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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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準優勝戦私的回顧

2007_0127_10r_017 10レース
① 江夏満(福岡・89期)
② 大峯豊(山口・92期)
③ 峰竜太(佐賀・95期)
④ 赤坂俊輔(長崎・90期)
⑤ 岡崎恭裕(福岡・94期)
⑥ 東本勝利(三重・86期)

 冷たい風が容赦なく大村湾から吹きつける。目に見えるわけではないのだが、太い風の塊がスタンドに当たり、細かくなってあちこちへ弾け飛んでいるようだった。水面上に風は舞っていた。1マーク付近と2マーク付近で、旗のなびいている方角が違う。5m空中線と45m空中線で、吹いている風の方向が違う状態さえあった。
 ただでさえスタートが難しい状況だというのに、スタート展示では15623/4というゴチャゴチャした進入をみせる。ピット離れがよかったのが峰竜太で、回り込んだのが東本勝利と岡崎恭裕。みなスキあらば江夏を斬るつもりだ。

 ファンファーレが鳴る。際立ってピット離れがいい選手はいない。6号艇の東本が回り込んで少しでも内をガメようとするが、4号艇赤坂と3号艇峰は譲らない。スタ展では2コースを奪っていた岡崎が引いて単騎ガマシに。進入は12346/5で落ち着いた。
 インコースを死守した江夏の起こし位置は100mを切るか切らないかくらい。2コース以下もやや深目。風はあいかわらず舞っている。はたして、スタートを決めることができるのか。逃げることができるのか。
 スリットを6色の艇が通過する。トップスタートを決めたのは……インを死守した江夏! タイミングはコンマ04。スタートが極端に決めにくいであろう水面で、江夏は本日一番踏み込んだスタートを決めた。強い。
2007_0127_10r_036  だがスリットを通過後、単騎ガマシの岡崎が鋭い伸びをみせる。「ひょっとして、このまま5艇をまくり切るか」と思わせるような足だった。しかし、絞ることができたのは4コースまで。こうして江夏のイン逃げが決まった。

 争点は2着争い。バック水面では後方にいたというのに、いつのまにやら2マークで鋭い差しを入れて、峰竜太が一気に2番手に浮上する。やはり95期からただひとり参戦しただけのことはある。そのターンスピードはハンパなかった。だが大峯が駆るエースモーター24号機もダテではない。いったん峰に突き放されたというのに、ホームの直線だけであっという間に追いつき、2周1マークで峰にツケマイを喰らわせることに成功する。この瞬間、大峯は「初優勝がGⅠ」という記録に挑戦する権利を得た。

 

11レース
① 出畑孝典(福岡・87期)
② 木村浩士(群馬・88期)
③ 山崎哲司(愛知・87期)
④ 古賀繁輝(佐賀・94期)
⑤ 山本修一(岡山・86期)
⑥ 大久保信一郎(佐賀・88期)

2007_0127_11r_011 2007_0127_11r_012 2007_0127_11r_013  10レースとは打って変わって、何のもつれもない3対3枠なり進入。1号艇・出畑の起こし位置は小回り防止V付近。超のつく楽インだ。さっきの体勢でも江夏が逃げ切れたのだから、これなら出畑は楽勝……と、ならないのがレースの面白いところ。
「行ったぁ~!」
 アウト好き、まくり好き、穴党たち……そんな大村競艇場におけるマイノリティたちの、不満を解消するかのようなスリットが眼前に現れた。
 インの出畑は早いタイミングでスリットを通過しているが、いまひとつ艇が伸びていかない。おそらく放ったのだろう。そして2コース・3コースは出畑に対して1艇身以上ヘコんでいる。もっともスタートで出ていたのが大外6コースの大久保信一郎でグングン伸びている。カドの古賀も2コース・3コースに対して1艇身以上出ているので、いつでもまくりに行ける体勢だ。

2007_0127_11r_015  古賀がまくり切るか、大久保が差し抜けるか。それとも出畑と古賀と大久保がやりあって、山本修一が差しぬけるか? 4アタマ、6アタマ、5アタマの、大穴舟券を持っているファンは色めき立つ。1マークにどんな展開が待っているのか、と。
 ところが。この状況でも大村のインは強かった。まくりを打つ古賀をブロック。弾かれた古賀は大久保に接触して、大久保はバランスを崩して転覆。その後、4号艇と6号艇にフライングのアナウンスがかかった。フライング艇の引き波にハマって、インの選手が失速。よく見るシーンである。しかし出畑は内から伸び返してフライング艇までをも、見事に封じ込めたのだ。
 1マークを回ると、内を差した山本修一が先頭に立っていた。出畑は2番手。しかし出畑は諦めずに逆転を狙う。するとチャンスはすぐにやってきた。1周2マーク、やや山本が外に流れたところをズッポリと差す。その後は先頭を誰にも譲らなかった。
 フライング艇を封じ込めて、先行艇を差して……。危なげ、はいっぱいあったが、すべての危なげを克服して、優勝戦の1号艇を手にした。

 

12レース
2007_0127_12r_025 ① 三井所尊春(佐賀・88期)
② 吉田俊彦(兵庫・86期)
③ 石野貴之(大阪・90期)
④ 森永淳(佐賀・86期)
⑤ 谷津幸宏(埼玉・88期)
⑥ 毒島誠(群馬・92期)

 ここは三井所の完勝だった。10レースで大峯との機力差に敗れた峰竜太、11レースでフライングに散った同県の古賀繁輝と大久保信一郎、同県の仲間の思いに応えるように、パーフェクトなターンでイン逃げを決めた。スタートタイミングもスタートの見本といえるコンマ10。まさにお手本のようなレースで優勝戦へ進出した。三井所ファンには申し訳ないが、完璧すぎて逆に書くことがあまりない。

2007_0127_12r_016_1  三井所は完璧だったが、2着に入った石野はイチかバチかの勝負に出ていたのではないだろうか。
 まずレース前に、ピストン2本、リング4本、それにシリンダーケースを変える手術を行った。大事な準優前である。予選を突破する足はあったわけだから、いじって悪くなるリスクを考えると、なかなかできるものではない。
 整備は成功。伸びがきた。展示タイムの6秒46という数字は、抜けていた。
 つぎに石野が勝負にでたのはスリット。前のレースでフライングが出て、大返還が起きているわけである。どうしても各選手のスタートは慎重になる。でも、石野は思い切って行った。刻んだタイミングがコンマ07。もちろんトップスタートである。

2007_0127_12r_048  1周2マーク。2番手を走る吉田につけて回ろうとするが、吉田が握って回ったので、体勢が①②③でほぼ固まってしまった。伸びはやや石野に分があるようにみえたが、直線だけで逆転できるほどの機力差はない。
 ホームストレートでの差は約2艇身。しかし石野は勝負を投げず、打ち続ける。バックストレートで内をするすると伸び、ターンマーク手前で外に出して、差しに構える。すると前をいく吉田が少し焦ったのだろうか、ややターンが流れる。そのココしかない、という瞬間をズバッと差して逆転に成功した。
 石野は明日5号艇。やや不利ともいえるコースだが、明日もなんらかの勝負を打ってくるような気がする。ちなみにGⅠ優出経験があるのは、石野だけである。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)

【優勝戦メンバー】
①出畑  87期・福岡
②三井所 88期・佐賀
③江夏  89期・福岡
④大峯  92期・山口
⑤石野  90期・大阪
⑥山本  86期・岡山


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