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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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総理杯ベスパフォ~!4日目

 毎度毎度書いていることではありますが、また今日も書かせていただきましょう。勝負駆けは激しく、面白い! 勝負がかった選手はもちろん、終戦が決まった選手も手を抜くことなく全力で勝ちに行く。そんな健気なプロ根性が、白熱した点取り合戦に深~いコクを与えるのですな。今日は特に予選落ちした選手たちの華々しいファインプレーが目立ちました。
3R・仲口博崇…Fで脱落したのに鬼気迫る追い上げで逆転勝利。
4R・坪井康晴…勝っても5・40。絶望的な成績なのに、勝負駆けの飯島昌弘を力でねじ伏せての逆転勝利。
10R・髙濱芳久…3Rで痛恨のF。失意の10R、道中3番手から凄まじいまくり差しで大逆転の勝利。インタビューで唇を噛む姿が印象的だった。
 などなど鳥肌が立つほどの逆転劇が続いたのでした。で、今日ベスパフォとして取り上げるのも、準優ベスト18位に入れなかった2人のベテランレーサーなんです。まずは、1Rからやんちゃな45歳がファンの度肝を抜いてくれました。

1R/人喰いレーサーの真骨頂

「ここだったかぁ!」
 山室展弘が5カドから一気にまくりきった瞬間、記者席のあちらこちらからこんな声が漏れました。いくらゴンロクを並べても、まったくやる気がなさそうに見えても、忘れたころに一撃必殺の大技を決める男。山室がそんな男であることを、誰もが知っております。いつか、どこかで。それが、この1Rでした。勝負駆けの日の、終戦が決定している1R……ここだったかあ、山室!
 勝利者インタビュー。記者たちはテレビの前にかぶり付きです。植木でも松井でも、ここまでは集まらんだろう、と思えるほどの人だかり。音声が悪くてすべては聞き取れなかったのですが、随所に山室節が炸裂しておりました。多少のズレはあると思いますが、こんな感じです。
――(恐る恐る)素晴らしいレースでした。
山室「そんなことはないですよ」
――今節はどんな感じで…?
山室「エンジョイしてます。人生、エンジョイ。それが大事でしょう」
――最後にもう一言だけファンの方に……
山室「競艇は博打ですから、エンジョイしてください」
――はい、明日以降も期待しております!
山室「それは(どうでも)いいですけどね」
_u4w0012  記者室は爆笑の渦・嵐。名手・中道善博さんも大魔神・安岐真人さんも、この人を喰いまくりのコメントに声を震わせて笑っておりました。後で聞いた話では、山室は自分から率先して水神祭をやらかしたとか。何の水神祭? その場にいたテラッチもわからない(爆)。「これが人生最後のSG勝ちになるかも」という思いがあったという噂もありますが、私の推測は違います。まずは1Rのいきなりカドまくり。あれは「まだ一縷の望みがある63歳の大先輩・万谷さん(2R1号艇)に、勇気と勢いを与えよう」と考えて、シャカリキに攻めたのではないでしょうか。2Rで4着に敗れた万谷親ビンは「お前(山室)のレース見て、ワシも頑張ろう思ったけど」と山室に伝えていたのですが、仲のいいふたりで「一緒に勝とう」という約束があったのかも。とにかく山室は自分のため、というより万谷親ビンを激励したかったのだと思うのです。
 そして、摩訶不思議な水神祭も万谷親ビンのための予行演習だったのでは? 万谷親ビンが勝ったら(それこそ人生最後のSG勝利かも)、水神祭をしてあげたい。それを実現するにはまずは自分が勝って、先に前例を作ってしまおう。そんな突飛な発想だったような気がしてならないのです。的外れだったらごめんなさい。でも、マスコミ嫌いで知られる山室は実はとても優しい男だと私は確信しております。先輩思いの山室の、心のこもったデモンストレーションだった。私は勝手にそう思い込むことにしました。
 それにしても山室展弘45歳、なんてやんちゃでお茶目な男なのか。私と同い年のスーパースターはこの世にふたり。今村豊と、この「人喰いレーサー」山室なのであります。

 今日のベスパフォはもうひとり。男が男に惚れる一大勝負駆け。結果はともかくとして、本当に惚れ惚れするようなイン逃げでありました。

12R/魅せた! 火の玉ジョーのタッチ逃げ

2007_0319_12r_066  勝っても5・50。12Rの上瀧はすでに終戦濃厚のポジションにいたのですが、勝負駆け不発の選手が続出してボーダーが一気に下落。最終レースは大変なことになったのですな。簡単に言っちゃうと
●上瀧が勝って烏野賢太か三嶌誠司のどちらかが5着以下になると、上瀧が準優進出。
 5・50でも相手次第ではベスト18位に残れるんですよ。クレバーな上瀧が、この計算を怠るはずもありません。スタ展からインに居座った5号艇のジョーは、本番でも他艇を置き去りにしてイン水域に。早くに舳先を向けたので、艇がどんどん流れます。ちなみに11Rまでイン逃げはゼロ! どんなに楽インでのんびり舳先を向けても、イン選手はまくられたり差されたり、ボッコボコに嬲られてきたのです。
 艇はずんずん流れて軽く90mあたりも通過しました。2コースの賢太ははるか後方。ダッシュ勢はさらにはるか彼方へ。12秒身が回ります。ジョーは真っ直ぐ前方を見て、発進。85mくらいの起こしですか。で、スリット。もう、カッコ良すぎます。私を一晩、どうにでもして!って言いたくなります。
 コンマ01!!!!!
 もちろん、これは後で知った数字ですが、他の5艇が1艇身近く遅れているのですから肉眼でも「ギリギリの極限スタート」というのが見てとれました。これぞ勝負駆け、これぞ上瀧和則、火の玉ジョー!!!
2007_0319__135  ジョーは逃げました。圧勝です。勝率5・50。己は孤独な一人旅をしながら、あとは運を天に任せるのみ。2着争いはややもつれましたが、バックで賢太と市川の一騎打ち。こうなると、後方で喘いでいる三嶌が4着を取りきるか、5着以下に敗れるか……。上瀧が進む水路はただひとつ。でも、実際には天国と地獄の、どちらかの道を突っ走っているのです。
 3周目、三嶌が追いすがる憲吾を振り切って、最終ボーダーが確定しました。5・67。上瀧の究極の勝負駆けは結果的に徒労に終わったのです。
 でもだがしかし!! ジョーが魅せてくれたこのイン逃げは、本当の本当のほんまもんの勝負駆けだった。命を削るようなコンマ01でイン受難の水面に仁王立ちしたジョーは、競艇の凄さ楽しさ激しさ素晴らしさをすべて見せてくれた。人々の心に残る、文句なしの名勝負でした。こう言うと本人は怒るでしょうが、私はあえてこう言いきります。
 上瀧和則の勝負駆けは成功したのだ、と。(Photo/山室…池上一摩、上瀧…中尾茂幸、Text/畠山)


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