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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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雨の中――2日目、前半のピット

2007_0528__272  今さらながら、どうも“勝者”より“敗者”に目を奪われやすい性分のようで、今日なども、取材陣をぞろぞろと連れ歩いている峰竜太より、一人ぽつねんと歩いている岡崎恭裕のほうを気にしてしまったりする。峰は昨日水神祭、今日も2着と好成績で、必然的に注目が集まる。一方の岡崎は、今日も結果が出せなかった。笑顔の峰と、ややうつむき加減の岡崎。2R後、ちょうど二人がすれ違う場面があったのだが、対照的な二人の様子を見て、つい目で追ってしまったのは岡崎だった。いや、二人は基本的に大の仲良しで、一緒にいることも非常に多く、たまたま別行動だったのだけれども、それを見計らったわけではないだろうけど、峰の周りには人、人、人。しかし岡崎は……となると、どうしても岡崎に肩入れしたくなってしまうのだった。頑張れ、岡崎。この屈辱を、今節中に晴らせ。
2007_0530__049  そうした意味で、前半のピットでもっとも心が動いたのは、横西奏恵の表情だった。4R、1号艇で5着。朝特訓の際、中尾カメラマンに「ピット離れが悪いんですよ~」と言っていたそうだから、上瀧和則に回りこまれたことや、最終的に5コースに押し出されたことは仕方がない。もちろんそれも悔しいことに違いないが、それよりも3番手を走りながら、2周2マークで川﨑智幸の突進を受けて5番手まで下がったことが、何よりも悔恨の理由であろう。レース後、川﨑が横西のもとに歩み寄って、そっと背中を叩きながら、頭を下げているのを見かけた。横西もまた、頭を下げていたが、川﨑に対する怒りなどないはずで、あるとするならもっぱら自分に向けられたものだろう。いろいろ意見はあるかもしれないが、あれは川﨑がうまかったのだ。それはきっと、横西自身もわかっている。
 ほかの5選手が控室へと向かって、いちばん最後に、横西はリフトから控室への長い道のりを歩き始めた。その顔は……精気のかけらもなく、ただただ表情を硬くして、悔しさに耐えているものだった。蒼白といったら大げさだが、しかしやや青白くも見えた。目は真正面を向いてはいるが、焦点が合っておらず、おそらくつい数分前の出来事を脳裏で反芻していたのだと思う。そして、自らと向き合ってもいたのだと思う。いつかのSGで、成績が上がらず落ち込んでいたとき、山崎智也が「悔しいと思えるなら、まだ大丈夫」と励ましてくれたそうだ。その言葉を、今もういちど、思い出してほしいと思った。その悔恨にまみれた表情こそ、強者のそれである。そして、そんな顔をできることが、美しいのだ。

 さてさて、朝から雨が降り続ける住之江競艇場。これを書いている今は、空が明るくなってきて、どうやら上がっているようだが、気候が変わった日といえば、選手たちが調整に駆けずり回るのが定番である。とはいえ、まだ仕上がり切っていない選手も少なくない2日目の降雨ということもあるのか、初日のような慌しさはあまり感じられない。試運転には入れ代わり立ち代わり飛び出していくから、たしかにピット内の空気は動きまくっているのだが、これは単純に2日目らしい光景といえば2日目らしい光景。いつもより多く見かけるものがあるとすれば、選手同士の情報交換が頻繁だということだろうか。
2007_0530__065  遠く向こうのほうで、金子良昭、江口晃生、濱野谷憲吾、田村隆信という4ショットを発見。ひとまず選手名をざっとメモして、そちらのほうに走り出すと、あら、憲吾が僕の目の前におりますよ、はい。すでに情報交換をすませて、次の動作に移っていたのだ。みな、行動が早い。
Cimg2820_1  目の前の試運転用係留所では、隣り合わせた西島義則と寺田千恵が、ピット中にも響き渡る声で、大爆笑していた。おやおやおや、何を話してるんでしょ、5Rの1号艇と2号艇が、と思って近づくと、どうやら水面の様子について、すでにいちどレースを走っていたテラッチに西島が問いかけているよう。テラッチの人柄もあるのだろうが、妙に明るい会話であった。
2007_0530__111  ふと見上げると、遠く向こうのほうでは、今度は山本浩次、辻栄蔵、田口節子の3ショット。少し前には、この3人が足合わせをしているのを目撃していて、ピットに戻ってきて、手応えを確認しあっているのだろう。と、思いきや、解散するときに田口が山本と辻にぺこぺこと頭を下げている。もしかしたら、山本と辻が、一緒に走った田口に何かアドバイスをしていたのだろうか。なるほど、山本と田口は同県、辻はお隣で同地区だ。SGレーサーと走ることは、ひとつひとつが田口にとって栄養分となるはずだ。
Cimg2821  おっと、このツーショットは同期生では!? 江口晃生と佐藤正子さんだ。今は立場が分かれているが、ピットで久々に顔を合わせることは、お二人にとっても嬉しいことに違いない。江口もニコニコ、正子さんもニコニコ。こういう同窓会も、いいものですね。正子さんが3154、江口が3159、登番も近い二人の幸せな光景でありました。

2007_0530__032  さてさてさて、雨が降ろうがインが強かろうが気になる山崎智也。姿を見かけたのは整備室。そう、本体整備をしておりました。前検日に「やるかも」と言ってはいたが、本当に手をつけましたか。整備士さんに相談しながらの作業だったが、終始ニコニコ顔で、整備士さんと談笑している様子だったあたり、智也の人柄なんだろうなあ。これがどんな結果を導くのか、11Rが楽しみだ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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コメント

横西Fanから見ても、今日の逆転は悔しかったです。
今節中に、鬱憤を晴らしてくれるのを期待して応援します!

投稿者: はっしー (2007/05/30 14:57:01)
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