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ボートレース特集 > 2007競艇名人戦
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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ラストクイズの正解っす~!

どもどもども~! 取材班、今日の昼頃、無事に帰郷いたしましたです~。競艇名人戦、一節間、ありがとうございました。というわけで、ラストクイズの正解でございます!

Cimg2654

これ、な~んだ? が問題でしたね。白黒赤青黄緑のヤツっすね。なるほど、皆さんの解答を見ると、それぞれに説得力のあるものが多いなあ、と思いました。

で、同じものを撮った、もう一枚の写真をご覧いただきましょう。

R0013926 あらら、ずいぶん数が減ってますね~。1、2、3、4、5、6コですか。ふむふむ。これ、いつ撮影したかというと、昨日の11R頃であります。11R頃に6コにまで減っている、ということは……そう、これは優勝戦出場選手に関わるもの、ということなのでありますね。

この写真、拡大してご覧になれる人は、ぜひしてみてください。そうだなあ、黄色のプレートがいいかなあ。この黄色のプレート、「52」という数字が入っているのが見えると思います。優勝戦で52といえば……そう、大嶋一也選手のモーターが52号機でしたよね。そうなのです。これは、モーター番号と合致しているんですよ!

それでは正解です。これ、「モーター返納検査済み」を示すプレートなんですね。返納とは、一節を戦い終えたモーターを、選手立会いのもと、検査員が検査して、モーター庫に返却する、というもの。昨日の優勝戦ピット記事に「大嶋が荘林と加藤の姿を捜し求めて、謝っていた」てな記述がありましたが、そのときの荘林と加藤はまさに、返納検査の真っ最中なのでした。その返納検査を終えたモーターに、このプレートをつけるということですね。前検日には、抽選で決まったとおりにモーターを選手に渡しますが、そのときにこのプレートを外して、写真のボードに吊るしておく、というわけですね。2枚目の写真で数が減っているのは、すでに最後のレースを終えた選手たちのモーターは返納されていたからなんです。あ、ちなみに「格納」というのは、節中に、まだ選手に貸し出されている状態でモーター庫にしまわれること。レース後の点検を終えた選手たちは、自分でモーター庫に格納するんです。返納とはちょっと違うんですね。魚屋さんが書いていた「横西選手の検査」は、おそらく装着検査でしょう。モーターがボートにちゃんと装着されているのか、必ず検査を受けてから、着水しなければならないんですよね。

うー、長くなってしまいましたが、残念ながら、完全な正解者はゼロです。ただし、モーター絡みを解答してくれたおっさんさん、ジローさん、たけとよmmさん、津ピン六さん、yanbaru917さん、おちょこさんにはポイント差し上げましょう! いちばん近かったのはおちょこさんかな? おちょこさんに40P、それ以外の方に20Pです! その結果、1位はジローさんで100P! 2位がおちょこさんの90Pで、3位がどれみすさんの85P。以上の3名の方々に、大村おみやげをプレゼントします! 私事ですが、明後日までBOATBoyの校了作業でジタバタドタバタですので、明けてから発送させていただきます。あ、そうそう、平和島みやげも未発送ですので(遅くなって、ほんと、すみません!)、同じ時期にお送りします。またtanakakogyo@hotmail.co.jpまで送付先をお願いしますね。

それでは皆様、今回もたくさんのご解答、ありがとうございました。次回、笹川賞でもよろしくお願いします!


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自分との闘い。そのそれぞれの形――優勝戦後半のピット

1img_0015 「雨はやみますかねえ……」。
 8レース前、大嶋一也は“浪速のドン”長嶺豊氏に話しかけ、空を見つめていた。その傍では、“報恩の人”金井秀夫が、選手控室前の濡れたベンチを、ひとり無言で拭いていたのも、いかにも、らしかった。

 8レースが終わって、優勝戦のスタート特訓になったが、それに先立ち、大嶋と小林昌敏に加えて、井川正人、松野京吾が入る組み合わせで特訓が行なわれた。
 このとき、まず大嶋は、かなり深い位置からのスタートで特訓を始めたので、そこに大嶋の“意志”があるのではないか、とも思われた。
 ただし、その後、12レースのメンバーになって特訓が繰り返されたときには、ターンマーク付近からのスタートを中心にしながらも、ダッシュの位置からのスタートなども行なっていたので、この意志を貫こうという気持ちを大嶋が固めていたわけではなかったのだろう。

2img_1613  このときのスタート特訓には、原田順一だけ参加しなかったので、「どうして出なかったんですか?」と訊いてみているが、「気になりますか? (特訓にはこの後も)乗りません。こういう日は乗らないほうがいいんです」と答えてくれている。
 ただ、そんな原田にしても、そう話してくれたあとには、待機ピット付近で、ゆっくりボートを旋回させたり、入念に回転数チェックを行なったりはしていた。
 そして、そんな作業がひと段落ついて、選手控室のほうへと引き上げてきたときには、筆者に向かって、右手でOKサインを送ってきてくれ、「心配してくれていたようなんで」と笑っていたのだ。

 この特訓後、中尾カメラマンが山口博司に「スタートの手応えはどうですか?」と尋ねてみると、首を傾げて「掴めてないですね」と答えている。
 そして、やはり、手応えがいまひとつだったようで、特訓後すぐにペラ小屋に向かった荘林幸輝と並ぶ形でペラを叩いていた。
 山口の作業は比較的、短い時間で終えられているが、ここから“孤独な闘い”を始めたのは荘林だった。

3img_0060  しばらくペラを叩いていたあと、9レース後にもう一度、試運転に出て、加藤峻二と2人で足を合わせ、その後の荘林は再び「無人のペラ小屋」に籠もり続けたのである。
 自分の中での狂いが出ているのだろうかとも心配されたが、道具を片付けに加藤がペラ小屋に来たときには「悪くはないんですけどねえ」などと話していたので、計算が大きく狂ったわけではなく、100%納得するためには、何かが少しだけ足りないような状態になっていたのではないかと考えられる。
 午前中から、今日は「自分との闘い」と言っていた荘林は、その後、10レースが始まり、展示ピットにボートを移さなければならなくなるギリギリの時間まで、ペラを“見つめ”続けたのだ。
 8レース後にペラ調整を行なっている際にはカメラマンにもその様子を撮影してもらっていたが、この段階にくればもう、“集中力を乱したくない”という気持ちも強くなってくる。そのため、山田カメラマンと2人で「もう撮らないでおきましょう」と頷き合って、荘林の視界には入らないようなかなり遠い場所からその様子を窺っていたのだ。
 このときの荘林は、何度も何度も、いろんな角度からペラを見つめ続けており、時おり、聴こえるか聴こえないかというほど微かなカンカンという短い音が聴こえてくるだけだった。遠目で見ていただけなので、はっりとしたことは書けないが、そうした状況からいっても、このときの荘林の修正作業は、本当に微かな微かなレベルのものだったと思われる。

4img_0031  その様子からできるだけ目を離さないようにしながら、装着場の様子を窺っていると、特訓を終えてからしばらく時間を空けて、人がいなくなっているところでボートを入念に拭いている大嶋の様子が確認されたり、小林昌敏や山口が他のレースのエンジン吊りを手伝っているところなどが見かけられていた(写真はスタート特訓前の小林/レース結果は3着)。
 少しずつレースが近づいていく時間帯を見守りながら、選手それぞれに“様々な闘い方”があるものだな、とも実感していた。

5r0013930  展示航走を終えて、あとは“本番を待つばかり”という時間帯になってからも、やはりそうだった。
 このとき、締切20分ほど前にアリーナに姿を見せて、選手控室前の金井がその濡れを吹きとっていたベンチに腰かけて、締切10分前ジャストの時間まで、ずっと空を見ていたのが加藤だったのだ。
 空模様を見ているのか、対岸の大型ビジョンに映されているオッズを見ているのか。あるいはその目には何も目に入っていないのか……。
 そうして加藤は、心を「無」に近づけているのではないかと想像されたが、大袈裟な話ではなく本当に、無の境地に入っているのではないかと思えるほど穏やかな顔になっていたのだ。そんな御大の姿を見ていると、やはり凄いな……と、こちらも唸ってしまったものである。
 午前中には心配されていた空模様はかなり回復していて、一時はやんでいた雨が、再びぱらぱらとしとついている程度になっていたが、加藤がそこにいた10分ほどの時間は、他の関係者と言葉を交わしているのも躊躇われ、こちらも緊張を強いられていたものだった。

 そして、迎えた優勝戦――。
 選手控室前のベンチ付近には何人かの選手が出てきたので、その様子を写真に撮っておこうかとしていると、にわかにざわめきが起こった。
 そのとき、8レース前の特訓のことを思い出した筆者は、「もしかして……」と思い、水面に目を向け直したが、そこには“見たくない光景”があったのだ。
 そう、3枠の大嶋が1コースに入っていたのである!
 午後のあいだはずっと、荘林の孤独の闘いや加藤の美しき佇まいを見ていたこともあり、正直いって、それは歓迎できる前付けではなかった。
 ……レースについての詳細は別記事に譲るが、1コースの大嶋がしっかりと逃げ切り、荘林はなんとか2着に入ったというのがレースの結果だ。その間、アリーナではほとんど選手の声は聞かれず、レース後にはハッキリと「あ~あ」と声に出している選手もいたのは事実である。

6img_0118  ただし、こうして筆者も、大嶋の前付けを否定的に書いてしまってはいるものの、これはこれで「賞賛すべき勝利の形」であるのは間違いないことだ。
 表彰式で大嶋は、「深いコースからは練習してなかったんで、スタートはちょっと怖かった」と話していたし、特訓で見られた“一度だけの深いスタート”は、やはり、大嶋の中で出されていた明確な答えではなかったのだろう。
 そして、このレース後に「あ~あ」という声が聞かれる状況において、大嶋はどうしても勝たなければならなかった立場にあったのだ。
 表彰式で大嶋は「陸の上ではみんな先輩なのでちょっと疲れましたけど、みんな昔よりやさしくなっていて、いたわってくれたんで楽しかったです」とも話していたが、今節のピットのどこかには、ほんのわずかなものではあっても、大嶋を“外敵”とでも捉えているような空気があったのだとも考えられなくはない。
 なにせ大嶋は、長い休場期間があったとはいえ、これからも現役でバリバリ、記念やSGを闘っていくはずの選手なのだ。そのうえ、今回の優勝戦には、艇界で尊敬の気持ちをもたない者などは誰もいない加藤が乗っていたのである。
 それでも、モーター抽選も行なわれる前の大会以前から、“大本命”とされていた大嶋は、やはりここを勝たなければならなかったのである。……そして勝ったのだ!

7img_1723  ウィニングランを終えてピットに引き上げてきた大嶋は、同県の石川正美の祝福を受けたあと、何より早くその姿を見つけたいという感じで、加藤と荘林の姿を捜し求め、「すみませんでした」と、それぞれに対して深く頭を下げている。
 加藤と荘林も、“いやいや”といった感じで手を振り、無言で大嶋に応えていたが、このときの大嶋がどれだけ辛かったかと思えば、やはりこちらの胸も痛んでくるものだ。

 個人的な本音をいえば、荘林や加藤、あるいは原田が勝つ姿を見たかったのは確かだが、ここでまた“自分との闘い”に勝ち切った大嶋を讃えられないはずがない。
 例年以上に様々なドラマはあった気もするが、「優勝しようと思って来てました」と言った大嶋が、自分の力によってそれを叶えたのが今年の名人戦だったのだ。
 ここは素直に、大嶋一也に対して祝福の声を贈りたい。
 ただし……、この勝利によって大嶋は“人間国宝”加藤らを破ってその座に坐った『競艇名人』の名にふさわしい活躍が義務付けられるようになったとはいえるはずである。
(PHOTO/山田愼二、内池=加藤のみ TEXT/内池久貴)


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優勝戦 私的回顧

鬼心のインモンキー

第8回競艇名人戦 優勝戦

①荘林幸輝(51歳・熊本)
②加藤峻二(65歳・埼玉)
③大嶋一也(49歳・愛知)
④山口博司(48歳・長崎)
⑤原田順一(57歳・福岡)
⑥小林昌敏(51歳・山口)

2007_0422__081  大嶋一也、初出場で初V。終わってみれば、圧倒的な優勝候補の独壇場だった。抜群のピット離れから加藤峻二の抵抗を振りきってイン奪取。100mを切ったあたりの起こしから、スリットはコンマ11のトップS。これでは他の選手に勝ち目はない。1マークを、ただ握って回るだけで第8代の名人が決定した。
「本当は、3コースから勝ちたかったんですけど……」
 表彰式での大嶋の言葉は、いささか歯切れの悪いものだった。スタート展示は枠なりの3コース。それが、あまりのピット離れの良さとイン屋の性で、小回り防止ブイをくるりと先取りした。大半の観衆が描いていたレースはここで完全に崩れたわけで、大嶋としても不慮のイン戦だったに違いない。不本意とまではいかないだろうが。
 このシリーズ、大嶋は孤独な戦いを強いられていた。クラスはB1とはいえ、実力はスーパーA1級。ただひとり、「SG常連」という肩書きを背負っての参戦だった。
2007_0422__015 「名人戦……まだピンと来ないんです」
 表彰式で、歯切れの悪い言葉が続く。自分がこの名人戦に出ていいのか、優勝したがこれでよかったのか……尊敬すべき大先輩たちと水面をともにしつつ、大嶋の胸中には複雑な思いが去来していたことだろう。
 大嶋以外の5人には、それぞれ勝ちたいという強い思いがあった。荘林幸輝は9人も参戦した42期の代表として白いカポックをまとっていた。「花の42期」と呼ばれながら、SGはいまだ無冠。ここを勝って、来年の総理杯へ。それが荘林だけではない42期9人の総意だったはずだ。
 65歳の加藤峻二には最年長GI制覇と66歳でのSG参戦という凄まじい記録がかかっていた。本人にそんな意図はなくとも、私も含めて全国のファンがその偉業を期待していた。
 山口博司には唯一生き残った地元の戦士として、スタンドに詰めかけたファンのためにも勝たねばならない、という強い思いがあった。
 原田順一はつい3、4年前までSGの常連として最前線に立ち続けた男だ。「まだまだワシを忘れてもらっちゃ困る」という、のっぴきならない自負があった。
 小林昌敏には、去年、万谷章のまくりに一歩及ばず準優勝に敗れた悔しさがあった。今年こそは、の思いは誰よりも強かったはずだ。
 では大嶋一也には……高いモチベーションを保つべき要素が、見当たらない。来期からバリバリのA1に復帰する大嶋。GIはもちろん、ダービーなどのSG参戦もほぼ約束されている。この名人戦を勝たなくとも、自力で来年の総理杯のチケットも勝ち取れる男でもある。
 はじめて名人戦のピットに立った大嶋の気持ちは、ある程度察しがつく。GIに斡旋されないロートルA級戦士たちの決意。優勝はともかく、この名人戦を同窓会のように楽しみにしているB級戦士たちの笑顔。それらと一線を画して、SG常連の大嶋はピットに立っていた。
2007_0422__096  そして大嶋は一刀両断のインモンキーで、他の5人の切実な思いと名人戦ならではの空気を切り裂いたのだ。精鋭の武士が先輩の武士を斬る哀しみ。そんな哀愁が、大嶋の顔にへばり付いていた。
 あと3年もすれば、同じくSG常連の今村豊、西島義則、山室展弘などが一斉にこの名人戦の舞台になだれ込む。おそらく、彼らもまた大嶋と同じような複雑な思いを抱くに違いない。同時に、名人戦の本来の意義も問われることになるだろう。
「本当は3コースから……」
 大嶋一也は様々な複雑な思いを喉の奥に詰め込んで、勝った。勝つべくして勝った。いや、心を鬼にして勝った、というべきか。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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クイズ第5問正解&ラストクイズ出題!

クイズです~。間もなく優勝戦。レースの前にご解答いただくもよし、レース後に感動に浸りながらご解答いただくもよし。ラストクイズ、よろしくおねがいします~!

2007_0421__391 まずは第5問の正解、皆様、素晴らしい~! 城島選手とこの選手のお話って、有名なんすか? 私は、中尾カメラマンに聞いて知ったのですが、私が無知なんすかね? そうです、皆様のおっしゃるとおり、本日の優勝戦4号艇、地元の山口博司選手であります! ヘルメットに城島選手の名前が入ってるんですよね~。ともかく、皆様、素晴らしい! ささぴーさん、はっしーさん、名人戦の舟券も買ってね~(笑)。

Cimg2654 それでは、ラストクイズいきましょう。これは、検査員室で見かけたものです。色とりどり(といっても、1~6号艇のカラーっすね)のコレ、いったい何? あ、コレってのは、ドアのすぐ左にかかっている、ヒモとカラープレートみたいなのがついたやつです。正解にはどどんと70P! 締切は明日23日の午後3時でお願いします。

ここまでのランキングを敬称略で記します。いつものことですが、間違っている方がいましたら、算数できない私をテッテー的に非難のうえ、ご指摘くださいませ。

1 どれみす 85
2 ささぴー 80
  ジロー
4 津ピン六 70
  モンキーたん
6 おちょこ 50
  ママ
8 りょうぽん 45
9 yanbaru917 40
10 はっしー 35
  人間

それではみなさん、今回もよろしくっす~。そして優勝戦の舟券、グッドラック~!


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優出選手インタビュー!

 優勝戦まであと3時間半。5R発売中に、イベント広場で優勝戦出場選手インタビューが行なわれました。一人一人紹介されるたびに、客席からは温かい拍手が起こったのですが、もっとも大きな拍手を浴びていたのは、やっぱり加藤峻二御大! 誰もが応援せずにはいられない、峻ちゃんなのであります。次点はこれまたやっぱり、地元の山口博司でありました。

2007_0422_1 1号艇 荘林幸輝(熊本)
「エンジン的にも枠的にも、言うことありません。勝っても負けてもインコース。スタートもコンマ10は行くつもりです。今日は自分との戦いなんで、バシッと1コーナーを最初に回って、優勝したいと思います」

2号艇 加藤峻二(埼玉)
「エンジンは問題ないです。2コースを死守します。準優を再現できたらいいかな。こういうチャンスはこれから先あんまりないんで、一生懸命頑張って、優勝したいです」

3号艇 大嶋一也(愛知)
「エンジンは満足してないけど、優勝戦でもそんなに負けてないです。ピット離れでアクシデントがない限り、3コース。今節はスタートがあまり決まってないんで、決めたいですね。今日はスタートを決めて、1マーク最初に抜けられるように頑張りたいです」

4号艇 山口博司(長崎)
「(地元で優勝したいですよね?と聞かれて)いやいやいや、大先輩相手なので。加藤大先輩と同じ水面を走れるだけで光栄です。4コース、カドでもスローでも、気持ちはマクるつもりです。地元なので、悔いが残らないよう、精一杯頑張ります」

5号艇 原田順一(福岡)
「お邪魔してまーす。(ペラを4日目に交換したのは?と聞かれて)あのーーーーーーーーーーーーーーーー(指をくるくる回しながら)乗りやすいったい。コースは、あんまり動いてもどうせ取れんちゃけん、バタバタせんごと。(ステージ上のバミリを指しながら)ここに“優勝者の立ち位置”って書いてあるっちゃけん、ここに戻ってきたいっちゃね」

6号艇 小林昌敏(山口)
「準優のスタートはたまたまです。自信はありません。隣の大先輩が5コースなんで、6コースからです。一生懸命頑張ります!」

2007_0422__041  ガッチリ気合の入っている荘林、静かな闘志を見せている御大、ここでは格上の意地がある大嶋、「加藤先輩と一緒に走れるだけで光栄」と言いながらマクってやるつもりの山口、博多弁でふにゃにゃにゃ~とリラックスして喋る原田、短いセンテンスで小気味良く話す小林……個性がハッキリと見える、面白いインタビューでした。さあ、優勝戦後にこの場所に戻ってくるのは誰か!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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どしゃ降りの中で…… ――優勝戦前半のピット

1r0013864  生憎……というには生憎すぎるほどの天気になってしまった大村競艇場。
 それでも、「朝一番のスタート特訓」が行なわれている9時半頃にピットに行くと、装着場の片隅で入念にボートの各所をチェックしている荘林幸輝の姿が見かけられた。
 荘林に続いて装着場に現われたのは、御大・加藤峻二だ。加藤がボートにモーターを着けようとすると、無言で荘林がそれを手伝い、加藤が礼を言う。そのすぐあとには原田順一がボートにモーターを着け、やはり荘林がそれを手伝った。
 朝早い始動だったが、これは基本的に検査を受けるための作業のようだった。
 山口博司は、整備室で、整備員と相談しながらモーターに手を入れていたが、他の選手はそうした動きを見せる様子はなかったのである(小林昌敏の姿は、こちらが確認した範囲では見かけられなかった)。
 朝一番のスタート特訓に参加した優出メンバーは、この山口と大嶋一也の2人だけだったが、こうした天気の中で慌てて調整をしても、それが結果に結びつきにくいという考えがあるからなのだろう。

2r0013897  いちど記者室に戻り、1レース前にもう一度ピットに行くと、作業をしている優出メンバーは誰も見当たらなくなっていた。
 昨日までなら、レースが始まれば、選手たちが水面際のアリーナ席に観戦に出ていたが、当然、そんな選手も一人もいない。アリーナ席の奥の屋根がある部分(選手控室前)の下で、数人の選手が遠目でレースを見守っているだけだったのだ。
 装着場には、ボートが整然と並べられ、作業をしている選手は、優出メンバーに限らず極端に少なく、「重い空気」がピットを支配していた。
 昨日は風邪気味と言っていた大西英一が待機ピットで入念に回転数チェックをしていたり、井川正人がペラ小屋にこもって調整に精を出していたり……、今節は苦しい闘いが強いられている新井敏司がモーターと格闘している様子などは見かけられたが、それはあくまで少数派の姿で、ピット内は本当にシーンと静まりかえっていたのである。その場にいると、こちらの気持ちまでが滅入ってくるほどだった。

3r0013898  2レースが始まろうとしていたとき、屋根の下のベンチに原田の姿が見かけられたので、「この天気で調整はどうですか?」と確認してみると、「しますよ」と即答してくれた。
 そして、「雨も降らないと、水が足りなくなりますからねえ。雨もまた楽しいですよ」とニッコリ笑ってくれたのだ。そんな言葉と笑顔によって、こちらの気持ちも少しだけ晴れてきた。
 原田は調整について、「今、(ボートを)下ろしてもアレなんで、特訓に出てからやりますよ」と話してくれたが、優出メンバーのほとんどは同じ考えなのだと思われる。

4img_1465  2レースのあとには荘林、大嶋、山口らがエンジン吊りの手伝いに出てきていたので、その後、荘林にも「この天気ではやはり調整が必要になってきそうですか?」と確認してみた。
 すると、「そうですね。5Rと8Rで特訓に出るつもりなんで、その感じでプロペラを調整します」とのことだった。
「その日になって、走ってみないと、わからないですからね。(ここまでくれば)もう自分との闘いだから、スタートだけです。……特訓で練習しますよ」と続けてくれている。
 エンジン吊りの際には、荘林はできるだけ多くの手伝いをこなそうとしているようにピット内を駆け回っていたのだから、精神面でいえば、本当にいい状態で優勝戦を迎えられそうな気配である(写真は、その後にボートを水面に下ろしたところ/言葉どおり、5R後に特訓に出ている)。

5img_9950  ちなみに書いておけば、前後の話の流れはわからなかったが、このエンジン吊りのあとに大嶋は、同県の河合良夫に対して「オレが何をやってもホメられん」と言って笑いかけていた(大嶋の写真は、5R発売中に行なわれた「優出選手インタビュー」に出る前にプロペラを着けているところ)。
 もちろん、冗談であるには違いないが、“若き雄”大嶋にとっては、この名人戦のピットに対してなんらかの違和感があるとはいえるのかもしれない。

 とにかく気になるのは空模様だが……、ちょうど荘林との話が終わったすぐあと、装着場の屋根を叩く雨の音がまた強くなってきたので、荘林は「これじゃ、カッパを着ないと……」と笑って、控室のほうへと向かっていった。
 その後、3レースが始まる直前には、雷が鳴り響き、稲光までが暗い空にフラッシュしていたのだから、決戦の日の天気としては悲しすぎる。さらに4レースが始まるときには視界もあやしくなるほどの雨になり、レース開始が少し遅れたほどなのだ。
 生憎……というには生憎すぎるほどの雨がうらめしい。
 しかし、4レースが始まる頃には、少しだけ空が明るくなってきた。
“最高のメンバー”が揃った優勝戦なのだから、このまま天気が回復していくことが祈られる。
 そして選手たちには、事故のない健闘を期待したいものだ。もちろん、優勝戦に出る6人に限らず、すべての選手に対しての願いである。
(PHOTO/山田愼二=4~5枚目、内池=1~3枚目 TEXT/内池久貴)


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大村グルメ・セカンド

ども、Kです。長嶺豊さんに「Kちゃんのお腹さわると、癒されるんや~」と出っ張った腹をなでなでされて、こちらも癒されております。私、女性には基本的にはまったくモテないのですが、このお腹だけは男性にも女性にも大人気なのであります。ダイエット、やーめよっと。

というわけで、今節も食いまくりました、はい。大村といえば、私の中でグルメ御三家と呼ぶべき競艇場のひとつ。来る前からもう、楽しみで楽しみで。はい。とは言いつつも、新鋭王座のときにかなり分厚くレポートしてしまいましたから、今回はその新鋭では食わなかったものを、2,3紹介しましょう。

Cimg2731 まずは、チャンポンや皿うどん、定食などがうまい「くしま食堂」。今回は「日替わり丼」を食ってみました。私が食べた日は、親子丼。玉子と鶏肉がいい味付けで、絶品でしたねえ。ここでは、午前中には「朝定食」もやっており、焼き魚、冷奴、納豆など、まさにニッポンの朝ごはん!といった王道の定食が400円で食えるのです。これにハマったのはH記者で、毎日食ってましたよ~。

Cimg2745 つづいては、フードコート内ひかりラーメン。とんこつ、あごだし、地鶏と、スープのバリエーションがいろいろあって、どれもこれも美味い! そんなナイスなお店ですが、今回は「みそラーメン」を食ってみました。とんこつベースの味噌ラーメン、初めて食すお味でしたが、濃厚こってりで実に美味! これはハマるなあ。ここは焼き飯も名物で、半熟玉子とともにまろやかなお味を堪能できます。昼時はかなり混雑していますが、それもわかるなあ。

Cimg2743最後は、前回チャレンジすることができなかった、握り寿司! スタンド3F食べられるのですが、これが競艇場で食べる寿司かと思うほど美味い! このお店に行った前のレースで舟券ばっちし的中させた私、思い切って特上を奮発しちゃったのですが、ネタも新鮮だし、ボリュームもあるしで、大満足です! このお店からは水面もバッチリ見えるので、レース観戦しながら寿司をつまむ、なんて粋なことも可能。大村にお越しの際は、ぜひいちど体験してみてもらいたいっすね。

というわけで、今日は最終日。大村最後のメシは、何にしようかなあ……と悩んでいるKでした!


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速報! 3Rのスタ展は24/36/15に!!

 興味津々の3Rのスタート展示が終わりました。やはりというか、さすがというか、②鈴木③関④西島⑥原が脱兎のごとくピットから飛び出しました。で、あまりの激しさに嫌気が差したか、関チューと原ユーは「イッチ抜けた」という感じで減速。本気でインを奪いにいったのは鈴木と西島のふたりでいた。進入は
 24/36/15
 の2対2対2進入。で、スリットは関チューがタッチの見え見えスタートで、このまま本番なら3=6の筋が妙味になりそう。でも、いざ本番になったら関チュー、原ユーのイン屋の血が騒ぐのでは……? 実戦での仁義なきイン争奪戦を待て!!


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6日目! 本日は優勝戦!

おはようございます。感動の連続だった競艇名人戦、本日ついに優勝戦を迎えます。いや~、ドキドキするなあ。しかしですねえ、大村競艇場、雨降ってるんす。しかも今のところはけっこう強く降っていて、風もけっこう強いんす。優勝戦までにはなんとか天候が回復してくれるといいのですが……。

2007_0421_09r_007_1 2007_0421_10r_031  さて、本日は優勝戦以外の注目レースをひとつ。3Rです。初日10Rでも実現した、鈴木幸夫vs関忠志vs西島洋一の前付け三銃士の対決が再び組まれました! しかも、今回はさらに原由紀夫までいるんです! さあ、進入はどうなる!? 2号艇・鈴木、3号艇・関、4号艇・西島、6号艇・原……三銃士を差し置いて、原がイン取ったらすごいっすね。1号艇・片山晃、5号艇・佐藤勝生が深くなったスロー勢を一気に叩くことができるかどうか。とにかく、進入からドキドキしちゃいます。午前中から目が離せないレースが組まれました、一日、ベテランたちの戦いを堪能しましょう!

それでは本日も、雨にも負けず、風にも負けず、頑張りましょう!


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クイズ第5問~!

ども。準優勝戦が終わりましたね~。優勝戦、なかなか濃いメンバーになりました。明日が楽しみッス! というわけで、クイズ第5問~。今日は、そんなに難しくないと思いますよ。

2007_0421__3912 これ、だぁ~れ? これが問題っす! 正解者には30P! 締切は明日22日の午後3時でお願いします。大変簡単ではございますが、今日はこんなところで。それではご解答、楽しみにお待ちしてまーす。


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最高の男たち!――準優勝戦後半のピット

1img_1387  準優勝戦最初の10レース。勝ったのは加藤峻二で、2着は山口博司だった。
 レース直後から加藤はニッコリ笑っていたが、山口の顔にははっきり憔悴の色が浮かんでいた。ヘルメットを脱げば、ともに汗だくになっていたことも、この熱戦と“熱い結果”を象徴しているようだった。

 この両者は、今節の最年長!!と最年少!でもあるのだから、レース後の共同会見でも、その辺りについてが話題になることが多かった(この記事2枚目の写真は、加藤と、今節では加藤に次ぐ年長者となる金井秀夫=11R・6着とのツーショット)。
2img_9799  とくに加藤の場合は、“GⅠ優出最年長記録”となることもあり、それを指摘されたが、「なんかあるたびにそれを言われるんで」と、顔をほころばせていたものだ。
 対する山口は、自ら「一番の若手と年寄りが1・2着しましたからね」と言って、笑顔を見せている。
 地元・長崎の最年少選手であるため、節間を通してレース前後にやらなければならない仕事も当然多くなるので、「最初はイヤだなと思ってたんですけど、みんな、自分のことは自分でやってくれるんで、楽しいですね」と続けて、レース直後とは一転して、ご機嫌な口調になっていた。
 優勝への意気込みなどを訊かれた際には、加藤は「そういうのは特別ないんですけど、年々チャンスは少なくなっているので、優勝戦乗ったからには……」と素直な気持ちを話している。そして、山口は山口で「そこ(優勝)まではあんまり……。気合いを入れすぎると、いつも赤ランプなんで」と記者を笑わせていたが、それもまた山口らしいところだった。

 とにかく、準優勝戦一発目から“走る人間国宝”と“地元のホープ”が優出を決めたのだから、こちらの興奮も自ずと高まってきたものだ。
3r0013844  ただしである。この結果の陰には、山口と同じく地元・長崎支部に所属する井川正人が、進入において鈴木幸夫の前付けをブロックした一幕が見られていたのも大きかったはずだ。レース後、井川は、同じ歳の鈴木に対して「ごめんね。博司が泣きべそをかいてたから」と謝り、鈴木は「ハハハハ」と苦笑いしている。
 つまり、レース前から山口は、鈴木の前付けを警戒して、弱音に似た言葉を井川に洩らしていたのだろうし(冗談の部分も強いのだろうが……)、そのことが、このブロックにつながっていたわけなのだろう。
 もちろん、井川にしても、「自分が勝つため」の意味も含めて、こうした選択をしていたには違いない。
 3着に敗れたレース直後には、ヘルメットをしていてもハッキリわかるほど悔しそうな顔をしていたし、レース後ずいぶん時間が経ってから再び鈴木と話をしていて、笑いながら別れたあとには、「うう~ん」と唸るように首を傾げていたのだ。
 その後、「惜しかったですね」と声をかけると、また、うう~んと顔をしかめたので、「男気のブロックでした」と続けてみると、「あとから考えると、ああしておけばよかった、こうしておけばよかったって、いろいろ出てくるんですよね」と苦笑していた。
 そんな言葉からも、優出に賭けていた気持ちの強さがわかり、井川の男らしさと優しさ、そして勝負師らしさに、改めて男惚れしたものだ。

4img_1414  11レース。勝ったのは荘林幸輝で、2着は原田順一だ。
 こちらもレース後の表情が実に対照的だった。荘林はレースから引き上げてくるとすぐに他の5選手全員に挨拶に回っていたのに対して、原田は“二本の指”を立ててアピールしながら(何十回もアピールしていた!)、満面の笑顔を記者陣に送っていたのだ。この二本指は、Vサインだったのかもしれないが、指の向きが裏返し(自分向き)になっていたので、「2着! 2着!! やるでしょ、オレも!」とでも言いたかったのではないかと思われる。

 荘林は午前中に、朝は準優のための作業をしないで、スタート特訓後にそれに合わせた微調整をする予定と話してくれていたが、その言葉どおり、特訓後にペラ小屋で作業をしていたので、そうしてきっちり足を仕上げられていたのだろう。
 共同会見でも「いい足してます」「(優勝戦も)1号艇ならこのまま行きます」と話して、「大村は相性のいいところなんで、優勝戦に乗れて嬉しいし、自分では楽しみにしてます」と続けている。
 本人は“運が自分のほうに向いている”とも感じているようなので、1号艇に乗ることになった明日のレースは実に楽しみだ。

5img_9876  今日の8レースが終わったあとには、10レースから12レースまでのスタート特訓が行なわれていたが、原田はそれに参加せず、アリーナから様子を見守っていたので、「特訓に出ない理由はあるんですか?」と訊いてみた。すると、「う~ん」と、どう答えればいいかと悩んだ顔をしたあとに「朝の5Rのあとにしましたんで。それで、だいたいわかりますし、何回やっても何百回やってもいっしょなんですよ」と話してくれた。
 さすがに歴戦のツワモノは違う! 改めてそんなふうにも実感されたが、共同会見でもこの人は「今回は準優にまで乗りたかったんで(優勝戦は)もういいです」「名人戦っていうのは、獲れる人は獲れるけど、獲れない人はいっぱいいるんで、優勝戦に乗れれば十分です」などと言って、記者陣を笑わせ続けていたものだ。
 ただし、荘林が自分に運が向いてきているのを実感しているように、今の原田にも“何かの力”が作用しているようにも思われてならない。それは、NIFTY主宰・黒須田守が送る“祈りのテレパシーの作用”などでは決してないはずだが、この自然体の原田には、何かをやってくれそうな雰囲気がずっとあるのだ。明日の優勝戦で軽視することなどはできないだろう。
 原田は「昨日、準優に乗るため、3着か4着を取れればいいいと思って、回り足を重視していたのがよかったのかもね」とも言っていたが、そうした部分での“風向き”というものは、こうして“結果”につながってくるものなのだ。10Rを勝った加藤にしても、午前中の作業ではずっと「回り足重視」の足を作り、それがプラスに出ている、と話していたが、今の大村には、そうした足が向いているかもしれないのである。

6r0013810  そして12レース。勝ったのは大嶋一也で、2着が小林昌敏だ。こちらの2人は、筆者が見ていた限りでは、それほど長い作業をしている様子はなく、悠然と過ごしていたものだった。
 大嶋は、午後の時間帯に、同県の石川正美の言葉に熱心に耳を傾けながら、ペラ調整をしていた時間があったくらいで、あとは、一人のんびり過ごしている時間が多かった。
 小林にしても、去年の名人戦ではペラと向かい合っている時間が多かったが、今日に限っていえば、そうした時間もほとんど確認されず、時おり悠然とピット内を歩いている姿が見かけられただけだった。
 機力に対してはほとんど問題がなくなっている実力者2人が、勝つべくして勝ったレースだったともいえるのかもしれない。
 共同会見において大嶋は、名人戦を闘っている感想を訊かれ、「しょっちゅう(開催されたり出たりするの)はいいですけど、年一回くらいなら」と笑って答え、この独特のシリーズの中でも、自分らしく過ごせていることを窺わせていたものだ。
 優勝戦のコース取りについてを訊かれると、「3コースでいいです」と答え、誰かが内を狙ってきたときには「入れないと思います」ともキッパリ言い切っている。
「(優勝戦までくれば)もう、(機力云々ではなく)スタートと1マークの判断だけですね」とも言葉を続けている。
 シリーズ開幕前から“大本命”にされていた大嶋は、そうしてどっしりと自分の立ち位置を見つけられているわけなのだ。

7img_1212  小林は共同会見で「抜けた足ではないですけど、乗りやすいと思います」「優出メンバーと比較しても遜色ないと思います」と答えている。そうして足が仕上がっているからこそ、今日一日をあくせくすることなく過ごせていたのだろう。
 優勝に対する意気込みを訊かれると、「外になるので……。内の人が遅れてくれればチャンスはあるんですけどね」と答えていたが、外からのスタートは「わかっています(=見えている)」ということなので、こちらも決して軽視はできない存在である。

 明日の優勝戦は、走る人間国宝もいれば、実力最右翼の選手もいて、地元のホープもいる。SGで優出19回の記録を誇る選手(荘林)もいれば、ダービー王(原田)もいて、伏兵もいる。
 本当に最高のメンバーが揃い、個人的には、優出6ピットのメンバーが埋まっていくたびにSG以上にワクワクしていたものである。
(PHOTO/山田愼二、内池=井川&鈴木+大嶋&石川 TEXT/内池久貴)


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準優勝戦 私的回顧

2007_0421_10r_067 「今年の名人戦は、みんな進入で頑張ってくれたの~」
 長嶺豊さんが唸る。名人戦の醍醐味は進入争い。そう言ってしまっておかしくないほど、コース取りに命を懸ける男たちがたくさんいる。スキあらば、内を分捕る。だから、内枠はスキを見せない。それでも、内を分捕ろうとする。だから、内を取られまいと突っ張る。そんな光景が、いったい何度見られたことだろうか。
「それに、レースも迫力あったなあ。みんな、ツケマイの練習、しとるんちゃうか」
 長嶺さんが唸りつつ、笑う。名人戦のもうひとつの醍醐味は、まさにレースの激しさ。突っ込み、切り返し、何でもあり。かと思えば、外からぶん回して交わし去っていく。1マークはもとより、道中も目が離せない、ガチンコバトル。スピードではSGにはかなわなくても、意地の突っ張りあいはSG以上だと思わせられる場面が、頻繁にあったものだ。
 準優勝戦。進入のドラマのカギは、奇しくも黄色のカポック、5号艇が握っていた。そして、レースのドラマのカギを握っていたのは、ある縁を有していたあの男たちだった――。

10R 最年長と最年少のワンツー
①山口博司(長崎)
②加藤峻二(埼玉)
③井川正人(長崎)
④高山秀則(宮崎)
⑤鈴木幸夫(愛知)
⑥大西英一(東京)

2007_0421_10r_071 5号艇・鈴木幸夫。この名前があるだけで、彼がインを狙ってくるのは織り込み済みだ。初日10Rに組まれた、イン屋の三重奏。鈴木、関忠志、西島洋一のなかで、準優に駒を進めてきたのは、もっとも若きインの鬼だった。
 ただし、このレースの内枠勢は、ちょっとばかり厄介なメンツだった。1号艇は地元・山口博司。レース後、「勝ち負けは度外視で、インを死守するつもりだった」と語っている山口は、自分を育ててくれた水面で1号艇の権利を譲るわけにはいかなかった。2号艇は、走る人間国宝・加藤峻二。普通であれば、それほど内寄りにこだわる男ではないが、今日は「絶対に2コースに入るつもりだった」と、“イン屋の若造”にコースをくれてやるつもりはなかった。さらに、3号艇にはもう一人の地元・井川正人がいた。今節は積極的にコースを取り、なんとしても故郷の水面に錦を飾ろうと気合を込めて走っていた。スタート展示では鈴木を内に入れているものの、カドに引かなかったのは「本番では譲らじ!」の意志表示だろう。それに、もし自分がダメでも博司だけは……ポールポジションを手にした後輩を守ろうとする男気を持っている男である。
 ピットアウト。鈴木は己の仕事に忠実に、大きく回り込む。しかし、行く手を阻んだのは、赤いカポックだった。井川がガッチリとブロックし、山口と加藤は狙い通りの枠番主張。4人それぞれが、それぞれの生き様を水面に投影すれば、こういう並びになってしまうのも仕方のないことかもしれなかった。

 このレースのドラマのカギを握っていたのは、やはり加藤峻二御大だった、と言うべきであろう。
2007_0421_10r_081  4コースに甘んじながらも、トップスタートを切った鈴木幸夫が、1マークではツケマイを放った。インの鬼の、意地のツケマイ。ただ逃げるだけの俺ではない!と、自分を外に弾き出した3人に、怒りの一太刀を浴びせる。しかし、機力ではやや劣っていた鈴木の渾身のターンは、井川、加藤の頭を叩くところまではいっても、インの山口まではとても届かなかった。あとは、旋回スピードによって、2番手に食い込めるかどうか。鈴木は、外に進路を取り、そのまま握り続けてバック水面へと飛び出ていった。
 こうなると、山口はしっかりと先マイするのみ。鈴木が握ってきているから、加藤、井川が自分を叩きにくることはない。それより外の高山、大西が来ないことも言うまでもない。主導権を握ったインが、するべきことは確実な先マイ。山口には、それを果たせる実力はある。そして、たしかに山口は磐石のイン逃げを放っていた。
2007_0421_10r_093 しかし! その山口のノド元に匕首を突きつけた男こそ、加藤御大だった。山口のモーターは出ている。外からは何も来ない。したがって、ターンもそれほど流れていない。ガッチリと鉄条網を張ったかのように、山口はふところを防御したはずなのだ。だが、山口の内側に、御大は水面を切り裂くような差しを入れた。その名の通り、峻烈なターン。瞬く間に、御大の艇が山口とビタッと並ぶ。そのまま併走状態でバックを駆ける。通常、この状態を「競り合い」と呼ぶが、もはやそんな表現がふさわしくないほど、主導権は御大に移っていた。
2007_0421_10r_099 2マーク、最内を差して伸びた大西が、イチかバチかの突進を見せた。大西、一世一代の大バクチである。しかし、御大には何の影響も動揺も与えなかった。大西が突っ込んでくるのを予期したかのようにターンマークをややあけて回った御大は、これが65歳のターンかと目を疑うような全速旋回で、大西が自分に迫ってくるよりも早く、2マークを駆け抜けていた。山口は、冷静に大西をやり過ごした。しかし、御大は大西のターンなどどこ吹く風で、駿風のように水面を疾駆したのである。
 決着は、ここでついた。気がつけば、今節最年長と最年少のワンツー。しかし、御大の走りは、そんな隠しテーマを忘れさせる鮮やかさをまとっていた。

11R 福岡支部同士のワンツー
①荘林幸輝(熊本)
②原田順一(福岡)
③桑原淳一(東京)
④松野京吾(山口)
⑤金井秀夫(群馬)
⑥佐藤勝生(広島)

2007_0421_11r_149  5号艇・金井秀夫。今節、加藤御大に次ぐ長老。深いシワが刻まれたその顔は、迫力充分であると同時に、長い年月を戦い抜いてきた年輪のようにも見える。御大が若々しさで後輩を圧倒するならば、金井は年輪の重みで若い者を睨みつける。原田順一以外は、50~51歳という“若手”たちが相手のこのレースで、金井がひと睨みで内コースをせしめるのは、確定的と言えた。
 スタート展示では、桑原淳一が抵抗を見せている。桑原としても、簡単に内を明け渡すつもりはない。これが、本番では桑原を早々と出し抜いて、3コースを獲得。生意気な若造の突っ張りは、本番で跳ね返せばいい。3コースを守れなかった桑原は、仕方なくといった感じでカドに引く。ダッシュ艇の誰よりも後ろまで艇を持っていった桑原からは、大先輩相手に意地を貫けなかった苛立ちを見たように思った。
2007_0421_11r_161 さらに内水域でもドラマがあった。荘林幸輝がピット離れで遅れたのだ。荘林はレース後「自分が遅れたのか、原田さんが良かったのか」と首を傾げていたが、原田は「ピット離れはいいようですね」と自分が突き抜けたのだと語っている。しかし、原田は荘林の進路をふさぐようなことはしなかった。「まあ、同県だからねえ」とレース後に苦笑いを見せた原田。荘林は熊本出身の福岡支部。原田は福岡出身の福岡支部。同支部同士の間にある、目に見えない絆が進入を穏やかなものにしていた。

2007_0421_11r_158  レースのドラマは、進入のドラマを引きずるような格好となった。原田の後輩への温情によってインをキープできた荘林が、トップスタートから逃げる。ホームではやや挟まれたような形になりながらも、原田が後輩の逃げにしっかり追随する。バックで完成したこの隊形は、残り5つのターンマークを回りながらも、まったく揺るぎなくゴールまで維持された。3番手を桑原と松野が競り合う場面もあったが、それは遠い世界で起こっている出来事のようだった。
 気がつけば、いや、すでに気付いてはいたが、福岡支部のワンツー。ともに「九州だから、大好きな大村だから」と気合を込めて戦ってきた二人が、優勝戦のピットを手に入れた。

12R 鮮烈マクリと戦慄差しのワンツー
①岡孝(徳島)
②大嶋一也(愛知)
③小林昌敏(山口)
④吉田重義(大阪)
⑤水野要(兵庫)
⑥陶山秀徳(熊本)

2007_0421_12r_059  5号艇・水野要。たしかに一般戦などでは内寄りから攻める選手であり、今節も1走を除いて3コース以内から戦っているが、このメンバーでどこまで動くことができるのかは、流動的だったと言うしかない。実際、スタート展示では枠なりに収まっている。
 ところが、水野は本番まで、強烈な一撃を隠していた。ピットアウトと同時に、ロケットのように鋭い飛び出しを見せた水野は、あっという間に小林と吉田を交わし去り、大嶋の横にピタリと吸い付いていた。奇襲作戦が成功したのだ。
 これが、小林と吉田のコンピュータを狂わせる。水野に内を取られたのは仕方ない、と考えた小林。それでも4コース死守、あるいはスロースタートにこだわった吉田。レース後、「吉田さんが中途半端なところで艇を向けたから、仕方なく引いた」と小林は語っているが、もし吉田がもう少し外へと艇を流してから舳先をスタートラインに向けていたら、小林は4コースを選択せざるをえなかったかもしれなかった。展開は、まるっきり変わっていた。

2007_0421_12r_068  進入での思惑違いは、スリットにも影響を見せていた。F2ながらトップスタートを切った岡。5カドからの発進がケガの功名的に好スタートとなった小林。しかし、その内の3艇に異変が起きた。大嶋、水野、吉田がヘコんだのだ。
 岡にとって、こんなに厄介なスリットはない。小林の攻撃をまともに喰らうことになるのだ。一枚の壁もなくマクリを受け止めなければならないインは、もはやもっとも不利なコースに堕していると言うべきだろう。逆に、小林にとっては、こんなにありがたいスリットはない。ターンマークへの最短距離が約束されているからだ。5カドとなったことが、むしろ勝利への最短距離でもあったのだから、ツキは完全に小林に向いていたと言える。
2007_0421_12r_073  一気に絞ってマクリ体勢に入る小林。必死の抵抗を試みる岡。小林が鮮やかな弧を描いてバックへと抜け出したとき、岡の艇は引き波に飲まれ、ズルズルッと外へ滑っていった。万事休す。ここで勝負は決した……と誰もが思った。
 これが腕の差、なのだろうか。ターンマークあたりには、岡と小林の作った引き波が口を開けて待っていた。二人が作ったポケットに飛び込めば、落とし穴に自ら足を踏み入れたかのように、失速するはずなのだ。ところが、大嶋はあっさりとその魔物を飛び越えて、するりと先頭に立っていた。2007_0421_12r_091 小林と岡の航跡を軽く乗り越える差しハンドルを、大嶋はスルリと入れてみせたのである。マクリ艇の外側の差し。それが逆転のセオリーと言われている。しかし、大嶋はマクリ艇の内から、巧みすぎる差しをねじ込んだ。これを腕の差と言わずして、なんと言うのだ。バックの内寄りを疾走する大嶋。外から追走する小林。勝負あり、だ。
 この二人のワンツーには、特別な縁はない。登番の下1ケタが0という共通点があることはあるが、こんなものはこじつけに過ぎない。そこにあるのは、ただただ鮮烈だった小林のマクリと、ただただ戦慄を覚えさせられた大嶋の差し、のみだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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速報 大村名人戦・優勝戦メンバー決定!

 ついについに、優勝戦のメンバーが決まりました。『無冠の艇王』荘林あり65歳の峻ちゃんあり断然V候補の大嶋あり、役者が揃い踏みしました。大嶋が3号艇ということもあって舟券的にも楽しみ満載の名人決定戦であります!

第8回競艇名人戦優勝戦 GI優出&V SG優出&V

①荘林幸輝(51歳・熊本)  59-8V   19-0V
②加藤峻二(65歳・埼玉)  102-20V  16-3V(地区対抗は除く)
③大嶋一也(49歳・愛知)  58-12V   7-1V
④山口博司(48歳・長崎)  4-1V     0-0V
⑤原田順一(57歳・福岡)  22-2V    4-2V
⑥小林昌敏(51歳・山口)  25-1V    1-0V


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変わる空気と空模様――準優勝戦前半のピット

1img_9718  昨日までとは空気が変わった――。朝のピットを取材に行くと、すぐにそう感じた。
 昨日は勝負駆けの日でありながらも、ピットのあちこちでは「同窓会的な和やかな場面」が見かけられていたが、そうした場面に出くわすことがぐっと減り、準優勝戦メンバーを中心に黙々と作業が行なわれていたのだ。
 整備室でモーター本体に手を入れている準優メンバーはさすがに見かけられなかったが、ペラ小屋や装着場などを見ていれば、すぐに準優に出る18人の存在が確認される。
 他のSGやGⅠでも、準優勝戦の午前中には姿が見かけられない選手が何人かは出てくるものなので、これはなかなか珍しいことなのだ。

2img_1110  ピットの空気の違いをいちばんに実感させてくれたのは水野要だ。
 水野の姿は、「一般戦のピット」でも見かけたことがあるが、気持ちを張り詰めたような表情で作業をしていた様子が、強く印象に残っていた。しかし、昨日のピットの水野は、それとは別人のように、いろんな選手と話しながら笑顔を見せ続けていたのだ。
 それが、今日は今日で、また一転!
 昨日の笑顔を封じ込めたように、一般戦のピットと変わらず表情を引き締め、作業を続けていたのである。
 昨日までは気をゆるめていたということではまったくないが、「勝負モードに入ったのだな」と、ひと目見たときから感じたものだ。

3img_9684_1   今朝、「ペラ小屋の住人」になったように、長い時間、ペラを叩いていたのが“走る人間国宝”加藤峻二だ。
 隣にいた桑原淳一と話をしているところも見かけられたが、ほとんどの時間は他の選手と口をきくこともなく作業をしていたのだから、その集中力には驚かされたものだ。
 その桑原(トップの写真)も、今朝のピットで気になった一人といえる。
 ペラ小屋を出たあと、装着場で、ボートに着けてあるモーターを見ていたが、その時間が非常に長く、細部にわたってモーターを確認している姿には「静かな闘志」がみなぎっているように見えたのだ。その雰囲気がなんとも良くて、見ているこちらも応援したくなってきた。

4img_1187  TVインタビューを求められた荘林幸輝は、「作業をしながらでいいですか?」と答えていたが、その後は当然、作業の手を止め、インタビューに応じていた。
 それくらいやるべき作業が山積みになっているのだろうかとも思ったが、これは筆者が以前に行なった取材でも「仕事に行った以上は仕事のことだけ目いっぱいやろうと思ってるんです」と答えていた荘林の性格から来ているものなのだろう。
 インタビュー後もとりたて慌てて作業をしている様子ではなかったので、「今日の作業はどうですか?」と確認してみると、「今日はやらないと思います」との答えが返ってきた。
「(スタート)特訓のあと、微調整をするかとは思いますが、それまでは予備のペラを叩いていようかと思っています。この節で使うものではないんですけどね」と続けるのだから、本当に時間をムダにしない人なのだ。
 荘林は「朝の時間帯では気候がどうなるかもわかりませんから」とも話していたが、とにかく気候の変化が激しい今年の名人戦だ。
“今節の大本命”といわれる大嶋一也などもエンジン吊りの手伝いなどには出てきていても、自分の作業をしている様子はなかった一人である。準優勝戦に向けては、“特訓後の微調整”が大きなポイントになってくるのだろう。

5r0013800  早い時間帯にはボートの各所をチェックしていた金井秀夫が、アリーナ付近でひと息ついていた姿が絵になっていたので、カメラを向けると、金井は顔を皺だらけにして(←もとからではあるが……)、ニッコリ。
「写真撮られちゃった。煙草吸ってるところ」と、いたずらっ子のように言ったので、「今日の作業はどんな感じになりそうですか?」と、やはり確認してみた。
「今日はのんびりですね。試運転をしてからです」と言うので、やはり荘林と同じような状態にあるわけだ。
 昨日までとくらべて、ピット全体の空気は引き締まっているとはいえ、それぞれの選手は、自分のやるべきことと、やる必要のないことをしっかり把握しており、余裕を失わない。“いかにも名人戦”といえる「大人のピット」なのである。

6r0013802  1Rで勝利した西和則にも声を掛けてみた。西は昨年の名人戦で、「(成績的に)もう名人戦には出られないだろうから」と、同期である水野とのツーショットを撮ってほしい、と僕に言ってきてくれた選手なのだ。
 そのことを話して、「今年も出場されているじゃないですか」と振ってみると、「ちょっと頑張ったら、たまたま出られたんです」と笑顔を見せてくれた。
「1Rもお見事でした」と続けると、やはり「たまたまです」との回答。「02のスタートになってしまいましたから」とも苦笑していたが、そんな西は、本当に謙虚で、気のいい人なので、大好きだ!
 その1号艇で6着に敗れた西島洋一は、以前に取材したこともあるので、「今節はモーターが厳しいようですね」と話しかけてみると、苦笑しながら頷いていた。
 それでも、2Rが始まる前には、偶然ながらも、西と西島の「ザ・ウェスタンズ」が並んで作業をしているところが確認された。モーターを点検し、回転数を確認したあと、西は係留所付近でボートを走らせ、状態を入念にチェックしていた。
 たとえ準優に出られなくても、選手の前向きな姿勢は変わらない。
 この人たちが作業をしている姿は、見ていて本当に気持ちがいいものなのだ。

7img_9714 「艇界のクロちゃん」こと黒須田守でなくても(本日からピット担当が変わりました)気になる大西英一はどうかといえば……、“通勤着にマスク”という姿でペラ小屋で作業をしていたのだから、気にならないわけがない。通勤着は通常、自分のレースが終わったあとに、宿舎に戻るのを待つ選手が着替えるものなのだから、こんな時間にそれを着ている選手などは見たことがなかったのだ。これも「大西流」といえばそれまでかもしれないが、その理由はいったい何なのか?
 TVのインタビューに対して、「僕は歌なんか歌ったことがないんです。照れ屋ですから。目立たないように生きています」と、準優とはあまり関係がないような回答をしていたあとに、「どうして通勤着にマスクなんですか?」と改めて訊いてみた。
 すると、「風邪で少し熱が出ちゃって、脱げないのよ。鼻水出ちゃって恥ずかしい」と言うのである。「今日は一回乗りでよかった。……熱かったり寒かったりするでしょ。もう、ぜんぜんダメ」とも続けていたが、そう言いながら、とても“ぜんぜんダメ”には見えないのがまた大西らしいところだ。
 そのしばらくあとには、競馬のジョッキーが着る勝負服のようなデザインのジャンパーに着替えて、ハキハキ、他の選手のエンジン吊りを手伝っていたのだから、やはりこの人は元気である!
 風邪などには負けず、昨日と変わらぬファイトを見せてくれるものと確信された。
(PHOTO/山田愼二、内池=金井&ザ・ウェスタンズ TEXT/内池久貴)


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野中和夫vs喜多条忠!

 「モンスター」野中和夫vs「神田川」喜多条忠!
 本日の3R発売中、お二人によるトークショーが行なわれました。もともとは予定がなかったイベントなのですが、野中選手会長と喜多条先生のご厚意により、急遽開催が決定! 「ファンの方に役立つお話を引き出しますよ~」(喜多条さん)と、貴重な情報が満載のトークショーが企画されたのでした。
Cimg2798  だがしかし。本当に急遽決まったイベントだけに、しかも早い時間帯だっただけに、お二人がステージに登場したときには、ちょっと寂しい客席の様子。「先生、お客さん、少ないで~」(会長)「身内ばっかりですなあ~」(先生)。そこで先生は、あのかぐや姫も最初の頃のコンサートはまったくお客さんが集まらず、もっとも少なかったのは5人だった、というエピソードを披露。あのかぐや姫がね~、と会長も唸ったところで、イベントを知ったお客さんが続々と集まってまいりました。そこからは、二人とも絶口調!
 先生がまず、「準優勝戦の心理」を「①予選快調で、余裕の準優進出組(好枠)②なんとか勝負駆けを果たして、ギリギリで予選突破(外枠)」の2パターンで問うと、
「1号艇に入った場合は、エンジンも仕上がってるから、『4号艇の●●がマクってくるか。誰が攻めてくるか』を考えました。外の枠のときは、僕の場合はスタート展示で1艇身くらいフライングして、『マクるぞ!』と見せ付けるんですね。内の人たちに“また野中にマクられる”と思わせる。それで、本番は差すんです(笑)」(会長)
 なるほどなあ~。とにかく、レース前にはメンバーを見て、誰が当面の敵なのかを把握しなければならない、と会長。駆け引きの妙、というのは、本当に面白いもんですね。
Cimg2801 競艇歴ン10年の喜多条先生だけに、モンスター節を引き出すのも実に巧み。
「第1回オーシャンカップの優勝戦、進入で久間繁を内に入れましたよね?」
「あのときは久間がエンジン出てましてね。久間がマクれば、差し場ができる。久間がスタートで遅れたら、僕はスタートでぶっちぎるつもりでしたから、先にターンすればええ。どっちにしても、僕のもんですわ」
 コースはただ内を取ればいいというものではない。勝てるコースはどこかを考えて、時には外にも回る。う~ん、深い! これぞSG17Vのモンスターですよねえ。で、やっぱり深いなあと思ったのは、フライングを持っているときの心理。これ、それなりの選手の場合は、我々が考えているセオリーとは、むしろ正反対だというのです。
Cimg2800 「水面に出たら、関係ない。むしろ2本もってるほうが、緊張感が生まれるから、ええスタートが切れるんです。もう自分を信じるしかないからね。Fがないほうが、バラつきが出てしまうもんですわ。F持ってるほうが、勝負しやすいんですね」(会長)
「岡孝がF2でスタート切れまくってますが、彼に聞いたら、『2本持ちに慣れてるから、こっちのほうがええですわ』って(笑)」(先生)
「あと、Fを切ったら、お客さんに迷惑をかけるわけですから、次のレースで絶対に3連単に絡もうと思う。そこそこの選手なら、みんなそうですわ」(会長)
 そうかあ……。これは参考になりますな。まあ、モンスターや岡のような勝負の鬼だからこそ、という気もするわけですが、彼らのような選手のF持ち、F後というのは、むしろ狙い目かもしれませんね。

 というわけで、お二人のトークショーは8R発売中も行なわれます。こうした舟券直結の特ダネはもちろん、「準優勝戦に出る選手たちの性格や走り方も話します。彼らの性格とかは、100%わかるから」(会長)とのこと。これは見逃せませんぞ。これから大村競艇場にいらっしゃる皆様、あるいは大村競艇場で「モバイル@Nifty」をご覧の皆様、8R発売中にはイベント広場へ急げ!(黒須田)


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5日目!

おはようございます! 競艇名人戦、準優勝戦の日を迎えました! 熟練の技を競う祭典も、いよいよ胸突き八丁。かつてSGをともに戦っていたことを否が応でも思い出して、激しくぶつかり合うことでしょう。大村はちょっと曇っているのが残念ですねえ。風はごくごく弱い向かい風、水面コンディションは今のところ、悪くはないです。

Cimg2790 さて、本日は11Rのアリーナ席で撮った1枚。6人がずらりと並んで、レースを観戦しているのですが、左から荘林幸輝、足立保孝、平野勇志、吉田稔、刀根辰治、陶山秀徳です。そう、花の42期がズラリと並んでいたのです! 長嶺豊さんにも、「おっ、同期会やってるのか?」とからかわれてました。で、11Rといえば、42期の村上信二が勝負駆けだったんですね。同期生の準優進出を願い、こうして集結したんでしょう。他の42期も、久間繁と田中伸二もこの後ろのほうで観戦しておりました。村上は惜しくも勝負駆け失敗に終わってしまいましたが、準優勝戦には荘林と陶山が参戦します。メンバーは入れ替わって、今日も同様のシーンが見られるかもしれませんね。

さあ、本日も気合入れて行きましょう!


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気になる笑顔。尊い闘志。――4日目、後半のピット

2007_0419__613  昨日、田中伸二が長い時間、機歴簿に見入っていたことをお伝えしたが、今日そこで同じことをしていたのは、原由樹夫だった。11R前の時間帯だ。原は、機歴簿と過去の出走表を照らし合わせて、じっと思索に耽っていた。まるで推理小説を解読するかのように、モーターに手の入った歴史と成績を組み合わせて、何が不足しているのかを考えていたのだろう。言っておくが、原は昨日の段階で準優戦線に残ることがかなわなかった選手なのである。変な話、現状のモーターで漫然と走り、賞金と手当てだけを稼いで帰ったって、誰も文句は言わないだろう。しかし、原はそれを良しとはしていない。この姿勢が、素晴らしいのだ。決して勝負を投げない。決して勝利を諦めない。これが、彼らのプライド。名人位を目指す者たちの矜持。恐れ入るしかない。
2007_0420__448  同じように、すでに準優進出に望みのなかった高塚清一。ペラを手に、ペラ室のほうから整備場のほうへ歩いてくるのを見かけたのは、12R前のことだった。もはや、ほとんどペラ室に人影はなく、いちばん最後と言っていい時間帯まで、高塚はペラを叩き続けた。これも、原ユーと同じことだ。高塚もまた、あと2日をただ過ごすつもりなど毛頭ない。むしろ、不完全燃焼に終わってしまった予選道中の憂さを晴らすべく、渾身の走りを見せるかもしれない。そうとしか思えない、遅い時間帯のペラ調整。そういえば、ペラ室を覗き込んだとき、今節もっとも多く見かけたのは、加藤峻二御大と高塚だったような気がする。高塚のほうはまだ結果を出せてはいないが、明日明後日で努力が結実する可能性は充分にある。
2007_0420__380  10Rの勝負駆けを果たせなかった久間繁。節間通しての懸命の整備は、ついに実らなかった。レース後は、さすがに疲れた表情を見せており、つまりは悔しさが滲んだ顔つきだった。少し時間が経って、整備場のほうを見に行くと、奥にある作業室に久間の姿が見えた。しかも、ギアケースの整備をしているではないか! レースが終わったばかりなのに、本来なら格納してしまってもいいのに、しかも勝負駆けを成功できなかった直後だというのに! 僕だったらふてくされて、さっさと格納して、控室でタバコでもふかしているところだ。僕なんかと比べても意味ないけど。ともかく、驚いた。その、いい意味での“しつこさ”に。準優メンバーが抜ける明日の一般戦では、充分に一発があるぞ。いや、一発決めて、この“プロ意識”とでもいうものが報われてほしい!
2007_0420__179  とにかく、偉大なる匠たちの勝負に懸ける姿勢には感心するばかりだ。感動するばかりだ。たしかに、スピードではバリバリのSGクラスにはかなわないだろう。成績も、往年に比べれば落としている選手がほとんだ。それでも、ここには極上の勝負がある! 極上の男たちがいる! それが、水面での戦いを濃厚なものにしている。素晴らしきかな、名人戦! 何度も繰り返してきたこの言葉を、勝負駆けの今日、改めて主張したくなったのだった。感心といえば、ちょっと話は逸れるけど、全モ連の業務課長にして、69期、82期などを育て上げた名教官・小林雅人氏も感心していた。12R直前のことだ。「ペラ室のあのキレイさ、すげえよ! きちんと整理整頓してさあ。若い選手を呼びつけて、この光景を見せたいよ!」。いや、SGとかを見ていても、散らかってるなんてことはないですけどね。しかし、小林氏には、それ以上と見えるらしい。そのちょっと前、整備場を掃除している山口博司を見かけていて、なんだか実に不思議な感覚で眺めていたのだが、今節は“新兵”だから、掃除していること自体は当然のことである。しかし、山口はおそらく、こうした新兵の仕事を久々に(それも10年単位で)やっているはずなのだ。にもかかわらず、小林氏を感心させるほど、しっかりとやりこなす。これもまた素晴らしいと言うしかないではないか。

 さて、ここからは今節何度も書いてきた、気になる人たちを。
2007_0420__552  まず、加藤峻二御大。10Rは2着に入り、得点率は4位となり、準優勝戦は2号艇をゲットした。優出にむけて、まずは視界が開けてきた。レース後は、予選を上々の成績で終えられたことにひとまずホッとしたのか、これまでに比べてかなり柔らかい表情を見せていた。岡孝や藤井定美と快活にレースを振り返りながら、笑顔もたくさんたくさん見えていたのだから、ご機嫌も麗しいと見えた。スポーツ紙の記者さんには、ヘルメットに書かれた「反転した“駿”の字」の由来なども楽しそうに話していた。笑顔にも重みがありますなあ。きっと明日は、この気分の良さから一気に反転して、厳しい勝負師の顔を見せるはず。そんな御大の姿を見るのも、明日の楽しみとなってきた。
2007_0420__003  続いて、原田順一。12R「団塊の世代選抜戦」を勝利し、団塊№1に輝いた順ちゃん。今日は9R2着と勝負駆けを好成績で走り抜き、こちらも準優勝戦は2号艇をゲットしている。その順ちゃん、ピットに帰還した直後は、まったく笑顔が見えない。鮮やか過ぎるツケマイ一閃の勝利で、気分が悪かろうはずがないのだが、まったく浮かれることもなく、淡々とした表情を崩さないのだ。エンジン吊りの仲間たちにも、顔色ひとつ変えず礼を言っていて、さらにはその表情のまま、出走メンバーに駆け寄っては挨拶をしていた。まあ、これは今節を通して見られた、彼のレース後である。
 だが、その後は順ちゃんスマイル満開! 慌しく勝利選手インタビューを終え、JLCの準優展望に出演し、別のカメラでコメントを求められ……とかなりドタバタの時間を過ごしながらも、その顔は実にニッコニコ。団塊の世代選抜戦を勝ったことのコメントを求められると、「団塊の世代、もっとガンバロー!」と拳を振り上げていた。いいぞいいぞ! 順ちゃんも頑張れ! ようやく一通りのTV出演を終えた順ちゃんに、2日ぶりに声をかけた。素晴らしいレースでしたね! 本来は、すでに帰宿バスが発車する時間のために大急ぎで着替えたりしなくてはならないのだが、順ちゃんはニッコニコの笑顔のまま振り向いて、「ありがとうございます! 頑張りまーす!」。よーし、明日もテレパシー、送るぞー!
2007_0420_11r_012  最後は、我らが気になる大西英一。出た、1着が出た! やっと出ました、1着が。やっとストップしました、タンヤオが。コンマ03という断然のトップスタートから堂々と逃げ切り、予選最終戦をきっちり締めた。そして、準優進出も決めてみせた。というわけで、出た、お茶目な大西が出た! やっと出ました、コミカル大西。レース後はひたすら明るく、ひたすら大きな声で、出走メンバーたちとレースを振り返る。準優展望のインタビューでは、「これ、全国的に放送されてるの? あ、そう! すごいなあ。アハハハハハハハハ!」。あなたのレースは、全国の競艇ファンが見ているんです! 何組かのインタビューを目撃したが、こんなに破天荒な笑いを見せたのは大西だけでした。
 で、そのあと、大西が目の前にやって来たので、「やっとタンヤオ、止まりましたね!」と声をかけた。すると、「ねえ! あんなキワのスタート行かなきゃ、止まらないんだもんなあ!」と大声一閃。準優、優勝戦でも、チャンタをツモってくださいね! 「ありがとう! マイペースでね!」。はい、マイペースで一発大穴あけちゃってください!(6号艇ですからね)
2007_0420__214  お礼を言って、笑顔を交わす。いやあ、明るい大西さん、最高だなあ……と感激していると、大西、なんと僕の腰を抱いてきた! そして、コソコソっと「あのさ……クロちゃんに似てるって言われない?」。遠慮ぎみに訊ねてきたのだが、大西さん、最近はもう、どこに行っても言われます。この間なんて、平和島で一緒にイベントに出たんですよ。「アハハハハハハハハハ!」静寂に包まれたピットに響き渡る大笑い。「似てた?」「似てましたよぉ!」「そりゃあ、俺の真似するな!って言ってやらなきゃ」「いや、むしろこっちが真似するなって言われるほうじゃないっすかね」「アハハハハハハハハハ!」……ちょうどそのとき、高山秀則が準優展望のインタビューを受けてました。JLCをご覧のみなさん、バックにすごい大笑い、入ってませんでした? ちょっとヒヤヒヤしちゃいました。ともかく、大西さんの笑顔、やっと見ることができました。最高っす。この笑顔を、明日、明後日も見せてください!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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大村名人戦ベスパフォ~4日目

 さすがに勝負駆け。今日の激しさは、昨日より進入が7割増し、レースが5割増し(当社比)でありました。決まり手も逃げ3・差し4・まくり4・まくり差し1という見事な配分で、逆に言うとどのコースからでも狙える難解な1日だったともいえるでしょう。
 激戦の結果、『走る人間国宝』峻ちゃん65歳と『赤城のロンリーウルフ』金井62歳の最年長コンビが残ったのも天晴れの一語。舟券はともかく、明日の準優では声を枯らしてこのふたりを応援するつもりです!

 ではでは、今日の準ベスパフォは熾烈な進入戦争の影でひっそりと同期の友情を咲かせたふたりの戦士に贈ります。

9R/水面に咲いた「フラワーライン42nd」

2007_0420_09r_007  勝負駆け真っ只中の9Rは、6号艇にイン屋の原ユーこと原由樹夫がいたからさあ大変。原ユー自身はすでに終戦なのですが、そこは生粋のインファイター。ファンファーレを聴いた瞬間、パブロフの犬のようにイン水域を目指します。重い着を取りたくない4号艇の原田順ちゃんと5号艇の地元・山口あたりがこれに抵抗し、原ユーはコースの真ん中まで追い出されながらも艇をスタート方向に向けました。すかさず、その内に潜り込む順ちゃんと山口。さらに3号艇の友永がその内に入ったところで、「こんなに深いアウトコースはたまらん」とばかりに原ユーは退散。失意の回り直しです。
 で、こんなに激しいコース戦争が繰り広げられている間、1号艇の荘林幸輝は何をしていたか。なんと、原ユーが回り直している時も、まだ小回り防止ブイの手前で、ゆっくり艇を流していたのです!
 私はこう考えました。「コースに頓着しないオールマイティ荘林は、アウトも辞さずの構えで他の選手の動向を見ているのだ」と。そうでなければ、こんなにゆっくりとした待機行動は考えられません。深いインより楽なダッシュ。それが荘林の選んだ道なのだと……。
 ところが、この唯我独尊の「ひとりだけまた~り進入」には深~~~い意味が隠されていたのですな。目を他の選手に移して、私、驚きました。友永などと一緒にコースに入った2号艇の吉田稔がポッカ~~リとイン水域を開けているのです。「原ユー退散&荘林また~り待機」によって、その気になれば稔はいくらでもインを奪うことができた。今でもできる。しかし、稔はただただイン水域を5mほど開けたまま、真っ直ぐ舳先をスタート方向に向けている。
2007_0420_09r_035  そろ~~~り。荘林が他の艇よりも20~30秒ほど遅れてブイをまたぎ、スルリとインに入った瞬間、私はすべてを理解しました。
 吉田稔と荘林幸輝は、「花の42期生」だ!!
 そう、ふたりは同期であり、しかも荘林がGI・8V、稔が同3Vという42期のトップ2。しかし、この42期には、まだSG優勝という勲章がないのですな。荘林がコースに入ってから、私はこのふたりの無言の会話を聞きました。
稔「さあ、ゆっくり入れ、荘林。俺はもう終戦だから、お前に託すしかないんだ。たとえ原さんが来ても、お前のインだけは絶対に守ってやるつもりだった。さあ、楽インを取って逃げろ。逃げて準優の1号艇を取って優勝して、来年の総理杯へ行け。それが俺たちにとってラストチャンスになるかもしれない。昔からエリートだったお前だけが頼りなんだ」
荘林「ああ、お前が身体を張ってインを守ってくれると思ってた。行くぜ、優勝まで。お前の分まで頑張ってやる!!」
 はい、勝手な妄想かもしれません。でも、あの「6枠側から順番に早く進入したのに、結局は123456」という前代未聞の枠なり進入は、こんな意図でも働かない限りはありえないんです。あるいは、事前にふたりの間で決めていた可能性もあります。

 荘林は一目散に逃げました。ほぼ同体のスタートから、2コースの吉田稔はセンター勢の猛攻を必死にブロックしているようにも見えました。結果、荘林幸輝1着。今日はじめての逃げきりであり、この勝利によって準優1号艇を手にする貴重な1着でもあったのです。
 水面に密かに咲いた同期花。私はこのふたりの友情に敬意を表して「フラワーライン42nd」と名付けさせていただきます。

 そして今日のベスパフォ賞は、個性派揃いで大いにスタンドを沸かせてくれた還暦手前の6人のレーサーに捧げます。

12R/艇界の団塊スターを見習え!!

2007_0420_12r_039 「団塊の世代(だんかいのせだい)は第二次世界大戦直後の日本において1947年から1949年(1952年、または1955年生まれまで含まれる場合もあり)にかけての第一次ベビーブームで生まれた世代である。かれらの父親らがこの時期に終戦に伴う復員をしたため、おのずと婚姻、出生人口がこの時期に重なった。
 作家の堺屋太一が1976年に発表した小説『団塊の世代』で、鉱物学で一塊の単位で採られる鉱物を指す「ノジュール(nodule )」の訳語を、世代を表す言葉として用いた事により登場した言葉である。団塊世代とも言われる。また、その子の世代は団塊ジュニアと呼ばれる。なお、日本のみならず米国等でも同様の現象がみられ、ベビーブーマーと呼ばれる。」<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋>
 はい、知っている人も多いでしょうが、念のため。つまり、団塊の世代は数が多い分、生存競争が激しく、しかも育った時代が戦後のドサクサ期だったから逞しいわ独創的だわ精力的だわで、日本の高度経済成長をグイグイと引っ張ってきた人たちなのですな。
 そんな世代が、一同に水面に会しました。メンバーを改めて。
①関チュー56歳
②佐久リー59歳
③順ちゃん57歳
④古谷モー57歳
⑤重義さん58歳
⑥アラビン59歳
 なるほど、インファイターの関チューあり、逆にコースにこだわらない重義さんあり、まくり屋の古谷モーあり……みんな精力的というかヤンチャというか、元気一杯なメンツでありますこと。で、この枠番も、それぞれの持ち味がいちばん生かしやすいように工夫されているような気がします。「楽な枠なりから、どっからでも飛んで来い!」みたいな。私としては、真逆の枠順でのレースも見たかったですけどね。
2007_0420_12r_021  さてさて、結果はというと、この世代のアイドルともいうべき原田の順ちゃんが、3コースから豪快にまくって団塊世代のチャンプになりました。元気ハツラツ、オゥモーレツ!と叫びたくなるほどの同体からの強まくり。
「行くしかないと思ったっちゃけん、行ったとです。あげなことして転ばんか、もう冷や冷やもんでした(笑)」
 いやいや、団塊の世代は迷ったら引き返すより突っ込むとです。スタートもすべてコンマ10台の息の合った好発進。道中の競り合いも激しく3-1-5になったり3-5-1になったりしながら、突っ込み&ツケマイの饗宴の果てに3-5-6で万シュー。実にハラハラドキドキの、「らしい接戦」が最後まで続きました。
 現在、巷では「団塊の世代が一斉に引退したら、日本の社会や経済構造そのものが変わる」と大騒ぎしておりますが、こと艇界に関してはご安心。今日の6人はじめ、団塊のスターレーサーたちは来年も再来年も、そのまた次の年も水面でヤンチャなプレイを見せてくれるはずです。準優に駒を進める団塊レーサーは順ちゃんと重義さん。戦後のドサクサで培った生命力が、明日の水面でも大いに生かされることでしょう。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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準優勝戦18ピット確定

明日(4/21)の準優勝戦の枠順が確定しました。

▽10レース
1号艇 山口博司 48歳
2号艇 加藤峻二 65歳
3号艇 井川正人 49歳
4号艇 高山秀則 58歳
5号艇 鈴木幸夫 49歳
6号艇 大西英一 50歳

▽11レース
1号艇 荘林幸輝 51歳
2号艇 原田順一 57歳
3号艇 桑原淳一 51歳
4号艇 松野京吾 50歳
5号艇 金井秀夫 62歳
6号艇 佐藤勝生 51歳

▽12レース
1号艇 岡  孝   50歳
2号艇 大嶋一也 49歳
3号艇 小林昌敏 51歳
4号艇 吉田重義 58歳
5号艇 水野  要 52歳
6号艇 陶山秀徳 54歳

※念のため、主催者発行の出走表をご参照ください。


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クイズ第4問の正解!

こんにちわ~。大村は風が強いっす。水面も荒れてますねえ。そんななか、クイズ第4問の正解です。

Cimg27522_1 問題は、ナンバープレートの隠されているところを当ててね~ん、でしたね。いや~、難しかったすかね。というか、設問が不親切だったかなあ、という気もしております。場内専用車というのがポイントといえばポイントで、公道を走る自動車ではありえない表記がなされているわけですが……。うーん、難しかったすね、やはり。

Cimg2752正解は「競艇52」でした。 正解者はゼロ~。なんとなく惜しい解答はありましたが、正解には至らず、って感じですね。

というわけで、今回はクイズ、6問まで行きます! 第5問を明日、第6問を最終日に出題いたしますので、皆様、もう少しお付き合いくださいませ。それではまた明日~。

Cimg2751


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気合、勝負駆け――4日目、前半のピット

2007_0419__748 「勇ちゃん、ごめん!」
「おぉ、締められたなあ、あははは」
 4R終了直後、刀根辰治が平野勇志に、スリット後に絞っていったことを詫びていた。4コーススローの平野はやや凹んで、5カドの刀根がその上を叩いた形だ。
「絞ったはいいけど、5番(松野京吾)とガチンコになっちゃって」
「うんうん」
 果敢にマクろうとした刀根だったが、それより先に松野がターンマークに突入しようとしていたのだ。迷惑かけたのに、勝てなくて……そんな“仁義”を切っていたわけだ。刀根を平野は責めようとしてはいなかった。それどころか、にこにこと笑っていたのだから、「レースだもの、そういうことだってある」と、こちらも“仁義”を切ったのだろう。二人は同期生という親しさもあるわけだが、それ以上に、戦い終わればノーサイド、の精神が選手たちにある。チャンスとあらば、ギリギリであろうとも、そこに突っ込むのが競艇選手。長い時間をそうやって過ごしてきた彼らなのだ。
 刀根と平野は、勝負駆けの権利をすでに失っていた。そんなことは関係なく、勝ちに行き、激しいレースを繰り広げる。勝負が懸かっている選手たちであれば、なおさら厳しく勝利を目指すのは当然だ。

2007_0419__400  3R前だっただろうか、高山秀則が検査員室の壁にもたれて、ペラをじっと凝視していた。ほとんど身動きもせず、ひたすらペラを見つめる。よく見れば、ペラを小刻みに動かしているから、おそらく光の当て具合によって、微妙な部分を確かめているのだろう。それにしても、ただペラの羽根のみに集中している高山の神々しさはどうだ。誰も声をかけられないほど、ピリピリしているわけではない。事実、刀根辰治に声をかけられて、少しの間ペラから目を離し、刀根と談笑したりもしていた。それでも、またペラに視線を戻すと、再び不動の男へと変身する。4着2本なんて条件は、この人にかかれば楽勝だとしか思えない。
2007_0419__284    整備場の真ん前に置かれていたボートは、古谷猛。ここにボートがある場合、多くは整備室に姿が見えるものだが、古谷の姿はどこにも見当たらない。ペラ室かとも思ったが、モーターにはペラが装着されていて、そういうわけでもなさそうだ。古谷、どこへ行っちゃったんだろ……。と思っていたら、水面のほうから小走りにやって来る古谷。ボートのところまで来ると、「ヨシッ!」と小さく呟いた。そして、ボートを押して、リフトのほうへ。着水してからは、淡々とした表情で回転をチェックしていた。「ヨシッ!」の気合、印象的だった。
2007_0419__497  古谷と入れ替わるように、河合良夫が装着場に姿を表わす。ペラを手に、ややうつむき加減で、ゆっくりゆっくりと歩を進めている。開会式での元気いっぱいな河合とは裏腹に、ピットでの河合は気合を腹の底に溜めて、物静かな雰囲気。笑顔はそう多くは見ることはできない。今日の河合は、そんな通常モードを闘争心モードに切り替えた感じ。何より、その一歩一歩丁寧に踏みしめるかのような足取りに、気合が表現されているように思えた。1着条件の勝負駆け、果たしてその気合が結果につながるかどうか。
Cimg2769  2Rを戦い終えたばかりの久間繁が、ボートからモーターを外した。架台に乗せて、そのまま整備場へ。一節間、とにかく整備をし続けている久間は、さらに手を入れようとしているのだ。モーターから外したのはリードバルブ。整備室に持ち込んで、高山秀則(あら、いつの間に)の隣で調整を始めた。2R4着で、後半は1着条件の勝負駆けとなった。1勝4着4本という久間にとって、厳しい条件には違いない。しかし、決して諦めることなく、とことんまでモーターをいじりまくる。この思いが届けばいいなあ、そう思わせられる久間の姿勢だった。
Cimg2774  勝負駆けに失敗してしまった者もいる。ドリームメンバーである新良一規はついに、1着を1本も取れずに、厳しい立場に追い込まれてしまった。今日は1着条件、しかし2着。ピットに戻ってきた新良は、さすがに首をひねっていた。出迎えた小林昌敏らも、顔つきは冴えない。5カドから、素晴らしいスタートを切って、マクる態勢は作ったのだ。しかし、どうやら追い風がダッシュ艇にとっては仇となって、内に伸び返されてしまったらしい。追い風が、逆に勝負駆けの向かい風となってしまった皮肉。それでも、レース後はすぐに機歴簿を確認に行ったのだから、これぞSGウィナーだ。

Cimg2773  さて、我らが気になる大西英一。3着2本の勝負駆けに臨む今日、1走目は4着。後半は2着が必要になってしまった。レース後、カポック脱ぎ場に追いかけていったのだが、出走選手たちとレースを振り返りはしていたものの、去年のような快活さは見せていなかった。去年の大西とは何かが違う、今年の大村名人戦。だったらなおさら、タンヤオ脱却の1着が見たい。後半は1号艇、逃げ切りを!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=後半3枚 TEXT/黒須田守)


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本日の進入予報

競艇名人戦といえば、激しい進入争いが見どころのひとつです。競艇の醍醐味とも言える、コース取りの駆け引き。最近の競艇は枠なり至上主義とも言われますが、名人戦には無縁の言葉。勝つために、栄誉を手にするために、激しいコースの取り合いが繰り広げられます。それを見ているだけでも、興奮しますよね!

ということで、昨日までの進入概況を見てみましょう。特非枠なりとは、「いや~、すげえコースの取り合いでしたね!」というレースです。

初日
1R 123456
2R 123456
3R 123456
4R 126345
5R 123456
6R 125634
7R 123465
8R 123456
9R 135246
10R 356124
11R 123456
12R 126345
枠なり6 非枠なり6 うち特非枠なり1
枠なり率50% 特非枠なり率8%

2日目
1R 123456
2R 416253
3R 142356
4R 246135
5R 152634
6R 146235
7R 123456
8R 162345
9R 356124
10R 123456
11R 561234
12R 213456
枠なり3 非枠なり9 うち特非枠なり5
枠なり率25% 特非枠なり率43%

3日目
1R 231456
2R 145623
3R 132456
4R 135246
5R 136245
6R 412536
7R 462315
8R 123456
9R 123456
10R 123465
11R 124356
12R 123465
枠なり2 非枠なり10 うち特非枠なり3
枠なり率17% うち特非枠なり率33%

本日(4日目)の枠なり予報
今日は勝負駆け。多くの選手が気合を込めて、進入も動きまくるでしょう。日を追うごとに枠なりが減ってきているあたりもヒントとなりそうです。
枠なり2 枠なり率17%と見ます。8R、12Rは枠なりが有力ですが、それ以外は予断を許しません。えっ? 舟券予想が難しい!? そんなことはございません。そもそも、進入予想も舟券予想における醍醐味であります。関忠志、西島洋一、鈴木幸夫という徹底イン屋、原由紀夫、佐久間理、金井秀夫、山内直人、大嶋一也といった内寄り得意選手、あと今節かなり動きを見せている尾崎鉄也、井川正人、久間繁といったあたりを注目してください。ほら、なんとなく待機行動水面のあたりが見えてくるような気がしませんか?
それでは、本日も、名人戦ならではの進入の駆け引きをお楽しみください。


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4日目!

おはようございます! うーん、今日も大村は快晴、爽快! 先ほど、中尾カメラマンの愛車「BOATBoy号」で競艇場入りする際、ちょうど選手の競艇場入りと重なりました。選手バスの後ろにBOATBoy号、なんだかいい1日の始まりでしたねえ。そんなことはともかく、今日は予選最終日です。勝負駆けの激烈バトル、思い切り堪能しましょう!

さて、本日一発目はこちらから。

2007_0419__692 関忠志、59歳。いつまでも衰えない、イン逃げ魂!

2007_0417__082 佐久間理、59歳。闘魂燃やす、佐賀の重鎮!

2007_0419__109 原田順一、57歳。誰をも心和ませる順ちゃんスマイル!

2007_0419__283 古谷猛、57歳。いつまでも光り続けるテクニック!

2007_0419__202 吉田重義、58歳。いまだ健在、ダービー王の風格!

2007_0419__002 新井敏司、59歳。地区選最多優勝記録男、まだまだやれる!

本日の12Rは「団塊の世代選抜戦」。今年は、団塊の世代が定年退職を迎える「2007年問題」などが取り沙汰されたりもしていますが、我らが名人戦世代の選手にはまーーーーったく関係のないこと。河合良夫が開会式でもエールを飛ばしていましたが、熱い走りで07年問題など吹き飛ばす12Rとなるでしょう。

さあ、勝負駆けデー。張り切ってまいりましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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重く、味わいのある会話――3日目、後半のピット

 SGやGⅠでもそうそう違いがあるわけではないけれども、名人戦のピットは、10Rを過ぎたあたりから静寂に包まれている。たとえばSGは、いつも感心しているように、遅い時間帯まで試運転を続けている若手がいたりする。名人戦は、これがない。体力面では若いモンに分があるのは仕方のないことで、身体を休めることもベテランにとっては仕事のうち。それも、わりと早くから閑散とした空気になっていく理由のひとつだろう。また、エンジン整備やペラ調整に関しては、長年、本当に長年、積み上げてきたノウハウが彼らにはある。特に3日目ともなれば、ある程度の目安はついているわけで、仕事の切り上げも早くなって当たり前であろう。
2007_0419__059   もちろん、整備をしている選手が皆無なわけではない。10Rを終えたばかりの尾崎鉄也は、着替えたあとすぐに本体を外して整備室に飛び込み、かなり繊細に整備をしていた。隣には、山口博司。地元から一人でも多く準優を出したいという思いもあってか、心配そうに覗き込んでいた。やがて、隣県の佐久間理もやって来て、尾崎の相談に乗っているようだった。佐久間といえば、上瀧グループの重鎮。上瀧は「ペラは隠すな。情報も隠すな」と後輩に教えているそうだから、困っている人間には手を貸すという信念がこのグループを貫いているのだ。なるほど、佐久間の男気がそれを象徴しているということだろう。尾崎はその後、たった一人、ペラ室にこもり、12Rが始まる直前までトンカンと音を発していた。連勝発進から一気に星を落としてしまった尾崎は、明日の勝負駆けに渾身の気合で臨むことになるのだろう。
2007_0419__905  尾崎が整備室で頭を悩ませている頃、整備場では同じ10レースを走ったメンバーが、モーターの後点検をしていた。
「もっともらしいこと言うからさあ、それで♪%$#*?……」
「あはははは」
 最後のほうは聞き取れなかったが、大声で小林昌敏が言って、佐藤勝生が小声で笑った。小林が軽口で冗談を投げかけたようだ。小林の声は、静かなピットによく響いていた(その割に、ちゃんと聞き取れなかったけど)。2007_0419__415 その後も「荘林さんが……」「ああ、荘林さんが……」と、10レースを2コースからマクった荘林幸輝の話題をしている模様。これもなぜだか、よく聞き取れない。荘林にマクられたのは、おぉ、当の小林ではありませんか。そして、佐藤はカドから好スタートで飛び出したものの、荘林に伸び返されて万事休していた。
 そこに、勝利選手インタビューを終えた荘林が戻ってきて、後点検を始めた。また小林の声が響く。今度はそれなりに聞き取れました。
2007_0419_10r_005 「勝ちゃんが、『本番はベタ水面になるから、スタートが早くなる』っていうからさあ。思わず、『????』って見ちゃったよ~」
 なるほど、こういうことか。スタート展示を終えて、一期違いで同じ中国地区の小林と佐藤は本番での見通しについて意見交換をした、と。展示では小林がコンマ09、佐藤はF、この感覚で本番も行ってしまうと、ベタ水面になるだろうから、やばいことになる、と。そこで小林は本番で、少しゆっくりめに起こした、と。ところが、ベタ水面にはなってなかったから、遅いタイミングになってしまった、と。外を見ると、佐藤は素晴らしいスタートを切っている。荘林も自分より前にいる。「????」……小林の気持ちはよくわかる(笑)。結局、コンマ33。展示の感覚で行っていたら、逃げ切れていたかもしれませんね。そりゃ、軽口も飛び出そうというものだ。あ、別に口論になっていたわけではないですからね。親しき間柄の軽口の応酬。そんな感じで、小林もにこにこと笑っていました。その後は、整備場内を小林の大声と荘林のちょっと高めの声が交錯し続けてました。もしかしたら、こうした言葉のやり取りのなかから、ヒントみたいなものを得ているのかもしれないっすね。
 そんな声をBGMにふと整備室に目をやると、田中伸二が機歴簿に見入っている。残念ながら這いまくっているモーターだが、このままでは帰れない、ということだろうか。

2007_0419__174  桑原淳一の逃げ切りで決まった11Rが終わると、ピットはさらに閑散となっていった。聞こえるのは、先に書いた尾崎の槌音のみ。だ~れもいないピット……と思っていたら、山口博司、水野要、鈴木幸夫らが装着場に現われた。そして、翌日分の艇旗艇番を用意している。これ、通常は若手の仕事。同県もしくは同地区の最若手が、先輩たちの翌日の1走目の艇旗と艇番をセッティングしていくのだ。だから、前夜版をもってピットにいると、若手たちが「すみませ~ん、見せてくださ~い」と覗き込みに来るのである。その仕事を、今節はベテランがやっている。そりゃベテランしかいないんだから当然だけど、不思議な光景に見えるのもまた当然というもの。どこかに前夜版が掲示されているのか、僕や記者さんに聞きにくる選手はいないけれども、テキパキと手際よく仕事を進めている。
 そこに、レースを終えたばかりの大嶋一也が現われた。そうか、愛知支部では彼が新兵なんだ。とはいっても、大部分はすでに幸夫さんが進めていたから、大嶋は自分の分の黄色い艇旗と5番のプレートをつけ、ついでと言ってはなんだが、ボートのチェックなどもしていた。すると、11Rをともに走った石川正美も現われた。
2007_0419__113  「石川さん、前夜版、見た?」
「うん」
「セッティングはした?」
「うん……俺、明日は1回だけだもん」
 字面だけだと、なんてことのない会話のように見えるが、このときの石川はなんだか寂しげに見えた。11Rは6着。これで明日は1着条件という厳しい勝負駆けになってしまった。初戦の6着以外は順調にポイントを重ねていたのに、ここへ来ての頓挫……。心浮かないのも、当然かもしれない。なんだか、明日の1回乗り、応援したくなったぞ。
2007_0419__809_1 2007_0419__810  そのシーンを見ていると、刀根辰治と陶山秀徳が肩を並べて装着場に登場。なにやら会話を交わしつつ、装着場を徘徊し始めた。徘徊ってのは、言葉が悪いかな。というのは、この二人、装着場に落ちている鉄クズを拾い集めていたからだ。これもまた若手の仕事なのだが、通常はマグネットを使って集めているものだ。だというのに、刀根と陶山は会話に興じながら、腰をかがめて拾っている。ぐるりと一周して、手のひらに拾った鉄クズを集めている二人に、思わず最敬礼しそうになった。ご苦労様です! いや、もしかしたら、何か二人でヒミツの会話でも交わしていたのだろうか? 二人は花の42期、同期生ですからね。
2007_0419__418  ん? 整備室には、まだ田中伸二の姿があるぞ! 11R前にその姿を見た彼を、11R後、しかも12Rがけっこう迫っている時間帯に、同じポジションでまた見かけたのである。あれからずっと、機歴簿を見て、考え込んでいたというのか。ただし、今度は隣に佐藤勝生も座っている。今日はもう、モーターを格納してしまった。しかし、どうしても気になるところがある。これまでのモーター成績や整備履歴を調べて、当たりくらいはつけておこう。そんなところだろう。そんな田中に、佐藤も手を貸さずにはいられなかった、ということだろうか。実際にモーターを触らなくても、できることがある。田中の背中は、そんなことを物語っていた。

 12R、傾いてきた陽射し、心地よい風、アリーナに選手が集結した。いち早くやって来たのは、沖口幸栄とおぉ、岡孝。岡をこの場所で見るケースが多いですなあ。そこに石川正美も加わって、水面を見ながら、特に言葉を交わすこともなく、陽光と風を浴びていた。うーん、いい感じの黄昏であります。
2007_0419__088  レースは金井秀夫が2コースからイン加藤峻二を差して1着。だが、実はこのレースにはちょっとした異変が起きていた。スタート展示、インを奪ったのは高山秀則、2コースは関忠志だったのだ。しかし本番はイン加藤、2コース金井。まったく違う進入になっているのである。形だけ見れば、本番でも回りこんだ4号艇の高山を3号艇の林がブロックして、関は内に潜り込む機会を失った。ポッカリ開いたふところに、艇番通りに1号艇・加藤、2号艇・金井が入る。そんな感じ。レース後、カポック脱ぎ場で顔を合わせた当事者たちは、当然のように、そのことを振り返った。まずは、林が笑いながら、口火を切る。
2007_0419__732 「本番のほうはかかってただろ?」
「うん、足が滑っちゃって(笑)」
「お前、練習で見せすぎだよ(笑)。ほんと、驚いたよ」
 林、高山、加藤の順番です。展示では高山が出て行ったので入れたが、本番では林の艇が高山にかかる形になっていたから譲らなかった。そうだよね、高山? まったくっす、足がすべっちゃったもんで、出ていけなかったっすよ、林さん。2007_0419__503 高山、スタート展示であんなに行くから、みんなに警戒されちゃうんだよ、まったくもう、まだまだ若いよなあ。まさか俺がインになるとはさあ…………そんなところでしょうか? 加藤御大は昨日のちょい悪オヤジ選抜と同じ3着だが、昨日のレース後よりはずっと気分よさげだった。林も高山もそうだが、意外な展開になったもんだから笑っちゃう、てな感じでしょう。もっとも、結果的に想定外の5コースとなってしまった関は、ピットに戻ってきたときには、ちょっと憮然としていた表情に見えましたが。

 熟練たちの、それぞれの会話。正直、私のような若造の新米には、聞き取れなかったり完全に意味が取れたかどうか危ういもののほうが多かったが、しかしそこにはきっと、想像を絶するほどの経験から生まれた重い言葉があるのだろう。また、同じ苦労を星の数ほどしてきた彼らだけに通じる言葉や感覚もあるのだと思う。それらを完璧に理解はできなかったかもしれないけど、そんな会話は実に耳に心地よいものだった。金言、箴言はいつだって、人生の先輩から生まれるものなのである。あ、我らが気になる大西英一、今日は誰かと会話を交わしているところをあまり見なかった。去年の名人戦では、誰よりもたくさんの言葉を聞いた気がするのに。今節の大西は、まだお茶目な発言を聞かせてはくれないのである。明日こそ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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大村名人戦ベスパフォ~3日目

 今日のレースの激しさは昨日に比べると3割減(当社比)。実力やパワーの差がある番組が多く、縦長の安泰・安全なレースが多かったようです。また本調子の出なかった強豪たちが、いきなり得点を激増させたのも今日の特徴です。桑原ピンピン、凄かった。ウルフ金井3・1着おみそれしました、松野京吾2・1着さすがです。そして、今日の準ベスパフォもそんな赤丸急上昇のひとり。見事なピンピンで節間6位まで上昇したこの方に。

5&9R/眠れる獅子、覚醒

2007_0418__098  まあ、水野要はかな~りの童顔(異様に皺が少ない)ですから、「眠れる獅子、覚醒」というより単に寝ていた子が起きたような愛らしさがあるんですけどね。レースを見ながら、つい「カナメちゃん!」って叫んじゃうし。
 とにかく目覚めました、カナメちゃん。5Rは6号艇から3コースを奪ってズッポリの差し。2コースからまくった古谷猛が銀河系まで流れたせいもあるんですが、それでも文字どおりの目の覚めるような俊敏差し。昨日のちょい悪オヤジ選抜から「超抜級だな」と思ってはいたのですが、それを実証する鋭い回り足とレース足でありました。
 で、2時間後の9Rは枠を主張して文句なしのインモンキー。1マークで回り足とレース足がキラリンと光った瞬間に後続を3艇身ほど引き千切りましたね。今日、いちばん強い勝ち方を見せたのは、このカナメちゃんだと思います。あるいは節イチのパワーかも、です。
2007_0418__090  兵庫の重鎮として、またその愛らしいファニーフェイスから全国区の人気を誇るカナメちゃん。その記念実績はといえば、一昨年の名人戦も含めてGIをふたつ獲っているだけなんです。もっと活躍しているような気がするのは、それだけ存在感があるせいでしょう。それに遅咲きでもあります。はじめてGIを制したのが5年前、47歳で参戦した関西地区選。そして50歳での名人戦。
 さらにどれだけ遅咲きかというと、年間で満遍なく活躍した選手(優勝回数)が選ばれる総理杯の戦歴を見れば一目瞭然です。36歳のときに初参戦してからしばらくブランクがあって、45、47、48、50歳と中年になってから頻繁に選ばれてるんですよ。不思議な選手です。実は童顔そのままに今もまだ成長期で、これからもっともっと強くなる子、いや、選手なのかもしれません。カナメちゃんじゃなくて、カメちゃんだっりして。
 冗談はともかく、カナメちゃんの名人戦での勝ちっぷりって「ひとりだけSGの常連選手が紛れ込んでいるのでは?」と思わせるほどの圧倒的な強さなんですよね。若々しいとかではなく、ただただ鬼のように強い勝ち方。今日がまさにSG常連が相手でもバックで突き抜けるような強すぎる勝ちっぷりでした。
 一昨年は名人位を引っさげて平和島・総理杯に乗り込んだものの、44465644と舟券にも絡めずじまい。それでも、年々成長して成熟期(?)を迎えた今なら……こんな夢を馳せるのも名人戦の楽しみのひとつであります。
 とにかく、今日から明日にかけても亀のように成長するカナメちゃんは要注意ですぞ!!

 そして今日のベスパフォ賞は、「走る生き字引」ともいうべき大御所たちの中でトップに君臨した『赤城のロンリーウルフ』に捧げます。

12R/2219勝目のウルフ差し!

 金井秀夫だけ、というより戦った6選手全員にベスパフォ賞を差し上げたい(本当は何も差し上げてないんですけどね)。最敬礼しながらそう思うほどの12R「2000勝レーサー選抜戦」でありました。そのメンバーを改めて。
①峻ちゃん3164勝
②ウルフ金井2218勝
③ミツグくん2414勝
④初代名人2225勝
⑤アラビン2158勝
⑥関チュ~2195勝
2007_0419_12r_018  最敬礼といいながら、こんな気安いニックネームを付けたりして。すいません。でも、本当にこの方たちは我々ドロドロ舟券オヤジたちにとってアイドル的存在だと思うのです。
 とにかく、全員合わせて1万4374勝。1日1勝ずつしても40年かかるという、膨大な勝ち星をこの方たちはコツコツと重ねてきたのです。そして1万4475勝目を賭けたこの一戦。進入から荒れました。生粋のイン屋・関チュ~2195勝が簡単にインを取るかと思いきや、なんとミツグくん2414勝あたりがガッチリとブロックして5コースに!
「関チュ~さんの方が先輩かもしれませんが、私の方が219勝も多いですからね。このレースだけは譲れません」
 ってな感じです。で、もつれにもつれた挙句にインコースには何の未練もないはずの峻ちゃん3164勝が「じゃあ、齢の功ってことで」といそいそと最内に入ってしまったのです。進入は123465。これが134265なら勝ち星の多い順番だったのですが、『赤城のロンリーウルフ』金井2218勝は頑固に枠を主張しましたね。そして、インの峻ちゃん3164勝とともにコンマ09のトップS。
 想定外のイン戦が響いたか、峻ちゃん3164勝は1マークで膨れて外に流れました。そこにウルフ金井2218勝の赤城下ろしロンリー差しがズッポリ。

2007_0419_12r_028  これで1着は決まったのですが、2着争いが凄かった。2番手の峻ちゃん3164勝にミツグくん2414勝が全速ツケマイ、その競りの間に初代名人2225勝がこっそりと差して3者合わせて7803勝の併走に。この3人は最後までくんずほぐれつツケマイやら差しやら突っ込みやらでスタンドを沸かせておりました。さらに後方でも関チュ~2195勝とアラビン2158勝が密かに計4353勝の接戦を演じてましたね。
 勝ち数はもちろんのこと、6人の年齢を合計すると355歳。平均59・2歳とは思えない激しくヤンチャな競り合いに、やはりただただ最敬礼するしかない私がおりました。
 最後に、せっかくなので2000勝へのカウントダウンがはじまったふたりの選手もここに記しておきます。
●高塚清一 残り7勝
●石川正美 残り10勝
 重量級引き波ハイパー高塚1993勝は今節中の達成もありえたのですが、残念ながら次節以降に持ち越しになりましたね。皆さん、これからも応援のほどよろしくお願いします!(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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競艇名人戦 明日の勝負駆け情報!

 競艇名人戦、3日目が終了しました。明日は予選最終日、勝負駆けでございます。
 今日の時点で、18位は村上信二の6・20。6・00は大西英一ただ一人で、これが20位になります。ひょっとして、ボーダーが高くなるかも!? いちおう、ここでは6・00をボーダーとしておきますが、レースが進むにつれて、1~2点増しで考えたほうがよくなるかもしれませんね。

 まず、準優当確は、4選手。
1 大嶋一也
2 岡孝
3 荘林幸輝
6 水野要

 大嶋が順当に予選トップに立っています。さすが! 以下、順位と必要着順を。
4 山口博司 5・5着
5 加藤峻二 5・5着
7 佐藤勝生 4・5着
8 桑原淳一 5着
9 高山秀則 4・4着
10 小林昌敏 5着
11 原田順一 2・6着
12 金井秀夫 4着
13 陶山秀徳 4着
14 吉本正昭 4着
15 足立保孝  4着
16 尾崎鉄也 3着
17 古谷猛 3着
18 村上信二 3着
19 松野京吾 3・3着
20 大西英一 3・3着
21 井川正人 2・3着
22 吉田重義 2・3着
23 林貢 2・3着
24 久間繁 2・3着
25 鈴木幸夫 2着
26 新良一規 1着
27 石川正美 1着
28 佐久間理 2・2着
29 藤井定美 1着
30 富山弘幸 1着
31 河合良夫 1着
32 関忠志 1・2着
33 片山晃 1・2着
34 友永健策 1・1着

 6・00を超えられる可能性があるのは以上まで。小林昌敏、原田順一あたりまでは、まず大丈夫でしょうか。下のほうの選手は、ボーダーが上がることも考えて、ひとつでも上の着順を獲っておきたいですね。ともかく、激戦必至の勝負駆け! 明日が楽しみですな~。


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クイズタイム~第3問正解と第4問出題!

いやいやいや~、ども~。クイズタイムでございます~。さっそくいきましょう、第3問の正解です!

この選手、誰?が問題でしたね。Cimg27412_1 解答では、林貢選手、関忠志選手、山口博司選手、鈴木幸夫選手、沖口幸栄選手があがっています。なるほど。まず、この選手が着ているのはSGカッパですよね。ということは、けっこう最近、SGに出たことのある選手、ということになります。そして背中に「Ⅰ」が見えてるんですよね。ということは、苗字の最後の文字は「い行」となる。となると、おぉ、解答はどれも合致していますね。で、胸に登番ワッペンがあるのですが、これはさすがに見えませんでしたかね。あはは、さすが私の写真ですな。あとは、ズボンもヒントになるかと思うのですが、これはどこかに(当サイトだけでなく)写真があるかもしれませんね。

Cimg2741 で、正解! 関忠志選手でした! モンキーたんさん、そんなにヒントだらけでした? あと、りょうぼんさん、「*5*6*8」って? あと、2号艇はなんでわかったんだろう。ともかく、お見事でございます。ママさんは締切すぎたので出遅れ返還……ということはありませんが、得点は半分ってことでご了承くださいませ。あ、はまくんでーすさん、装着場にはレースごとにボートが並べられているわけではなく、アトランダムに置かれてるんですよ。朝イチで見てると、時折、選手が自分のボートを探してたりするんですよ。 

Cimg27522 さあ、第4問いきましょう! ピットの裏手のほうに、「場内専用車」が置かれていました。当然、公道は走れないわけですね。荷物運搬用でしょうか。ま、これは後で確認するとして、問題は隠した部分。「品川53」とか「松本300」とか「長崎330」とか、そんなんが書かれてるところですね。果たしてこの自動車、その部分はどうなっているでしょう? これが問題っす。正解者には60P、締切は明日20日の14時です。今回はナイスボケの余地も相当にありそうですかね。それでは、解答のほう、よろしくお願いします!


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忙中笑あり――3日目、前半のピット

2007_0418__625  1R展示前に覗き込んだときには、加藤峻二、古谷猛、新井敏司くらいしか見当たらなかったペラ室が、時間を追うごとにスペースを狭くしていく。装着場にいると、ペラを手にペラ室へと向かっていく選手たちを次々に見ることができるし、数分おきにそーっと覗きに行けば、人数が増え続けている。そんなペラ室。なるほどな~、とペラ室の前で選手たちのトンカントンカンに見入っていたら、あ、加藤御大と目が合ってしまった。バツが悪くなって、ぺこりと会釈。御大は、ちょっと目配せした程度で、すぐにペラに視線を戻す。すごい集中力に感心しながら、立ち去った僕であった。目障りなデブですいません、御大。
2007_0418__224  向かった先は、整備場の前。整備場自体は閑散としているのだが、その奥にあるペラ加工室には関忠志の姿が見えた。その向こうにいるのは、おっと、我らが気になる大西英一ではないか。右腕を激しく水平に往復させている様子から、ペラをゴシゴシと磨いているものと推察された。そんな様子を見ていたら、関が加工室を出てこちらに歩いてくる。挨拶を交わすと、関はそのままペラ室へ。またペラ室の人口密度がアップしたぞ。
 振り返って装着場に目をやれば、すぐそばに原田順一がいた。モーターを装着して、チェックをしているようだ。おはようございます、今日も頑張ってください。順ちゃん、今日は鋭い目つきのまま、挨拶を返してきた。今日をうまく乗り切れば、準優進出を確定させられるだけに、昨日にも増して気合が入っているようだ。
2007_0417__105  ボートで混み合っていた昨日朝の装着場。今日はスペースだらけの装着場だ。後半に登場する選手たちのボートはまだ置かれたままのものが多いが、ほとんどの選手が着水して、回転数などのチェックや試運転の準備をしているようだった。整備室の真ん前には、久間繁のボートが。本体が外れていたので整備室を覗きこむと、案の定、久間が整備をしていた。一昨日も昨日もリング交換をしている久間だが、まだ機力にまるで納得していないようだ。
Cimg2748  さあ、係留所を見に行こう。やっぱりだ。今日はズラリと艇が並んでいる。屋根のない係留所にも艇があり、日光を浴びながら平子茂がモーターの点検をしていた。そうなのだ、今日の大村は快晴! 季節が逆戻りしていた昨日とは違い、まさしく春の陽気なのである。平子も、きっと気持ちよく、作業をしているだろうなあ。
2007_0417__129  いや、そんなことはないか。気温が急上昇ということは、昨日までのセッティングをすべて見直さなければならないということを意味してもいるのである。そして実際、朝から忙しそうに動き回っている選手の姿をたくさん見かけているのだ。選手たちにとっては、ありがたいようでありがたくない、春の陽気だ。爽快度がアップすればするほど、選手たちの多忙度もアップする。これは1R後の話だが、エンジン吊りに向かう小林昌敏が「レース走る時間の気温は怖ろしいことになりそうだなあ」と話しているのを聞いた。選手たちには半ば恨めしい、心地よい気候なのである。

Cimg2750  とはいっても、レースのことなどを頭の隅に追いやれば、やはりとっても気持ちいい陽気。1Rの直前にアリーナ席に移動すると、まだレース発走までは時間があるというのに、すでに外に出てきてベンチに座っている選手の姿があった。昨日は控室に閉じこもっている選手が多かったのに。平野勇志が早々と最前列のベンチに陣取り、ぼんやり水面を見つめている。その隣には河合良夫がやって来て、にこにこと平野に話しかける。気持ちいいの~、そうですな~……なんて話をしているわけはないだろうが、眩しい陽光に目を細めていた。出走合図が鳴り響くと、続々と出てきて、進入の様子を見に来る選手たち。遅れてやって来た佐々木輝雄が「堀江さん、GO!」と小さく呟くと、1R出走選手たちがレバーをグッと握りこんで、レースがスタートした。その堀江喜一郎は、原義昭のFによる恵まれだったが、今節初勝利。佐々木さん、よかったっすね!
2007_0418__095  こうした光景は、レースのたびごとに見られたものだ。なかでも、いつも早々と外に出てきて、うまそうにタバコを吸っていたのは岡孝。空は青いぞ、タバコがうまい。うーん、俺も一緒に吸いたいなあ……。岡は、展示航走を待つ次レースの出走選手たちと、談笑していることが多かった。岡の精悍な顔つきがふわりと緩んで、最高の笑顔になっていて、いやあ、本当に気持ち良さそう。2R後だったか、装着場のあたりをフラフラしていたら、岡とばったり顔を合わせた。ちょいとたじろいだものの、おはようございます!と元気良く挨拶したら、「おはよっす!」と力強い挨拶を返してくれた。いや~、その表情の男っぽかったこと! 3・1・1着と調子は絶好、澄んだ青空に気分も良好。岡、カッコいいなあ、と感じた次第である。
Cimg2761  天候のせい、というわけではないが、2R後にほのぼのとした光景も見かけた。このレースは、片山晃が見事な勝利。今節初の1着に、ピットに戻ってきた片山はニッコニコだ。昨日までにも、片山の笑顔が実にかわいらしい……といったら失礼だけど、素敵なものだということは気になっていたが、勝利をあげた後の笑顔はさらに素晴らしい。出迎えた岡山の仲間たちも、自然とにこやかになっていったのだから、片山は笑顔の伝道師だ。で、レース後、カポック脱ぎ場でのこと。先に井川正人がカポックを脱いでいて、片山は笑顔でレース後の挨拶。そこに、JLCのカメラがやって来て、片山にレンズを向けていた。すると、遅れて山内直人が到着。片山を撮影しているのに気付くと、ピタリと立ち止まった。カメラの前を横切らないよう、撮影が終わるのを待っているのだ。そして、「どう? 終わった? 俺が映ったらまずいでしょ?」と大爆笑。それを見ていた井川も大爆笑で、片山はしきりに恐縮するのだった。いやはや、みなさん、最高の笑顔! つられて、僕も大爆笑っす!
Cimg2756  で、これも天候のせいじゃないけど、何Rだったか、エンジン吊りに選手たちが向かうと、そこにでっかいレンズをつけたカメラを抱えて、中尾カメラマンがばったり。それを目ざとく見つけた山口博司と佐々木輝雄が駆け寄って、あはは、ファインダーを覗いてるぞ。実は、これまでのSG・GⅠ取材でもよくあることで、中尾カメラマンのでっかいレンズには選手も興味津々の様子です。スタート展示の様子をファインダー越しに眺めた山口は、ほお~と感心しきり。佐々木も覗きたかったみたいだけど、ああ、戻ってきた選手たちがリフトに到着してしまって、エンジン吊りに行かなきゃ~と、名残惜しそうにその場を離れていた。中尾カメラマン、あとで佐々木選手にもちゃんと覗かせてあげてやってね。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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3日目!

おはようございます! 3日目の朝、大村はめちゃくちゃいい天気です! 昨晩、更新を終えて競艇場を出たら、夜空は満天の星でありました。これがまた、めちゃくちゃキレイだったんです! 取材班の男臭い連中が、一瞬にしてロマンチックな気分になって……って、気持ち悪いですか、そうですか。ともかく、それほどまでに爽快な朝なのです。

さて、3日目はこのフォトアルバムから。

2007_0417__331 加藤峻二、名人戦前までの通算勝利、3162勝! 初勝利は1959年7月の戸田!

2007_0416__199 金井秀夫、名人戦前までの通算勝利、2218勝! 初勝利は1966年5月の江戸川!

2007_0416__105_1

林貢、名人戦前までの通算勝利、2413勝! 初勝利は1970年5月の尼崎!

2007_0416__219 高山秀則、名人戦前までの通算勝利、2225勝! 初勝利は1973年11月の若松!

2007_0418__166 新井敏司、名人戦前までの通算勝利、2158勝! 初勝利は1971年11月の平和島!

2007_0417__072 関忠志、名人戦前までの通算勝利、2194勝! 初勝利は1969年10月の福岡!

本日の12Rは、通算2000勝以上をあげている選手による、「2000勝レーサー選抜」です。6人合わせて14370勝! 今節はほかに、村田瑞穂2180勝(途中帰郷されました)、原田順一2022勝、古谷猛2454勝、吉田重義2037勝、10人の2000勝レーサーが参戦しているんですね。彼らが積み上げてきた勝ち星に敬意を表して、12R「2000勝レーサー選抜」を楽しみましょう! ちなみに、Sports@Nifty競艇特集、奇しくもこの記事が2000記事目なのです! これもご覧いただいている皆様のおかげでございます。ありがとうございます!(PHOTO/中尾茂幸)


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大村名人戦ベスパフォ~2日目

 今日のレースは昨日より8割増しの激しさでした(当社比)。特に2、3着争いが猫の目のように入れ替わって、望みのある舟券を買っていたファンはさぞや手に汗握ったことでしょう。私はほとんど声も出ませんでしたが……。
 昨日ベスパフォに選んだふたりも奮闘しました。原田順一は5Rで絶望的な最後方から奇跡的な追い上げで3着ゲット。返す刀で10Rを鮮やかに逃げきってましたね。
 峻ちゃんもちょい悪オヤジ選抜戦でアウト6コースから全速のまくり差し。道中、大嶋と水野に抜かれて4番手まで下がりましたが、最終2マーク、神業ともいうべき切り替えしで再逆転。3着を取りきって順ちゃんともどもオール3連対をキープしています。明日も頑張れ、峻ちゃん順ちゃん!
 昨日から2連勝負けなしの選手代表・尾崎鉄也も凄かったし、大嶋一也の安定感も目を引きました。まあシリーズを引っ張るこのふたり(節間10・00でトップタイ)は今後も随所で取り上げることになるでしょう。
 ではでは、今日の準ベスパフォはその大嶋に土をつけた天才レーサーに贈りましょう。

12R/V候補を蹴散らした「ちょい悪まくり」

 ちょい悪まくりどころか、大嶋のアタマ舟券を買っていたファンにとっては極悪非道の強まくりでありました。荘林幸輝、51歳。その顔もちょい不良オヤジというより、ヤンキーがそのまま中年になったような(失礼!)イカツイ顔立ちです。眉毛もほとんどないし。とにかく硬派中の硬派、という印象ですな。
 今日のレースでも頑固な硬派ぶりを如何なく発揮しておりました。前半の6Rではアウトから全速の最内差し。コンマ01で逃げた久間繁には届きませんでしたが、道中も全速全速の握りマイで新良一規を攻め潰して2着死守。無言で脳天に鉄槌を打ち下ろすような、怖~いツケマイでしたね。
2007_0418_12r_043  そして、極め付けが12Rのちょい悪オヤジ選抜戦。4カドに引いた荘林はコンマ11のトップSから素早く仕掛けます。コンマ18で後手を踏んだカド受け・大嶋が一瞬だけ抵抗する素振りを見せましたが、「このぉぉぉ、新米がぁ!」という迫力で一気にその上を叩いておりました。やっぱ、ちょい悪オヤジとは言えませんな。ちょい悪オヤジは相手の顔色をうかがいながら、こっそり誰も見ていない所でナンパしたり喧嘩したり裏博打をしたりするものです。荘林のまくりは泣く子を黙らせてからまた泣かせるような、完膚なきまでに敵を叩きのめすまくりでありました。
 今日のレースを見て「嗚呼、これが何年間も『SGにいちばん近い男』と呼ばれ続けた荘林なんだな~」と改めて痛感したファンも多かったのでは? 私もそのひとりです。今節9人も参戦した「花の42期」の中でも新鋭の頃から圧倒的な強さを誇った天才レーサー。GI優出59回で8V、SG優出は実に19回! この実績は文句なしのスターレーサーと言えるものです。
 ただ、近年の荘林はA1とA2を往来する状態で、SG参戦も6年ほどご無沙汰しています。「荘林はもう終わったよ」というオールドファンの声を何度も耳にしてもいます。51歳という年齢を考えても、衰えこそあれ上積みを期待するのは難しい。正直言って、私もオールドファンの言葉に密かに頷いたひとりなのです。
 だがしかし、今日のレースで荘林幸輝という男の才能を改めて思い知らされました。6コースからの最内差し。4カドからのS一撃まくり。「オールマイティのコースから繰り出される全速戦が武器」と言われている荘林の真骨頂。『SGにいちばん近い男』は今もまだSGに手が届く位置にいる。そう痛感しました。
「花の42期」と呼ばれながら、42期の選手たちはまだ誰もSGを制していないそうです。この名人戦を勝って来年の総理杯へ、そしてドン長嶺の49歳11カ月を破るSG初制覇の最年長記録が……42期でそんな夢物語を実現できる男は、やはりこの硬派の「極悪オヤジ」なのでしょう。

 そしてそして、今日のベスパフォ賞は「いよっ、これぞ名人戦!」と思わず拍手をしてしまった逃げ屋の大将に捧げます。

11R/『イン盗り物語』のはじまりはじまり~!

 名人戦といえば、逃げ屋。今節は鈴木幸夫、西島洋一、関忠志の3人が「どんなに深くなってもインを取りに行きまっせ~!」という生粋の逃げ屋なんですが、ついにひとりがまんまと逃走に成功しました。
2007_0418_11r_012  関忠志、56歳。とにかくヤンチャです。通算F64回は原由樹夫と並んで今節のフライング王。今期の進入コースは内から46・23・9・1・0・0(前節まで)。これだけインをガメりながら平均Sはコンマ18。もちろんF持ち。
 もう、数字を見ているだけでときめきます。今日の関は、まず7Rで1号艇・岡孝の屈強な抵抗を受けて、枠なりの2コースに引き下がり?ました。F2持ちの身でインを死守した岡も、相当な頑固者ですな。関からすれば「おう、F2で俺に逆らうとは天晴れやないか」ってなもんでしょう。で、岡が逃げきって関が2着という平穏な決着だったのですが、このままでは逃げ屋の腹の虫が収まりません。
2007_0418_11r_019  11R、5号艇の関は「はいはい、御免なさいよ~」という風情でドッカとインに居座りました。1号艇がオールマイティの吉田稔ですから、「どうぞお好きに」と艇を引きます。このレースでF持ちは関のみ。少しは怯むかと思いきや、どこ吹く風の全速コンマ13の圧倒的なトップSでありました。まあ、起こしも100mですから、関にとっては目をつぶっても1艇身で行けるイン戦だったことでしょう。で、そのままブッチギリの独走逃げきり。
 レース後のインタビューでもヤンチャぶりを発揮してましたね。
――(起こしが)100mなら簡単でしたね。
「はあ、意外と楽な進入になりました。全速です」
――80mでも平気でしょ?
「はあ、勝ち負けはともかく、これくらい(13)は行けます」
 まさに怖いもの知らずのインファイター。時にはFに散りながら、深~~~いイン戦を何千回も繰り返してきた男の余裕が滲みます。戦場でいうなら、まさに最前線で銃を構え続ける傭兵のようなもの。その修羅場に嬉々として足を踏み入れて、GI7V&SG1Vという成果まで挙げているのです。それは優勝というより「勲章」と呼んだほうが相応しいでしょう。
 昨日はアクシデントに巻き込まれて責任外の失格。それも今日の2・1着で挽回し、勝率6・00の準優ボーダーまでこぎつけました。鈴木が5・33、西島が3・50ですから、「イン屋三羽烏」の中では関が出世頭ということになります。初日の10Rのように、できればこの3人が揃って準優に駒を進め、さらに優勝戦でヤンチャなイン争奪戦を繰り広げて欲しい。それが無理なら、ひとりだけでも。現在は関忠志がその最右翼候補なのであります。明日は12R6号艇の1回走り。どんな「イン盗り物語」を見せてくれるでしょうか。


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仕事人たちの顔――2日目、後半のピット

2007_0418__607  11Rが終わって引き上げてきた久間繁が、ヘルメットをかぶったまま、エンジン吊りに出てきていた石川正美に何か耳打ちをした。当然、そばで見ているこちらに聞こえるわけはないが、久間はヘルメットの奥で微笑んでいる。次の瞬間、石川がニカーッと声を出さずに相好を崩した。久間は肩をすくめて、着替えに向かう。石川は笑顔で見送る。何を話したんだろう……。このレース、6号艇の久間は、5号艇の関忠志が動くのに合わせて前付けを敢行、2コースを取り切っている。道中は3番手も充分にある体勢ながら、最後は4着。結果だけを見れば、悔しがってもおかしくないところだが、コースを取って悔いのないレースができたということに満足もしているということだろうか。久間もそうだが、石川もとびきりの笑顔を見せていたのだから、そう解釈したいところではある。
2007_0418__569  そのレースで2着に入った小林昌敏も、ヘルメットの奥で笑っていた。こちらは、会心の笑顔と言っていいのではないか。それくらい、目がくにゃりと曲がっていた。小林は、3号艇ながら前付けを許したことによって5コース。展示ではスローだったが、本番ではカドに引き、2着に食い込んだ。展示の後、どんなことを考えていたのかはともかく、機転を利かせての好結果、となったわけである。もちろん、勝ったわけではないから、心から喜んでいるというわけでもなかろう。ただ、予選後半へ向けて、メドが立ったのも確か。小林もまた、悔いのない戦いはできたのだと思う。そんな、いい笑顔であった。
2007_0418__606  勝った関忠志は、小林や久間と違って、それほどニッコリと笑っていたわけではなかった。関にとってみれば、5号艇から前付けでインを奪い、逃げ切ったのは「自分の仕事をした」に過ぎないのかもしれない。勝利を手にした喜びはあっても、特別なことではないという感覚があっても、おかしくはない。ただ、ヘルメットを脱いだ瞬間の顔は、まさしく充実感に溢れたもの。やるべきことをやった後の、男の表情だった。

2007_0418__053  4月も下旬に差しかかろうというのに、日中の気温が10℃を超えなかった今日。朝からの雨模様、冷たい空気。冬に戻ったような気候のなかで、2日目のレースは行なわれた。ところが、明日はなんと20℃まで気温が上昇すると予想されているとか。たしかに、全レース終了後、大村は快晴になっている。選手たちにとっては、昨日今日と仕上げたペラが明日、そのまま使えるのかどうか、微妙となった。多くの選手が、明日はペラをどうしようかと悩んでいるとのこと。……って、どこから仕入れた情報かというと、長嶺豊さんであります。昨日はその凛々しさに痺れ、今日からはまたいろいろ教えてもらう日々。ほんと、お世話になりっぱなしですね。
2007_0418__259   そんな状況と関係があるのかどうか、12R発売中の時間帯にペラ室からけっこう大きな音が聞こえてきていた。ペラをカーンカーンと叩く音。覗き込んでみると、高塚清一、新良一規、井川正人の姿が見えた。不気味なのは井川で、何しろ大村は知り尽くした地元水面。明日の気候を予測して、早くも準備を始めているのか。その後は、整備場でも姿を見ており、最後の最後まで動いていた一人だった。高塚、新良は思うように向上しない機力をアップさせるため、遅い時間帯までも諦めずに木槌を振るっているようだった。新良はともかく、高塚はもう1本も落とせない背水の陣。その気合に一票を投じてみたいような気にさせられる。

2007_0418__632  12Rが始まる頃には、雨は上がっていた。雲はまだ厚いものの、太陽も顔を覗かせ始めた。同時に、一日を通してベタ凪だった水面に波が立ち始める。1マークから2マークに向かって、風が吹き始めたのだ。あとで記録を見れば、向かい風2m、とある。しかし、ちょうど12R出走選手が出走ピットに向かう頃は、それよりもずっと強く吹いているように感じられていた。
2007_0418__235  ここで、我らが気になる大西英一にご登場いただこう。出走控室にいた大嶋一也が、はためく空中線に気付いたのか、外に出て水面のほうを眺め出した。そこに、大西が現われて、大嶋と話し始めたのだ。はっきりとは聞こえてこなかったが、どうやら大嶋はスタートに不安を感じていたようだ。急に風が強くなってきたのだから、当然である。それについて、大西はアドバイスをしていたのである。あそこはこうでああだから……というような説明をし(すみません、ハッキリは聞き取れなかったんです)、最後に「大丈夫!」と力強く言った大西。大嶋は納得したようにうなずいて、再び控室に戻っていった。大西の見せた、男気である。お茶目な彼ばかり気にしてきたが、こんな一面も大西の真実だろうと思った。
2007_0418_12r_035   12R、ちょい悪オヤジ選抜。2号艇の西島洋一が、1号艇・松野京吾を出し抜いて、早々とインを奪い取った。その瞬間、アリーナに出てきていた選手たちが小さなどよめきとともに、あはははと笑った。屋根のない最前列までたった一人で出てきていた原由樹夫が、後方のベンチで観戦している仲間たちを振り向いて、「早いなあ」と笑いかける。たしかに、西島が舳先を向けたタイミングは、相当早いように見えた。結局、80mほどの深インになったのだから、西島は腹を据えて前付けに出たのだろう。原ユーも他の選手もきっと、そんなことは承知していて、だからこそ笑った、のだと思う。称賛の笑いである。
 レースは、荘林幸輝が4カドからマクって、勝利。もつれた2~4番手争いは激しく、最終2マークで加藤峻二が切り返して3番手を奪った瞬間、アリーナ席で小さなどよめきがまた起こった。

2007_0418__635  レースを終えて真っ先にピットに帰還した荘林は、やっぱりヘルメットの奥で笑顔を見せていた。そういえば、ピットであまり笑顔を見たことがない、そんな一人が荘林である。不機嫌だとかピリピリしているとかいうわけではなく、黙々と作業をし、黙々と移動しているという印象なのだ。だから、レース後に見せた笑顔がとりわけ輝いて見える。S決めてのマクリは、まさしく4カドの選手が見せる醍醐味であろう。彼もまた、やるべきことをやったのだ。
2007_0418__644  逆に、まったく笑顔を見せなかったのは、加藤峻二御大だ。レース後も終始、それこそ不機嫌に見える表情を崩さなかったのだ。3周2マークで逆転の3着は素晴らしい走りだったが、それよりもいったんは2番手を走っていて着順を下げたことにモヤモヤした思いを抱えたのか。真っ先にカポック脱ぎ場に向かった御大は、やはり表情を変えずに勝負服などを脱いでいった。あとから松野京吾や大嶋一也がやって来ても、挨拶を交わすだけ。3周2マークで引き波に沈めた水野要とも、軽く挨拶をしただけで、御大はやはり真っ先に控室へと帰っていったのだった。
2007_0418__116  御大が去ったあと、松野が大嶋とレースを振り返り始めた。松野は2コースから西島を叩いていったのだが、その上を荘林にマクられてしまった。それは大嶋も同じことだ。話題の中心はやはりその1マークで、松野も大嶋も何度か首を傾げていた。松野は控室への戻り際、報道陣に「4(荘林)は早かったでしょ?」と問いかけた。相当に早いスタートを行かれたのではないか、松野のなかにはそういう感覚があるようだった。しかし、荘林のSTはコンマ11。驚くほど早いスタートではない。そして松野自身はコンマ27。実際は、松野が、いや松野を含めたほかの選手が、やや遅めのスタートだったのだ。レース前に吹き始めた向かい風が感覚を狂わせたのか。もしかしたら、松野にとっては悔いの残るレースになってしまったのかもしれない。
2007_0418__661  荘林はJLCの勝利選手インタビューに出演するため、カポックを装着場で脱いだので、最後に脱ぎ場に戻ってきたのは、西島洋一だった。その西島の表情は、とっても明るかった。意外なほどに。そして、「あんなスタート、わからんよ」と言いながら、まるで悪戯がバレた子供のように、肩をすくめてみせた。いい顔だった。かなり深くなった起こし位置、しかし先述したように、腹を据えてのイン取りだったのだ。結果は良くなかったけれども、そう、やるべきことはやった。だから、笑顔も出る。ちょうど控室へと戻ろうとしていた松野と顔を合わせた西島は、明朗な表情で「ども!」。松野にしても、西島にインを取られたのなら仕方ない、という風情で、挨拶を返していた。いいシーンだった。

2007_0418__058  名人戦の出場選手。かつて艇界を支える強さを誇った人たち。キャリア数10年のベテランたち。素晴らしいテクニックの持ち主たち。勝負へのこだわりを果てしなく抱いている人たち。いろんな言い方ができるだろう。そこにもうひとつ、たくさんの経験を積み上げてきたプロフェッショナルたち、という定義も加えたい。長い年月、勝負の場に身を置き続けたことで、卓越した仕事人となった男たち。勝っても負けても、やるべきことをやってみせる男たち。それが、今日の後半、ことに11、12Rで感じたことだった。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守) 


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ちょい悪オヤジ№1、決定!

2日目12Rは「ちょい悪オヤジ選抜」。艇界一のちょい悪オヤジが決定しました!

2007_0418__654 荘林幸輝です! これからは「ちょい悪オヤジ№1」を名乗り、水面を荒らしまくってください!

1着 荘林幸輝(熊本)
2着 大嶋一也(愛知)
3着 加藤峻二(埼玉)
4着 水野要(兵庫)
5着 松野京吾(山口)
6着 西島洋一(兵庫)


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名人戦クイズ第2問の答えと第3問!

ども~。クイズの時間がやってまいりました。朝は雨降ってるのに、今はピーカンなんです、大村は。目の前に広がる景色がいい感じです。

Cimg26592_1 てなことはともかく、クイズ第2問の正解、いきましょう。問題は、ここは何修整所?でしたね。むふふ、「プロペラ」って答えが目立ちますねえ。まあ、修整という言葉からもっとも想像しやすいのは、ペラですよね。はまくんでーすさんがおっしゃるように、ペラは「修正」かな、という気がするわけですが、まあ、そのへんは大目に見ていただいて、連想されるのはペラというのが大勢でしょう。そして、実際にプロペラなんですよね、ここで修整か修正するのは。

Cimg2659 しかーし! プロペラだけでは正解ではないのです。正解は「オーナープロペラ修整所」でありました。オーナープロペラとは、競艇場所有のプロペラ。持ちペラ制の現在、ほとんど使われることはないのですが、節中に持ち込んだペラがすべて壊れてしまったときなどに、貸与されることもあります。とはいえ、そういう事態になったのはあまり聞いたことはないですよね。というわけで、ここもほとんど使用されていないと思われます。ペラ室は、整備場からは少し離れたところにあって、持ちペラの修正はそこで行なわれていますよ。

というわけで、正解者はゼロ! しかし、プロペラとお答えの方には、完全な間違いではないので、5Pを差し上げましょう。また、ボケは、まずささぴーさん。ジョージ所って(笑)。単純に笑わせていただきました。ジローさんのふりがなってのは、うまいっすね。このお二人に10Pです。それにしても、なんだか私、だんだんと性格が超悪になっていってるような気がするのですが、気のせいでしょうか。教官にしばかれますかね、yanbaru917さん?

それでは第3問! 性格ちょい悪くらいで留まるよう、こんな問題で行きましょう。

Cimg27412 これは今日、私が撮影したものです。いったい、誰? ネームプレート、モーター番号などは隠させていただきました。いちおうノーヒントなんですが、写真の中にちょっとしたヒントはありますよね。というわけで、これが誰なのかをお答えください! 正解者には40P! 締切は、明日19日の午後2時でございます。今回もふるってのご回答、お願いします~!


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雨の朝――2日目、前半のピット

2007_0417__068  朝イチのピット。昨日の感動に浸りつつ突っ立っていると、いきなり背後から抱きつかれた。??? だ、誰?
「クロちゃん、おはよう!」
 長嶺豊師匠だった。おはようございます。そして、昨日はご苦労様でした!
「ありがとう! でも、悔しくてなあ」
 !!! 長嶺さん、一夜明けても、エキシビションレースでの敗戦を悔しがっているのだ。すげえ!
「北原さんには負けたくなかったなあ。ハハハハ!」
 久しぶりにレースをしたことで、今日はちょっとヒザが痛むという。そんなことよりも、勝てなかったことが悔しい! にっこにこに笑っているのだから、最高の充実感に浸ってもいるのだろうが、それにしても、げに凄まじきかな、勝利へのこだわり。
 朝からいきなり感動をもらったわけでありますが、きっと同じような思いを抱いているのであろう、驚異のオヤジたちが目の前の水面を走っている名人戦。感動感動としつこいかもしれませんが、やはりそんな思いが全身に襲いかかってきて仕方ないのであります。(写真は昨日の師匠の勇姿!)

Cimg2733  ピットに足を踏み入れたのは、ちょうど1Rの展示航走時。いつもの通り、まずは装着場に向かったのだが、あれ、なんだか装着場が狭く感じるぞ。それもそのはず、装着場には、たくさんのボートが置かれているのだ。昼の時点でも10℃を超えない気温、そして冷たく降り続ける雨。さすがに試運転などに繰り出す選手は少ないようだ。係留所を見に行くと、空きスペースがたくさんあり、屋根のない係留所には当然、1艇も見当たらない。
2007_0417__086  装着場に戻る前にペラ室を覗くと、沖口幸栄、山内直人など4~5人が叩いているのみ。あ、沖口はSGカッパを着ているぞ(写真は昨日の沖口選手です)。思ったより閑散としているペラ室、みんなどこにいるのだろう。

2007_0417__096_1  よくよく見ると、装着場に置かれたボートのかたわらで作業をしている選手があちこちにいるのに気付く。整備室の真ん前にボートを置いているのは吉田稔。本体を外して、整備室に持ち込んでいた。そのすぐ近くで、原由樹夫が電気系統の部分を外して、整備士さんのチェックのもと、一式の交換をしている。原ユーは……3R出走ではないか。急げ急げ。素早く交換作業を終えた原ユー、小走りでボートをリフトのほうに運んでいって、着水していた(3R、電気一式交換がハマったのか、2番手争いの好走!)。
2007_0417__264  ちょっと離れた場所では、先ほどペラ室にいた山内直人がボートのそばに立って、じーっと考え込む。加藤峻二御大も、その近くにいるぞ。もう少し手前のほうで、村上信二も作業を始めた。その隣には、原田順一。(ここから自慢が始まります)にこやかに挨拶をしてくれた原田に、「昨日は素晴らしいレースでしたね!(5号艇からまくり差し一閃)」と話しかけると、さらにニッコーと笑って僕のほうに手を差し出しながら「テレパシーが伝わってきましたから。頑張れーって」と何かを浴びる仕草。2007_0417__220 つ、伝わりましたか!「今日もテレパシー、送ります!」「はい、頑張ります!」よーし、念を送りますからねー。で、5Rは1マークで6番手に置かれながらも、猛然たる追い上げで3着! テレパシー伝わったかも! 順ちゃんは、俺のために走ってくれてる!と勝手に思い込みつつ、応援しよう。(以上、自慢終わり)

Cimg2736   ウキウキした気分になりつつ、整備室を覗き込むと、先ほど本体を外していた吉田稔と、水野要、久間繁といった面々が整備中。本体を外すというのはどういうことかというと、はい、右の写真をご覧ください。キャリーボディーからギアケースのあたりを下半身とすると、上半身が本体。そして写真は上半身が外された状態。本体で作り出すパワーを、下半身がペラに伝える、って感じですかね。Cimg2734 あと、もうひとつの写真をご覧ください。これは久間のモーター。装着場にある久間のボートにモーターは装着されたままで、一部分だけが外されているんですが、何が外れているかというと、キャブレター。外れていると、こんな状態になってるんですねえ。なるほど。などと感心している場合ではない。いつの間にか、古谷猛も整備室の住人になって、モーター調整に精を出しているのであった。

 1Rが石川正美の勝利で終わり、エンジン吊りが終わると、お、お、おぉぉぉ、装着場のボートが次々とリフトへ向かい始めた。いよいよ始動! そういう選手が多いということだ。雨など関係ない。レースの準備を粛々と進めるのみだ。
2007_0417__380  一方、その数分後の整備室には、1Rを戦い終えたばかりの平野勇志の姿があった。3着だから悪い成績ではないし、何より今日は1R1回乗り。時間はたっぷりあるではないか。でも、気になるところがあれば、解決しなければ気がすまないのだろう。汗を乾かす間もなく整備を始めた平野に、感服するばかりだった。
 その後、レースが終わるたびに、着水に向かう選手が増えて、試運転をする艇も増えていった。2日目のゴングが本格的に鳴らされたぞ!

2007_0417__192  さて、我らが気になる大西英一。先の装着場のくだり、村上信二の隣で大西は作業に真剣な表情であたっていた。特に村上と話したりすることもなく、前半は陽気でお茶目なシーンをついに見かけることはできなかった。もう少し成績が上がっていけば、きっと大西スマイルが飛び出すはず。それを楽しみに、応援していこう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=装着場、モーター関連 TEXT/黒須田)


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2日目!

あぁぁあ~、ながさきぃわぁ~、きょぉおも~、あめぇだぁった~……ん? あ、失礼いたしました。おはようございます。競艇名人戦、2日目でございます。ここ長崎県大村市は雨。雨が降っているのでございます。この雨が今日一日降り続くのかどうかはわかりませんが、少なくとも午前中は雨中の決戦になりそうな感じ。選手の皆さんは、この冷たい雨に負けない熱い戦いを見せてくれるものと思います。あ、風は今のところ、凪いでいますね。

さて、まずは何も言わず、写真を見ていただきましょう。撮影はもちろん、中尾茂幸!

2007_0417__143 松野京吾、勝率上位、優勝候補の一角!

2007_0417__176 西島洋一、イン水域は俺のもの、徹底的に内を獲る。

2007_0417__135 大嶋一也、今節は断然の主役、負けられない。

2007_0417__188 荘林幸輝、無冠の帝王、名人位奪取で返上したい異名。

2007_0417__148 水野要、一昨年の名人、発祥の地で奪還を狙う。

2007_0417__234 加藤峻二、どれだけ賞賛の言葉を並べても足りない、艇界の至宝。「走る人間国宝」。艇界の誇り。

もうお気づきでしょう。これが艇界の誇るちょい悪オヤジたち! 本日の12Rは、「ちょい悪オヤジ選抜」。この6名が、ちょい悪オヤジ№1の座を賭けて、激突します。こりゃ、楽しみっすね~。そういえば、新鋭王座では「イケメン選抜戦」を勝った石野貴之が優勝しています。ということは、ちょい悪オヤジ選抜戦を勝つことが、優勝への近道!? 注目しないわけにはいきませんねえ。今回の名人戦では、明日の12Rが「2000勝レーサー選抜戦」、明後日の12Rが「団塊の世代選抜戦」と、予選道中は毎日12Rで企画レースを行ないます。こりゃ、毎日見逃せませんぞ!

それでは、2日目、雨にも負けず、風にも負けず、頑張っていきましょう!


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匠たちの絆――初日、後半のピット

 エキシビションレースと同じくらいたくさんの選手がアリーナ席を埋めたのは、まさにエキシビションの直後、10Rのことだった。
 3号艇・関忠志。5号艇・鈴木幸夫。6号艇・西島洋一。
Cimg2722  今節どころか、艇界きってのイン屋が3人も同居したレースである。まさしく、大村番組編成の粋なはからい。ドリーム戦が行なわれた今日の、もうひとつの“隠れドリーム”とでも言うべきレースだったのだ。
 期待通りというか、自分の仕事をきっちりこなしたというか、3つの弧を描いて前付けに出た3人。艇番順の並びになったが、進入だけで金の取れるレースだったのは間違いない。アリーナ席の選手たちも、早々と舳先を向けた彼らをいい笑顔で見つめていた。
 これぞ名人戦!

2007_0417__323  その10Rで、事故が起こってしまった。これによって中尾英彦は残念ながら負傷帰郷となってしまったのだが、真っ先に中尾のもとに駆けつけたのは、岡孝である。一瞬、不思議な感じがしたが、よく考えれば二人とも45期、同期生である。岡はすでに名人戦の経験があるが、中尾はこれが初出場。こうした大舞台で顔を合わせるのは、久しぶりの二人だったと思う。それだけに、岡は中尾の様子が気になって仕方なかったのだろう。中尾が医務室に向かったあとは、モーターを整備室に運んだり、曳航されてきたボートを引き上げたりと、岡は率先して動いていた。陳腐な言い方かもしれないが、これぞ同期愛。名人戦は、長い時間をかけて紡いできた絆を確認できる場なのかもしれない。中尾は残念だったが、来年の名人戦でリベンジを果たしてほしい。優勝戦に岡と中尾が同乗していたら、素晴らしいことではないか。
2007_0416__120_1  こうした同期の絡みというのを、今日はよく見かけたように思う。10Rを3着で終えた西島洋一がピットに戻り、整備場を通ってカポック着脱場に向かおうとしたとき、原由樹夫が声をかけた。そして、身振り手振りで、少し表情をゆがめて、西島に話しかける。西島は立ち止まり、うんうん、と数回うなずくと、少し苦笑いを浮かべて、再び歩き出した。原は、西島の言葉に、小さく何度かうなずいていた。二人は、ともに33期。同期生である。
Cimg2726  整備室で本体を調整していた藤井定美。黙々とモーターに手を入れている場面を、けっこう長い時間、見かけていたのだが、何回目か藤井の姿を確認したとき、そばには西和則が寄り添っていた。すいません、慌てて登番を確認しなければならなかったのだが、思ったとおり二人は同期生。40期生だから、水野要も同期である。藤井と西は、取り立てて何かを話し合っているということもなかったが、整備に苦心する同期生を見つめ続ける、それだけで何か通じ合うものがあるのかもしれない。
2007_0417__372  「どんな感じや?」係留所から装着場のほうに戻ってきた吉田稔に、そう声をかけたのは刀根辰治。吉田が立ち止まると、小声になって、情報交換を始めた。おそらくは整備の効果について話しているのだろうが、その“会議”はわりと長い時間続いていた。二人は42期の同期生。“花の42期”と呼ばれるほど、多くの活躍選手を輩出している期だ。今節、42期はなんと9人が参戦。さすが“花の42期”である。同じ釜のメシを食った仲間が、そこにたくさんいるということ。これほど心強いことはなかろう。彼らは、精神面で大きな武器を手にしているのだ。

2007_0416__245  同期ということだけが、彼らを支えているわけではもちろんない。そんなことを言ったら、5期生・加藤峻二御大など、どの節に出ても、もはや同期生は一人もいないのだ(昨日と今日は北原さんがいたけど)。それでも、毅然として戦い続ける御大。同期がいるから勝てる、なんていう短絡的なことでないのは、当たり前だろう。何しろ、御大の初日は連勝発進。3コースからのマクリ、6コースからの差しと、イン天国の大村で変幻自在の走りを見せているのだ。足的にはスローに不安があるということだから、明日からもセンター、アウトからの攻勢を魅せてくれるかもしれない。
2007_0416__136  新井敏司も、32期からは単身の参戦。彼ももちろん、そんなことはまったくどうってことはない。ペラ室で一人、ペラと向き合う姿を見かけているが、鋭く光る目つきが、これまで築き上げてきた栄えある実績を物語っているように思えた。彼は群馬支部ではあるが、出身は栃木。ここでもまた少数派なのだ。水面に出てしまえば、全員が孤独。それが競艇である。数々の勝負に臨んできた男たちにとっては、一人きりの戦いなど、すでに日常なのである。

2007_0417__411  さて、我らが気になる大西英一も、何を隠そう、41期からの単身参戦である。とはいえ、何しろお茶目な大西英一、いろんな人と談笑しているところは多々見かけます、はい。エキシビションレースを観戦にアリーナに出てくると、お手伝いに来ていた長崎支部の選手が登場。そのなかに旧知の選手がいたらしく(すみません、誰なのかは確認できませんでした)、彼らと山口博司の談笑の輪に入っていったのだった。そしたら、大西さん、山口のことをからかう、からかう。「そばにいるだけに妊娠させる人だもんな。スタンドでレース見てた人も、妊娠したらしいよ」だって(笑)。山口選手、プレイボーイなんですかね。今日は2着5着と、そこそこの初日。明日以降、成績が上がっていけば、さらにご機嫌な大西に会えることでしょう。うむ、楽しみですな。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=10R進入、藤井&西 TEXT/黒須田守)


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大村名人戦ベスパフォ~初日

 いきなり1Rから⑥佐藤勝生がコンマ00、①吉田重義がコンマ01…気合いほとばしるドッキリSで名人戦は開幕しました。名人位の称号が欲しい、でもって来年の総理杯のチケットも欲しい。大ベテランたちの熱闘にスタンドは最終レースのゴールまで沸き続けておりました。
 まず、今日の準ベスパフォは福岡の57歳、陸の上では気のいいオッサン、水面ではピリ辛の勝負師に変貌するこの人気者に贈りましょう。

7R/これぞ、ダービー王の気迫!

2007_0417__221  おっとりとした博多弁で笑いをふりまく「艇界の和み系オヤジ」原田順一も57歳。近年はA1とA2を行ったり来たりなんですが、さすがSG2Vの実力者。正味の力を魅せつけてくれました。
 6号艇の7Rは5コース進入。インから逃げる石川正美と2コースから差した足立保孝の1-2で順当か、と思った瞬間にズッポリと割り差した原田。バックは内から261ののっぴきならない3者併走状態に。こんな展開は真ん中の選手がいちばん不利なんです。しかし、原田の気合いが凄かった。ゴリゴリと左右の艇の真ん中をこじ開け、まずは内の足立を競り潰して外の石川との一騎打ちに。態勢は半艇身ほど不利でしたが、原田は一歩も引く構えを見せません。
「これ以上かぶせてきたら、2マークで道連れにしちゃるけん、覚悟ばしときんしゃい!」
 はい、インチキ博多弁ですみませんが、そんな気合いで艇を外にぶつける原田。これには年上の58歳だけど後輩という微妙な立場の石川も、呆れ果てたように身を引いて差しに構えました。完全に気迫の勝利。2着をよしとせず、あくまでアタマにこだわった原田の粘り勝ちでありました。去年の名人戦は未勝利でしたから、一昨年の鳴門GI以来ちょうど1年半ぶりの特別勝ち。
 今節の順ちゃんは、ちょっと違うぞ。
 思わず唸ってしまいましたが、K記者の話を聞いて(←前半ピットレポート参照)なるほどと感じ入りましたね。『BOATBoy』でK記者が特注選手に推奨した。それが嬉しくて、記事を切り取って保管までした、と。もちろん、K記者のために勝ったわけではありません。
「ワシを忘れちゃ困る。名人戦ではまだまだ主役でいられるし、優勝してひとつの区切りを付けたい」
 そんな自負と意欲と情念があればこそ、雑誌の小さな記事に心を震わせ保管までする行為に至ったと思うのです。今日の7Rは、まさにそんな決意の発露でありました。
 原田順一の5コースからのまくり差し。
 名人戦ならでは、とも言えるけれど、特別レースでは非常に珍しい光景を見ることもできました。今日のような瑞々しいレースを重ねていけば、自然に優勝へ総理杯へと道が拓ける。それだけの力と独創性を携えた男であることを、今節の原田はイヤというほど見せつけてくれるでしょう。

 そして、今日のベスパフォは、もうおわかりでしょう。いきなりのピンピン発進で観衆のド肝を抜いた『走る人間国宝』しかありませんな。

2R&10R/あまりにも自然なピンピン発進

2007_0417__242  加藤峻二、65歳。65歳です。48年の間に12887回走って3162勝した鉄人の辞書に、「衰え」という単語は存在しません。はい、怒るファンもいるでしょうが、私、その若さに敬意を表して峻ちゃんと呼ばせていただきます。
 今日の2RはGIの5301走目!! 3号艇の峻ちゃんは枠なりのスロー3コースから軽~く内の2艇をまくってしまいました。3連単は25000円ちょうど。ヒモが人気薄だったせいもありますが、やはりファンの間でも「65歳で勝つまではどうか」という思いが脳裏をかすめるのでしょう。
「もう1回だけ、ここに来れるよう頑張ります」
 勝利者インタビューで謙虚にこう言った峻ちゃん。その「もう1回」の機会は、4時間後に訪れました。
 10Rの峻ちゃんは4号艇。しかし、相手がやばかった。③関忠志⑤鈴木幸夫⑥西島洋一が艇界を代表する生粋のイン屋なんです。あれよあれよと外に追い出されて、最年長の峻ちゃんは6コースへ。
「後輩のクセにナマイキな!!」
 な~んて峻ちゃんは絶対に思いません。今節の52選手の希望コース(事前にアンケートを取るのです)を見回して、「外」という文字が入っている選手はただひとり。他の51選手は「内」か「内中」か「中」か「全」なのに、たったひとりの選手だけが「中外」を希望しているのです。それは誰か……はい、名人戦クイズにするまでもなく、答は峻ちゃんであります。後輩の51人が全部前付けに来ても、平気で入れちゃうんですよ。
2007_0417__336  で、10R。例によって絶対にFを切らないマイペースのスタートで、峻ちゃんはアウトから最内差しを目指します。唯我独尊というより明鏡止水。煩悩とは無縁の自然さで、「ただそこに1マークがあるから行ってきま~す」という風情で走っています。内水域では、鈴木幸夫が振り込んだり関忠志と中尾英彦が接触したりの大アクシデント。峻ちゃんは天界からそれらの事象を見下ろすような感じで先頭に立っておりました。
 急がば回れ、君子危うきに近づかず、漁夫の利……さまざまな言葉が浮かびましたが、峻ちゃんはただただ真っ直ぐに自分の道を走っていただけなんです。それが48年間も無事に強く走り続けてきた最大の秘訣なのでしょう。仙人の境地って、実はこんなことのような気もします。ふと気がつけば勝っていた、そんな感じで3連単の配当は300倍でありました。
「これで打ち止めです」
 2度目の勝利者インタビューを受けた峻ちゃんは、またまた謙虚にこう言いました。そして、65歳のスーパースターは「明日からも頑張ります」と言って、深々とカメラの前に頭を垂れておりました。より深く頭を下げるべきは、私を含めたすべての競艇ファンであり、他のすべての競艇レーサーだと思います。もちろん、峻ちゃんの前で。様々なことを学び、刺激され、触発され、感動をもらい、ただ走る=ただ生きることの素晴らしさを水面で実践してくれる峻ちゃん。目の前にあるものと真摯に向き合ってさえあれば、太く長く楽しく生きることができる。何度も教えてもらったのに、また今日も新鮮な驚きとともに65歳の峻ちゃんから学んだ気がします。
 この名人戦を優勝して66歳で総理杯へ……凡人の私は今日のピンピンでさらに夢を膨らませたわけですが、峻ちゃんにとっては今日の連勝も単なる人生の通過点。過去も未来も同じで、ただ今を通過するのみ。そんな人なんだなぁ、とつくづく痛感したピンピンでありました。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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歴史的瞬間が今! 競艇殿堂エキシビションレース!

Cimg2695 1号艇 長嶺豊(大阪)
2号艇 中道善博(徳島)
3号艇 北原友次(岡山)
4号艇 安岐真人(香川)
5号艇 黒明良光(岡山)
6号艇 鈴木弓子(愛知)
 7R発売中の出走者紹介式における公開抽選で決まった枠順。「とにかくインから行く」と宣言していた長嶺は、おあつらえ向きの、いや、前付けで見せ場を作ろうとしていたなら心とは裏腹の、絶好枠1号艇。捌きの達人、中道が2号艇から長嶺の逃げを差すか。それとも、北原が両者の競り合いを捌くか。はたまた、安岐が豪快に抜け出すか。弾丸マクリの黒明はダッシュからの得意技炸裂を狙う。そして、意地っ張りな勝負師たちが競り合った間隙を、アウトから鈴木が差すか……。

Cimg2694  なんて思わずレース前に妄想してしまった、エキシビションレース。やってまいりました、この瞬間! 超豪華メンバーによる、夢の一戦が、本日の10R発売中に行なわれたのであります!
 レース前、ピットで待機する6人は、にこやかに笑いながらも、だんだんと目が真剣になっていく。刻一刻と、勝負師の目つきになっていくあたりが、さすがの名手たちでありました。10Rの展示が終わると、いざ、出走! 1周の展示航走を終えて、いよいよピットアウトです!

2007_0417__096  ピット離れで飛び出す4号艇・安岐が1号艇・長嶺の前方に艇を導く。ホームに戻ってくると、安岐の内側に長嶺が艇をねじ込んで、イン奪取! やはり、長嶺にはイン水域はよく似合う。ところが! ふところを開けて舳先をホームストレッチに向けた長嶺の内に、3号艇・北原が入り込んだ。イン強奪! 
 一方、6号艇・鈴木は早々とアウト決め打ち。5号艇・黒明が4コースから引っ張ってカド。2号艇・中道は同期をマークする形で5コースに入った。
 並びは内から314/526。大時計の15秒針が動き出した!

Cimg2700  ピットアウト後には、選手たちがどわどわどわーっと、アリーナに姿を現わして満員御礼状態。みな、一様に笑顔で、水面の大先輩たち(加藤峻二御大からしてみれば、同期と後輩たちですが)を見つめております。おっと、10Rの展示を終えた鈴木幸夫もやって来たぞ。視線の先は、もちろん、奥様の弓子さんでありましょう。愛知の仲間たちが、冷やかしたりしていますね。
 北原さんがインを強奪した瞬間、アリーナの選手たちは大爆笑!「出たよ、意地汚い進入が!」「現役のときから、ああだったぞ!」引退しても水面に出れば決して衰えることのない勝負師魂に、かつてさんざん痛い目に合ってきた後輩たちは、そんな軽口で敬意を表したのでした。いやあ、北原さん、さすがです! 長嶺さんは悔しかっただろうなあ。

2007_0417__124  6艇がスリットを超えた! イン北原と、カド黒明良光が好スタートだ。スリットから、一気に伸びていったのは、黒明。そのまま絞り込んでいって、内を呑み込んで行った。そして、1マークはマクリ一閃! 出た、黒明の弾丸マクリだーーーーーーっ! バックで一気に先頭に立った黒明、後続を完全に突き放す。2番手に続くのは、インから残した北原。以下、長嶺、中道、安岐と続く。鈴木は、遅れた6番手。ほぼ態勢は、決した。
 2周戦で行なわれたこのレース、先頭は黒明でゴールイン! 弾丸野郎が、まさにその名の通り、弾丸マクリを決めて、勝利を収めたのだ!

Cimg2712  黒明さんがマクり切った瞬間、アリーナ席はどよめきました。いや~、興奮しましたね! 伝説の弾丸マクリを、今また見られるなんて! その黒明さん、2周2マークを回る際、少しキャビったのですが、アリーナ席は大爆笑。しかし、しっかり立て直して先頭をキープしたテクニックに、今度は大拍手が巻き起こったのでした。
 鈴木さんは、頭に巻いていたタオルが落ちてきてしまい、視界を遮られた模様。1艇遅れをとってしまった鈴木さんを見て、大嶋一也が鈴木幸夫に「どうしたの?」と問いかけていましたが、幸夫さんは冷静に「タオルが落ちてきたんだろ」と応えておりました。ちょっとした仕草だけでわかり合ってしまう、さすが夫婦であります! 鈴木さんの走りに向けられた幸夫さんの優しい眼差し、素敵だったなあ……。
 レース後には、1着の黒明さんがウィニングランを行ない、アリーナ席ではやんややんやの大喝采。いちばん嬉しそうにしてたのは、大嶋かな。手を振り上げて、祝福していました。
Cimg2706  ピットに戻ってきた6名、印象的だったのは、長嶺さんの開口一番。
「残念!」
 凄すぎるでしょ、これ! エキシビションとはいえ、やっぱり負けたくない! この人たちがなぜ、激烈な世界を勝ち抜いてこれたのか、この一言に凝縮されているように思います。とは言いながらも、長嶺さんはもちろん笑顔。北原さんも、中道さんも、安岐さんも、鈴木さんも、やっぱり笑顔。黒明さんは言うまでもないっすね。Cimg2716 昨日の練習時は少し照れ臭そうにしていた中道さんが、心から嬉しそうに笑っていたのが印象的でした。そんな6名に、ピットで出迎えた選手、関係者、報道陣が大拍手! いつまでも鳴り止まない拍手が、このレースがどれだけ素晴らしかったかを表わしていました。

Cimg2715  で、6人が着替えに向かったあと、装着場では「おーーーーーっ!」とどよめきが。スリット写真が出たのですが、この人たち、すげえよ! 北原さんと黒明さんはゼロ台、そのほかの4名全員が20以内のスタートなのです。なんでこんな芸当ができるの? 鈴木さんなんて、18年ぶりにボートに乗ったんですよ。中道さんだって引退は8年前ですがな。それなのに、このスタート。まだまだ現役でいけるんじゃないの、ホンマに!

Cimg2714  いや~、本当に素晴らしい、感動的な、そして幸せなイベントでした。誰もが笑顔になる極上のエキシビション・レース。これを企画した、大村競艇場は素晴らしい! そして、しっかり走り抜いただけでなく、勝負師魂を見せ付けてくれた北原さん、長嶺さん、安岐さん、黒明さん、中道さん、鈴木さん、サイコーっす! この瞬間に立ち会えたことが、本当に嬉しいです、はい! JLCニュースワイドなどで放映されると思いますから、ぜひこの感動を体験してください!(PHOTO/中尾茂幸=レース写真 黒須田 TEXT/黒須田)


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クイズ第1問の正解&第2問出題!

どもどもども~。クイズのお時間でございますですよ。今日も行ってみましょう!

2_15 まず、第1問の正解です。このボート、どの選手のボート? が問題でしたね。最初にズバリ言っておきましょう。「久間繁選手」は、不正解です! うっははあ! いやいや、決して、ひっかけ問題というわけではなかったのですよ。おちょこさんが「ピット記事にヒントが……」とお答えになってますが、そう、ちょっとしたヒントは隠されていました。2枚目の写真、山内直人選手ですが、6番の艇番、緑のカポック、ですよね。ところが、本日の山内選手は2回乗りで2号艇と5号艇。すなわち、この艇番は今日のレースとは連動していない。じゃあ、鈴木弓子さん?という解答もありましたが、エキシビションは10R発売中ですよね。

Cimg2649 で、おちょこさんはいいところに目をつけていて、「9レース」というのは、前検航走の班、なんですよね。すなわち、9班。9班の3号艇なんです。この班は、基本は登録番号順に構成されるんですが、ピット記事の中に「大嶋一也は1班」とありますよね。そう、ドリーム戦出場選手が1班で、発表されている艇番順に入るんですよね。ということは、加藤峻二、村田瑞穂、高塚清一、金井秀夫、友永健策、原田順一の6選手が2班となります。そして、9班はもっとも登録番号が若い選手たちということになるわけです。さらに、52名出場だと、8班と9班は5艇立てになります(6×7班=42 5×2班=10、ですよね)。9班3号艇はすなわち、ドリーム出場選手を除いて、登番が下から3人目。そうです、正解は吉本正昭選手! ボート番号21ですので、ご確認してみてくださいね。Cimg2650 エンジンが写っている写真も掲載しておきましょう。70番は吉本選手ですね。正解者は……お見事! どれみすさん! ただ一人です! 正解者には30Pでしたが、特別ボーナスでプラス20P、合計50P差し上げましょう! あと、おちょこさん、いいところ突いてたので、20P差し上げます。おめでとうございます! だっはは、やっぱり私、ひねくれてますか?

Cimg26592 第2問、いきましょう! 左の写真は、整備場内の一角に掲げられていたプレートです。ここ、何の修整所? これもノーヒントでいきまーす。正解者には50P、締切は明日18日の午後2時でーす。今回もふるってのご解答、よろしくお願いしますね!


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手馴れた慌しさ――初日、前半のピット

Cimg2689  ドリーム戦に出走する高山秀則が、早々と着水しようとボートをリフトへと運んでいく。3R後のことだ。すると、装着場で今まさに作業を終えた原由樹夫がそれに気付き、「お願いしまーすっ!」と大声で叫んで、小走りでボートをリフトへと運んでいこうとした。惜しい。タッチの差で昇降ボタンが押されたところだった。あはは、ごめんごめん、と言った感じで笑いながら、高山の姿は水面へと消えていく。あー、残念、と原ユーは速度を緩めて歩き出す。リフトの係員さんも、にこにことそんな原ユーを見る。(写真は、原ユーを撮ろうとしたのに、背中しか取れなくて、こんな写真ですみません)
 ようするに、どの選手もみな、慌しく動き回っているということである。昨日は大荒れ水面で、多くの選手が手応えを完全には掴みきれなかった。初日というのはいつも慌しいものだが、今日はいつにも増して、調整に駆け回る選手を多く見かける。
 もっとも、名人戦出場選手にとって、こんなことは一度や二度ではなかっただろう。こんな状況は、すでに何度も経験して織り込み済みのはずである。だからだろう、忙しく動いてはいても、焦燥感の種はどこにも見当たらない。穏やかに、平常心を欠かさず、淡々と作業に励む選手たち。キャリアというのは、本当に偉大なものだな、と思う。

Cimg2683  前半レースを走った面々も、一度走ったからといって、まだまだ納得の手応えであるわけがない。レース後も、カポックを脱ぐと、すぐさまボートに戻って、素早く作業を始める。3R後、石川正美が小走りでボートに戻り、その場でモーターをいじり始めた。ボートからは、まだ水滴がぽたぽたぽたと垂れている。レースで浴びた水しぶきを乾かす間もなく、石川は作業を始めたわけだ。ペラを外すと、小走りでペラ室へ。その数分後くらいには、再びボートのところで姿を見たりした。手を休めるヒマなどない、そんな感じだ。
Cimg2678  装着場から外へ出てみると、係留所にボートがずらりと並んでいるのが目に飛び込む。ボートの上には、調整に励む選手の姿が。たしかに、装着場にボートは数えるほどしかなく、ほとんどがついさっきレースを終えた選手のものばかり。この後にレースを控えている選手のもので見かけたのは、ドリーム戦の小林昌敏のものくらいだっただろうか。実を言えば、今日のピットはけっこう寒い。気温はそれほど低いわけではないと思うが、風が冷たいのだ。そんなことを気にする男たちではないことは言うまでもないが、しかし、素直に頭が下がるというものだ。こちらも、気を引き締めなければ。

Cimg2676  さて、これは去年はあまり気にもしていなかったのだが、整備については、ペラよりもモーター、という傾向があるように思えるのだが、いかがなものだろう。1月に新鋭王座で訪れた大村のピット、明らかな違いはペラ室の人口密度だ。ふと覗き込むと、加藤峻二、吉田重義、吉本正昭の姿しか見えなかったりして、ペラ優先主義のSGクラスや新鋭を見慣れていると、不思議な光景に思えたりもする。もちろん、いつもいつもこんな光景なのではなく、何よりこの時間帯は係留所にいる選手が多かったし、その後に覗き込むと人数が増えているわけだが、それでも大混雑という状況は昨日からほとんど見かけていない。持ちペラ制が導入されたのは、平成元年。ベテラン勢は、それよりもずっと前から強かったわけで、その頃のスタイルというのが今も染み付いている、ということなのだろうか。

Cimg2687  で、我らが気になる大西英一。3Rは2着と上々の滑り出しだが、レース後は本体を外して、整備室に駆け込んだ。大西も、ペラよりもまず、本体を整備していたわけだ。大村の整備室は、装着場からも至近で見られるため(整備室は通常、取材できないエリア)、じっくり眺めさせていただいたのだが、大西はピストンリングを外していた。よくよく考えれば、こんなにも間近でリングを外すのを見たのは始めてかも。今まで何百回もリングを外したことがあるはずの大西だけに、やはり手際の良さが実に見事でした。

最後に自慢です。ぼけーっと突っ立っていたら、原田順一がにっこにこで挨拶をしてくれたので、こちらも慌てて挨拶をしたのだが、すると順ちゃん、「本当にありがとうございます」とさらにお礼を言うのだ。実は、BOATBoyの名人戦展望で、僕は原田順一を特注としてあげていたのだが、それをご覧になったそうなのだ。「ほんと、嬉しかったし、切り抜いてとってあるんですよ」。そ、そんな、恐縮っす……。「期待に応えられるよう、頑張りますよ!」という順ちゃん、俄然、応援させていただきます!(PHOTO/黒須田 TEXT/黒須田守)


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競艇殿堂表彰式 偉大なる名選手たちに感涙……

 開会式&ドリーム戦インタビュー終了後、本日はスペシャルイベントが行なわれました。 競艇殿堂表彰式。
 ハッキリ言って、感動しました。

2007_0417__005  競艇殿堂をおさらいしておきましょう。選考委員会によって「通算2000勝以上」「SG覇者」「委員会推薦」の51名がノミネートされ、ファン投票によって10名が競艇殿堂入りとなるというこの企画。見事、殿堂入りを果たしたのは
倉田栄一
北原友次
岡本義則
小林嗣政
長嶺豊
安岐真人
黒明良光
中道善博
松田雅文
鈴木弓子
 の、競艇史に名を刻む、偉大なる元選手たちでありました。その殿堂入り表彰式が、本日、大村競艇場で行なわれたわけです。なお、惜しくも選に漏れてしまった41名も「競艇マイスター」の称号を贈られます。
 
2007_0417__153   残念ながら、倉田さん、岡本さんは所用により列席できませんでしたが、あとの8名がステージ上に登場。まずは、この段階で私、ウルウルでした。競艇を支えてきた名選手たちが、こうして大々的に称えられる。そしてみな、感無量の面持ちで誇らしく舞台に立っている。素晴らしい瞬間ではありませんか。個人的には、小林さんを見ることができたのが嬉しかったなあ。先輩の記者さんに聞くと、現役時代の小林さんはそれはそれは怖かった、と。その小林さんがにこやかに笑ってるのを見て、むしろ現役の頃に小林さんがどれだけプロ意識をもっていたのかが想像されました(司会の荻野さんも「柔和なお顔になられましたね」と言ってましたね)。
2007_0417__164  もちろん、他の7人の嬉しそうな表情にも、ただただ感激でした。長嶺さん、中道さんには日頃からお世話になっているし、安岐さん、松田さんには競艇場でお会いするたびに、優しくお声をかけていただいている。でも、今日はいつもと違って見えました。そう、かつて彼らの舟券を握り締めて絶叫していたことを思い出したんですね。大選手が、その功績を称えられる場に、今こうして立っていることが、本当に素晴らしいことだと思いました。俺、すごい人たちにお世話になってるんだあ……という幸福も感じましたねえ。そんななか、妙にはしゃいでいる中道さんにも笑わせていただきました(なぜかトロフィーをステージのせり出している部分に置きに行ったり、隣の黒明さんとニコニコで談笑してたり)。
 殿堂入りの栄誉を得られた皆さん、本当におめでとうございます。あなたたちは、我々競艇ファンの誇りです! この瞬間に立ち会えたことは、本当に幸せでした。
 いやあ、本当にいいイベントでしたねえ。これは、10R発売中に行なわれるエキシビションレース、さらに楽しみになりましたぞ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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ドリーム戦インタビュー! 頑張れ6戦士

 開会式の後は、これももう恒例ですね、ドリーム戦出場選手インタビュー。そして、MCを務める松岡俊道さんといえば、6号艇の選手に「動け動け」のアオリ(笑)。今日も、井川正人選手に「6号艇、もちろんインからですね!」などと、進入を乱そうとしておりました(笑)。ま、選手たちの様子を見ると、枠なりになりそうではありますが。
 そんな松岡さんの進行で、6選手がモーターの調子や意気込みなどを語ります。

1_19 1号艇 大嶋一也(愛知)
「(名人戦にやって来て)ヘンな気分ですね(笑)。ちょい悪オヤジ1位は光栄です。インからのつもりです」

2号艇 松野京吾(山口)
「ここ10節でエンジンはいちばん悪いんじゃないですかね。2コースから差しでしょう」

3号艇 高山秀則(宮崎)
「リズムは良くも悪くもないです。枠なりで、着はひとつでも上を!」

4号艇 小林昌敏(山口)
「昨日はあまり回ってなかった。4コースですが、スローからかも。大村は選手になって初めて優勝したところです」

5号艇 新良一規(山口)
「京やんが差すというので、自分がまくります……と見せかけて差すかもしれません(笑)」

6号艇 井川正人(長崎)
「コースは……前半のレースなどを参考にしながら考えます。最終日最終レースまで、頑張ります!」

 それぞれの味が発揮されたインタビューでしたね~。激しいレースを期待します!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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開会式! 素晴らしき52名!

2007_0417__012  さあ、開幕しました、競艇名人戦。9時20分の開門時には、出場選手全員がファンの方をお出迎えするという「ウェルカムサービス」も行なわれ、匠たちの祭典は華々しくスタートしたのであります!

2007_0417__004  初日といえば、もちろん開会式! 52人の名人候補たちが、PRIDE統括本部長・髙田延彦の「出てこいや!」の決めゼリフでステージに登場しました! いつものように、それぞれコメントを語っていくわけですが、他のレースのときに比べて、全体的に言葉に力がこもっていたと感じたのは、気のせいでしょうか。ベテラン勢にとって、やはり名人戦はハレの場なのでしょう。だからこそ、力も入る! 彼らのハツラツとした表情を見ていると、やっぱり名人戦はいいなあ……としみじみ思いますね。
「はるばる来ました、長崎へ!」
 そんな金井秀夫の一言で始まった開会式は、東から西へ、支部ごとの登場となりました。2007_0417__016 我らが気になる大西英一は、マイクのずいぶん手前で話し始めるというお茶目ぶり(単に間違えただけですか、そうですか)を見せてましたぞ。
「ドサクサにまぎれて頑張ります!」
 いやいや、真っ向勝負で優勝狙ってください!

2007_0417__028  東海勢に突入して、鈴木幸夫は「10R前には、家内も走りますので、よろしくお願いしまーす」としっかり奥様のPR。河合良夫は、頭を垂れて、光り輝く頭頂部を存分にお客さんに見せてから(笑)、「団塊の世代、まだまだ引退まで時間はある! 頑張れ、団塊の世代!」。河合さんも頑張れ!
 近畿勢では、富山弘幸が「ピカピカじゃありませんが、1年生です!」。河合選手は1年生じゃないけど、ピカピカでしたね……って怒られるか。

2007_0417__067  連携プレーは岡山勢。
「名人戦でもあっという間に中堅。若い選手に負けないよう、頑張ります」(村上信二)
「若手の平子です。頑張ります」(平子茂)
「新人になった気持ちで頑張ります」(片山晃)
2007_0417__070 「片山さんと同じ町内会です」(原義昭)
 話をつないでいたら、最後はローカルな話題になっちゃいました(笑)。
 九州勢からは、佐々木輝雄。
「やっと50になりました!」
 年は取るものじゃない、重ねるものだ、と言ったのは誰だったでしょうか。そう、“やっと”50になったのです、佐々木選手は。こう言えることが、素晴らしいですよね。
 シンガリ登場は、地元長崎勢!
「佐世保に生まれて48年。加藤先輩は選手になって48年。歴史を感じます」(山口博司)
 一言、名人戦って、すげえっす! 加藤峻二、すげえっす!
 で、ベストパフォーマンスは、井川正人!
2007_0417__115 「大村競艇、バンザーーーーーーイ!」
 名人戦、バンザーーーーイ! 井川正人、バンザーーーーーーイ!
 素晴らしきかな、競艇。素晴らしきかな、競艇名人戦! 52人の先達に乾杯!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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名人戦、開幕! 

おはようございます! 本日から、競艇名人戦です! 大村競艇場は青空が見えていますよ~。風は、昨日に比べればかなり収まっていて、現時点ではホーム向かい風。今日は、10R発売中に「競艇殿堂エキシビションレース」があります。グッド・コンディションで行なわれてほしいなあ……。ともかく! ウルトラKYOTEIリスペクト・バトル、競艇名人戦がいよいよ開幕です! 歴史を知る快感をおおいに味わう、一週間にしましょうね!

さて、本日一発目は、昨日のフォトアルバムをば。

2007_0416__137 ドリーム戦6号艇、井川正人! 地元の期待を背負って、メインカードを熱く盛り上げます!

2007_0416__088 関東からはるばるやって来た桑原淳一。ほんと、お若いですよねえ。昨年は、渾身の前付けを何本か見せてくれました。今年は!?

2007_0416__061 ダービー王の歴史に名を連ねる吉田重義。本日は1R1号艇。オープニングを飾るイン逃げを魅せられるか!?

2007_0416__101 ニット帽が渋い石川正美。昨年は優出、今年は優勝を目指してください!

2007_0416__105 名人戦に出る選手とは思えないほど若々しいルックスの鈴木幸夫。今日は、奥様も水面を駆けます! 幸夫さんも激走を!

それでは皆様、名人戦、張り切ってまいりましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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名人戦クイズ~~~!

ども! 競艇名人戦、始まりますよ~。そして、クイズタイムも始まりますぞ~。というわけで、この名人戦でもクイズ、やっちゃいます! ただし! 大村は3カ月前に新鋭王座で来たばっかり。さすがにネタも少なくなっています。というわけで、今回は広~~~~い意味でのピットクイズ、ということでひとつ。ピットで見つけたもの、というのはもちろんですが、ピットにまつわる問題も出しますので、皆様、よろしくご解答のほど、お願いいたしますです。

2_14 さて、第1問、行きましょう! 大村の前検は、ボートにネームプレートが着けられていない状態で行なわれます。もちろんすでに準備はされていて、初日を迎えてから装着するんですね。そこで問題。本日、装着場に置かれていたこのボート、果たしてどの選手のものでしょうか? ボート番号は隠させていただきましたが、えっと、とにかくノーヒント! 正解者には30Pでございます。締切は明日の午後2時でよろしくです。5問出題して、ポイント上位者にはもちろん、大村みやげをプレゼントします。

それでは、今節のクイズもふるってご参加ください! よろしくっす~!


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ひたすら幸せ――名人戦、前検のピット

Cimg2638  H記者の記事によれば、全員でのべ40万走、ですか。凄すぎる。しかも、ただいたずらにレース数をこなしてきた面々ではないだけに、返す返すも素晴らしい。
 それだけの経験を積み上げてきたのだから、GⅠだろうと何だろうと、特別なことなどする必要はない。ひたすら繰り返してきた作業を、今回も粛々とするだけだ。特別な気合、とでもいうものはあるだろうが、浮き足立ったり普段と違うことをやろうとしたりする人たちではない。前検だって、もう何百回も行なってきたのだ。自分のスタイルに従って、やるべきことをやる。そんな仕事人たちが、52名もそこにいる。ハッキリ言って、素敵な空間だった。(写真、いちばん手前のバンダナが気になる大西英一選手です)

Cimg2641  装着を終えると、ほとんどの艇が着水した。装着場に残っている艇は数えるほど。早い段階から、思い思いに試運転や回転数チェックなどを行なっていたわけだ。これも、彼らがキャリアの中で身につけたスタイル、だろう。前検4班の山内直人が、係留所で黙々とモーターの調整に励んでいると、隣の係留所で原由紀夫が遠めにも言葉少なに山内とコミュニケーションをとっているのが目に入った。何度も戦いの場で顔を合わせ、しのぎを削ってきた戦友同士。水面に出れば、多くの言葉は必要ないのだろう。彼らの刻んできた歴史が、そんなところにも、不意に顔を出したりする。
Cimg2642  前検航走が始まり、まず1班が水面へと飛び出していく。3回のスタート練習、1周の周回展示が終わると、係留所にいた面々も次々とボートリフトへと早足で向かっていく。まあ、これはどんなレースでも見られる光景ではあるが、そんな日常的な場面からも、なんだか貫禄を感じたりする。普段ならそこには必ず若者がテキパキと率先して動き回るシーンが見られるのだが、今回はすべてが歴戦の強者ばかり。モーターを置く架台を準備しているのが河合良夫や村上信二だったりするのを見ると、やはりちょっとした驚きを感じずにはいられない。もちろん、そんな動きも彼らにとっては、何百回も何千回も繰り返してきたものにすぎないのだが。

2007_0416__262 前検航走を終えた選手たちが、整備場でモーターと向き合い始めた。単なる格納前の点検だけを行なう者、早くも整備の手をつけ始める者、さまざまだ。加藤峻二が、なにやら原田順一と笑顔で会話を交わしている。そこに村田瑞穂、金井秀夫も加わって、渋い笑顔の四重奏となった。ズバリ、カッコいい! 仕事の場で、あんなに素晴らしい笑顔を魅せられるのは、やはり年輪のなせる業。自分もあんなおじさんになりたい、とそう思う。
Cimg2656  加藤の後ろを通って、古谷猛が整備用テーブルのある部屋に飛び込んでいった。まずは機歴簿を真剣にチェック。それを終えると、すぐにテーブルに陣取って、リードバルブの調整を始めた。けっこう長い時間、リードバルブとにらめっこしていると、金井秀夫、高山秀則、河合良夫、友永健策、桑原淳一らが隣に座って、やはりリードバルブを調整し始める。装着場からは彼らの背中を眺める格好となるのだが、たくましい背中だ。いや、競艇選手は本来は小柄な者が多いわけで、巨体を持て余している僕と比べれば、むしろ華奢な部類に入るはずなのだが、いくつもの修羅場をくぐり抜けてきた男の背中は、大きく見えるものだ。彼らは、背中でも戦いの歴史を語れる男たちなのである。

 もういちど、整備場に目を移すと、おや、西島洋一が電気系統を交換しようとしているのか、その一式の部分を外し始めた。整備士さんが駆け寄って、西島はアドバイスを受けながら、作業に励む。今日は、強風が吹き荒れ、水面はうねりまくっていて、「練習にならん」とぼやく選手もいるくらいの荒れ水面なのだが、そんななかでも足りない部分を早くも見つけたのか。
2007_0416__528  ふと整備室を見ると、佐久間理が早くも本体を外して持ち込んで、ピストンを外し始めた。慣れた手つきで素早く外すあたりも、キャリアの深さを思い知らされる。2つのピストンを手に整備室を出た佐久間は、いったん洗浄した後、部品室のほうへと駆け込んでいった。取材陣は立ち入ることができないエリアゆえ、遠目に眺めるだけで精一杯だったが、どうやら交換用のピストンを物色している模様。ピストン交換、だろうか。

2007_0416__535  装着場では、関忠志と鈴木幸夫のツーショットを発見。笑顔で何事かを話し合うと、ガハハハと笑い合って、それぞれの作業へと戻っていった。徹底イン屋同士の情報交換、だったのだろうか。同じレースを走れば、激しくインを取り合うであろう二人。しかし、陸に上がれば、同じ匂いを持つ同志でもある二人。きっと、彼らにしかわからない、特別な言語がそこにあったはずだ。あ、関、今度は松田雅文さんと談笑している。これもまた、イン屋同士の会話だ。
2007_0416__517  二人の横を、ダッシュで通り過ぎていったのは、おお、SGカッパだ。大嶋一也である。今日、SGカッパを着ていたのは、大嶋と高山秀則の二人だけ。そのうちの一人、大嶋は1班で前検航走を終えると、ひたすらピット内を走り回っていたのだから、なんだか不思議なものを目にしたような気になった。登番は下から5番目、今年が名人戦初出場。誰よりも働きまくるのは当然なのだろうが、それがSGカッパを着た大嶋なのだから、こちらとしては貴重なシーンを目撃したような気になろうというもの。大嶋ほどのキャリアであっても、ここに入れば新兵。やっぱり名人戦は、恐るべき舞台だ。

 つらつらと書き連ねてきたが、これらの場面を眺めていた僕は、ただただひたすら幸福であった。何気ない動きかもしれない。特別なオーラがそこにあったわけでもない。だが、黙っていても漂ってくる“本物の男たち”が発散する空気は、それを感じた者を幸せな気分にする。もう何度でも言うが、これもまた年輪のなせる業だ。幾多の試練を経験し、逃げずに立ち向かって乗り越えてきた者たち。激しい勝利への渇望を抱き続け、そのぶつかり合いに身を委ね続けてきた戦士たち。彼らにしか生み出すことのできない、幸せな空気がそこにある。競艇名人戦とは、そんな舞台で繰り広げられる、いぶし銀のバトルなのだ。

2007_0416__242  前検終了後、今日はさらに幸せな空気が立ち込めた。北原友次、長嶺豊、安岐真人、黒明良光、中道善博、鈴木弓子。あえて敬称略で呼ばせていただいたが、この6人がカポックと勝負服に身を包んで、ピットに現われたのだ。明日の10R発売中に行なわれる「競艇殿堂エキシビションレース」の出場者6名が、明日のレースを前に“前検”を行なったのである。
 いやあ、感動しました! やっぱり彼らは勝負服がよく似合う!(写真は左から北原、長嶺、鈴木、黒明、安岐、中道。枠番は仮のもので、本番は公開抽選で決定します)久しぶりに見た長嶺さんや安岐さんや中道さんの勝負服姿に、腹の底から興奮が噴出してくる。中道さんは、池上カメラマンにヘルメットを渡して、「変わってくれ」なんて照れていたけれども、やっぱりなんとなく嬉しそうな面持ち。鈴木弓子さんの勝負服姿は、初めてお目にかかりましたが、いやはや、美貌は健在です。あ、ご主人である鈴木幸夫の表情を見るのを忘れてしまった!
 数周の試運転(中道さんは1周で帰ってきちゃいましたが)、3回のスタート練習を見ていたら、もう、ほんと、たまらなく幸せな気持ちになってきた。だって、今、そこで、北原や長嶺や安岐や黒明や中道や鈴木が、走ってるんですよ! 実際に舟券を握って熱狂しつつ見ていたスーパースターたちが、水面を疾走しているんです! まあ、この荒れ水面だけに、かなりおっかなびっくりではあったけれども(笑)。鈴木さんは18年ぶりにボートに乗るそうだから、それも当然でしょう。Cimg2667 そんな彼らを、今節出場選手たちが“アリーナ”(大村のピット内にある、水面に面した広いスペース。新鋭王座の記事も参照してください)に出てきて、楽しさ半分心配半分で見つめていた。加藤峻二はイの一番に出てきていましたが、そう、北原友次は同期生ですね。北原は陸に上がってきて「爽快爽快」と笑っていたが、いやはや、どちらも凄すぎます。
 本当に幸せな名人戦、そして明日のエキシビションレース。やっぱり、匠たちの祭典は最高なのだ!(PHOTO/中尾茂幸=加藤、佐久間、関、大嶋、殿堂選手たち 黒須田 TEXT/黒須田守)


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H記者の「名人戦・前検を斬る!」はずが……

2007_0416__120  Hです。弱った。ほとほと弱りました。さすが30年戦士というべきか、まるで足合わせをしてくれないんですよ。みんなほぼ単走、チラリと合わせたようでもホーム水面の半分だけ、とか……10m前後の強風が吹き荒れ1マークのうねりも半端なくて足合わせにならない。そんな理由もあるのでしょうが、どちらかというと「他のヤツと合わせんでも、走った感触とエンジンの音で調子くらいわかるわい!」そんな自信と気概を感じました。たかだか舟券10年選手のぺーぺー(私)にそれを読み取る力があるわけもなく、ただただスタンドに佇んでいた次第であります。
 とにかく、ホームからバックまでなんとか併走したのは6ペアのみ。これではパワー番付を決めるわけにはいきませぬ。その少ないサンプルで無理に評価を下すなら、
●良く見えた選手…井川正人、河合良夫、桑原淳一
●ヤバっぽい選手…新良一規
 これくらいですか。はあぁぁ、モーターは下ろしたて、足合わせはサンプル不足、こうなると選手自身のコメントしか頼れませんな。私、明日はほとんど舟券は買わずに朝からの試運転と実戦をしっかりチェックして、より正確なパワー診断を導き出すことに腐心いたします。
 あ、前検時計が出たので上位と下位をアップしておきます。
●上位
①陶山秀徳 6・77
②富山弘幸 6・78
③原由樹夫 6・79(写真上)
④井川正人 6・80
⑤山口博司 6・81
⑥荘林幸輝 6・82
⑦原田順一 6・83(写真下)
 平野勇志
⑨水野 要 6・84
 小林昌敏
●下位
①古谷 猛 7・12
②小泉秀人 7・11
 吉田 稔
④石川正美 7・10
 関 忠志
⑥沖口幸栄 7・08

2007_0416__213  まあ、この時計にしても渦巻くような強風の下での記録ですから参考程度に留めるべきでしょう。ただ、トップ時計を出した陶山の68号機はすでに実戦で抜群の展示タイムとレース時計を誇っており、信頼できる数値かもしれません。陶山は数少ないB1級のひとりですから、明日(1R④と8R③)は思わぬ大穴を提供するかも、です。要注意!
 ではでは、実に頼りのないレポートになってしまいましたが、明日以降の続報にご期待ください。6日間、水面で火花を散らすオッサンやお爺ちゃんたちに負けないよう、頑張りましょう!(Photo/中尾茂幸)


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40万走レーサーのモーター抽選!!

2007_0416__002  12時20分頃、競技棟の選手控え室で名人戦のモーター抽選が行われた。狭い室内で体育座りをしている面々を見ているだけで、歴史の重圧というか、大先輩の貫禄というか、とにかく色濃いオーラに圧倒されそうになる。12887戦(うちGIが5300走!!)3162勝の我らが『走る人間国宝』加藤峻二はじめ、全員合わせたらざっと40万走10万勝もしてきた面々なのだよ! もちろん、のべ何千回もの転覆もあったはず。25年~48年(これはもちろんカト峻先生)も命がけで走り続けて、無事に熟年期を迎えた猛者たちが一同に会す。これだけで、ただただ敬服するしかない。しかもその顔には衰えなど微塵も感じられず、荒れ狂う大海と戦う漁師たちのような精悍さに満ちているのだ。
2007_0416__018  百戦錬磨ならぬ万戦練磨の戦士たちは、みな飄々とガラポン機を回している。まあ、モーターが下ろしてからまだ4節目。素性そのものがわからないというせいもあるだろう。ただ、その飄然たる面構えを見ていると「いまさらモーター云々は関係ねえよ」みたいな達観さえ感じられるのだった。
 取材班としてもモーターの良否は完全に手探り状態だ。あえて勝手に5機を選ばせてもらうなら
●19号機(1着率73%!!のエース機)…桑原淳一
●41号機(佐藤大介がオール2連対V)…吉田重義
●27号機(A2深山祐二が楽々優出)…新良一規
●68号機(展示時計が速く、実戦もトップ時計)…陶山秀徳
●48号機(B1栗山繁洋など2節連続優出中)…新井敏司
 こんな感じだが、もちろん鵜呑みにはできない。レーストップ時計の68号機にしても、操縦者は原田幸哉だったりするわけで……。今節はモーター素性よりも足合わせ&実戦気配重視。いつもよりじっくりしっかり前検から試運転をチェックしたい。
2007_0416__078  ともあれ、ガラポンの小気味いい音とともに戦いの火蓋は切られた。優勝候補筆頭の大嶋一也が「いよいよ俺も名人戦かぁ」という風情で、ゆっくり静かにガラポン機を回している姿が印象的だった。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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偉大なる匠たち、発祥の地に登場!

 決して過剰な渋趣味ではない。とりわけレトロ好きというわけでもない。畳と女房は新しいほうがいい、という諺にはおおいにうなずくものでもある(関係ないか)。ともかく、なにもおじさん好きとかベテラン贔屓というわけではまったくない僕なのではあるが、しかし。
 なんでこう、名人戦って胸がときめくかなあ。
 通用門に次々と現われる選手たちと挨拶を交わすたび、心が弾んでいくのがはっきりと自覚できる。いやあ、名人戦に出る偉大なるベテラン選手、サイコー! そんな気分にさせられるのは、おそらく彼らの醸し出す年輪の重み、なのであろう。

2007_0416__035  艇界の至宝・加藤峻二が悠々と登場する。思わず最敬礼したくなる、風格に溢れている。まったく揺るぎのない足取りを見ていると、おおよそ艇界最年長とは思えない、若々しさもある。この人に会えるだけでも、名人戦に足を運ぶ価値がある。そう思わせられるだけの、圧倒的なオーラを加藤峻二は振り撒いている。
 これって、すごいことですよ、ハッキリ言って。記者席に置いてあった「選手大村成績」という資料を見ると、大村初出走が昭和37年! それから40年も経って、こうしてGⅠが行なわれる大村のピットに登場するなんて、ターンマーク坊や(大村のマスコット)だって、想像もつかなかったはず(当たり前か)。こんな具合で、加藤峻二も含めた全選手の一挙手一投足にリスペクトを抱きまくる、そんな1週間になりそうだと、そう思った。

2007_0416__148  昨年の尼崎名人戦では優出を果たした金井秀夫が、関東勢とともに登場。深く刻まれたシワが、相変わらず渋い。その金井は、入り待ちのファンに大人気! 愛車を移動して一緒に戻ってきたところで撮影責めにあっていた松野京吾と新良一規が、「金井さん、写真撮りたいそうですよー」と呼びに来ると、なぜか金井さん、「嫌だ」。ありゃりゃ。いやいや、もちろん冗談です。呟くように、「それじゃ、行ってきますか」と言い残して通用門に向かうと、ファンが一斉に取り囲んだのでありました。プレゼントを手に戻ってくると、照れ笑いとともに「もらっちゃいました」と僕らに掲げてみせる。うむむむむ、渋い! こういうのをカッコいいと言うのだなあ、と心から思った次第である。

2007_0416__076  地元期待の山口博司が、淡々とした表情で登場。初の名人戦出場、登番もとびきり若い3135番である。近況も絶好調で、優勝候補の一角だが、地元ビッグということもあるのか、ちょっと緊張ぎみにも思えたものである。登番が下から3番目の松野京吾と顔を合わせると、ニッコリ笑顔を見せた山口。うーむ、この二人が今節は新兵としての参戦なのかあ、と思うと、不思議な気分になりますな。
2007_0416__096  その山口を送ってきたのは、地元気鋭の飯山晃三。大先輩たちにキビキビと挨拶して回る姿が、凛々しい。そこにやって来たのは、愛知の河合良夫。飯山の顔を見ると、「おっ!」とばかりに、目を見開いた。そして……「お前も出場するのか」。そんなわけないっしょ(笑)。あっははあ、と笑い合った河合と飯山。なんだか、ご機嫌の河合であった。

2007_0416__111  この人が名人戦かあ……そんな感慨に耽ってしまったのはもちろん、ミスター・ダンディ、大嶋一也だ。昨年の出場メンバーに名を連ねながら、負傷により欠場。1年遅れで、初出場となった。それにしても、大嶋が名人戦ねえ……と思うしかない、一味違う雰囲気。ダンディなのは相変わらずでも、ここではあまりに若々しくて、違和感すら覚えるほどである。JLCの名人戦CMでは「若いときを思い出して、センターからのレースも面白い」などと言っていた大嶋。果たして、どんな戦いを見せてくれるだろうか。

2007_0416__143  さて、名人戦で気になる男といえば、やっぱりこの人。大西英一! 去年の名人戦で、そのお茶目で陽気なお人柄に、すっかり惚れ込んでしまった私でありました。ドリーム戦インタビューの席につくや否や「18番、与作」とのど自慢を始めそうになったり(実際は歌いませんでしたよ)、3着ばかりの成績を「タンヤオ、タンヤオ」と言いまくって笑わせたり、ほんと、素敵なおじさまなのですよ。で、大きなマスクをつけて登場した本日の大西選手。写真を見てください。だはは、何をしてるんですか、大西さん! これ、競艇場入りを取材していたJLCにカメラを向けられ、「顔は映させないよ~だ」とばかりに顔を隠しているんですね。この3秒後、手をくいっとどかして、「な~んちゃって」とカメラに視線を投げたのでしたが……今年も楽しませてくれることは確定!ですね。思い切り気にさせていただきます!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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大村です!

おはようございます! 取材班、先ほど大村競艇場に到着いたしました! 長崎空港に着いたときには雨が降っていて、競艇場も本降りに近い感じだったのですが、なんだか薄日が射してきましたぞ。明日より開幕の競艇名人戦、いい日和で行なわれるといいですねえ。

Cimg2633 というわけで、競艇発祥の地で行なわれる競艇名人戦、本日の前検から最終日まで、一週間現地より取材、更新してまいります。今節は、競艇殿堂のイベントや企画レースなども盛りだくさん、かなり気合の入る取材班であります。間もなく続々とやって来る選手たちの競艇場入りから取材いたしますよ~。

それでは、今節も、どうぞよろしくお願いいたします!


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さあ、競艇名人戦!

総理杯が終了して約1カ月。SGは来月の笹川賞まで少し間が開きますが、来週からは大村競艇場で、第8回競艇名人戦が開催されます!

競艇の歴史を作り上げてきた、偉大なる先達が集って行なわれる、匠の祭典。今年は、初日に競艇殿堂の表彰式、殿堂入り選手によるエキシビション・レースなど、さまざまなリスペクト企画が目白押しです。個人的には、ヘタすりゃSGよりも興奮するレースが、この名人戦。昨年のチャンピオンである万谷章オヤビンが不在なのは寂しいですが、今年も感動のドラマが待っていると信じています。

というわけで、取材班は明日の前検から最終日の優勝戦まで、いつものように現地取材、更新をしてまいります。今回も1週間、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、大村に行ってまいりまーす。


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