突っ立っていたのだが、智也が現われる気配はまったくなかった。エンジン吊りには出てきているけれども、終わると早足で消えていく。ペラや本体よりも、気力を横溢させている、僕にはそう思えて仕方ないのだが。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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