この特集について
ボートレース特集 > 忙中笑あり――3日目、前半のピット
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

忙中笑あり――3日目、前半のピット

2007_0418__625  1R展示前に覗き込んだときには、加藤峻二、古谷猛、新井敏司くらいしか見当たらなかったペラ室が、時間を追うごとにスペースを狭くしていく。装着場にいると、ペラを手にペラ室へと向かっていく選手たちを次々に見ることができるし、数分おきにそーっと覗きに行けば、人数が増え続けている。そんなペラ室。なるほどな~、とペラ室の前で選手たちのトンカントンカンに見入っていたら、あ、加藤御大と目が合ってしまった。バツが悪くなって、ぺこりと会釈。御大は、ちょっと目配せした程度で、すぐにペラに視線を戻す。すごい集中力に感心しながら、立ち去った僕であった。目障りなデブですいません、御大。
2007_0418__224  向かった先は、整備場の前。整備場自体は閑散としているのだが、その奥にあるペラ加工室には関忠志の姿が見えた。その向こうにいるのは、おっと、我らが気になる大西英一ではないか。右腕を激しく水平に往復させている様子から、ペラをゴシゴシと磨いているものと推察された。そんな様子を見ていたら、関が加工室を出てこちらに歩いてくる。挨拶を交わすと、関はそのままペラ室へ。またペラ室の人口密度がアップしたぞ。
 振り返って装着場に目をやれば、すぐそばに原田順一がいた。モーターを装着して、チェックをしているようだ。おはようございます、今日も頑張ってください。順ちゃん、今日は鋭い目つきのまま、挨拶を返してきた。今日をうまく乗り切れば、準優進出を確定させられるだけに、昨日にも増して気合が入っているようだ。
2007_0417__105  ボートで混み合っていた昨日朝の装着場。今日はスペースだらけの装着場だ。後半に登場する選手たちのボートはまだ置かれたままのものが多いが、ほとんどの選手が着水して、回転数などのチェックや試運転の準備をしているようだった。整備室の真ん前には、久間繁のボートが。本体が外れていたので整備室を覗きこむと、案の定、久間が整備をしていた。一昨日も昨日もリング交換をしている久間だが、まだ機力にまるで納得していないようだ。
Cimg2748  さあ、係留所を見に行こう。やっぱりだ。今日はズラリと艇が並んでいる。屋根のない係留所にも艇があり、日光を浴びながら平子茂がモーターの点検をしていた。そうなのだ、今日の大村は快晴! 季節が逆戻りしていた昨日とは違い、まさしく春の陽気なのである。平子も、きっと気持ちよく、作業をしているだろうなあ。
2007_0417__129  いや、そんなことはないか。気温が急上昇ということは、昨日までのセッティングをすべて見直さなければならないということを意味してもいるのである。そして実際、朝から忙しそうに動き回っている選手の姿をたくさん見かけているのだ。選手たちにとっては、ありがたいようでありがたくない、春の陽気だ。爽快度がアップすればするほど、選手たちの多忙度もアップする。これは1R後の話だが、エンジン吊りに向かう小林昌敏が「レース走る時間の気温は怖ろしいことになりそうだなあ」と話しているのを聞いた。選手たちには半ば恨めしい、心地よい気候なのである。

Cimg2750  とはいっても、レースのことなどを頭の隅に追いやれば、やはりとっても気持ちいい陽気。1Rの直前にアリーナ席に移動すると、まだレース発走までは時間があるというのに、すでに外に出てきてベンチに座っている選手の姿があった。昨日は控室に閉じこもっている選手が多かったのに。平野勇志が早々と最前列のベンチに陣取り、ぼんやり水面を見つめている。その隣には河合良夫がやって来て、にこにこと平野に話しかける。気持ちいいの~、そうですな~……なんて話をしているわけはないだろうが、眩しい陽光に目を細めていた。出走合図が鳴り響くと、続々と出てきて、進入の様子を見に来る選手たち。遅れてやって来た佐々木輝雄が「堀江さん、GO!」と小さく呟くと、1R出走選手たちがレバーをグッと握りこんで、レースがスタートした。その堀江喜一郎は、原義昭のFによる恵まれだったが、今節初勝利。佐々木さん、よかったっすね!
2007_0418__095  こうした光景は、レースのたびごとに見られたものだ。なかでも、いつも早々と外に出てきて、うまそうにタバコを吸っていたのは岡孝。空は青いぞ、タバコがうまい。うーん、俺も一緒に吸いたいなあ……。岡は、展示航走を待つ次レースの出走選手たちと、談笑していることが多かった。岡の精悍な顔つきがふわりと緩んで、最高の笑顔になっていて、いやあ、本当に気持ち良さそう。2R後だったか、装着場のあたりをフラフラしていたら、岡とばったり顔を合わせた。ちょいとたじろいだものの、おはようございます!と元気良く挨拶したら、「おはよっす!」と力強い挨拶を返してくれた。いや~、その表情の男っぽかったこと! 3・1・1着と調子は絶好、澄んだ青空に気分も良好。岡、カッコいいなあ、と感じた次第である。
Cimg2761  天候のせい、というわけではないが、2R後にほのぼのとした光景も見かけた。このレースは、片山晃が見事な勝利。今節初の1着に、ピットに戻ってきた片山はニッコニコだ。昨日までにも、片山の笑顔が実にかわいらしい……といったら失礼だけど、素敵なものだということは気になっていたが、勝利をあげた後の笑顔はさらに素晴らしい。出迎えた岡山の仲間たちも、自然とにこやかになっていったのだから、片山は笑顔の伝道師だ。で、レース後、カポック脱ぎ場でのこと。先に井川正人がカポックを脱いでいて、片山は笑顔でレース後の挨拶。そこに、JLCのカメラがやって来て、片山にレンズを向けていた。すると、遅れて山内直人が到着。片山を撮影しているのに気付くと、ピタリと立ち止まった。カメラの前を横切らないよう、撮影が終わるのを待っているのだ。そして、「どう? 終わった? 俺が映ったらまずいでしょ?」と大爆笑。それを見ていた井川も大爆笑で、片山はしきりに恐縮するのだった。いやはや、みなさん、最高の笑顔! つられて、僕も大爆笑っす!
Cimg2756  で、これも天候のせいじゃないけど、何Rだったか、エンジン吊りに選手たちが向かうと、そこにでっかいレンズをつけたカメラを抱えて、中尾カメラマンがばったり。それを目ざとく見つけた山口博司と佐々木輝雄が駆け寄って、あはは、ファインダーを覗いてるぞ。実は、これまでのSG・GⅠ取材でもよくあることで、中尾カメラマンのでっかいレンズには選手も興味津々の様子です。スタート展示の様子をファインダー越しに眺めた山口は、ほお~と感心しきり。佐々木も覗きたかったみたいだけど、ああ、戻ってきた選手たちがリフトに到着してしまって、エンジン吊りに行かなきゃ~と、名残惜しそうにその場を離れていた。中尾カメラマン、あとで佐々木選手にもちゃんと覗かせてあげてやってね。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
コメント