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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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競艇甲子園??――MB記念、前検のピット

 競艇甲子園。モーターボート記念を、そう呼ぶことがある。開催場(蒲郡)以外の23場が、自場の威信を懸けて推薦する代表選手たちが集うことが、その由来だ。たとえば、桐生競艇場代表は江口晃生。戸田競艇場は平石和男。23名以外は、優先出場選手+開催場希望選手ということになるが、その23名にとっては故郷を背負って戦う、重大な一戦となる。
 そうしたシリーズの性格から、初日ドリーム戦では「各地区代表選手」を選出している。競艇の“地区”というカテゴリーは6つ。ちょうどレースにおけるピットの数と同じだ。そこで、関東、東海、近畿、四国、中国、九州の代表を選び、その激突をドリーム戦としたわけである。
①松井繁(大阪・近畿代表)
②瓜生正義(福岡・九州代表)
③濱野谷憲吾(東京・関東代表)
④原田幸哉(愛知・東海代表)
⑤辻栄蔵(広島・中国代表)
⑥田村隆信(徳島・四国代表)
 なんたる豪華カード。艇界には、全国各地にスーパースターがいるのだということを改めて感じさせられる。で、前検日恒例のドリーム戦出場選手共同会見。ここで、質問者の記者さんはすべての選手に「●●地区代表に選ばれましたが」と投げかけている。これが、実にヒットの質問となった。その対応の違いが面白かったのだ。
2007_0827__0296  まず、素直に喜んだのが、瓜生と濱野谷。「ありがとうございます」と選ばれたことへの謝辞を述べ、瓜生は「九州代表として頑張りたい」と語っている。濱野谷にいたっては、「ということは、智也に勝ったってことですか?」とジョークを飛ばして、会見場を爆笑で包んでみせた。
2007_0827__0289  同じく「ありがとうございました」と言ったのは原田幸哉だったが、瓜生や濱野谷と少し違ったのは、やや淡々とした受け答えだったこと。もちろん、嬉しくないわけはないだろうが、そうした次元とは別のところに、幸哉は闘志を向けているはずだ。
2007_0827__0292  一方、松井、辻、田村は、それに対してはほとんど反応を見せず、受け流していた。すなわち、地区代表という概念はあくまでレースの付加価値であって、戦う相手は地区の代表か否かにかかわらず、強力なメンバーばかり。地区代表うんぬんに意識を向ける必要を感じていないのか、単に我関せずで普段の戦いを見せるつもりなのかはわからないものの、誤解をおそれずにいえば「それがどうしたの?」という感じで、特にコメントを発することはなかったのである。
 で、これがさらに面白かったのは、“いい雰囲気”に見えたのはいずれも前者、地区代表に選ばれて「ありがとう」と言った3人だったのである。ドリーム戦という、たった1つのレースに対して、「地区を背負う」ことが強みになるとは思わない。だから、地区代表であることを意識したからといって、特別に気合が入るということがあるわけはない。ただ、この偶然はやはり興味深いことだった。それがレースの結果に直結するわけではないけれども、ただ何かを意味していることは間違いない。個人的には、この3人、節間を通して追いかけていいのではないか、と思えているのだが。
 ちなみに幸哉は、お盆開催のときに見ていて、「これを引きたい」と思っていたモーターが2つあって、そのうちの1つを引いたのだそうだ。13号機、これはお盆には赤岩が引いたモーターだが、そのときからMB記念で引けたらいいなあ、と考えていたとのことである。もうひとつは、33号機。吉田弘文が引いてますね。

 さて、今日の前検は、普段見るのとは少しだけ違う形で行なわれていた。というのは、普通だと前半と後半に別れ、5班と6班の間に試運転タイムが設けられるのだが、なんと1班から9班まで、一気に前検航走が行なわれたのである。理由はハッキリ確かめていないのだが、おそらく「係留所が豊富」であることにより、後半組もすぐに着水でき、試運転ができるからではないかと思われる。今まで見てきた競艇場では、係留所が52コもないから、後半組は前半組が前検航走を終えるのを待って、着水することになるのだが、今日はいきなり全艇が着水を終えて、装着場は1艇もボートがないという珍しい状況になっていて、驚いたものだった。
 で、だから何かというと、前検航走がすべて終わったあと、整備室やペラ室が満員御礼状態になっていたのだ。いつもなら、9班がモーターの格納作業をする頃には、1班や2班の選手はとっくに格納を終えていたりして、それなりに隙間を感じるものだが、今日はなんだか人でいっぱい。そして、格納作業をしているかたわらで、ひそやかに整備をしている選手がいたりする。選手がたくさんいるから、よく見ないと見落としてしまいそうなくらい、ひそやかな整備に見えるのである。
2007_0827__0270  たとえば、吉田弘文の姿を整備室の奥のほうに発見し、少し眺めていたら、その前にいた選手が移動したら、あ、ギアケースを手にしているじゃないか。好素性機だが、早くもセッティングに手をつけているようである。同様にギアケースを手にしていて、大慌てでメモをした選手には、濱野谷憲吾もいた。
2007_0827__0388  手前のほうでは、森高一真がキャブレターをいじっていた。その目つきは鋭く、しかし湯川浩司などに声をかけられると、笑顔も見えている。気合とリラックスが、いい配分で混じり合っているようだ。今日、ピットでの森高との接触は1回。試運転後、いったん控室に戻ろうとした森高と出くわして、森高はこちらをキッと睨みつけるような視線を向けつつ「クロちゃんっ!」と言って、つむじ風のように去っていった。そういえばそうだった。いつもちょっかいかけてくる森高も、気合を入れるべき場面では決して柔らかな表情を見せてはいなかったではないか。今節は、その姿が前検からある。間違いなく、いい精神状態で、森高はここにいる。
2007_0827__0302 ペラ室で目についたのは、鳥飼眞と瓜生正義。二人とも、けっこう強い力でペラに一撃を加えたりしていたが、顔つきは実に穏やか。というか、時に大笑顔。なんだかいい雰囲気で、笑い合っているのだ。うむ、やはり瓜生は追いかける価値がありそうだし、鳥飼も注目するべきだろうなあ、と思った。

2007_0827__0430  さて、このMB記念は賞金王勝負駆けと言われている気になる山崎智也。そうなんですね、このあとダービーとGⅠに出場できない智也にとって、ここは確実に、しかも大幅に、賞金を上積みしなければベスト12黄信号となってしまうのだ。智也自身、まさかこんな背景でMB記念を迎えるとは思っていなかっただろう。ただ、少し安心するのは、なかなか好気合に見えた今日の智也。決して肩に力が入るわけではなく、しかし弛緩という言葉とは無縁の感じで、いい状態に見えたのである。ともかく、悔いのない戦いをしてくれることを願っております!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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