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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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機力と気力――2日目前半のピット

1r0015145  今朝のピットでも、選手たちは本当によく動いて作業をしていた。
 昨日の転覆の影響が気になる山本浩次と吉川元浩は、それぞれに整備作業などに精を出している姿が見られ、“気落ち”しているような感じは少しもしなかった。
 吉川はあいかわらず、寡黙な職人ぶりだ。装着場で入念にモーター周りのチェックなどをしたあと、3R出走のため、1R後にボートを降ろして展示ピットに着けているが、ボートリフトを待つあいだに空を見つめ、「……眩しいな」とでも言いたげな表情をしていたのが印象的で、いつもの様子とまるで変わらない。
 わずかばかり普段より表情が硬い気はしたのだが、3Rでも2着に来ているように「機力」が落ちていることはない、と見ていいだろう。電気一式、ギアケース、プロペラを交換しているが、そうした作業は実っているものと思われる。

2r0015148  山本浩次は、1R後にモーターにペラを取り付けて試運転に出る前にピット内を小走りしているところが見られたが、試運転を終えたあとにはゆったりとした動きで行動していた。
 1Rは吉田拡郎と話をしながら選手控室でレースを見ていたし、1R、2Rともに岡山勢のボートの引き上げを手伝ってもいた。そして、そうした作業を終えたあとには、ゆっくりとした足取りでペラ小屋に向かっていったりしていたし、その表情はなんとも涼しげに見えたのである。
 むしろ昨日までよりはリラックスしているとも受け取れたので、今日からの出直しが期待されよう(4Rは2着)。

32007_1110_0522  1R前に大きな声を響き渡らせていたのは菊地孝平だ。
 川﨑智幸と何かを話していたあと、別れ際に「はははは、8Rを見といてください」と言ったのだ。
 たしかに8Rに菊地は出走するが、その前に2Rがあるのにどうしてそう言ったのかはわからない(8Rでは、西島義則、小畑実成が進入で動いてくれると予想されるので、2枠の菊地は4カドあたりに入ることを想定してそう言った可能性も考えられる)。
 とはいえ、いかにも謎の男、菊地らしいセリフだといえようが、その2Rでは6コースからのスタートとなりながら3着に入ってきているように、足の状態は悪くない。そんな手応えがあるからこそ放ったセリフなのだと捉えていいはずだ。
 今日の菊地の表情はいつにもまして明るいので、今節の注目選手の一人としても推したいところだ。

4r0015155  1Rでは立間充宏、2Rでは柏野幸二が勝ち、地元の2人がそれぞれに今節の初勝利を挙げたのだから、ピット内ではいろんな選手の笑顔があちこちに咲いていた。
 とくに柏野は、自分のレースが目前となっている時間帯に森秋光と話しながら、実に気持ちのいい笑顔を見せていたので、1号艇に乗るこのレースもリラックスして迎えられていたのだろう。
 レース後に、カポックを脱いでいるところに菊地が近づいてくると、話しかけるにはまだ遠い距離である段階から笑顔を爆発させて、その後に二人で笑い合っていた。柏野と菊地は、「最高の笑顔コンビ」と命名したい。
 立間の場合は、勝ったからといって笑顔を弾けさせていることもなく、レース後すぐにプロペラを取り外してペラ小屋に向かった。地元の水面を知り尽くしているからこその行動なのだろうが、勝って兜の緒を締めるその姿勢には好感が持てたものだ。

5r0015137  2Rで2着に入った石田政吾に、レース直後、何かを話しかけて、うんうんと頷いていたのが松井繁だ。
 今朝の松井は、早い時間帯から行動的で、装着場でモーターやボートのチェックをしていたかと思えば、整備室に移動して、寺田祥と話しながらギアケースを調整するなど、あちこちでよくその姿が見かけられた。
 その様子からは、あいかわらずリラックスできているのが伝わってきたし、昨日のキングドリームを制した勢いをそのまま持続していくものと期待される。

62007_1110_0628  12Rの「プリンス選抜」に参戦する選手でいえば、白井英治、重野哲之、吉田拡郎がモーター本体に手をつけていた。
 とくに白井は整備室での作業がかなり長かった。
 白井はよくモーター整備をしている選手の一人といえるが、腰を屈めて熱心に作業を続けていたせいなのか……、途中で吉田に肩を叩かせたりもしていた。といっても、2、3回、トントンとやってもらっていた程度なので、後輩選手に強制労働をさせたわけではない(笑)。吉田も笑って「大丈夫ですかあ~?」などと言っていたのだ。
 吉田は地元だけあってよくリラックスできているようだし、白井もこうした整備による機力向上が見込めるはずなので、それぞれに注目の存在として挙げられよう。

7r0015157  重野の場合、整備室での作業は長くなかったが、装着場の隅っこで、モーターやボートの隅々までを長くチェックしていた。
 仕事熱心ということでは白井に負けない存在である重野だが、厳しい表情で黙々と作業をしている姿にはついつい見入ってもしまった。
 ……1号艇の田村隆信の姿などは早い時間帯にはあまり見かけられなかったが、この記事をUPしているあいだには本格的な作業に着手しているかもしれない。
 プリンス選抜ではどんな結果が出るのか、本当に楽しみである。
(PHOTO/中尾茂幸=菊地&白井 +内池=その他  TEXT/内池久貴)


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