この特集について
ボートレース特集 > 賞金王はすげえ戦いなんだ――賞金王決定戦、トライアル初日後半のピット
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

賞金王はすげえ戦いなんだ――賞金王決定戦、トライアル初日後半のピット

 さあ、トライアルが始まった! 賞金王の本質はトライアルにあり。ここから3日間、6レース、絶対に見逃すことのできない年間最大の過激な戦いが繰り広げられる。初日の今日の後半は、一人ずつ感じたことを記したいと思う。

11R
1号艇・山崎智也……いきなり、気になる智也。魚谷智之のマクリ差しに屈して2着だが、レース後の表情はいつもと変わりない様子だった。といっても、ここのところの智也は、明らかに違う気合を胸に秘めているように思えるのだが。で、12Rが終わったあと、控室から出てきた智也とバッタリ。挨拶すると、口元を緩めた智也だった。思わず「明日は今日のリベンジを!」と僕が言うと、智也は一瞬、怪訝な表情を見せる。「明日は、きっちりやりますよ!」と力強く語って、モーター抽選へと向かっていった。怪訝な表情がちょっとだけ気にかかったのだが……その直前に、野中和夫選手会長が話してくれた言葉が浮かんできた。「賞金王はな、得点の配分が絶妙なんや。だから、これを計算して走るんやな。でな、次の日のレースは1・3・5着と2・4・6着に分かれるやろ。これは、2・4・6着のほうが有利やな、と考えたりもするわけや。いろんなこと計算しながら走るのが、賞金王や」。賞金王V3のモンスターが言うことだけに、説得力は甚大。だとするなら、2着ということを智也はそれほど悲観していないということか。そして、すでにVへの計算が立っているということなのか。だとするなら、怪訝な表情にもなるわなあ……。でも智也よ、僕は鮮やかな勝利が見たいんです! もちろん、それは智也にも伝わったとは思うけど。
2006_1220_01_513 2号艇・坪井康晴……まさかのシンガリ負けも、表情は暗くなっていない。明日の6号艇が決まっても、平常心を保ったままのようだった。帰り際には、笑顔で挨拶もしてくれて、なんか気分良さそう。いや、気分がいいということはないか。これは勘繰りの部類ではあるが、もしかしたら気持ちをコントロールしようとしているのかもしれないなあ、とちょっと思った。
2006_1220_01_393 3号艇・魚谷智之……いやあ、とにかく素晴らしい笑顔! あれだけの見事なマクリ差しを決めれば、頬も無限大に緩むってもんでしょう。で、また野中会長のご託宣だ。「勢いが違うなあ。ダービーのあと、記念2Vやろ? こりゃあ、ウチの理事長(福永達夫選手会理事長)のパターンや(第4回)。魚谷は今、本当に乗れてるわな。今のマクリ差しも、見事や!」。おぉ、モンスターのお墨付きだ。たしかに、魚谷は機力も気力も最高潮のように見える。初出場では優勝できないという賞金王のジンクス、この男がぶち壊したとしてもまったく驚くに値しない。
2006_1220_01_527 4号艇・三嶌誠司……このところ、本当によく声をかけてくれる三嶌だが、レース前にも同様だった。「クロちゃん、立ちっぱなしで大変でしょ? 俺らも、立ちっぱなしで仕事してたら、足とか痛くなるからねえ」、いやいや、そんなお気を遣われると恐縮です。僕の場合、体重が重いのが悪いんだし……「体重軽くなったら、クロちゃんにならんやろ(笑)」。ダハハハハ! そうっすね。リラックスしてるなあ……とも思ったのだが、ちょっとだけ「この明るさは逆説か?」とも思ったりしたのだった。正しいか間違っているかは、明日わかると思う。
5号艇・上瀧和則……いやあ、やっぱりすごい気合っす! 後半のピットで見た上瀧は、まごうことなきスーパー上瀧。遠目にも威圧感が伝わる、素晴らしいたたずまいで闊歩していた。やっぱ、すげえなあ……。
6号艇・瓜生正義……この舞台にはすでに慣れているだけあって、妙な高揚感も変にカタくなるところも、まったく感じさせない。これはこれで、すごいことである。明日は1号艇ゲット! 今日の5着を一気に挽回できる枠番だぞ。

12R
2006_1220_04_229 1号艇・松井繁……もはや、何も言うことはありませんな。長嶺豊さんが教えてくれたのだが、横西奏恵との足合わせではぶっちぎるほどの足色を見せていたのだとか。だというのに、「松井さんはまだ満足してないんですよ、って横西が言うとったわ」とのことだから、松井が自分に課しているハードルはどれだけ高いのだろう。実際、見事に逃げ切ったレース後の会見でも「足はいいけど……」と、しっくり来ない部分があるのだと語っている。長嶺さんとも唸り合ったのだが、もはや次元の違うところにいるのかもしれない。
2006_1220_04_173 2号艇・中村有裕……この舞台で、これだけ変わらずにいられるのは、もはや才能と呼ぶしかないのではないか、と思った。もう、それだけ。力を出し切るレースをすることは、間違いありません。
2006_1220_01_280 3号艇・濱野谷憲吾……実は、今節の濱野谷に期待しているのは「ガツガツすること」。BOATBoyのインタビューで「ガツガツしてないから、賞金王勝てないのかな」と語っていたからだ。今日のところは、少しだけそれを感じないでもない。かなり長い時間モーターと向き合い、それが終わるとペラ室とボート繋留所を何度も何度も往復していた憲吾。明日の様子を、興味深く見守りたい。なお、明日は12R5号艇だが、「去年よりは(抽選運が)いい」と苦笑いしていた。去年は緑ばっかりでしたからねえ。
4号艇・辻栄蔵……6着に敗れてしまったが、レース後は意外とサバサバ。ただ、少しうつむき加減だったのが気になったぞ。落ち込んでいるのではなく、リベンジに燃える素振りのように見えた。
5号艇・中澤和志……5着だが、辻以上にサバサバ。というか、表情をあまり変えず。もっとも、これが中澤流でもあって、総理杯のときも勝っても負けても、感情の起伏はないように見えたものである。まずは明日、リベンジに燃えろ!……ったって、それを表に現わす中澤ではないか。
6号艇・川﨑智幸……午後2時くらいか、ピットに行ったら、再び整備室にこもっていた川﨑。その執念には恐れ入るしかなかった。結局は4着と、今日はその努力が報われたとは言いがたいが、明日は11R1号艇が回ってきたぞ。さらなる整備で、このチャンスを活かしたいところだ。

 といったところだが、いかがだろうか。全体的には、どの選手も浮き足立っていないし、かとって弛緩していることは、当たり前だけど、ない。今日の戦いを経て、明日はまたさらに変化があるはずだから、それを注意深くキャッチしたいと思う。今日はまだ、激烈スーパーバトルが口火を切ったばかり。賞金王のトライアルは、まだまだこんなもんじゃないのだ!
Tomoya_and_take  で、最後におまけの気になる山崎智也。今日は、ピットに武豊、福永祐一、佐藤哲三、池添謙一らの人気騎手が見学に訪れていた。選手たちと写真撮影などをしていたが、智也も武豊とツーショット。両競技のスーパーショットであります。でもな、競艇ファンとしてこれだけは言っておきたい。山崎智也はディープインパクトなんかに負けないほど、すげえヤツなんだぜ! 賞金王決定戦は、有馬記念なんてメじゃないほど、すげえ戦いなんだぜ! ま、武豊も智也も、ともにお互いをリスペクトしあって、握手をしてましたけどね。でも、有馬記念やディープインパクトには負けたくないなあ、うん。(PHOTO/池上一摩=智也&豊 中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
賞金王決定戦と有馬記念のコラボレーションが昨日住之江で実現! 【ラリーズクラブ】
 SG賞金王決定戦初日だった昨日の住之江競艇場に武豊が競艇ファンで知られる佐藤哲三らと共に来場。武豊は住之江で中山G1有馬記念の確定枠順を知らされたのでした。ちなみに舟券の方はサトテツともどもトライアル初日11Rで魚谷智之を本命にして的中させたとの事。  そんな...... 続きを読む
受信: 2006/12/23 12:16:43
コメント
コメントを書く




※メールアドレスは外部には公開されません