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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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6人の勝負駆け――優勝戦、前半のピット

 優勝戦の朝のピットは、やはり柔らかい空気に包まれている。和やか、と言ってもいい。ちょっとした解放感もあるような気がする。整備室はガランとしているし、ペラ室の人口密度も薄い。もちろん、まだレースを残しているわけだから、緊張感が消えてなくなることはないが、しかし誰もが昨日までと比べて、リラックスした表情で過ごしている。
 そんななかで、まったく違う空気を感じているのが、言うまでもなく、ベスト6の面々。特に今日は、SG制覇という栄誉のみならず、賞金王のイス獲得という命題も重なっているのだから、気合や緊張感はいやがおうにも高まっていく。
 とは言うものの、早い時間に始動していた選手は西村勝のみ。西村はペラ室で、気に食わないヤツにメンチ切っているかと思うくらいに鋭い目つきでペラを叩いていたが、優勝戦メンバーで昼前までに目立った動きを見せていたのは、これだけ。あとの5人は、比較的のんびりと過ごして、ファイナルのメンタルを作り上げようとしている。

Qy3u5099  もっとも気になっていたのは、実は湯川浩司である。湯川は唯一の賞金王当確で、SG制覇も経験しているわけだが、しかしSG優勝戦の1号艇にかかるプレッシャーは並大抵ではない。しかも、湯川はSG優出がすべて1号艇で、「(1日通して)ほんま、気持ち悪い」とその経験を語っているのだ。過去の2度は、S遅れ惨敗とプレッシャーを乗り越えての優勝。さて、3度目はどんな一日を送るのかに注目していたのである。
 1R後のエンジン吊りで、吉川元浩とじゃれ合うようにリフトまで走ってきたときは、「おっ、緊張してない」と思ったものだった。満面の笑みも浮かんでいたからだ。だが、エンジン吊りの作業にかかりだすと、やはり表情は自然と目つきがただならぬことになっていく。おそらく、こちらが彼の心の大きい部分を占めている感情ではなかろうか。吉川との光景は、きっと優勝戦へ向けて意識的にテンションを高めていく、心の制作作業の一環だと思う。湯川は己と必死に戦いながら、1号艇のプレッシャーを跳ね除けようとしているのだ。
Qy3u5094  倉谷和信も、やはり顔つきは非常に怖い。早くも、自ら闘魂を注入しているのだろう。仲間の輪の中では笑顔も見えているけれども、一人でいる時間にはぐっと厳しい目をしている。まあ、普段から闘志を感じさせる人ではあるけれども、今日の倉谷は一味違って見える。ただ、やはり緊張感が早くも倉谷を包んでいるのではないか、という光景もあった。2R、大阪の選手も近畿の選手も出場していないのに、倉谷はエンジン吊りに出てきたのだ。手伝ったのは、同期の烏野賢太で、出てくる必然性がなかったわけではないが、あまり見かけない光景ではある。動いていたほうが気が紛れる、そんなこともあるのではないかと思った。
Qy3u5034  その意味では、寺田祥はまったく、いつもと変わらぬクールな表情をしていて、これはこれで驚いてしまう。まあ、通常通りの淡々とした表情は、その奥にある心情を見えづらくさせているのは確かなのだが。もちろん、緊張感がないわけではないと思う。同期の池田浩二が寄り添うように話しかけているシーンを見て、これは池田がテラショーをほぐしているのだろうと思った。池田は選手食堂に寺田を誘って、寺田は「いや、控室へ」。「なんかあるの?」「伝票書かなきゃ」、今日は最終日、帰郷の準備にも追われつつ、テラショーは優勝戦を待つ。
Qy3u5104   川﨑智幸の歩行速度が、ぐっと遅くなっていた。出た、川﨑のスローウォーキング。やはり、ここ一番の大勝負で気合が乗ると、川崎はゆっくりゆっくりと歩を進めるようになるのだ。すなわち、これは彼にとっては、好気配ということになる。雲の上を歩くように、ゆっくりゆっくり。一歩前に踏み出すと、気合もひとつ乗っていく。
Qy3u5030  6人のなかで、もっとも多く笑顔を見ることができたのが、佐藤大介だった。SG初優出のプレッシャーは、少なくとも前半の段階では少しも感じない。すっかりリラックスした表情で、笑顔満開の原田幸哉とともに過ごしていることが多いから、それにつられる部分もあるのかもしれないが、それは言うまでもなく、ポジティブに働く要素となる。午後に向けて、徐々に表情が硬くなることは充分に予想できるが、少なくともガチガチになりすぎて、レース前に終わってしまうようなことはないはずである。
Qy3u5170  さあ、宇宙最大の勝負駆け。空間は完成に向けて進みだしたぞ。(←6R発売中には、サンホールで公開インタビューも行なわれました。みな、気合の入った表情を見せていましたぞ!)

Qy3u5109  さて、2R1回乗りで今節を終える気になる山崎智也。もうすっかり憑き物が落ちたように、ニコニコと笑う智也が前半のピットにいた。この悔恨を引きずることなく、来年へ向けて発進してほしい。今年はまだ賞金王シリーズが残っている。そこに登場することは屈辱かもしれないが、だからこそ異次元の存在感を発揮してほしいものだ。智也、お疲れ様!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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