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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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賞金王決定戦へのせめぎ合い(競艇王CC私的回顧)

湯川浩司が賞金王決定戦の火蓋を切った!?

2007_1120_1011  浜名湖は協賛レースを行なうことで有名だ。チャレンジCの初日ドリーム戦にもスポンサーがついていた。レースタイトルは「子育てチャレンジ」。おそらくスポンサーに子供が生まれたことを記念したレースなのだろう。
 昨日お伝えしたように、数日前に湯川に子供が生まれた。競艇王チャレンジカップが終わると、湯川は子育てにチャレンジしながら生きていく。
「湯川におあつらえむきなレースタイトルだなぁ」
 そんな与太話をしていたのだが……。

 本当に勝っちゃったよ。

 しかも後から聞いた話では、「子育てチャレンジ」の協賛者のお子さんの名前が「ぎんが」というのだとか――。湯川といえば銀河系軍団。ぎんがちゃんの子育てチャレンジレースで、先日子供が生まれた銀河系軍団の湯川が1着。ホント、出来すぎである。

 そんなサイン舟券な話は抜きにしても、ドリーム戦のレースはよく出来ていた。とくに〝賞金王決定戦への期待感〟という点で、大きな意義があった。
2007_1120_1141  レース内容を簡単に振り返ろう。
 6号艇・田中の回りこみを5号艇の高橋が許さず、3対3の枠ナリ。今日は一日を通して激しい進入争いが繰り広げられたのだが、インの魚谷はオレンジブイを少し過ぎた場所にいる。本日一二の楽インである。
 なのに魚谷がスタートで立ち遅れるのだからレースはわからない。2コースの瓜生もまったくスリットに届いていない。内2人を置いてけぼりにして、コンマ10の全速トップスタートを決めたのが3コースの湯川だ。1マークに到達するまでに瓜生はナデ斬り。ターンマークで魚谷の上をガッツリ叩く。「若いヤツには負けん」といった風情で4カドの松井が二段マクリを打つが、それをもあっさりと退けた。湯川の完勝である。

 結果論ではあるが、魚谷がすんなり逃げ切ったり、松井の二段マクリに屈するようであれば、「賞金王決定戦で時代が動くかも」という期待感は湧いてこない。プレ賞金王決定戦ともいえる今回のドリーム戦を、最若手の湯川が制したことで、1カ月後がさらに楽しみになった。
「下の者が最初に吠えて勝負がはじまる」
 そう言ったのは阿佐田哲也だっただろうか。湯川が放ったマクリ。それは賞金王決定戦の火蓋を切るマクリだったのである。

ボーダー付近の熾烈な争い!

 通常のSGはドリーム戦メンバーが主役である。だがチャレンジカップに関しては、別の主役がいる。賞金王決定戦出場へのボーダー付近にいる選手たちだ。今節は「賞金王へむけて毎日が勝負駆け」な選手たちをも取り上げていきたい。

2007_1120_0722 「めりこんでいるのかぁ!?」

 5レース。全艇がスリットを通過したあと、実況アナウンサー工藤さんの声がスタンドに響き渡った。
 その叫びが佐々木康幸に対してのものであることはすぐにわかった。隣の1コースの倉谷よりも、約半艇身ほど出ていたのだから。工藤さんのいう「めりこむ」とは、スリットに舳先がめり込んでいるということ。

「さっそく出たかぁ……」
 私はひとり呟きながら、1マークの佐々木の旋回を見ていた。

 チャレンジカップは全選手が勝負駆け。ギリギリの駆け引きを繰り広げるがゆえフライングも多発する。昨年の丸亀チャレンジカップも数多くの選手がフライングに散っていた。
 佐々木は賞金王決定戦のボーダーライン付近にいる。獲得賞金が4962万円で賞金順位は16位。優勝戦に残ることができれば、自身初の賞金王決定戦への視界が大きく広がる。

 勝手知ったる地元の浜名湖。佐々木は気合が漲っていた。本来ならコースにこだわらないレーススタイルなのに、進入から強気に動いた。オレンジブイを回った時点では「スロー4コースかな?」という感じであったが、そこから強気を圧して2コースを奪い去った。さらにトップスタート。ただ、少し気合が空回りしてしまったかの――。

Cimg3592  否。
「スタートは正常!」
 それまでの工藤さんの悲痛な声が一転した。てっきり佐々木はアウトだと思っていたのだが、入っていたのである。
 タイミングはゼロぴったり。スリット写真は、浜名湖の神様に愛された佐々木の艇が、スタートラインとキスをしているかのよう。 地元ということもあり、佐々木がらみの舟券はかなり売れていた。「スタート正常」の声にスタンドが沸く。歓声にあと押しされるかのように佐々木の艇がさらに加速する。2マークを回った瞬間、佐々木は先頭に立っていた。

 ピットに帰ってきた佐々木は案の定、審判室に速攻で呼び出されたとか。でも、佐々木は手を緩めない。
 2走目の9レースも、コンマ07の好スタートを決めてきたのである。1マークでターンをハズしたため、いったんは2番手に下がるも、1周2マークで鋭角なターンを入れてふたたび先頭に踊り出る。
 服部、菊地、坪井。地元のベスト3不在のSGを、周年記念の覇者がピンピンヌキヌキで好発進。獲得賞金も5016万円となった。これ以上ないベストな内容である。やはり静岡の層は厚い。

2007_1120_0406  浜名湖の神様の寵愛を受けたのが佐々木なら、嫌われたのが三嶌と田村であろうか。
 8レース。三嶌はコンマ01、田村がコンマ04のフライングに散った。
 85期のエース・田村は、獲得賞金5231万円で順位は14位。このフライングにより賞典除外になるため、どれだけ稼いだとしても獲得賞金がベスト12位に入ることはない。
「絶対、決定戦に出ます」と語っていた田村だが、その切符は初日にして売り切れてしまった。

 三嶌のスリットはまさに紙一重。遠目に見るとタッチスタートのようにもみえるのだが、よくよく目を凝らして見てみると、ほんの少しだけ舳先が出ているのがわかる。優出すればほぼ決定戦出場が当確だったので、とてももったいない。もちろん、優出当確だからこそギリギリまで攻めたのだろうが――。
 現在の三嶌の獲得賞金は5580万円で順位が11位。このフライングで賞典除外となったため、決定戦出場はかなり微妙な状況に陥った。 本日賞金を加算した池田浩二が12位に浮上(これにより、いままで12位だった吉田弘文の賞金王決定戦出場は泡と消えた)。池田と三嶌の差が約100万円しかないだけに、池田が準優に乗れば三嶌を追い越す可能性は高くなるので、さらに崖っぷちに追い込まれることになりそうだ。

2007_1120_0866  三嶌と田村の賞典除外は原田幸哉にとって大チャンスとなる。11位の三嶌との賞金差が約500万円なので、6着でも740万円ある優勝戦に乗れば、決定戦進出に大きく近づくこととなる。それがわかっているかのように、原田はしっかりと11レースを逃げ切ってみせた。 これで獲得賞金は5199万円。原田の賞金順位は15位である。

【ボーダー付近の選手賞金額】
10位 服部幸男 6301万円 CC不出場
11位 三嶌誠司 5580万円 CC賞典除外
12位 池田浩二 5466万円 
13位 吉田弘文 5462万円 CC不出場 決定戦出場は絶望的
14位 田村隆信 5231万円 CC賞典除外
15位 原田幸哉 5199万円
16位 佐々木康幸5016万円
17位 山本浩次 4911万円
18位 江口晃生 4882万円
19位 寺田 祥 4710万円
20位 平石和男 4650万円


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