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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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爽快!優勝戦!――THEピット

 ピットに報道陣の輪ができて、誰かを取り囲んでいる。中心にいるのは、やはり地元で優出1号艇の田中伸二か、それとも戦前から本命候補と言われていた瀬尾達也か。
 ……中道善博さんでした(笑)。
 ある意味、優勝戦出場選手以上に、前半のピットで注目を浴びていた中道さん。今日は、ランナバウトボートのエキシビション走行を披露するために、ピットに登場だ。報道陣はもちろん、選手たちも興味津々で、後輩たちはニコニコ顔で中道さんに(冷やかしの)声をかけていた。
 中道さんのほうから真っ先に声をかけた選手は、ペラの神殿・ベンチAの左に陣取っていた荘林幸輝。集中した視線をペラに向けていた荘林は、中道さんの姿を認めると、一気に目を細めた。「ほんと、大変ですよね~」と、同情なのか好奇なのか微妙な感じの声をかける。中道さんも、まったくや~、と苦笑いだ。
Img_2651  そんな光景を、やや離れたところから見ていたのが村上信二。僕はひそかに、中道さんと顔が似ていると思っているのだが、だから個人的には実現すれば魅惑のツーショット。でも村上は、ただ目を細めて中道さんを見ているのみ。声をかけたそうにしているようにも見えたが、口元に笑みを浮かべたまま、控室のほうに戻っていった。
 中道さんが作り出した、優しく和やかな空気。優勝戦の空気としては、ちょっと珍しいものになったのだった。といっても、荘林も村上も、まったく気負いのない時間を過ごしていたのは事実。荘林など、ボートにペラは装着されていて、叩いていたのは別のペラということ。手応えによっては優勝戦で取り替えるのか、それとも先を見据えての作業だったのか。いずれにしても、平常心でいることは間違いない。
Img_2521  そんな二人と比べると、田中伸二の表情がやや硬く見えたのが気になった。地元のビッグレースで優勝戦1号艇、というのは、言うまでもなく重圧がかかる局面である。数多くの修羅場をくぐり抜けてきたはずの田中でも、やはり特別な心持の一日を送るほどのものなのか。普段から談笑したりしているところをあまり見かけるほうではないが、それでもエンジン吊りで同県勢の輪に入ってさえ、どこか口数が少ないように思えたのは、気のせいだっただろうか。優勝戦直前の姿が気になる。

Img_1507  田中以外は、気負うこともなく、緊張感に押しつぶされることもなく、淡々と過ごしているようだった優出メンバー。たとえば、瀬尾達也にしても報道陣と笑顔で話し込むなど、まるでカタくなっているところはない。尾崎鉄也も、エンジン吊りでは同県の井川正人らと談笑し、報道陣に声をかけられれば、やはり笑顔で応えている。今節を通して目撃してきた瀬尾、尾崎の姿がそこにあった。
Img_2678  若女井正は、カタくなっているというより、調整をどうするか考え込んでいる様子。まだメンバーが確定する前にチルトを跳ねることを示唆していたが、隣にデジタルスターターが入り、自身は6号艇。瀬尾のスタートに乗るのか、自分が伸びて勝機をうかがうのか、さまざまなパターンが考えられるところだ。ペラを叩く様子も、かなり慎重に考え込みつつ、のように思えた。

 快晴となった宮島競艇場。ピットは本当に爽快だ。そして、優出6名が醸し出す空気もまた、爽快である。この心地よい空気のなかで、これから優出6名は勝負の時間を迎えることになる。さあ、神技を堪能しよう。(PHOTO/山田愼二 TEXT/黒須田守)


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