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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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混戦――2日目後半のピット

12007_1110_0455  7Rが終わった頃にピットに行くと、それまでにくらべれば、ピット内の雰囲気が落ち着いてきているようにも思われた。
 ペラ小屋の中には、大嶋一也、鈴木賢一、吉川元浩ら数人の姿があったが、それまでにくらべれば人数も減っていたのだ。
 ただ、これは「偶然のタイミング」だったようで、少し時間が経ってからもう一度、ペラ小屋を覗くと、作業をしている選手の数は、再びかなり増えていた。
 昨日にくらべれば、午後2時くらいの時間帯でも風がけっこう冷たくなってきたように、気温の上がり下がりが激しい季節であるだけに、ペラ調整を続ける選手が今後も減っていくことはないだろう。
 昨日まではモーター整備に力を入れていた小畑実成と三嶌誠司にしても、今日はペラ調整を中心とした作業になっていて、ともに12R近くまでペラ小屋での作業をしていた。
 また、写真の鈴木賢一は、昨日からペラ小屋にいる時間が長い選手の一人だ。ここまでの成績は6着2本とふるわないこともあり、なんとかしたいという気持ちも強いはずである。その想いが、見ていてもよく伝わってくるものなのだ。

22007_1110_0540  整備室にしても、昨日までにくらべれれば長時間の本体整備をしている選手は減ってきているが、ギアケース調整などをしている選手は依然として多く、とくに本橋克洋などは、何度なくギアケース調整を繰り返しているところが見かけられた。
 また、8R頃に本体を割っていた金子良昭は、一日のあいだ休みなく作業をしていた選手である。
 金子のここまでの成績は3着(初日)、6着(今日)となっているので、鈴木賢一同様に機力を上げたいという気持ちが強いのだろう。
 12Rの「プリンス選抜」に出走した中島孝平もかなりぎりぎりの時間帯までモーター調整をしていた選手である。

3r0015176  7Rと8Rの間では、試運転をしている選手も多かった。
 プリンス選抜の出走選手でいえば、白井英治と寺田祥は何周も一緒に足合わせをしていたし、田村隆信は森高一真と足合わせをしていた。
 その後、田村は森高と、互いの足の感触を話し合っていたなかで、声を出して笑っていたので、好感触が得られていたものと考えられる。
 ボートを装着場に引き上げたあと、ひと息ついてからプロペラを外してペラ小屋に向かったが、余裕のある表情をしていて、その行動も落ち着いたものだった。

4r0015172  田村と入れ替わるようにして、ほとんど同じ場所で作業を始めたのが松井繁だが、しばらくすると、自分のレースがかなり近づいている馬袋義則がカポック姿でその傍へと近づいていった。
 少し声をかけようとしただけだったのかもしれないが、しばらくの間は互いに笑い合って話をしていた。
 そして馬袋が選手控室に戻っていくときには、松井が「……したらあかんで。ほんまに!」と声を掛けていた。肝心の「……」部分が聞き取れなかったので、何を言ったのかはわからなかったが、そんなアドバイスが効いたのか、馬袋はこのレースで2コースとなりながらも勝っている。
 レースが行なわれる頃、松井は整備室に移ってギアケース調整作業をしていたが、レースが始まると、作業の手を止めてモニターでレースを見始め、馬袋の勝利が濃厚になったのを知ると、自分のことのように嬉しそうにしていたのも印象的だ。
 この後、松井は試運転から引き上げてきた佐々木康幸のモーター吊りを率先して手伝ったりもしていた。傍にいた選手がそれをするのは当然ともいえるが、そうした動きのひとつひとつや、その際の表情を見ていると、心身のコンディションが本当にいいのだろうなと感じられたものである。
 今日の結果は4着、5着と芳しくなかったが、まだまだ中心選手の座は譲らないだろう。

52007_1110_0384  好調選手が集まった11Rでは、寺田祥が勝利して、今節、連勝となっている。
 このレースで上位に入った選手はそれぞれに手応えを掴めていたようで、カポックを脱ぎながら話をしていた寺田、烏野賢太(2着)、仲口博崇(3着)は、そろって気持ちのいい笑みを見せていた。
 5着の松井にしても、金子に話しかけられたときには苦笑いとも取れる微妙な表情を浮かべていたが、その後に吉川元浩(6着)が傍に来ると、すぐに表情もやわらいでいった。記者陣に囲まれてレースを回顧する際にも記者たちの笑いをとっていたのだから、やはり「いい感じ」は持続している。
 寺田は、レース後、それほど間を空けずにペラ小屋に入ったが、ペラ小屋に入る直前には菊地孝平がそのペラを見ていて、ペラ小屋に入ってからは松井がやはりそのペラを見ながら話をしていたので、寺田のペラにはかなりの当たりが来ているのだとも考えられる。
 現時点で得点率は単独トップ! 今節の主役候補の一人になってきたのは間違いない。

62007_1110_0321  12Rのプリンス選抜について、「レース回顧」は別記事でUPされるが、重野哲之と中島孝平がフライングとなり、森高一真が1着、吉田拡郎が2着、田村隆信が3着、白井英治が4着となっている。
 重野と中島はともに今日一日、モーター整備を中心とした精力的な作業をしていた選手なので、この結果はなんとも残念だ。これで2人は賞典除外になるが、明日以降も手をゆるめることなく、最後までやれる限りの努力を続けてくれることだろう。
 レース自体がこういう結果のものだったからか、勝った森高の表情も微妙だったように思われた。引き上げの手伝いをしていた濱村芳宏は、「プリンス、プリンス」と森高をホメ殺し(?)していたが、それに対しても森高はプリンスっぽい仕草(?)を返したりすることなかったのだ。
 森高のことを「最もプリンスの称号が似合う男」と見るか「最も、らしくない男」と見るかは人それぞれだろう。しかし、森高自身にとっては、「通過点としての11点」を獲得した一戦に過ぎなかったのには違いない(このレースでは点増しがあった)。ここまでの出足は4着、5着と悪かったが、これで23位まで浮上しているのだから、ここから準優圏内に入っていくことも見えたきた。
 ……現時点で18位の松井の得点率が6点ジャスト。混戦模様はまだまだ続く!
(PHOTO/中尾茂幸=鈴木&金子&寺田&森高 +内池=その他  TEXT/内池久貴)


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