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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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競艇キングカップ私的回顧 本日のMVR&MVP

本日のMVR(Most Valuable Race)

地元コンビが鮮烈に魅せた“児島セオリー”――3R

 思い切ったツケマイ敢行。インがそれに抵抗。ポッカリとふところが開いて、差しがズブリと突き刺さる……。
 特に前半で、そんなシーンを何度も見かけました。資料などによれば、「満潮時の児島は(特に2コースの)差しに注意」などと書いてあったりしますが、まさしくご指摘の通りの展開が続出(満潮は12時38分でした)。今朝一番の新幹線で児島にやって来た私やH記者は、のっけから“児島らしい”レースを突きつけられたことになります。
2007_1109__06492007_1109__0464_2   そんな“児島セオリー”の白眉は、3Rでありましょう。1号艇・星野政彦がインから逃げる。3コースからやや覗いた仲口博崇が、モーターパワーを生かして伸びる。星野が抵抗する。仲口はマクろうとする。お互いに引かない。航跡はターンマークを大きく外していく。マジックのように、差し場がぽっかりと開く……。
 そこに突っ込んだのは、まさしく2コース差しを放った森秋光でした。そのウィニングロードを作ったのはたしかに星野&仲口だったかもしれませんが、秋光の走りはまるで「俺が道を作る。お前ら、ついて来い!」と言わんばかりの、強烈な差しでありました。それだけではない。秋光の切り開いた水上の疾走路に続いたのは、吉田拡郎。そうです。“児島セオリー”を、児島をホームとする者たちが、これ以上ないほど鮮やかに表現してみせたのであります。麗らかな陽射しを浴び、緩やかに時を紡いでいく瀬戸内の海。その一角にある児島競艇場は、仕切りに囲われた戦場であります。そんなファンタジックとも言うべき光景のなか、剣を研ぎ、技を磨いてきた男たちが見せた、鮮烈な“児島セオリー”。地元の意地――それだけでは片付けられないきらめきが、秋光-カクローのワンツーにはあるように思えたのでありました。
 これで秋光、カクローともに、準優が射程圏内に入りました。競艇キングに授けられる賜杯を児島の地から流出させまいと、明日も闘志のこもった走りを魅せてくれるに違いありません。

本日のMVP

原田幸哉(愛知)
 
 同時開催の江戸川GⅠモーターボート大賞もそうですが、実はこの児島GⅠ・競艇キングカップは、賞金王戦線において非常に大きな意味を持ったシリーズであります。あ、実は、なんて言う必要もないですか、そうですか。言うまでもなく、賞金王決定戦の最大にして最高に過激な勝負駆けは、SG競艇チャレンジカップであります。大勢が決するのは、もちろんチャレカ。それは間違いありません。しかしながら、この“チャレカ前ラストGⅠ”で賞金を上積みすることは、すなわち「チャレカを有利に戦う」ことにほかならない。たとえば、賞金ランクが20位以下の選手のチャレカを「予選4日目、準優へ1着条件の勝負駆け」とするなら、賞金ランクで12位前後をキープすることは「予選4日目、準優へ4~5着条件の勝負駆け」のようなもの。つまり、この競艇キングカップは、「予選3日目」とも言える重要な一戦なのであります。今日、11月12日は「予選3日目の予選3日目」とでも言うべき、大切な日だったのですね、はい。
2007_1110_0616 この競艇キングカップには、賞金王ボーダー組が大挙登場しています。三嶌誠司、田村隆信、佐々木康幸、山本浩次、白井英治……そして、原田幸哉です。幸哉は、前節の芦屋モーターボート大賞を優勝、一気にランクを上げてきました。実を言えば、BOATBoy12月号では、彼を「チャレカでは優勝ノルマ」として取り上げています。締切時点でのランクは、そういうものだったのです。しかし幸哉は、締切後の芦屋でVを決めて、児島に乗り込んできた。その結果、もしここでGⅠ2連覇を達成しようものなら、チャレカは準優出さえすればOKになるかもしれない……そんな勢いなのです。今年は笹川賞優出くらいしか目立ったところのなかった彼なのに、こうしてしっかり帳尻を合わせてくるあたり、さすがの超一流と言うほかありません。
 7R、大嶋一也が前付けを敢行して、3号艇の幸哉は4カドに。3コースの鈴木賢一が先マクリを放ちますが、幸哉は慌てず騒がず、きっちり差しハンドルを入れます。勝負駆けでありながら、しかし熱情に流されることなく、展開を突いてみせた冷静さが光りました。もちろん、ただクールだったわけではないでしょう。前半ピット記事で、彼の放つオーラのようなものにH記者が痺れた様子が記されていましたが、幸哉は燃えたぎる闘志の炎を燃やしていたのもまた、たしかなことです。しかしながら、同時に研ぎ澄まされた頭脳を持っていた。これが、あの激しく巧みなハンドルワークを実現させたのでしょう。彼はメラメラと燃えながら、冴えに冴える判断力を兼ね備えているのです。
 12Rは、残念ながら転覆となってしまいましたが、これでへこたれるような幸哉ではない。気持ちを切り替えることさえできれば、明日も燃え盛る幸哉を見ることができると信じます。11R6号艇1回乗り。準優当確、枠番不利……などということは、今の幸哉には関係ないはずだからであります。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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コメント

芦屋での原田選手は凄く格好良かったです!
苦手だった2コースからの「差し」で優勝は見事でした。
だから、今節も秘めた闘志で挑んでいるんだと思います。

投稿者: うさ子 (2007/11/13 12:42:41)