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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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万谷章、63歳の挑戦③

2007_0317__289  今日も頑張って踏ん張って、万谷親ビンが大健闘だ!
 まずは2レース、4号艇の親ビンは普通のピット離れからクルリと弧を描いて2コース奪取。21歳後輩の⑥江口晃生は大先輩に敬意を表して?3コースで折り合った。スタートは例によって、やや遅れ気味。それでもインの重野にもたれるようにして、外からのまくり差しを牽制する。たまらず江口は握って回り、昨日同様の楽な2コース差しになった。
 バックでの隊形は重野-(万谷・江口)-坪井。2マーク、親ビンは外の江口をブロックしながら、思いっきりぶん回した。内から突っ込んだ坪井康晴と少し接触して外に膨らむ。その間にこっそり差した飯島昌弘に2番手を明け渡し、さらに江口、坪井が内からグイグイ伸びてくる。大外の親ビンにとっては絶体絶命の3着争い。
 2周1マーク、3艇ほぼ横一線から万谷親ビンはまたしても豪快に握った。「こらたまらん、参りました!」とばかりに引き波に沈んでゆく江口、坪井。万谷親ビンはSGウイナーふたりを自力で攻め潰し、3着を死守したのだ。もう、今日も握りっぱなし!
「なはは、ここまでじゃ~、これでおしまい!」
 ピットに戻った親ビンはこう言って、メットを脱いだ。
2007_0317__195 ――なんのまだまだ、この勢いなら早々に勝てますよ。
 こう振ると、63歳の顔がほころぶ。
「あぁ、なんとか1本、獲りたいなぁ」
 しみじみ呟いたものだが、坪井の姿を見つけるとすぐに真顔で近づき、肩をポンと叩いた。
「(接触して)すまんかったなぁ」
 逆に恐縮して頭を下げる坪井。確かにやや無理な態勢から突っ込んだのは坪井の方で、堂々と先に握って回った親ビンには何の非もない接触だったはずだ。が、万谷は心から申し訳なさそうにこう呟いた。
「当ててまったんや、悪いことしたわ」
 そういえば、先月の取材で親ビンはこんなことを言っていたなぁ。
「ワシもなぁ、汚いゆうか、相手の頭を踏み潰してでも着を上げるような反則スレスレのプレーをしとったら、もうちょっと早く記念とかSGとか獲れたかもしれん、思うことがある。SGに勝つには、必要なことだとも思ってます。でも、そういうのは性に合わんのやなぁ。ほんで、いまさらこの齢でするわけにもいかんし(笑)嫌いなんじゃ、荒いレースが……迷ったら外から握る。身体が勝手にそう動いてまうしな」
 今日も外から握って回った。結果として接触した。どちらが良い悪いではなく、接触した以上は謝る。44年の選手生活で培った徹底したフェアプレー精神。いや、徹底したフェアプレー精神を持続してきたからこそ、万谷親ビンは63歳の今も一流レーサーなのだ、と思う。
2007_0317_09r_072  さてさて、続く9レースの親ビンも、枠なりの3コースから握って握ってまたしても3着に入線した。1周2マークで一度だけ差しに構えたが、艇尾がふらついて失速。昨年のダービー王・魚谷の猛追を浴び続け、生きた心地がしなかったことだろう。それでも逆転を許さなかったテクニックとパワーは、SG戦士の名に恥じないものだ。
 ピットに帰還した万谷親ビンは、肩で息をしていた。が、メットの奥から笑顔が零れ落ちている。そりゃそうだ。ダービー王&エース機の追撃を封じたのである。私も嬉しくて仕方がない。
――3・3・3ですよ、親分!
 興奮しすぎて、うっかり親分などと口走ってしまった。さすがに「親ビン」ではなかったが。親ビンは「はぁ?」という顔を見せてから、いきなり妙なリズムで歌いはじめた。
♪さんさんさんさん、さんさんさんさん
 その音律は忘れてしまったし覚えていても伝えようがないのだが、風呂場での鼻歌みたいな調子だ。
――1回差したら、ぶれちゃいましたね。
 聞きにくい質問も口にできる。すると親ビンは実に口惜しそうに顔をしかめて見せた。
「あれなぁ、(2マークを指差し)ソコじゃろ? う~ん、4番(魚谷)を待ちすぎた、待たんで差したら舟が暴れずにズッポリ入ったかもなぁ、あれはあかん。差しは怖いな、やっぱし握ったほうがええ」
 反省することしきり。が、モーターに関しては満足のゆく仕上がりになってきたようだ。
「もう本体はいじらん。いじって良くなるもんならいじるけど、悪くする方が多いでな。伸びが売りきれることもなくなったし、後はのんびりペラでもやるだけじゃ」
 明日は6号艇の1回走り。正念場の一戦だ。前付けに動くか、ダッシュ攻めるか。即答が帰ってきた。
「スローやなぁ。み~んな腕がええで、外からじゃなんもでけんでな」
 明日も前付けから1マークを捌き、2マークから握って握って握るまくることになるだろう。万谷親ビン、準優まであと3走でっせ!!

 万谷章 3・3・3着 節間6・00 目下22位!(Photo/中尾茂幸、下の写真のみ池上一摩、Text/畠山)

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