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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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気になる行動と気になる2ショット――決定戦3日目前半のピット

_u4w4287  今日の動きが気になる選手としては、まず田中信一郎の名前が挙げられる。早朝のスタート特訓には参加しなかった田中だが、スタート特訓が始まる前には、森秋光、山崎哲司と足合わせを行なっていた。
 その様子からいえば、足の感触が良さそうには見えなかったし、その後に田中は、整備室でのモーター整備を始めている。昨日のレースで2着に入ったあとの共同会見でも「行き足から伸びをなんとかしないとしんどい」「もう一回、明日から調整してみます」と話していたので、これは予定通りの行動だともいえるだろう。
 また、やはりスタート特訓前に単走で試運転を行なっていた松井繁は、スタート特訓にも参加したあと(今日は6号艇だが、2コース/スロー水域からもスタートしていた)、やはり本体整備に取り掛かっていた。

_u4w4600  その後、松井の姿はあまり見かけられなくなったが、田中は1R後に早くももう一度、試運転を行なっていた。このときは、待機ピットに戻ってくるかなり前からヘルメットを脱いでいたこともあり、その表情は晴れやかなようにも見えたものだが……、実際に田中が掴んだ感触がどうだったのかは微妙だ。
 まずはプロペラを外したので、モーターにはある程度、納得がいき、これからは昨日までのように「ペラの森の住人」に戻るのかとも思われたのだが……。
 待機ピットで回転数を確かめていたあと、思い直したように走って係りの人を呼びに行き、2R前にボートをピットに引き上げたのである。そのときもやはり、笑顔を浮かべていたのは確かだったが、その笑みは多くの報道陣に取り囲まれていたこととも関係あるのかもしれない。
 装着場ですぐにギアケースを外した田中に、TVスタッフがインタビューを申し込むと、「ちょっと今日は難しいかな」と答えていたのだから驚かれされたものだった。ファイナル進出を確実にするためには2着をとっておきたい田中は、残された時間をいっぱいいっぱい使って作業していくのだろう。だからこそ、こんな発言を耳にすると、逆に嬉しくなってくるものなのだ。

_u4w4515  1R前のペラの森で目に付いたのは、やはりこの場所の住人的存在になっているといえる服部幸男と高橋勲の2人だった。
 ただ、高橋が長くペラ調整を続けていたのに対して、服部は1R後のボートの引き上げを手伝ったあと、ボートにモーターを取り付けていたので、別の作業に入っていくものと考えられる。1R後の引き上げの際、服部が、「ペラの大奥の住人」である濱野谷憲吾と、かなり長いあいだ話をしていたのも印象的だった。この2人は、どこの競艇場でもペラ小屋に籠もっている時間が長いこととも関係あるのかもしれないが、時々、話をしているところを見かけているので、“ペラを通した心のつながり”ができているのではないかと勝手に思っているのだ。
 濱野谷は1R前からペラの大奥でペラ調整を行なっており、この手伝いのあとにも大奥へと戻っていった。
 なお、「ペラの森」では、井口佳典も作業をしていた。こちらも昨日の段階で「明日(=今日)はペラの再調整」を行なうと宣言していたので予定通りの行動といえるだろう。そのためか、作業をしている様子も落ち着いているように見えたものだった。

_mg_2938  三嶌誠司もまた早朝のスタート特訓には参加していなかったが、1R前に試運転に出て、同県(香川)の木村光宏、重成一人と足合わせをしていた。その後の三嶌は、ボートを装着場に引き上げて、木村や重成と互いの感触を確かめ合うように話をしていた。こうした光景はこれまでにも何度も見られていたもので、今節で「香川軍団の結束の強さ」を認識したというのはこれまでの記事でも書いている。
 ここに重成の同期である白石健が加わったりもしていたが、遠目で見ていた印象としては、香川軍団もシラケンも、それぞれにいい感触が掴めているように思われたものである。
 この集まりの途中で、TVインタビューを受けるために走っていったりしていたのも三嶌らしいところだった(田中もまた、本来はそういうタイプの人間なので、インタビュー依頼を断ったのに驚いたわけだ)。その後の三嶌は、慌てたような様子もなく、濱野谷がいるペラの大奥の手前……、昨日までと同じ「自分のペラ調整ポジション」に戻っている。

_u4w4572  装着場では早い時間帯から魚谷智之、吉川元浩、瓜生正義らが作業をしているのも見かけられた。吉川と瓜生は、比較的短い時間で切り上げていたが、魚谷は、外していたギアケースを取り付けたあとも、かなり長くモーターの各部を確認していた。
 その目は、昨日と変わらず鋭く、ふつふつと静かな闘志を燃やしているようにも思われたものだ。傍にいた記者に話しかけられたときには、笑っている顔も見られたが、話しかけられた直後には、記者の言葉が聞こえていなかったように、口を動かすこともなく作業を続けていたのだから集中できている。
 ただ、そんな時間がしばらく続いたあとに瓜生が話しかけていくと、互いに「普段の2人らしい笑顔」を爆発させていたので、「張り詰めた気持ち」をすっと抜ける時間帯をつくれているのも間違いなく、好感を持てたものだ。

 ……そして、今もっとも気になる男、湯川浩司は、早い時間帯のピットではその姿が見られなかった。早朝のスタート特訓には参加していたが、その後はどこで何をしながら時間を過ごしているかが確認できなかったのである。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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