この特集について
ボートレース特集 > 児島・競艇キングカップ 初日注目レース回顧
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

児島・競艇キングカップ 初日注目レース回顧

【キングドリーム戦・私的回顧】

2007_1109__0440  初日12レース、キングドリーム戦は、明暗分かれる一戦となった。

 明るい日差しが差し込んだのは松井繁。
 ほぼそろったスリットとはいえ、松井はコンマ24の6番手スタート。しかもレバーは放り放り。本来なら、かなり分が悪い態勢であったはずだ。
 ところが松井は、平凡な37号機の行き足を、すでに高いレベルに持ち上げていた。あっという間に伸びて、外に絞りマクリを打つチャンスを与えない。
 ほぼ横一線のまま1マークが近づいてきた。これなら松井が真っ先にターンマークを回れる。

2007_1110_0687_2  問題は回り方だ。
 2コースの西島は早々に差しに構えたが、3コースの田中信一郎がギリギリまでマクる素振りをみせて、松井をゆさぶっている。
 はたして、田中はマクリなのか? マクリ差しなのか? 落として回れば外から叩かれるし、握って回れば外に流れるかもしれない。

 でも、関係なかった。
 強く握って回った松井のターンは、サイドがガッチリとかかっている。
「差せるものなら差してみろ!」
 そう言わんばかりの豪快な旋回。ほかの5艇をまったく寄せ付けず、1コーナーから立ち上がると一気に伸びて逃げ切った。 

2007_1110_0583  昨日の笑顔が暗転したのは山本浩次。
 抜群の破壊力を誇る69号機を手に入れたというのに、前検・初日と思うような足にならない。ピットの休憩室でタバコを吸う姿も、アンニュイな表情にみえた。

 良いはずのエンジンが良くない。それだけでもショックだというのに、レースはさらに最悪の結果となった。1マークで西島と接触して転覆したのである。

 ドリーム戦は6着でも5点の得点が入る。だが転覆だと0点。山本が準優出するためには、明日からの5走で36点を叩き出さなければいけない。1走あたり必要な着順点は7.2点。2走・2着3着ペースでは間に合わない。これはかなりキツい。
 ただ不幸中の幸いといえるのは、69号機がエンジン交換にならなかったこと。過去に神々しい光を放っていたこのエンジンに、いかに命を入れていくか。明日から、山本の本当の手腕が問われる。

2007_1109__0883  西島も暗。ピストンリングを総取りかえしたのに、足は一向に上向いてこない。さらには山本との接触で不良航法を取られ、せっかくドリームに乗ったというのにマイナス1点からのスタートになってしまった。初日から背水の陣という状況を、西島はいかに戦い抜くのか。興味は尽きない。

 2コーナーを立ち上がったときには2着目もあったものの、転覆艇の影響で3着に落ちた原田幸哉はやや暗。逆に2着10点が手に入った田中信一郎はやや明といったところ。そして明とも暗ともいえない結果となったのが、6コースから4着の菊地孝平である。エンジンがイマイチなことがわかっただけに、明日からはスタート勝負に出るのかもしれない。

 キングドリーム戦は明暗分かれる一戦だった。が、禍福はあざなえる縄のごとし。松井の「明」が一節間続くとは限らないし、山本が一気に明転するかもしれない。
 今大会の看板6選手、最終日にいったいどの立ち位置にいるのか? それを追いかけ見届けることは、6日間で完結する物語を読むようなもの。明日からも、ドリーム戦士たちの動きに注目されたし!

 

 
【本日の私的MVP】

 児島・競艇キングカップ初日は、1回走りの選手の活躍が目立った。1レースで強引マクリが届いた西川新太郎を皮切りに、差して3レースを制した深川真二、5レースで展開突いた大庭元明、8レースのバックで強烈に伸びた寺田祥。9レースを勝った前本泰和や、10レースの烏野賢太も1回走りの選手である。
 その結果、初日終了時点で得点率10点異常の選手が9人もいる状態となった。明日以降、10点選手の動向がシリーズのカギを握ってくるだろう。

2007_1110_0831  そんな中、2回走り組で気をはいていた選手が一人いる。香川の三嶌誠司だ。
 前検終了時点には「よくない。スタートが届いていない」と、自分の引いた48号機を嘆いていた。実際にスタート練習や足あわせを見ても「整備巧者の三嶌でも今節はキビしいのでは?」と思わざるをえない内容であった。なのに、三嶌には初日から1号艇が回ってきた。今の競艇は「1号艇でできるだけポイントを稼ぐ」が準優出への必須課題。あと数時間でエンジンを戦える足に仕上げないと、今節の優出は絶望的である。
 でも、三嶌はそれをやってのけた。
 6号艇で回り込んで、スローの3コースを取った7レース。このスリット前後で抜群の行き足をみせ、さらにはコンマ06のトップスタートを決めた。いつでも内は潰せそうだったが、絞りにはいかずハコマクリ。派手なレースである。
 2走目の11レース。インコースから逃げようとするも、こちらは外に流れてしまい2着に敗れた。競走内容自体は悔しいだろうが、最悪の状況から、たった1日で準優出ノルマの半分――18点をゲットしたのだから素晴らしい。
 ちなみに今節の三嶌の平均STは、コンマ09で第3位に位置している。ゼロ台の快速スタート、7レースでみせたハコマクリ、そしてたった数時間でエンジンを蘇らせる整備の技量。今大会の三嶌は、若々しさと老獪さを兼ね備えているようにみえる。

(PHOTO・中尾茂幸 TEXT・姫園淀仁) 
 


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
コメント