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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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本日もギリギリの勝負が!(競艇王CC2日目私的回顧)

 大阪両者が圧倒的なパフォーマンスを発揮!

2007_1121_1017  チャレンジカップのドリーム戦をみれば、どの地区に勢いがあるかがわかるという。今年は圧倒的に近畿地区だ。とくに、松井、田中、湯川の3人を出場させた大阪勢は、その充実ぶりを誇示するかのよう。今年の賞金王決定戦の舞台は福岡であるが、彼らが福岡を住之江色に染めるような気がする。

 残念ながら、田中信一郎が本日試運転中に落水して帰郷となった。だがそれを補うかのように、今日も松井と湯川が大暴れをした。

2007_1120_0943  もはや松井には付け入るスキがない。11レースの競走を見ていると、そう言わざるをえない。ピット離れでインコースを奪い、ゼロ台のトップスタート。1マークに到達するまでに艇は伸びていき、楽々と先マイ。 もう、どうしようもない。
 11レース終了後のインタビューでも、松井はしきりにエンジンの良さを強調していた。実直な機力評を出す松井だけにその言葉は信用できる。

 湯川の勢いも凄まじい。
 6号艇となった6レースも、6コースから上手くさばいて2着にまとめる。道中の伸びはかなりのモノ。
 そして10レース。アジャストしながら、なんとかコンマ03にスタートを入れる。本人曰く
「放り放り放りのスタート」
 だとか。本来なら外に叩かれてもおかしくないのに、スリット通過後に握りなおすと、グイッと艇が伸び返した。あの内容でイン逃げが決まるのであれば、明日以降も戦いやすい。
 これで得点は30点。大阪の若武者が、昨日に引き続き予選トップを爆走中である。
 

 進入だけでもお腹いっぱい!

2007_1121_0156  内が強い。まくりが決まらない。初日にひきつづき、浜名湖水面は外の艇に厳しい顔をみせている。いきおい、外枠の選手がガンガン動く。普段はコースにこだわらない羊が、内がスキをみせた瞬間、狼になる。進入が激しくなれば、それ以上にレースが激しくなるのも必定。

 進入からヒリヒリした感覚が伝わってきたのが6レース。
「イン不動」と思われていた1号艇の井口佳典が、ピットアウトで遅れる。その刹那、何の躊躇もなく2号艇の森秋光が井口の道を塞ぐ。3号艇の木村もそれに続く。ファンファーレが鳴ってから数秒。目を離していた観客は何が起こったかわからない。気づくと圧倒的な1番人気の井口が、インに入れそうにない場所にいた。舟券を買っていたファンは呪っただろう。

2007_1119_0396  遅れたものは仕方がない。井口はインに執着するタイプではないので「引く」という選択肢もあったはずだ。ところが、井口はもクルリと回り込んで真っ先に艇をスリット方向にむける。インを譲るのはプライドが許さなかったのか。それとも1号艇でインを主張しないのはバカらしいと判断したのか。
 これをみた森秋光はインを明け渡す。これなら絶好の2コースに入れる。
2007_1119_0480  ヒヤヒヤながらも、井口がインを取り返して進入に決着がつい……てはいなかった! 井口とネトロンの隙間に3号艇が挟まっている。木村だ! 井口が開けたスペースに、木村光宏が艇をネジ込んでインを奪った。二転三転したイン争いは、最終的に木村の手に落ちた(レース後、待機行動違反を取られたが)。
 もうこれだけでお腹いっぱい。でもまだレースは動く。
 内2艇を置き去りにして、3コースの森が真っ先にスリットを駆け抜ける。そして内に襲い掛かかる。まくりが決まりにくそうな水面ではあるが、この態勢なら決まる。そして突き抜けた。

 ところが、ここで無常のフライングコールが流れる。チャレンジカップ4人目のフラングの脱落者は森秋光。コンマ01の勇み足。入っていれば、ピット離れから攻めた鮮やかなレースだっただけに、無常である。
 進入からめまぐるしく動き、待機行動違反が発生し、フライングが飛び出し……。荒々しく激しい競走である。
 この波乱のレースを制したのは、進入争いにやスタート勝負に参戦せず、冷静なハンドルを入れた西村。勝負はアツくなったら負けなのだ。ただ、アツくなった者たちにも労いの言葉を贈りたい。彼らがいるからこそ、戦いは盛り上がる。

 規格外!? 波風の激しい浜名湖を切り裂いた大外マクリ!

 内が強い。まくりが決まらない。それでもスピードで攻めようとする選手もいる。8レースの山崎哲司だ。
 昨夜出走表を見たとき、「なんともキツい番組に入れられたものだ」と思った。
 まず、賞金王にもっとも近い男・魚谷がいる。1号艇にはイン戦で安定感ある赤岩がいて、外にはコースを動くであろう西島と三嶌。さらには地元の横澤もいる。あきらかに山崎だけが格下である。
2007_1121_0796  進入。案の定、西島と三嶌が動いて山崎は6コースに追いやられる。昨日からの浜名湖の水面状況を考えれば、よっぽど展開がむかなければ絶望的な位置である。
 山崎は先頭でスリットを駆け抜けた。タイミングはコンマ02。それでも他5艇のスタートも、コンマ08から13の間におさまっている。6コースのビハインドを跳ね返すには、これでもまだ足りない。
 1マーク。差し場はない。山崎は意を決した。レバーを握って、ハンドルを左に入れる。
 波高4センチ。風速は2マークから1マークにむけて6m。大外マクリが決まる水面ではないはずなのに、山崎は全艇を抱きかかえて先頭に踊り出た。

 前節の児島から、ずっと山崎を見ている。スタートは決まっているしターンも問題ない。でもエンジンが低調。
 今節引いた18号機も2連対率30%の低調機。だが、今日のスリーブ交換で化けた。これまで山崎の足を引っ張ってきたエンジンが、武器に変わった。

 2日目が終わって得点は13点。予選突破には残り2走で17点が必要だ。
 SGの2走17点はかなり厳しい条件である。ただ、今日の浜名湖で6コースまくりを決めた山崎なら、とも思ってしまう。

 賞金王決定戦ボーダーライン付近の動向

2007_1121_0760  賞金王決定戦出場のボーダーライン付近の選手で、本日のレースぶりが目立ったのは賞金順位24位の市川哲也だろう。
 2レース。6号艇から積極的に動いて3コースを取ると、4コースからトップスタートを決めた山崎を受け止めたうえで、マクリを放つ。風と波が高い浜名湖はまくりが決まらない。そんな定説をあざ笑うかのようなマクリ快勝。2走目の7レースはケレン味のないイン逃げ。スタートタイミング08は、スタート巧者の面目躍如である。賞金順位こそかわらないが、獲得賞金額は4433万円となった。23位の前本(4458万円)、22位の辻(4481万円)に、にじりと近づいた。

2007_1119_0398  昨日時点で獲得賞金4650万円。順位20位の平石も本日の2走を3着1着にまとめた。
 9レースの逃げ切りは強い内容だった。足も上向き、スタート勘も問題なし、この勝利で得点率も20点に乗せた。ただ、1レースの3着のほうが印象に残るレースだった。
 重野と2番手争いをする同県の西村を上手くアシストしながら4番手を追走し、重野がスキをみせた瞬間すかさず襲い掛かったレースだ。派手さはまったくない。だが、平石のクレバーさが光るいい競走だった。

【21日終了時点でのボーダー付近の獲得賞金額と順位】

10位 服部幸男 6301万円 CC不出場
11位 三嶌誠司 5605万円 賞典除外
12位 池田浩二 5494万円 予選27位
13位 吉田弘文 5462万円 CC不出場
14位 田村隆信 5242万円 賞典除外
15位 原田幸哉 5209万円 予選17位
16位 佐々木康 5027万円 予選3位
17位 山本浩次 4921万円 予選35位
18位 江口晃生 4892万円 予選33位
19位 寺田 祥 4724万円 予選21位
20位 平石和男 4683万円 予選13位

  優勝戦進出でほぼ決定戦出場が決まる池田浩二の現在の得点は15点。明日は8レース1回走り。要注目である!

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)


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