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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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声なき闘志――準優勝戦前半のピット

1dpp_0001 「今日は暑いね」
 そう漏らしていたのは三嶌誠司だが、実際に午前中からすでに汗ばむような陽気になっていた。昨日の時点で山崎昭生が「今節は天候がころころ変わるから調整が大変」と話していたが、選手の苦労はよくわかる。
 今朝のピットはなんとも静かであり、同期同士で集まっているような場面は見かけられても、無駄口をきいている様子はなく、笑い声が聞こえてくることもほとんどなかったのだ(写真は銀河系軍団が集まっていたところ)。
 ペラ小屋にしても1R前から大繁盛で、準優に出る選手の多くが出入りしていた。

2u4w6692  ほとんどの選手の調整がペラ中心だったが、モーター本体に手を付けていたのは上瀧和則だ(こちらで確認した範囲では、モーターに手をつけていたのは上瀧しかいなかった)。
 ボートにモーターを着けてある状態でしばらく整備士さんと話していたあと、“よし!”という感じでモーターを外して整備室へ直行……。
 とはいえ、とくべつ焦っているような様子は見られず、時には笑顔も見せながら整備を続けていたのが頼もしかった。

3u4w6829  午前中を通して落ち着いた様子で過ごしていたのは、エース機はどちらなのかと争っているような白井英治と瓜生正義の二人である。
 ともに、レース後の引き上げの手伝いなどで姿が見られたが、歩いている姿なども悠然としており、焦って自分の作業をしているような場面は見かけられなかった。両者それぞれに、これ以上、大きな手を入れる必要のない状態まで来ているものと思われる。

4mg_5616  挑戦者ともいえる立場の石野貴之、田口節子らの表情はさすがにちょっと硬くなっているように思われた。
 ただ、石野の場合は先の総理杯でもそうだったが、誰かに話しかけられたりすることなく一人で作業をしていたり歩いていたりするときにはちょっと不機嫌にも見えるような引き締まった顔をしていることが多い。それを考えれば、ちょうどいい気合乗りになっているともいえるだろう。
 その点でいえば、気になるのは田口のほうだ。これから気持ちを切り替えて、失うものはないのだから……という心理状態でレースに臨むことができるかどうかが、鍵を握りそうである。

5u4w6751 準優進出者のなかで、程よい気合い乗りになっているようで、見た目から好感触を受けたのは馬袋義則と山本浩次だ。
 とくに馬袋は、朝から熱心に整備や試運転をしていたが、焦りや緊張のようなものは感じられなかったのだから、一発の予感を抱かされたものである。
 原田幸哉の足を絶賛している場面も見かけられたが、「よかったなあ」などと言いながら、その顔には気持ちのいい笑みが浮かべられていた。

 準優には出られなくても、すごく集中して作業をしていたの が太田和美と烏野賢太だ。
 1Rにおいて、粘りの追い上げで3着に入った烏野は、その後、モニターでリプレイをじっと見ていて、それで何かを感じたのか、休む間もなく整備を始めた。
 また、初日にFを切ってしまった太田にしても、早い時間帯から熱心に回転数を確認していて、その後もずっとボートに張り付いているような状態だったのだ。
 優勝戦への道は閉ざされてしまっても、決してゆるめることのない男たち――。彼らのこれから二日間にも注目したい。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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