この特集について
ボートレース特集 > ハツラツ!――準優勝戦前半のピット
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

ハツラツ!――準優勝戦前半のピット

B1img_9685 ピットリポートを引き継ぐために、今朝一番で大村に到着。ピットに着くとまず“噂のアリーナ”で1Rを観戦してみた。1周1マークで1号艇・稲田浩二が先頭に立ったときには“水神祭歓迎!”の歓声が上がったが、2マークで振り込んでしまうと、「あ~あ~」と落胆の声が上がる。
 そんな反応を見ていると、やっぱり新鋭王座らしい華やかさと和やかさがあるもんだなあ、と実感されてくる。
 その後、ピット全体を回って、作業の様子を見ていくと、SGなどに較べれば、やはり準優メンバーの動き出しは早いようだった。
 5~6人が作業していたペラ小屋で見かけた準優メンバーは峰竜太だけだったが(1R終了時点)、整備室でモーターを見ている選手や、装着場で作業をする選手、試運転に出て行く選手、引き上げていく選手……と、あちらこちらで目が離せない。

B2img_0992  整備室ではまず、モーターに手を入れている岡崎恭裕が見かけられたので声を掛けてみると、リングを変えてみたとのことだった。「エンジンが重たい感じがしてたんですが、これで軽くなったんで、良くなってくれるといいんですけど」と説明してくれた。
 今節全体の調子を訊いてみると、「2連勝したことでレースが楽しめなくなってきたんです」と苦笑する。
 いきなりの2連勝によって、逆に固くなってしまったということだろう。
 だが、「今日はちゃんと楽しみます」と笑顔で続けてくれたので、準優まで来たことで、何かが吹っ切れたのだと思われる。

 個人的にはこれまでに『BOATBoy』で、中村尊、林祐介、古賀繁輝、岡崎恭裕、峰竜太の5人を取材していて、その中で古賀、岡崎、峰の3人が準優進出を果たしているので、やはりその様子が気になった。

B32007_0127_01_227  2Rが始まる頃、もういちどアリーナに行くと、古賀がいたので声を掛けてみた。
 まずは昨日の前付けについてを訊くと、「悔いを残したくなかったんで……」と照れた様子で答えてくれる。
 普段はああした進入はほとんど見せないということなので、準優進出に賭けた気持ちの強さがわかるというものだ。
 今朝の古賀は、ボートの引き上げなどのほかには、作業をしている様子が見られなかったので、それについても尋ねてみたが、「今日はたぶんしないと思う」「今日はすごく出ているので」との回答だった。
「岡崎か峰か誰か(優勝戦に)乗れるといいでね」とも言うので、「古賀選手だって乗りたいでしょ?」と念押しすると、「絶対、乗りたいです!」と力強く返してくれる。
 話をしていて、これほど気持ちがいい男はなかなかいないのである。

B4img_9739  古賀や岡崎、峰らが大変なのは、レースが終わるたびに駆け回り、片付け作業にも奔走しなければならないことだが、その合間になぜか、峰と古賀が岡崎を抱き上げているシーンが見かけられた。
 その後に、何をやっていたのかと確認してみると、峰と古賀が言うには、意味もなく岡崎が絡んできたための「ムダ絡み」とのことだった。
 ……まあ、ムダな行為といっても、それが気持ちがリラックスさせられたなら、ムダではなくなるというものだ。今回の新鋭王座においてはもっとも下の世代になる彼らがこうして過ごしているのを見ていると、こちらも嬉しくなってくる。

Img_9756 JLCや記者陣のインタビューなどを受けているときには、気持ちのいい笑顔を見せていながら、一人になった途端にさっと表情を変えて、真剣そのものの目つきでモーターやペラに向かい合う選手を発見すると、「いいものを見た」という気持ちにさせらるものだ。
 そして、今回の新鋭王座では、そんな選手が実に多い気がする。
 挙げていけばキリがないのだが、朝のピットで見かけた選手の中で、とくにその傾向が顕著だったのは、赤坂俊輔、山崎哲司、森永淳、毒島誠といったところか。準優メンバーはもちろん、この大村にいる選手のほとんどがそうだといえるはずなので、あくまで、限られた時間の中で印象に残った選手の名前を挙げただけである。
Bimg_9793_1  そのなかでもとくに、気を惹かれたのは森永だ。背中に「魂」と書かれたジャンパーは、師匠の草場康幸ゆずりなのだろうが、作業に励んでいる際の真摯な姿勢も師匠を彷彿させる。
 たわむれていた古賀と峰とに「ア~ニ~キ~」と呼びかけ、エンジンの装着を手伝ってもらうと、その後にインタビューの声をかけられるまでは“別人のような顔”になって作業をしていた様子は最高だった!(注・写真は笑顔のものになっている)

Bimg_9794  赤坂の笑顔(注・写真は真剣な表情)、山崎の素朴さ……なども個人的には好みだが、こういう選手は、見ていてつい応援したくなってくる。
 18人の誰もに優勝戦に進んでほしい――。そんな気持ちにさせられる新鋭王座のピットなのである。
(PHOTO/山田愼二+中尾茂幸=古賀のみ TEXT/内池久貴)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
コメント
コメントを書く




※メールアドレスは外部には公開されません