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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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準優戦 私的回顧

10レース

_u4w0042  風速7mの向かい風や高さ6cmの波など気にすることなく、吉田弘文はインコースからコンマ09のトップスタートを準優戦でも決めた。これで今節の吉田のスタートは、すべてコンマ09~14の理想的な範囲内のタイミングに入れてきている。節一の呼び声高い72号機に誘ってもらっている面はあるにしろ、吉田はスタートが見えている。ターンも鋭い。決してエンジンだけではない。

 このスタートを決めたことにより、スリットで他の5選手を半艇身以上置き去りにすることに成功した。スリット通過後は外へと開いていき、ターンマークとの間に充分なスペースを確保。ターンはサイドのかかりが悪くて、艇がやや外へと流れていってしまったが、焦らず騒がずすぐに艇を立て直すことに成功した。抜群のスタートから、1マークの出口で先頭に立つと、あとは72号機がエスコートしてくれる。

02_0314  1マークで抜けた吉田とは対照的に、2着争いは大激戦。バック水面で内から3号艇の鎌田、6号艇の平田、2号艇の魚谷が併走状態。もっとも伸びていったのは、最内の鎌田だったが、ターンマーク手前であまりマイシロはなかった。
 2マーク。最内の鎌田がマイシロなど気にせず、握ったままターンマークをぶん回す。一瞬、今シリーズ一番のターンが決まるかに見えた。が、ギリギリの線で繰り出したターンの、無情というか世の常というか、スタンド側の消波装置付近まで鎌田はぶっ飛んでいく。同じく握った魚谷も外に流れて、平田のターンもイマイチ。2着争いに浮上したのは、まったくの圏外、5番手にいた三嶌だった。

 

 

11レース

_u4w0134  スリットを通過した瞬間、11レースもイン逃げが決まるかにみえた。インコースの石川真二がコンマ09のトップスタートで、あとは内から、12、16、14、14、26。エンジン差があまりないメンバー構成で、実際にスリットを通過後も極端に伸びていく艇はいない。典型的なイン逃げが決まるパターンだ。
 6艇がそのままターンマークに突入する。2コースにいた濱野谷は差しに構えた。

 えぐるような濱野谷の差しだった。濱野谷のエンジンの引き波を一気に超えるパワーがないので、剃刀でスパッと切るのではなく、中華包丁で叩き割ったような差しになったのだ。後続は離れて、濱野谷と石川がマッチレース状態でバック水面に突入。体勢は外に石川で内に濱野谷。この形だと内が伸びていくのが平和島の常なのだが、意外にも濱野谷の艇がモタモタして伸びない。
_u4w0136  そうこうしているうちに2マークに突入。結局、濱野谷が「内にいる利」を生かして、2マークを先マイして先頭に踊り出た。機力ではなく、気力で掴み取ったような1着であったように思う。

 濱野谷に差されたとはいえ、2マークを回った時点で石川の優出はゆるぎなかった。3番手を走る井口との間隔はほぼセーフティーリードといってもよいくらい差が開いていた。
 2周1マーク。井口が突っ込む仕草をみせる。結果論ではあるが握って回れば難なく勝負は決するはずだったが、石川は行かして差すほうを選択した。
 井口を行かして差そうとした石川に、激しい4着争いをしていた市川と安田が予期せぬ形で突っ込んできて接触する。選手生活19年目にしてはじめて、石川の手の内に入っていたSGの優出切符は脆くもこぼれ落ち、それを井口が拾いあげた。

12レース

_u4w01015  ターンマークでやや流れた吉田とは違い、準優で完璧なイン逃げを決めた選手がいる。12レース、吉田と同じ福岡県の先輩、植木通彦だ。
 3日目の『ベスパフォ』でも書いたが、12レースは舟券がもっとも売れる。しかも本日は準優戦。推定5億円近いお金が、植木の肩には乗っかっていた。ヘタを打てば5億円はパーだし、逆にフライングを切ると、SG準優なので降りかかってくる罰則も重い。
 そんなシチュエーションで、植木はお手本のようなスタートを入れてきた。タインミングはコンマ14――ちょうど一艇身余しの全速スタートである。
 スリット通過後は、6艇がほとんどそろったままターンマーク手前まで進む。植木はターンマークをハズすことなく、差す艇を入れず、まくってくる艇も防ぎながら、悠々とターンマークを先に取る。モンキーターンで上げた腰を下ろしたとき、2艇身ほど植木の艇は抜けていた。
_u4w0047  植木の2番手を死守したのも同県の後輩・瓜生正義だった。2着争いにケリをつけた瓜生は、植木の背後を「三歩下がって師の影ふまず」といった感じでついていく。ターンマークを回るごとに、植木=瓜生の福岡コンビは後続をどんどん引き離していった。

 強さとは、当たり前のことを当たり前にできることである。艇王・植木は、今日それをまざまざと見せ付けた。
 新ペラ導入以降、出ないエンジンに泣かされ続けてきたし、ケガによる帰郷が続いたこともあった。競艇ビギナーのなかには、植木が強かったころの雄姿を知らない者もいるだろう。
 しかし、艇王の長かった雌伏のときも今日まで。明日も当たり前の逃げを満場のオーディエンスに見せつけて、復権することであろう。

 植木にちぎられることなくついていった瓜生正義は、少し気になる存在だ。植木についていくことができるということはエンジンは出ている。明日は同県の偉大な先輩の影を追い越して走っているかもしれない。

(PHOTO/池上一摩 TEXT/姫園淀仁)


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コメント

  
ここの予想は、本物だな。

http://blog.livedoor.jp/takayosou/
 
 

投稿者: 男・兄貴 (2007/03/20 23:04:43)
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