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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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笑顔の勝負駆け――4日目、前半のピット

Cimg3509  係留所の片隅で、ポツンと一人、水面を見つめる森秋光。なんでまた、こんなところに? と思ったら、同県の平尾崇典が6号艇で出走していた。2Rのことだ。6コース発進の平尾は、気づいていたかいないかはわからないが、秋光のすぐ目の前からの起こしとなった。平尾は今日、ピンピン条件の勝負駆け。秋光の至近距離での応援が、平尾の背中を押すか……。
 押した! 平尾、6コースから1着! これはデカい。後半8Rは1号艇、勝負駆け成功にグッと近づいてみせた。秋光は、2周1マークで平尾が1等を確実なものにしたと見るや、真っ先にボートリフトへ。あと1周半(プラスゴール後の4分の3周)があるというのに、出迎えに行っちゃったのだ。普通、選手がリフトに集まりだすのは3周目のバックすぎだから、秋光、ずいぶん早い。後輩の快走が嬉しかったんだなあ。誰よりも長い時間、リフトで平尾の帰還を待って、ようやく戻ってきた後輩に、秋光はパチパチパチ! ニッコニコで笑いながら、平尾に拍手を送っていたのだった。
2007_1005_0143  その平尾、秋光らの祝福には笑顔を見せていたが、思った以上に淡々と振舞っていたレース後だった。カポック脱ぎ場でも、粛々としていて、6コースからの勝利に喜びを爆発させてもいなければ、後半に向けて闘志を高めてもいないふうであった。そんな平尾が、思わず頬をほころばせたのは、今村暢孝が遅れてカポック脱ぎ場にやって来たとき。平尾はいったん控室に戻っていき、その後、何かを思い出したようにピットにやって来たのだが、どうやら暢孝を探していたようだった。暢孝に駆け寄った平尾は、立ち止まると、深々とお辞儀。額がヒザにつくくらいの深さだ。それを見て、暢孝も笑顔爆発。優しい、慈愛に満ちた笑顔を見せて、平尾の肩をポンポンと叩いた。1マーク、暢孝は平尾のひとつ内から外マイを放っている。それが平尾に展開の利を生んだ。この勝利は、暢孝さんのおかげです。本当にありがとうございました。いやいや、オレは自分が勝ちに行ったまで。よく展開を見ていたじゃないか、おめでとう。ってな感じでしょうか。
 多くの人が笑顔になる勝利。いいなあ。

_mg_0616   2Rのボートリフトの様子をもうひとつ。2着に野長瀬正孝が入った。当然、出迎えるのは静岡勢……ん? なぜか今村豊もいるじゃないですか。本来は、同じ中国地区の平尾を出迎えるはずの今村さん、2着艇が入る場所の最前列に陣取っているのだ。野長瀬が帰ってくると、今村さんはしゃがみ込んだ。そしてニッコニコで、野長瀬に何か話しかけているのだ。いや、からかっている、ってほうが正解だな。リフトは降ろされたままだから、野長瀬はまだ水面と同じ高さにいて、表情は見えないけど、今村さんの顔がどんどんとにこやかになっていくから、軽口を叩きあっていたということか。いやあ、今村豊、相変わらずである。写真は、一昨日のピット記事に書いた、上瀧和則とのじゃれ合い。池上カメラマンが撮影していたんですね。上瀧は僕にも背を向けたが、カメラのレンズに対しても背を向けている。でも、今村さんはお構いなしにニッコニコ。いやあ、いいなあ。今村さんの元気一杯な若々しさには、本当に癒されます。

_u4w1168  時間は巻き戻って、1R前。水面際でボケーッとしていたら、「おはようございますっ!」と声をかけられた。岩崎芳美だ。元気で優しい笑顔、うーむ、これまた癒される……って、岩崎選手! あなた、1Rの1号艇じゃないですかっ! 岩崎は、集合合図を前に、ちょうど出走控室に向かっていたところ。つまり、レースの直前! だというのに、目に入ったデヴに、朗らかに挨拶をしてくれたのである。もちろん、緊張感がなかったわけではないだろう。頭の中では、あれこれと戦略を練ってもいたはずだ。そんななか、目障りなデヴにも意識を向けてくれた。この人柄が、彼女の魅力なのだろうと思った。で、レースでも見事に1着! 昨日のピット記事で、整備をしていた様子をリポートし、「明日すぐに結果が出なくても……」などと書いたが、さっそく結果が出た! 素晴らしい。それでも予選突破はほぼ絶望的な状況だが、しかし今後もダービーをおおいに盛り上げてほしいものである。

_u4w2143  1Rが終わって、平和島アリーナの周辺をうろちょろしていたら、アリーナのベンチに服部幸男を発見。アームプロテクターを磨きながら、な、な、なんと、ニヤニヤしているではないか。服部のニヤケ顔!? しかも、一人ぽつんと座りながら、思い出し笑いでもしているのか!? 違った。Cimg3508 すぐ真横のOPCで、鎌田義と湯川浩司がギャグの応酬をしていたのだ。それを聞きながら服部は、おかしくてつい笑ってしまっていたわけだ。さすがカマギー&湯川。カマギーは、1R後のカポック脱ぎ場でも、フラッシュを浴びる岩崎芳美に、「ほら、カメラのほう向かなきゃ」などと言って、大笑いさせていた。カマギーのこのバイタリティ、本当にたいしたもんだと思う。3Rでは今節2度目の転覆を喫してしまったが、めげることなく、平和島を沸かせてほしいものだ。

_u4w2136  若武者3人衆が勝負駆けだ。杉山正樹は、1・2着条件ともっとも厳しく、3Rで3着に終わってしまっているから、状況も厳しい。今朝の様子は、まったくプレッシャーを感じていないふうに笑顔を見せていたから、「ひょっとしたら?」の期待を抱いていたのだが……。しかし、初日から笑顔が多かった杉山、しっかりSGの雰囲気に溶け込んで、互角以上の戦いを見せてきたといえる。2戦目以降はオール3着、初戦の6着が痛かった……。あとは、なんとか水神祭を! 我らがテツこと山崎哲司は、昨日のネガティブさをすっかり振り払っていた。僕は「今日はピンピンで!」というと、「だっはは、ピンピンは厳しい!」と笑顔を見せて、もうそれだけで充分、という気がした。1・6着という条件は、充分にクリアできるものだぞ。唯一、ちょっとだけ心配になったのは、山口剛。彼もSGの雰囲気に物怖じすることなく、にこやかにハツラツと3日目までを戦ってきていたが、今日は少しだけ緊張感に包まれているように思えた。結果、転覆……。彼にとっては、こういう局面を経験することは通過しなければならない試練であり、今後への糧とすべきもの。これにめげず、次のチャンスを掴むのだ!

2007_1005_0654  さて、今節気になる銀河系。朝の早い時間帯、彼らになんとなく精気が感じられず、「そんな雰囲気になるのは、まだ早い……」などと勝手に思ったりもしていた。しかし、5Rで井口佳典が今節初1着! 当たり前だが、決して勝負を投げていなかったのだ。それを感じられて、今度は勝手にテンションが上がった。湯川浩司は同じレースで、5番手に落ちる場面もありながら、最後は逆転の3着! 後半に望みを残している。後半は、3人のスカッとした笑顔が見たい!(PHOTO/中尾茂幸=平尾、井口  池上一摩=今村、岩崎、服部&鎌田、山口 黒須田=森、OPC TEXT/黒須田守)


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