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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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笑うピット――3日目、前半のピット

Cimg2839 「今まででいちばん嬉しい~~~~~!」
 2Rで岡崎恭裕がSG初勝利! 殺到するカメラマンにガッツポーズを見せながら、岡崎は顔をくっしゃくしゃにして、喜びを表現していた。嬉しくて鳥肌が立つことってありますよね? 岡崎の表情は、まさにそんな感じ。泣き出してもおかしくないくらい、岡崎は初勝利の喜びの海に全身で浸っていた。ちなみに、ピットに帰還した岡崎を真っ先に出迎えたのは、峰竜太。大きく手を振って、持っていた艇番(2走目のものでしょう)をパチパチ打ち鳴らしながら、まるで自分のことのように喜んでいた。これでスーパールーキーが揃って水神祭だ! あ、その歓喜の儀式は、後ほど詳報いたしますね~。

 そんな歓喜に沸いたワンシーンもあった、3日目午前中のピット。ただ、基本的には静かな朝で、昨日や一昨日に比べれば、選手たちの動きは緩やかである。というか、昨日は朝から別件でドタバタしており、ピットに入る時間が今日より遅かったから、もしかしたら昨日も朝イチはこうだったのかもしれない。試運転用係留所にボートはズラリと並んでいても、選手の姿はあまり見られず、何人かの選手が試運転に飛び出していく以外は、ボートがゆらゆらと揺れているのみだ。
Cimg2824  1Rの展示が終わり、真っ先に水面に出て行ったのは、松井繁と田中信一郎の大阪巨頭コンビ。信一郎は5Rに登場なので、やや急ぎ足でピット内を移動していたが、松井は11Rだからか、ゆったりとした雰囲気。それでも、朝イチからこうして調整をしているのだから、ひたすら頭が下がるというものだ。何周か足合わせをして、再び係留所に戻ってくると、情報交換の会話を交わす二人。このツーショットは、やはり貫禄が違う。で、やはり試運転に出ていた馬袋義則が、係留所の空きスペースがないのに、松井の艇のあたりに戻ってきてしまった。それを見た、松井、「こらーっ!」と馬袋を叱りからかっておりました。その笑顔には余裕がうかがえましたぞ。
Cimg2834  田口節子も、朝から走っていた一人。田村隆信、井口佳典の同期の足合わせに加わって、感触を確かめていた。ピットに戻ってきて、いったん控室へと向かい、再びボートのところに戻ってきたときには、1Rが発走する直前。田口は、ボートの脇でじーっと水面を見つめて、物思いに耽っていた。やがて、ボートに乗り、操縦席から水面を眺め続ける。係留所に姿があったのは、田口のみ。たった一人、緩やかに波立つ水面を見つめて、何を思っていたのだろう。準優が見えてきている状況にある田口、これも一種のイメージトレーニングだろうか。
Cimg2829  ちょっとしたハプニングも、やはり朝から試運転をしていた木村光宏の艇が、エンストしてしまったのだ。場所は2マークの奥のほうで、すでに水面には他艇はいなかったから危険はなさそうだったけど、これがまた、エンジンがなかなかかからない。木村はスターターロープを何度も引いていたけれども、モーターはウンともスンとも言ってくれないようなのだ。ついには、救助艇が出動して、木村の艇を曳航することになった。
「燃ケツか!? これで今節2人目や~」
 と、その様子を見ていた鎌田義がニコニコニコっ。鎌田は2Rの展示準備に向かう途中で、このハプニングを目撃したのだった。ちなみに、燃ケツとは燃料切れで、1人目は原田幸哉だそうだ。幸哉、以前にもやったことあったよなあ。それくらい、とことん走る幸哉なのです。で、木村のほうは、実際は燃ケツではなく、ちょっとしたトラブルがあったらしい。Cimg2833 バツが悪そうにピットに戻ってきた木村は、そばにいた星野政彦や整備士さんに謝り倒してました。星野政彦は装着場で調整していた手を止めて、木村をからかってました。そんなことがあったのに、木村は3Rで見事に1着! これでハプニングも帳消しですね。

01_0171  というわけで、唯一の燃ケツ男(笑)、原田幸哉。こういった純なまでの不器用さ、僕は好きです。それはともかく、総理杯でもそうだったし、今回もそうなのだが、ピットでは厳しい表情や、まるで何も視界に入っていないかのように集中した顔つきを、最近の幸哉はよくしている。ピットではかなり明るく振舞う部類に入るはずなのだが、ちょっと様子が違う昨今なのだ。特に今回は、それを感じる。
「今年前半は調子が良くなくて、いつも今度こそは、今度こそは、と思ってやってるんです。でもやっぱり良くなくて、今年ももう5カ月も経ってしまった。ほんと、折れそうになったりもするんだけど、くじけたらダメだって思って」
 焦りとはまた違うのだろうが、幸哉のなかに特別な思いが芽生えているのは確かなようだ。「24時間、仕事に使わなければならないんじゃないか」とまで言ったほどの競艇好きである山崎智也をして「競艇バカ」と言わしめる原田幸哉。だからこそ、今の成績は満足には程遠いということだろう。その思いが報われる、今節になるだろうか。

01_0180  さて、得点状況は崖っぷちに立たされてしまっている気になる山崎智也。彼も、今日の朝の動き出しが早い一人だった。挨拶をすると、いつものように目元を軽く緩めて、明るく返してくれたから、精神的に追い込まれているということはなさそうで、ヘンに心配をする必要はないだろう。今日の2走は大事だぞ。(PHOTO/池上一摩=原田、山崎 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)


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