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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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ドキュメント・ザ・勝負駆け

 準優へ、賞金王へ、1年でいちばん熱く激しい勝負駆けレースを時系列に振り返ります(選手名のあとの丸数字はボーダー6・00想定の着条件、☆は完走当確)。

2007_1123_0026 1R/金子②②、井口①①待ち、中島①②
ほぼ終戦を迎えたメンバーの中に、ひとり地元の大将・金子良昭が。番組さんの思いが染みる「1年2組」だが、初日にFを切った三嶌がインを譲らず2コース発進。1マークで後手を踏み、道中3、4番手の苦しい展開から気合いの連続差しで2着をもぎ取った。これで、10Rは2着条件に。井口6着、中島3着で脱落(※と、このときは思ったのだが )。

2R/寺田千①②、重成①①、横澤①待ち
このイン戦にすべてを賭けた寺田千恵が、とんでもなく早い起こしから痛恨のF。かなりアジャストしたのだが、それでも間に合わなかった(+03)。なんとかピンを取って吉報を待ちたかった横澤は2着、重成も3着でこのレースは全員が圏外に去った。

3R/池田②②、倉谷②②、高橋①②
賞金ランク12位……無類のイン巧者にして賞金王進出へ絶対に負けられない池田が圧倒的人気に。が、同じく背水の陣の倉谷がコンマ10のトップSから、今まで見たこともないような(失礼!)凄まじいまくり差しを決めて完勝。準優へ大きく前進した。逃げた池田も2着を死守して11Rに望みをつないだが、高橋は3着でほぼ脱落した。

4R/渡邉①、池本③④、村田①①、山口②、赤岩②②、松井②⑥
全員が超タイトな勝負駆け。前半最大の激戦カードになったが、地元の渡邉がコースを利して一気に逃げきった。勝負駆け成功! 2着の松井も12R完走当確に。今節好調な広島勢だが、山口が6着で脱落、池本も5着(最終マークで赤岩に逆転競り負け)で10Rは厳しい②着条件になった。村田、赤岩は絶望的に……。

2007_1123_0012 5R/今村⑤⑤、太田①、重野②②、瓜生☆、辻②③
呪われた1号艇? 昨日から森、大嶋、寺田千の返還欠場に続き、今村豊が展示後に急病を発して欠場・帰郷となった。大村の記念を制するなどリズムは良好、今節も予選突破がほぼ確実だっただけに本当に残念だ。今村に替わってインに入った太田和美が逃げきり、これまたギリギリの勝負駆けに成功。重野は4着で9R①待ちに。5着の辻は11R1号艇を残してほぼ絶望的な状況になった。すでに当確の瓜生は余裕の?2着。

6R/川﨑②⑥、佐々木☆、都築①⑥
1~3号艇がすでに終戦で、外枠が勝負駆けという難解な一戦。エース機を生かしきれずに戦線離脱した山本浩次がやっと仕上げたか、鮮やかなまくり差しで勝負駆け勢に一太刀を浴びせた。それでも2着の川﨑が完走当確。佐々木も4着ながら安泰で、5着の都築だけが12R1着条件という苦境に立たされた。この3連単が今日はじめての万シュー。枠番の妙というべきか。

7R/江口①、湯川☆、白井①、市川☆、山崎哲①待ち
S勘凄い山崎哲が5コースから飛び出したが絞りきれず、替わって1着勝負の白井が3コースから江口まで呑み込んだ。まくったピン勝負と、まくられたピン勝負と……江口は無念の4着終戦。明暗がくっきり分かれた。スリットで見せ場を作った山崎哲も6着に沈み、ダービーに続く連続予選突破の夢は消えた。湯川と市川はさすがのパワーで2、3着。

8R/上瀧③、西島③
これぞ勝負駆け! 着順の重さを踏まえれば、今日一番のデッドヒートといえるだろう。レース自体は逃げた中島~4コースからブン回した重成の順でやや単調な縦長の展開に。が、このレースは「3着」がキモ。その1枚の指定券を、なんとなんと当事者の上瀧と西島が奪い合っている。艇界が誇るイン屋ふたりの、過酷なサバイバルマッチだ。常にリードしているのは上瀧。2艇身ほどの差で追いすがる西島が、2周1マーク、2マーク、3周1マークと強ツケマイ連発でじわじわと差を縮めてゆく。そして最終ターンマーク、ついに外から同体まで肉薄した西島は、一転して差しハンドルに構えた。ツケマイを防ぎ続けてきた上瀧は、この差しに対応しきれず逆転。艇界を引っ張り続けているふたりのマッチレースは、美しいほどに凄絶だった。西島は6・00で文句なしの当確。一方の上瀧は5・80で微妙な結果待ちになった。

2007_1123_0212 9R/高橋①待ち、赤岩①待ち、原田☆、山崎智②、重野①待ち
これも勝負駆け……ボーダーが5・80付近で停滞し、当確の原田以外の5選手にも自力突破の可能性が生まれたこのレース。ここ一番の勝負レースになるとほぼ100%の確率でSを奮発する山崎智也が、奮発しすぎた。コンマ03の勇み足。今年、F禍に泣かされ続けた智也が、またやってしまった。残念な結果だが、さすが智也と言いたい。こうして己の身を切り裂いてでも虎穴に入る男だからこそ、常に信頼して舟券も買えるのだ。臥薪嘗胆、このFも肥やしにして来年は賞金王の舞台に帰ってくるだろう。一方、賞金ランク15位の原田幸哉はコンマ01!のタッチで残して2着。賞金王への逆転進出にグッと近づいた。1着は終戦ながらコンマ02と気を吐いた井口。1・2着条件の4選手がすべて消え去るという皮肉な結果になってしまった。

10R/瓜生☆、倉谷③、池本②、金子①
条件どおりに1着・金子、2着・池本、3着・倉谷になれば幸せなレースなのだが……準優も賞金王もお腹一杯の瓜生が豪快に逃げきり。3コースから気合いで握った金子は虚しく流れ、4着に散った。池本も5着で脱落、倉谷だけがしっかりと2着に粘りきって勝負駆けを成功させた。

2007_1123_0171 11R/佐藤⑤、川﨑☆、寺田祥⑤、湯川☆、池田②
準優ボーダーは中島の5・67。池田は3着でも5・83で当確ランプが点る。とにかくこのシリーズだけでなく、賞金王決定戦のためにブイに噛り付いてでも準優に行きたい池田。ここでの3着と4着は、そのまま天国と地獄を意味する。6号艇の池田は3コースに動いて、コンマ08の鋭発を決めた。が、さほどシビアな勝負駆けとはいえない他の艇もSを決めて、横一線の隊形に……中堅パワーの池田に勝つべき差し場を見い出すのは困難だった。
 超抜揃いのこのレースは、バックに移っても大混戦。内から寺田、湯川、佐藤、辻の順で艇をぶつけ合いながら併走している。その艇団の2艇身後方で池田はひたすら喘いでいた。前がやりあっているからチャンスも生まれそうだが、超抜艇団は激しく競り合いながらも、池田を置き去りにしたのだ。痛恨すぎる6着……。賞金ランク12位という嬉しいはずの御殿が、ひと吹きの息で消え去るような空中楼閣に変わった。残酷なレースだった。

12R/松井☆、都築②、市川☆、西村☆、平石☆
ボーダーは5・67か5・80か……上瀧の予選突破が確定し、最後の1議席を巡る争いは中島と都築に絞られた。自力駆けの都築は2着条件。コンマ09で外の市川を封じ、準優への差しハンドルを入れる。が、アウトから最内を突いた平石が、非情な伸び足で都築の内に舳先を入れた。池田同様、これもまた残酷なまでのパワー差だ。2マークで平石が楽々と先マイを打ち、都築の願いは断たれた。追っても追っても届かない3着。この結果、絶望的と思われていた中島孝平が幸運にも最後のチケットを手にしたのだった。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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この記事は2007年11月23日付けなのですが、カテゴリー付けが【2006競艇王チャレンジカップ】になってしまっています。お手すきの時にでも、正しいカテゴリーの【2007競艇王チャレンジカップ】への訂正をお願いします。

投稿者: おかちどり (2007/12/09 3:04:03)

おかちどり様

ご指摘ありがとうございました。
さっそく訂正いたしました。
今の今まで気づかなかったとは、お恥ずかしいの一言であります……。

投稿者: 取材班 (2007/12/09 10:12:26)
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