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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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 ボートレース特集

準優ダイジェスト

10R/波瀾の大競り

①市川哲也(広島)
②原田幸哉(愛知)
③佐藤大介(愛知)
④川﨑智幸(岡山)
⑤渡邉英児(静岡)
⑥西島義則(広島)

2007_1124_10r_0159  スタ展では16235/4だったが、本番では西島が回り直して1235/46に。進入ももつれたが、スタートも荒れた。ミクロを支配する市川が、まさかのコンマ20。2コースの原田が10で3/4艇身ほど飛び出している。佐藤が09、渡邉が02、川﨑が09と続いて、西島が……+07という怒涛のフライング!! Fも含めてこれほど凹凸が出てしまっては荒れるのは必然。2コースの原田が凹んだ市川を勢いまかせに叩き潰そうとする。じっくり差す戦法もあった原田だが、同体以上なら迷わず握る猛禽種族なのである。
 が、そこはSGの準優だ。インからジリジリと伸び返した市川が飛びつき、2艇は激しく接触した。たまらずぶっとぶ原田、落水しそうなほど体勢を崩す市川。さらに全速でぶん回した渡邉がドン突きになって失速……修羅場でというより地獄絵図のような様相だ。

 結果、何の不利も受けずに差し回った佐藤と川﨑が、バックで悠々と抜け出していた。早々に優出の2戦士が当確……通常のSGなら、これで明日への興味は色褪せるはずである。
 だが、道中4番手の原田幸哉には賞金王への勝負駆けがまだ残っていた。ここで3着を取り、明日の選抜A戦で1着なら、賞金ランク11位の三嶌とほぼ肩を並べる。A戦で好枠をキープするために、是が非でも3着の座を勝ち取りたいのだ。原田は3番手の市川を追い続けた。しつこくしつこく追って、最終ターンマークで渾身のダンプを決めて逆転した。これで、賞金王争いがさらに予断を許さぬ展開になった。
 1着・佐藤大介…SG初優出
 2着・川﨑智幸…SG10優出0V

11R/瓜生がF!?

①瓜生正義(福岡)
②平石和男(埼玉)
③佐々木康幸(静岡)
④倉谷和信(大阪)
⑤西村 勝(埼玉)
⑥上瀧和則(佐賀)

2007_1124_11r_0533   瓜生が、やってしまった。賞金ランク2位での+02フライング。10Rに続く、いや、瓜生が1号艇であることを考えると10Rをはるかに超えるアクシデントだ。
 進入は、西村に徹底ブロックされた上瀧が、その西村とともに回り直して1234/56。まさかまさかの枠なりになった。これで今度は穏やかな展開になるか、と思いきや、瓜生の勇み足である。
 波乱は波乱を呼ぶ。瓜生のFを知らない佐々木が「できれば1着!」とばかりに、瓜生と平石の狭い隙間をこじ開けるような割り差しを敢行した。その間隙はあまりに狭く、もし瓜生のFに気づいていれば(無理な話ではあるが)、最内を差して2着以上を楽々確保できただろう。佐々木決死のまくり差しは、平石と接触して共倒れに……異様なほどポッカリと開いた内水域を、倉谷と西村が猛スピードで駆け抜けてゆく。10Rに続く、差し差し決着で、第3第4の議席が埋まった。
 決着も10Rと同じなら、さらに賞金ランク16位の佐々木康幸の“勝負駆け”もまた原田と同様。特別A戦で好枠を得るべく上瀧とデッドヒートを演じ、しっかりと3着をキープしたのだった(後の計算ではほぼ絶望的でしたが……)。
 それにしても、圧倒的1番人気でのF……今節は一度たりともゼロ台がなかった瓜生に、ギリギリのS勘は難しすぎたのだろう。あまり見えていなかったのかもしれない。もちろん賞金王決定戦はOKだが、このFで来年はオーシャンカップまでのSG出走がアウトになった(ちなみに西島は賞金王シリーズ~グラチャンまでアウト)。主催者への迷惑と思い罰則と、その両方を激痛として感じたのは瓜生自身だ。実直すぎるほど実直な男ゆえ、しばらくは落ち込むことだろう。が、首をうなだれて己を見つめなおすのは、決定戦が終わってからでいい。心機一転、地元福岡での大暴れを期待している。
 1着・倉谷和信…SG7優出0V
 2着・西村 勝…SG3優出1V

12R/唯一のパワー決着

①湯川浩司(大阪)
②寺田 祥(山口)
③松井 繁(大阪)
④白井英治(山口)
⑤太田和美(奈良)
⑥中島孝平(福井)

2007_1124_12r_0551  6号艇の回り直し、フライング、接触、差し差し決着、賞金王への勝負駆け……2戦連続で似たような波瀾が続いたわけだが、このレースは違った。「準優の王道」とでも言うべき展開になった。
 進入はすんなりの枠なり3対3。スタートはほぼ横一線に見えるきれいな隊形。インの湯川が逃げて、2コースの寺田祥が差し、3コースの松井が握って回る。あとはバック直線でのパワー勝負だ。こんなオーソドックスなレースばかりが続くと、どこか喰い足りない気分になるものだが、大波乱連発の後ではこの展開が逆に新鮮に見えた。
 とにかく、パワー比較がはっきりできたのはこのレースだけだ。バック直線、もっとも力強く見えたのは湯川でも松井でもなく、寺田だった。浜名湖の2コース差しは難しい。若い寺田がこの難関を克服できるのか、と見ていたのだが、1マークを回ってからグンと押していくパワーが凄まじい。湯川の引き波を難なく突破して、むしろウルトラパワーの湯川に迫る勢いを見せた。もちろん、スピードを出しすぎず落としすぎず、冷静的確に旋回した寺田のテクがあってこそ、だ。ダービーの優出4着はフロックではない、と胸を張れる絶妙なターンだった。全速で握った松井も、この寺田のパワーには脱帽するしかなかっただろう。バックで両者の差はあっという間に開き、すでに2マークでは逆転するための要素は潰えていた。
 もちろん、こんな寺田の超抜パワーをきっちり振り切って逃げた湯川もまた天晴れだった。瓜生のFでプレッシャーも倍増していただろうに、スタートも絶品のコンマ11。「賞金王当確組」の実力とプライドを見せ付けて、ただひとりだけ優勝戦に駒を進めたのである。凄いぞ、湯川。
 レースとしては、逃げて、差しての決着。見た目には淡白なレースだったが、今節でもっともハイベレルのパワーとテクがフル稼働した名勝負だと私は思う。嗚呼、パワー的に優勝戦のヒントになるレースがひとつだけでもあってよかったなぁ。たとえ湯川と寺田が甲乙付けがたい互角の見立てであっても。
 1着・湯川浩司…SG2優出1V
 2着・寺田 祥…SG1優出0V

(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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