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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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緊張感漂う――初日、前半のピット

2007_0528__472  総理杯では、選手たちがリラックスした表情を見せていたことを、何度か書いているが、この笹川賞では様相がガラリと変わった気がする。もちろん、笑顔はそこかしこに見られるし、みながみなカタい表情を見せているわけではないけれども、総理杯に比べて空気がピリリと締まった感じがするのだ。賞金王でしか来たことのなかった住之江のピット、という環境がそう感じさせるのか、それとも選手たちの意識が変わっているのかは、今日のところは判然とはしないけれども、ただ、いよいよ本格的にSG戦線が始まったんだなあとは漠然と思ったりもする。もちろん、こんな空気も実に居心地のいいものだ(こっちも緊張しちゃうけど)。

2007_0528__140  もしかしたら、そうした雰囲気は、慌しい初日だからこそ、という可能性もあるなあと思ったりもする。いつものSGと同様、今日の午前中は忙しそうに走り回る選手たちの姿ばかりが目に飛び込んでくる。試運転用係留所は満艇状態。レースがひとつ終われば、選手たちは試運転開始の緑ランプを今や遅しと待っている。整備室にもさまざまな選手の姿があって、上瀧和則や服部幸男など、後半にレースを控えている者たちが早くも整備に励んでいる。そんななかに、たとえば2Rを終えた木村光宏が速攻で飛び込んできて、調整を始めたりもしている。木村は9Rにも出走だから、大急ぎの風情だ。同様の動きを見せた一人が平石和男で、3Rを終えるとギアケースを外してダッシュで整備室へ。こちらは2走目が7Rだから、木村以上に時間は残されていない。彼らの動きひとつひとつが、ピットの慌しさを形作っている。

Cimg2812  装着場で、ぐっと集中して作業をしていたのは中村有裕。彼の場合は、総理杯でも特にリラックスしていたふうには見えなかったから、ようするにいつものユーユーがそこにいたということになる。ボートに乗り込んで、ギアケースの相当微妙な部分の調整をしているようで、話しかけてコメントを聞けるような雰囲気ではまるでない。遠目から観察することすら憚られるような感じは、やっぱりいつものユーユーということになるだろう。たっぷりと時間をかけて調整を終えると、さらにカウリングあたりもチェックして、そのままボートリフトのほうに艇を運んでいった。顔色ひとつ変えずに、真っ直ぐ前を向いて歩くさまも、ユーユーらしいと思った。
Cimg2810  対照的だったのは、市川哲也だ。朝から、懸命の整備を続けていて、いったんは試運転に向かった市川。その数分後だろうか、いったん引き上げてきた市川は、ボートを架台に乗せて押しながら、整備室のほうへ猛ダッシュ。大急ぎで再調整をし、検査員さんにチェックしてもらって、再びボートリフトまでボートを押して猛ダッシュ! 険しい表情の市川を眺めつつ、うわ、大変そうだなあ……と思って出走表を見返したのは4R締め切り数分前。うがっ、市川は5Rに出走ではないか! つまり、展示ピットにボートを係留しなければならないわけで、まさにギリギリまで調整をしていたということになる。その甲斐あって、5Rは1着をゲットしたが、この様子だとまだまだ調整は続きそうである。

Cimg2806  忙しい時間の合間に、選手たちは情報交換にも余年がない。1Rで苦いSGデビューとなってしまった岡崎恭裕と峰竜太も、試運転用係留所で真剣に話し合っている。「まだ20歳と22歳かあ」と、長嶺豊さんが頼もしそうに二人を見つめていたが、岡崎も峰もまるで気づく様子もなく、長い時間、会話を交わし続けるのだった。
Cimg2808  乗りに乗る兵庫支部、準地元ということもあってか、6人での参戦(関東は地区全体で5人なのに)、心強い味方が常にそばにいるわけだ。左の写真は松本勝也、吉川元浩、馬袋義則。その後には、松本と魚谷智之のツーショットも見かけていて、松本が魚谷の気力を気にかけ、魚谷は様子を松本に報告しているところだった。どうやら、兵庫支部の精神的支柱は松本勝也。彼が、支部を引っ張っているようである。魚谷に続くSGウィナーが出れば、影のMVPはこの人ということになるはずだ(もちろん、松本自身も優勝を目指せ!)

2007_0528__216  さて、笹川賞連覇なるかと気になる山崎智也。整備室を覗いて、いちばん奥のギアケースを調整する部屋にその姿を見つけたときは、やっぱりそうなのか、と思った。昨日、今節は本体をやるかもしれないと語っていたので、整備室で見かけることがあるだろうと予測していたのだ。装着場にある智也のボートを確認すると、やはりギアケースが外れている。ギアケース自体は「外回り」と呼ばれる部位であるが、普段はペラ中心である智也が、モーターのほうにも目を向けているのは間違いなさそうだ。今節の智也は、まずその動きとそれによってもたらされた結果について、注目してみたい。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=中村、市川、岡崎&峰、兵庫 TEXT/黒須田守)


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