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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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賞金王シリーズ優勝戦 私的回顧

語れるイン逃げ

10R 賞金王シリーズ優勝戦
①田中信一郎(大阪)
②笠原亮(静岡)
③中島孝平(福井)
④山口剛(広島)
⑤池田浩二(愛知)
⑥倉谷和信(大阪)

★キーマン=倉谷和信★
2008_1223_r10_0659  戦前から前付けを宣言していた……いや、宣言していなかったとしても、誰もが倉谷の前付けは既成事実のようなものと認識していただろう。この男が6コースで黙っているわけがない。
 だから、まずスタート展示がもつれた。優出選手インタビューで語ったとおり、池田浩二がともに動いた。これは想定内。さらに、中島孝平、山口剛が抵抗のそぶりを見せた。田中信一郎はハナから譲る気はなく、ターンマークに沿うように舳先を返す。ただ一人、笠原亮だけがスロー水域のひしめき合いから、イチ抜けたとばかりに艇を流し、最後の最後に舳先をスローに向けた。
 ランデヴーのようにホーム側に回り込んだ池田と倉谷は、我慢比べのように艇を流した揚句、進入が深くなる。これはたまらん、とばかりにレバーを握り込んだ池田が、再度バック側へと艇を走らせ、回り直し6コースを選択した。
 16342/5
 全員が牽制し合って奇妙な隊形となった進入のせいか、田中以外は全員F。不穏な空気がスリットラインに漂った。

 本番。展示で引いた池田がアウト発進を決め込んでいたのかどうかは、わからない。もし、そうでなかったら……倉谷の前付けはもはや前付けの域を超えていた。まるでターンマークを全速で旋回するかのように、腰をあげたモンキーの態勢で内の艇を追い抜いていったのだ。5段ツケマイ。その瞬間、内の水域をうかがおうとしていた他選手の気持ちは、引き波に沈められた。
2008_1223_r10_0661  ただし、一人だけ気持ちも艇もしっかりと残した者がいた。1号艇の田中である。展示と違って、相手は倉谷一人に絞られたが、その分、倉谷の攻めは厳しくなっている。
 大阪同士による、激しいインの奪い合い。先輩だろうと、全力で売られたケンカを買う。後輩だろうと、欲しいものは斬り捨ててでも奪い獲る。陸の上では何百回も笑い合ったであろう二人が、ノーガードで太刀を振り下ろし合う。勝負の場では、これを、本当の意味での「信頼関係」というのである。
 インを田中が死守し、倉谷は田中よりやや深い2コース。倉谷の5段ツケマイに沈められた他の4艇は、あとは枠の順番に並ぶ。田中と倉谷が深くなっていって、3コースの笠原は小カドの様相。中島から後方に引いて、16/2/345で並びは確定した。
 よくある6号艇の回り込み、と見えるかもしれないが、そうではない。スペクタクルに満ちた16/2/345である。生み出したのは、もちろん倉谷である。

★主役=田中信一郎★
2008_1223_r10_0677  壁がない。
 80m起こしとなった倉谷が、さすがに行き足がつかなかったか、田中より1艇身ほど、スリットで遅れをとる。展示5コースから本番3コースとなった笠原も、時計の見え方が違ったか、倉谷よりさらに遅れる。一方、カド発進の中島は、田中とほぼ並んだスリット通過。
 いわゆる中ヘコミの隊形は、インにとってはSを出し抜かれた以上に非常事態となる。
 中島がヘコんだ笠原、倉谷の頭を叩くべく絞っていく。内の選手がSで後手を踏んだときの常套。これが、インの心臓を射抜かんとする強烈な矢になるのだ。もし、中島のアシに分があれば、一気に田中をも飲み込む絞りマクリになり得る。そうでなくても、田中がマクリを意識して張りながら回れば、すかさずふところを突き刺す展開が待っている。もしかしたら、中島は1マークの向こうに、自分のもとに飛び込んでくる栄冠をハッキリと視認していたかもしれない。
「中島くんがミスしてくれた」
2008_1223_r10_0684  田中はレース後、そう語っている。だが、果たしてそうだろうか。
 なぜ中ヘコミになったのか。それは、田中が戦慄のスタートを決めたからである。コンマ01。しかも全速で。80m手前からの起こしでありながら、全速でコンマ01。神がかりと言ってもいいが、むしろ田中の覚悟の賜物だっただろう。
 そこからの行きアシもまた鋭かった。超抜だったはずの中島が、内2艇は叩けても、とても田中に追いつけるまでスピードが乗っていない。いや、そう見えただけだ。なぜなら、田中も同じだけのスピードで1M手前に差し掛かったからである。
 それでも、先に書いたとおり、展開としては中島に分がある。田中の先マイを外から観察しながら、自身の進路を決められるからだ。典型的なマクリ差しのパターンは、そのときたしかに1M上に描かれていた。しかし、田中のターンは完璧だった。ターンマークすれすれに、誰よりも鋭角の弧を残して、全速でバック水面に飛び出していったのだ。
 回りシロがないなかでの、このターンは凄い。田中の航跡は、本来は中島こそがえぐり取らなければならない角度をもっていた。インにこの旋回をされたら、中島が限界を超えるほどの鋭いハンドルを入れたとしても、田中を捉えることなどできない。そこに差し切れる道筋がないことを察知したのか、中島の旋回半径は田中のそれより大きく、しかもターンマークを外した。マクリ差しだったはずの中島の艇は、外へ外へと流れていき、結局、田中の内に潜り込むこともできず、旋回の出口ではまるでツケマイが届かなかったかのような位置関係となっていた。田中のターンがパーフェクトだったからこそ、生じた光景である。
 コンマ01のトップSから、壁がない状態にもかかわらず、完全無欠の先マイで後続を完封する。
 誰が失敗したとか、運が向いたとか、そんな言葉とは無縁の、問答無用の「自力逃げ」である。

2008_1223_r10_0754  競艇の醍醐味とは何か。
 さまざまな答えがあるなかで、僕は「この日のようなイン逃げ」というものも、あげておきたいと思う。
 進入で強烈な駆け引きと意地のぶつかり合いがあった。そのうえで、1号艇がインを離さなかった。スリットではインに不利な隊形となった。そうしたもろもろを凌いで、完璧に逃げ切った。
 これ以上「強い逃げ切り」には、そうそうお目にかかれるものではない。
 競艇はインが強い競技である。だが、その原則だけが延々と繰り返される競艇には興奮がない。それは多くの人が指摘しているとおりだ。
 一方、この優勝戦は「インが強かった競艇」だ。
 言葉の順序を入れ替えただけではないことは、おそらく説明を俟たないと思う。
 レースを終えて、ピットに戻って来た田中は、真っ先に倉谷のもとに向かった。そして、二人はガッチリと握手した。
 競艇の醍醐味が凝縮された握手だった。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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優勝戦の朝――THEピット、賞金王シリーズ6日目①

_u4w5765  極私的な話になるが、BOATBoyの編集作業のあと、ろくに睡眠もとれずに、今朝、住之江に来られてよかったと思う。るるるん。
 今回は、賞金王決定戦ではなくシリーズ戦を担当させてもらうが、このシリーズ優勝戦メンバーがまたいい!のである(写真は池田浩二)。

 今朝のピットに入って、最初にすれ違った選手が中島孝平なのだから、これはひと言でいって運命なのか!?
 中島とは同郷……、そして夏にはBOATBoyの「旬人」でインタビューをしている関係だ。中島には僕への思い入れはなかったとしても、僕には中島への思い入れがある。
「おはようございます」
 やや俯き加減で歩いてきた中島に声をかけると、顔をあげた中島は、笑顔になって「おはようございます」。とくべつ愛想がいいわけでもないが愛想が悪いことなどはまったくない、福井人らしい朴訥な反応がまた嬉しい。

_mg_0091_2  その中島は、1レース前にペラ小屋に入っていったが、まずは先にペラ小屋で作業をしていた笠原亮の横で中腰になり、互いのペラを見せ合うなどして、しばらくのあいだ、ペラ談義をしていたようだった。
 その光景がまたいい!
 中島と笠原といえば、競艇王チャレンジカップで、自分がダメなら……とばかりに、決定戦12ピットに向けてのエールを送り合っていた同期である。結果的には、2人とも12ピット入りは逃したわけだけれども、こうしてこの場……、シリーズ優勝戦で邂逅するというのもまた運命なのか。
 12ピット入りを逃したのは残念だったといっても、ここに辿りついたということは、12ピット入りを逃した選手としては、最大の仕事を果たしたことになる。今回は、別々のレースで「結果」が求められたチャレンジカップとは違って、同じレースで戦うことになる。この時間帯のこの場では、そうして和やかに情報交換をしていても、いざレースとなれば、“自分よりもむこうが……”といった気持ちが生まれるわけもない。この2人が2号艇・3号艇に入っただけでも名勝負の予感がさせられるのだ。

_u4w7302  そして、さらに極私的な話をすれば、もうひとつ嬉しいのは山口剛がこの優勝戦に乗っていることだ。
 山口に関しては、まだそれほど名前も売れていなかった2006年の夏に、「旬人」の前身企画ともいえる「Dash!ルーキー列伝」で取材をしており、それ以来、SGやGⅠで会うたび声をかけさせもらうようになっている。
 今日にしても、「おはようございます」と声をかけていくと、“あっ”という顔になって、ニッコリ笑って「おはようございます」と返してくれた。とびきり気持ちのいいその笑顔が嬉しくて、つい「今日、山口選手の優勝を見るため、住之江に来ました」と言ってしまったほどである。……中島、ごめん。
「がんばります」と笑う山口に「緊張はしてないですか?」と訊いてみると、建て前などではない本音の回答として「それが全然! 緊張してないんですよ!!」と、ニッコリ。「準優の勝負駆けになったときのほうが緊張してました」とのことなのだ。新鋭王座の優勝戦とくらべても緊張してませんか――と確認すると、やはり答えはまた「全然!」。
「今日は1号艇でもないですからね。リラックスして行きます」と、本当に普段通りの顔で話を続けてくれた。

_u4w7326  う~ん、中島か山口か?
 と、まったくもって悩ましい心境なのである。
 もちろん、笠原も応援したいし、他の3選手も当然、軽視はできない。
 中島と笠原がペラ小屋で話をしていたときに、近くでペラを叩いていたのが池田浩二と倉谷和信だ。
 この2人は、ペラ小屋で作業をしているところやエンジン吊りに出てきているところくらいしか見かけなかったが、朝の公開インタビューでも、進入で動くことを匂わしており、笠原、中島、山口、そして多くの舟券ファンにとっても気になる存在なのである。

_u4w7526  そして……。1号艇・田中信一郎は、軽視はできない……どころの存在ではなく、一般的な視点でいえば、まあ、いわゆる絶対的な本命なわけである。
 早い時間帯には、菊地孝平とともにゆっくりピットを歩いているところや待機ピットで作業をしている石田政吾に何かを話しかけたりしているところを見かけたくらいだったが、とにかくどっしりと構えているというか、リラックスして過ごせているようだった。チャレンジカップのときもそうだったが、こうした田中は怖いのである。
 1レース後、4号艇で3着になった鎌田義に対しては「カマちゃん、作戦は成功やったのにな」と笑いながら声をかけていたが、この元気の良さは、やはり気持ちいい!
 田中もまた、ギリギリのところで決定戦行きを逃しているわけなのだから、ここはきっちりと勝っておきたいとの気持ちは強いに違いない。
 そんな田中を外した舟券は買いにくいぞ!
 どうする、オレ?……なのである。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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穴・極選 緊急追加!!

 この5R、よく見ると石田VS岡本の最多勝争いの直接対決。ここで岡本が勝てばほぼそのタイトルが決まり、逆に石田が逃げ切れば一縷の望みを残せる。というわけで、この両者が激しくなったところに、ズッポリと吉永則雄君が差しきるのでは……? 3連単の5-14-全など如何でしょう?


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H記者の『穴・極選』最終日

 いよいよ、優勝戦・決定戦の12戦士ともども最後の決戦のときを迎えたHです。憲吾どの(wellcome住之江!!)、うりちゃん(連日遅くまでのお仕事、お疲れさま!)、hiyoちゃん(コメントどもです!)などなど全国12名の極選ファンの皆様。1年間のお付き合い、ありがとうございました。最期の最後に、特大のクリスマスプレゼントを差し上げますぞ~!!! 我が最強の敵(とも)しげ爺さん、10&12Rでファイナルバトル!!!!
 まずは7Rでガツンと300倍ほどを召し取りましょう。もちろん狙うのは……

 7R
 ①今村 豊
★②山本隆幸
 ③白水勝也
 ④辻 栄蔵
◎⑤松本勝也
 ⑥平石和男

進入123/456

 追いかけて追いかけて負け続けて負け続けてきた松本君。今朝の気配も抜群に見えるんですよ。アウト水域でも勝てるはずなんです!「記念の今村1号艇は取りこぼしが多い」という私の勝手な格言もあり、ここは自力か、辻の攻めに乗ってバック突き抜けてくれるはず。パワー凄い山本とのウラオモ勝負!! 予想目にもカツを入れておきます。
3連単★5=2-全

 シリーズ優勝戦&黄金ヘル決定戦は8R頃にアップします。7Rでたんまり資金を稼いで、いざ勝負!


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本日の“本紙予想”賞金王シリーズ最終日

 ども。Kです。取材班一同、優勝戦出場選手インタビューを某T王と一緒に見ていたら、これがめちゃくちゃ面白くて、そうしているうちに、あぁ、スタート展示が始まっちゃった~。ということで、取り急ぎシリーズ戦の予想をアップします。最終日ももちろんイン中心。きっちり増やして、聖戦にドッカーーンといきましょう!

1R 吉田の水神祭に期待する。福田の逃げ残しを本線に。
◎吉田拡 ○福田 ▲平田
3連単3-15-全

2R 懸命の整備で上向きつつある深川の逃げを狙う。渡邉を相手に。
◎深川 ○渡邉 ▲木村 △山本
3連単1-345-全

3R 森高の意地を信じる。守田もアシは依然上々。
◎森高 ○守田 ▲勝野 △飯山
3連単1-546-全

4R 作間が準優シンガリのウップン晴らす。江口をヒモ本線に。
◎作間 ○江口 ▲横澤 △吉田俊
3連単1-345-全

5R 優勝戦でも通用するアシの石田が楽逃げ。菊地の全速戦が迫る。
◎石田 ○菊地 ▲岡本 △吉永
3連単1-645-全 

6R 服部が08SGラスト走を華麗に締める。原田の意地にも注意。
◎服部 ○原田 ▲重成 
3連単1-53-全

7R 住之江選抜
今村がインから一気に逃げる。白水のヒモ妙味。 
◎今村 ○白水 ▲辻 △松本
3連単1-346-全

8R 特別選抜B戦
菊地のインは信頼度高い。吉田の思い切った攻めが怖い。
◎菊地 ○吉田拡 ▲守田 △岡本 
3連単1-432-全

9R 特別選抜A戦
大場のアシよく逃げ切り濃厚。石田のカド戦が相手本線。
◎大場 ○石田 ▲横澤 △森高
3連単1-436-全

10R 優勝戦
田中が負けられない1号艇。S踏み込んで逃げ切る。相手本線には山口を指名。84期コンビも押さえるが、むしろアタマ狙いに妙味か。
◎田中 ○山口 ▲笠原 △中島 
3連単1-432-全 23-123-1234

 賞金王決定戦は後ほどアップします。


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準優後の胸の内――THEピット、賞金王シリーズ5日目②

2008_1222_0005  6号艇が不利であることは、競艇ファンなら誰もが知っている。
 もちろん、選手自身も知っている。
「ラッキー、ですね」
 それまで意識してなのか無意識になのか、笑みをそれほど見せていなかった倉谷和信が、1周2Mでの逆転について聞かれて、ようやく相好を崩した。レース直後には、同期の濱村芳宏に大声の祝福を受けながらも、軽く笑っただけ(のように見えた)の倉谷だったが、時間が経つにつれて、喜びの感情が強くなったのだろう。
 たしかに、2Mは展開が向いたかたち、「ラッキー」は本音のはず。その思いを強く抱いた者が、レース後に感情を爆発させることはまずない。それが競艇選手である。アンラッキーにまみれて敗退した者への気遣いもあるだろうし、勝利には価値において違いがあるということを彼らはよく知っている。だが、同時に「ラッキー」は呼び込むものでもある。その場所にいたからこそ、転がり込んだ幸運。その場所にいたこと自体が、実力である。
 そうした様々な思いが交錯する中で、優出という事実が心を覆ってくれば、自然と笑みはこぼれる。前半の記事で書いたように、レース前は表情の厳しさが目を奪っていた倉谷。歓喜の笑顔は、厳しさの分だけ、より優しげなものとなる。

2008_1222_0151  口元を歪めていた。
 10R、6コースから渾身のコンマ02。内を飲み込む絞りマクリを敢行した森高一真だった。何としても優出、の思いは1M手前で田中信一郎の伸び返しに阻まれ、艇を合わされる形で外に流れる。そのレース後、森高は悔しさをまったく隠そうとせずに、口元を歪めていたのである。
 ラッキーと笑いながら優出を手にした倉谷。自力で高い壁を乗り越えていかんとして跳ね返された森高。明暗、といえばその通りだし、しかし簡単にそう言い切ろうとすると、言葉が宙に浮くような気がする。
 森高の左脇には、12Rにトライアル最終戦を控えた丸岡正典が、菩薩のような笑顔を浮かべて寄り添っていた。昨日の12R後には、まったく逆の構図だった二人は、無言の会話が交わせるのだと思った。

2008_1222_0058  準優勝戦、勝ったのはすべて1号艇である。そしてこの1号艇は、11月30日の時点で賞金ランク13、14、15位の者たちである。賞金王シリーズとしては、ある意味で理想的な流れが生まれていた。そう言ったら言い過ぎだろうか。
 それぞれに展開は違ったが、結果として完勝を収めた3人。レース後の表情に、厳密にいえばそれぞれの違いはあるものの、充実感が浮かぶのもは、当然のことである。三人はそれぞれに機力への手応えを語っている。優勝戦はパワー上位、賞金上位のガチンコ三つ巴となることだろう。
2008_1217_0195  2着で優出した者たちは、そのシチュエーションによって、表情にはいくらでも差が出る。6号艇を克服して優出を決めた倉谷は先述のとおり。池田浩二は、レース前よりももっと凛々しい表情で、ピットに引き上げてきていた。しばらくは端正な顔つきが保たれていたが、控室手前に差し掛かると、ほろりと表情がほどける。5着に敗れ、先に控室にまで戻っていた菊地孝平が、モニターを指さしながら、リプレイが始まることをおどけた声で告げたのだ。池田はそれに応えて、おどけ返すように走りだす。まるで、やんちゃ坊主が友達のもとに駆け寄ってはしゃいでいるようで、たったいま剣を交え、勝者と敗者に分かたれた2人とはとても思えなかった。
2008_1218_0771  もっとハッキリとした喜びの笑顔を見せていたのは、これがSG初優出となる山口剛だ。SGのピットで顔を合わせるのが当たり前になっている山口だから、準優も初だったというのはあまりに意外だったが、トントンと優出も果たしたのだから、タダモノではない。12R前、こちらが怪しい笑顔で近づいていくと、何を言われるのか察知したかのように、「ありがとうございます!」と童顔をほころばせる。初優出、初優勝。そう言うと、さらに目尻が下がって、アハハハ、と笑った。

_u4w3774  山口と言葉を交わした直後のことだった。すでに出場メンバーがピットインし、間もなく始まるトライアル戦。水面際で対岸の大型ビジョンをじっと見つめていると、後ろから通り過ぎながら「お疲れ様です」と声がかかった。吉田拡郎だった。はっとして背中に挨拶を返すと、拡郎は左横顔だけで振り返って、ぺこりと頭を下げた。初めてのSG、初めての準優、物怖じせずに握って攻めたレース。拡郎の胸にどんな思いが去来していたのか、横顔だけでは判然とはしづらい。だが、かすかだが達成感が見えたのは気のせいだっただろうか。悲しい達成感、というものだってあるはずだが、しかし決して落ちてはいない若者の肩に、力強いものは感じられたのだ。(PHOTO/中尾茂幸 吉田のみ池上一摩 TEXT/黒須田)


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H記者の「10Rは森高が……!?」予想

 5Rまで終わってインが5連勝。極選の出番のない前半でした。が、今日のシリーズ準優とトライアルでは随所に穴が出ます。これは予想でも予言でも希望的観測でもない、もはや事実であります。さて、まずは準優。ここで飛ぶのは1号艇の……? はい、一番堅そうに見える10Rを穴・極選に指名しちゃいます!

 8R
◎①中島孝平(福井)S
 ②石田政吾(石川)A
◎③吉田拡郎(岡山)A'
★④守田俊介(京都)A'
 ⑤福田雅一(香川)B
 ⑥倉谷和信(大阪)A’

 進入126/345?

 倉谷が進入でどこまで攻めるかが鍵。地元だけにガチンコでインを奪いに行き、これに三国コンビが抵抗して内水域の起こしがかなり深くなるかも。こうなると「4カドからカクローがぶん回して俊キチが連動する」という絵が見えます。とにかく、俊キチの2着が妙味っすね。節イチ評価の中島&カクローのWヘッド作戦で。
3連単★13-4-全

 9R
◎①笠原 亮(静岡)S
★②菊地孝平(静岡)A'
 ③市川哲也(広島)A
△④池田浩二(愛知)A'
△⑤作間 章(千葉)A'
 ⑥横澤剛治(静岡)B

進入123/456

 常にピット離れに不安がある笠原。遅れてぐるり遠回りするようなら相当な深インになりますな(スタ展注目)。その場合は2-14が面白いのですが、楽にインを取りきれば足は磐石、菊地・市川の韋駄天を壁にして簡単に逃げ切ってしまうでしょう。1-2決め撃ちで、道中捌ける足がある池田、作間へ3連単2点勝負。
3連単★1-2-45

 10R 穴・極選
 ①田中信一郎(大阪)S
◎②山口 剛(広島) A
 ③岡本慎治(山口) A'
 ④大場 敏(静岡) A
★⑤平尾崇典(岡山) A
★⑥森高一真(香川) B

進入16/2/345

 銀河系W優勝と総理杯切符を狙う森高がインをも奪う勢いで前付けします。きっと。5・60での18番目滑り込みですから、怖いものはないはず。田中・森高が深くなったところを3カド同然の山口が若者らしい全速強まくり。この男なら、平然とやっちゃいそうな気がします。差し粘る森高と不気味な足ある平尾に流して超ウルトラ大穴狙い!!

3連単★2-56-全

 さらにとんでもないことが…!? のトライアルは、9R頃に!!


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寒い朝の情景――THEピット、賞金王シリーズ5日目①

2008_1218_0781  倉谷和信の目つきが、グッと厳しくなっている。ここ一番のときに見せる闘魂が、準優勝戦の朝を迎えて噴水のように沸き上がる。係留所にボートをつけて、操縦席からモーターを凝視する。繊細な調整は、視線をさらに鋭くさせる。まるで、その眼力でパワーを引き上げようとしているかのように。
 ボートを降りて陸に上がり、水面に目を向ける。試運転群を眺めているのか、空中線や吹き流しを見て風を確認しているのか、あるいは何を……それはわからない。だが、視線は相変わらず鋭さを保ったままだ。
2008_1217_0584  整備室を覗いた時にはギアケースの整備をしていた岡本慎治が、装着場内のモニターを覗き込みに来た。報道陣と一緒になってレースを観戦し、モニターが3周1マークを映し出す頃にボートリフトのほうへ粛々と歩く。SGも、準優も、岡本にとっては何度も経験した舞台。淡々とした表情は特別な気合などを少しも感じさせず、ゆったりとした歩様は揺るぎのない心を表わしているようにしか思えない。年輪。熟練。匠。そんな言葉が、岡本の背中から浮き上がって見える。
2008_1219_1017  そんなベテラン二人が、相次いで決定戦組の今垣光太郎にアドバイスを送っていたのもまた興味深かった。今垣は、まったくピンと来ないのだが、決定戦組はもっとも登番が古い。いちばん先輩なのである。だが、シリーズには大先輩がまだまだ健在。地区こそ同じだが別支部の先輩、地区も支部も違う先輩が、声をかけずにはおれないのが今垣光太郎。そういえば、今節は今垣&倉谷という組み合わせを何度も目にしている。倉谷の厳しい表情の奥にある優しさ、岡本の淡々とした表情と表裏一体の優しさ。そんなものを感じさせる準優の冷たい朝、であった。

2008_1218_0060 準優の日なのだから、ベスト18が朝から優出のための調整に忙しいのは当然なのだが、それにしても今朝は慌ただしい空気がピットを支配しているように感じた。
 試運転を終えた辻栄蔵、飯山泰が続けざまに係留所に戻って来て、ボートから降りるのもまだるっこしそうに会話を始める。やや遅れて吉田拡郎が飯山の隣の係留所に入って、ボートからピョンと飛び降りながら、「めっちゃやられてましたねえ~」と会話に加わる。辻-飯山、辻-吉田、飯山-吉田と三様の足合わせをして、その気配を確かめ合う3人。両手を艇に見立てて空中を走らせる、定番の身ぶりも何度か飛び出す。3~4分の会話だから、やや長話。辻の「ダハハハハハハハ!」という豪快な笑いとともに、3人はそれぞれに散った。
 こうした光景はもちろんいつも通りとも言えるのだが、今日はやけに目につくのは、気温がグッと下がってコンディションが変貌したからであろう。気候の急変が選手を多忙にさせる。競艇にはそんな要素がある。
2008_1219_0668  そうした日に、選手班長としての仕事に駆けずり回る田中信一郎は、さらに多忙だ。目にも鮮やかなショッキング・オレンジのジャージをまとっていた田中はよく目立つ。遠くからでも発見できる。ペラ室でオレンジ色を確認し、1分ほど目を離すと、すでに整備室の中にオレンジ色がちらりと見えたりする。かと思うと、50mほど先、調整用係留所のあたりで姿を見かけ、ふと気づくと1mくらいに接近遭遇していて慌てて挨拶することになったりする。地元準優勝戦1号艇、地元SG選手班長。責任重大な役回りを掛け持ちしなけれなならない今日が終わって、信一郎は充実感を覚えて微笑むことができるだろうか。

2008_1218_0225  この冷たい空気をザクッとえぐるように、ミスター競艇が全力疾走! 選手控室のほうから出てくる姿を見かけたと思ったら、そのまま行きアシ充分にスピードをあげ、装着場の真ん中あたりに差しかかるとチルト3度の伸びでぐいっとストレートのスピードをあげ、ボートリフト近くに置いてあった自艇に展示タイム6秒30くらいの速さで辿り着いた。今村豊の若さには、いつもいつも感服! ちなみに、その30分ほど前、「テツ!」と市川哲也に声をかけてからかっているのを見ている。このへんも若いっす。でも、市川にとってはミスター競艇が気軽に声をかけてくれることが、準優へのアドバイスにも等しいはずだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極選』5日目

 朝イチのトイレ内で完成するため「ウ×コ予想」(ウサコ予想じゃありませんよ、ちなみにw)と呼んでいるK記者の本紙予想が、な、なんと万太郎的中!!!??? 我が最大の敵(とも)しげ爺さんからも「あとはH記者の奮起を待つ」とハッパをかけられているHです。泣いても笑っても残り2日。必ずっっっっっっ!! 仕留めてみせます。憲吾どの、うりちゃん、hiyoちゃん、原田鉄工所さん、などなど全国推定18人の極選ファン(←2人くらい減ったでしょうね)の皆様、2日間のお付き合い、よろひくっす!!
 今日の一般レース・極選は、もちろん2R!

 2R
 ①白水勝也
★②松本勝也
 ③吉永則雄
 ④中尾 誠
 ⑤濱村芳宏
★⑥山本隆幸

進入123/456

 足は悪くないのにリズム一息のW勝也が内水域に……F持ちのシロ勝はやはり慎重なレースになりそうなので、初日から追いかけているマツ勝でなんとかなるはず。もちろん相手はK記者が節イチの評価を下したほどのハイパワー山本。なぜここ(2R)にいるのか不思議ですね。パワーが違いすぎて、アタマ突き抜けも十分!
3連単★2=6-全

 シリーズ準優予想は6R頃、そして枠番からして楽しみで楽しみでしょ~がないトライアル予想(特に12Rは大変なことが……!?)は9R頃にアップします!


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本日の“本紙予想”賞金王シリーズ5日目

 ども。Kです。やってしまいました。「穴・極選」がちっとも当たらないばかりか、やっと当たったと思ったらちっとも穴じゃなかった、などと迷走している間に、“本紙予想”が昨11Rでマンシュウをぶち当ててしまいました。8Rでも6000円台を的中してますし、さすがに憲吾さん(機嫌がいいので付けてみた)も住之江の方向に向かって土下座でもしているのではないかと思います。うりちゃん様、「すごい」の言葉、胸に染みました。坪吉様、大変おいしいご馳走でしたね。競艇LOVE様、345BOXが見事的中じゃございませんか! いや~、嬉しい! 的中が嬉しい! 皆様の幸せが嬉しい! 隣で地団駄ふんでるH記者に、住之江の中心でザマミロと叫びたい気持ちであります。
 本日も頑張りまっせ~。もちろんイン中心の予想でございます。常にイン中心の“本紙予想”ですが、今日はいつにもましてイン逃げ連発の予感がします。というわけで、まずは賞金王シリーズから。

1R 苦しいアシ色の勝野がインなら、藤丸の差しが届きそう
◎藤丸 ○勝野 ▲三嶌 △渡邉
3連単2-146-全

2R 白水に逃げ切れるアシはある。山本が伸びて続く。
◎白水 ○山本 ▲松本 △吉永
3連単1-623-全

3R 平石が逃げ切って連勝。ゴンロク続く木村に妙味。
◎平石 ○木村 ▲平田 △鎌田
3連単1-345-全

4R 渡邉が逃げ切れるはず。川﨑の差しを本線に。
◎渡邉 ○川﨑 ▲吉田 △山崎
3連単1-235-全

5R 山本が鬱憤晴らしの逃走。飯山、原田に注意。BOXも。
◎山本 ○飯山 ▲原田
3連単1-26-全 1・2・6BOX

6R ターン足上々の辻が逃げる。アウトでも今村本線。
◎辻 ○今村 ▲濱村 
3連単1-62-全

7R インなら山崎信頼で大丈夫のはず。平田の攻めが怖い。 
◎山崎 ○平田 ▲吉永 △服部
3連単1-346-全

8R 準優勝戦
倉谷の前付けありそうだが、深くても中島はもたせる。石田も上々のアシ色。
◎中島 ○石田 ▲吉田 
3連単1-23-全

9R 準優勝戦
P離れ不安も、笠原のアシが仕上がっている。本線は菊地だが、池田に要注。
◎笠原 ○菊地 ▲池田
3連単1-24-全

10R 準優勝戦
田中が地元意地で優勝戦1号艇へ。妙味は平尾か。
◎田中 ○平尾 ▲大場 △岡本 
3連単1-543-全

 トライアルは後ほどアップします。


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賞金王シリーズダイジェスト4日目

2008_1220_0360 ●総理杯勝負駆け
もうひとりの銀河、森高快走!

 昨日の段階では「予選突破は絶望か」と思われていた森高一真が、節間勝率5・60で18番目の準優チケットをもぎ取った。奇跡にも近い大逆転劇を演じたのは第3R。枠なりの3コースからコンマ12でスリットを通過した森高は、内2艇が凹んでいるのを見て一気の絞りマクリ。そのまま1マークを制して独走態勢を築いた。あとは一縷の望みを託して10Rまで待ち続けたわけだが、同期にしてV候補だった山本隆幸がよもやの脱落を喰らうなどして滑り込んだ。
 そして、この勝利は単なるシリーズ予選突破に留まらない。風前の灯だった総理大臣杯に、首の皮一枚のチャンスを残したのだ。明日はもちろん6号艇、薄氷を踏むような“勝負駆け”はまだまだ続くが、この勢いとツキを生かして第2の奇跡を起こしてほしい。銀河系戦士なら、それも夢ではないと思うのだが。

●シリーズ勝負駆け
若侍、大暴れ!

2008_1218_0759  昨日まで握りっぷりのよさでスタンドを沸かせていた若武者ふたりが、大暴れしてシリーズの予選を突破した。まずは1R、山口剛が5コースからしっかり先輩たちを捌いて2着入線。山口は7Rのイン戦でも一度は菊地孝平の差し抜けを喰らいながら、1周2マークに渾身の強ツケマイで逆転勝利をもぎ取った。艇界屈指のターンスピードを誇る菊地を握り潰したのだから、空恐ろしい。この2・1着の固め撃ちで節間ポイントを一気に伸ばし、明日の準優は2号艇……F2で新鋭王に輝いた若き天才が、不動の本命・田中信一郎に立ち向かう。今日のレースができれば、あるいは……!?
2008_1217_0164 もうひとり、SG初参戦の吉田拡郎も忘れちゃいけない。カクローは2Rの1回走り。6号艇の苦しいポジションでの3着条件(推定)だ。そして、コンマ10のスタートを決めたカクローに迷いはなかった。全速でぶん回し、大きな弧を描いての豪快なマクリ差し。逃げる重成には惜しくも届かなかったが、このキップのいい一撃はSG初出場初準優を決めるには十分すぎた。明日は8Rの3号艇。もちろん1マークは全速でぶん回す。
 この若侍ふたりに共通しているのは、とにかく「迷ったら全速!」に徹していること。これは差しが主体のベテランにとってはある種の「奇襲」であり、防御不能な必殺技でもある。明日も若さの特権を生かし、先輩に一泡吹かせるレースを見せてくれ。

●今日のMVP

森高一真

 18位、滑り込み。たとえ髪の毛一本程度であっても、希望があれば諦めることなくその夢に突き進む。そんなマクリに感動すると同時に、明日もまた数%ほどの夢に向かって奇跡の走りを見せてくれ!!(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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どんな思いで――THEピット、賞金王シリーズ4日目②

2008_1219_0828  9R前、整備室前に突っ立っていたら、誰に反応したのかわからないが、自動ドアがすーっと開いた。振り向くと、整備室の奥に本体整備をする鎌田義の姿が。まるで、ご本尊御開帳というか、カマギー・オンステージというか、そんなふうに神々しく、またキラキラと見えた。整備中という地味な姿なんですけどね。でも、自動ドアが開いて、そこに鎌田が、というシチュエーションが、どこか特別に見えたのは確かである。
 それにしても、である。選手たちのこうしたモチベーションとは何なのか、と常々思う。こうしたモチベーションとは、「予選落ち確定の選手が、パワーアップに励む」ということ。もちろん、予選落ちということは、そもそもパワー不足だったというケースが多い。だから、機力向上をはかるのは当然の行為。残り2日を満足のいく終盤戦にするためには、整備も試運転もするだろう。だが、同時に残り2日を無事故完走でやり過ごそう、とモチベーションが下がってもおかしくないように思うのだ。いやいや、彼らはプロだから、着順ごとに賞金が違う。少しでも稼ぐためには……という思いもあるけれども、だったらなぜ鎌田は、予選落ちが確定した瞬間に本体整備を始めたのだろう、という疑問が沸いてくるわけなのだ。なぜ予選中にやらなかった? なぜ今、やらなかったことをやろうと思った? 勝負駆けに臨むために本体整備をするのではなく、勝負駆けとは無関係の場面が到来した瞬間に本体整備に取り組む。選手それぞれ、またたくさんの理由はあるだろう。ともかく、こうした選手の姿に、僕はいつも感嘆させられる。何度見ても、誰を見ても、すげーと思う。神々しく見えたというのは、そういう場面だったからなのだろうな。カマギーのミラクル急上昇を願う。

2008_1220_0503  遅い時間帯に試運転をしている選手が、昨日までに比べて多かったのも印象的だった。これも、カマギーと同じ意味で、心に残ったことだ。
 吉永則雄。木村光宏。吉田俊彦。飯山泰。
2008_1220_0002  こちらも予選突破がかなわなかった者たちだ。
 やっぱりカマギーと同様、感嘆するしかない。
2008_1219_1084  ちなみに、というお話だが、彼らはただ試運転と調整をしていればそれでいいわけではない。試運転をしているということは、水面から戻ってきた後は係留所にとどまっている場合も多い。すると、他に試運転をしている選手が「今日はおしまい」と艇を陸に上げたとき、エンジン吊りに駆けつける役目もあることになるのだ。レースとレースの合間、遅い時間帯となると特に、近くにいるのは試運転中の選手だけだから。つまり、仕事が増えるのである。
2008_1220_0126  吉田俊彦が、ボートリフトから上がる艇を見つけると、金髪をなびかせてダッシュで駆けつける。何度も何度も。これもまた、感嘆させられる行動であった。遅くまでごくろうさま!

 予選18位は、森高一真であった。得点率5・60で18位。チャレンジカップでは6・00で20位。あの日「ノルマは達成したのに……」「ノルマは18位やろ」という会話を交わしたことは、チャレンジカップの記事で記した。ならば今回はノルマ達成なのか。相手待ちの状況でボーダーが大幅に下がっての滑り込みと、6・00での予選落ちと、どちらが価値があるのか。いろいろ考えてしまった。
2008_1219_1052  11R直前、森高が歩いてくるのが見えたので声をかけようとして、思い切りためらってしまった。一緒にいたのが同期2人、山本隆幸と田村隆信。特に、山本はアシを考えればまさかの予選落ちなのだから、森高に祝福を込めた言葉を投げかけるわけにはいかない。
 声をかけたのは、11R後のことだった。
 もしかしたら、これもやはりタイミングが悪かったかもしれない。森高は、11Rで一時は2着もあるかという展開ながら5着に敗れてしまった丸岡正典に、ボートリフトからずっと寄り添っていた。丸岡はヘルメットをかぶったままだったので顔色はうかがえなかったが、森高の顔は浮かない表情で、軽く眉間にしわを寄せてもいた。
2008_1220_0364  丸岡と別れ、一人になったところで、声をかけた。
「18位」「おぉ」「頑張って」「おぉ」
 それだけのやり取りを残して、控室へと森高は消えていった。その声色は、明らかに沈鬱さが混じっていて、森高の心中には仲間へのさまざまな思いがうごめいているようだった。
 明日は、1~7Rがシリーズの一般戦、8~10Rがシリーズ準優勝戦、11~12Rがトライアル最終戦。12人、18人、29人が別々の思いを抱えて戦いに臨む。一般戦組も準優組も頑張れ! 複雑な思いは水面で解消するのだ!(PHOTO/ TEXT/黒須田)


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深い関係――THEピット、賞金王シリーズ4日目①

 整備室の前にピット見学用のボートが置かれていて、「クロちゃん、乗ってみぃ~」と長嶺豊さんや整備士さんに勧められたので、乗艇させていただきました。かぶってみたらでっぷりと出っ張った腹がつかえて、「く、苦しい~」。長嶺さんに大笑いされつつ、ハンドルの操り方、レバーの握り方、そのときの動きなど、ご指導いただきましたが……競艇選手って、やっぱすげー。あの体勢から素早くモンキーしたり、競り合ったり、しかも水の上でものすごいスピードで走りながらやってのけるのだから、選手の技量、それを身につけた努力というものは並大抵ではないと痛切に感じた次第であります。
2008_1218_0378  しかも、ただボートを操縦するだけではない。彼らはそのうえで、勝利というものを目指す。今日であれば、予選突破を目指して限界を超えんとする。2R、6コースから2着を取り切って勝負駆けを成功させた吉田拡郎。道中、渡邉英児に追撃を受け、モニターを見ながら「そこは握れ!」などと心中で声援を送っていたのですが、カクローがやっていることは外野が気楽に言っている以上のことだったりするわけですな。ホッとした表情で引き上げてきたカクローを、心から祝福したくなりました。おめでとう! 初出場初優勝を目指せ!

2008_1218_0849  さて、賞金王シリーズは勝負駆けの一日であり、決定戦組が発散する圧倒的に印象的な空気の中で、予選突破の作業が懸命に行なわれている。SG4節目にして初めての準優進出が見えている吉村正明は、ペラ室や係留所を行ったり来たりしながら、パワーアップの道を模索していた。その吉村に、とことこと歩み寄ったのは、三嶌誠司。
「良くなったか?」「○○が△▽なったんですけど、■■が◆◆で……」
 ……ごめん、吉村の言葉の肝心なところはまるで聞き取れなかった。ただ、ハッキリとわかることは、三嶌が吉村にアドバイスをしていて、その成果について二人は話している、ということだ。三嶌と吉村、接点はひとつも想像できない。それでも、三嶌は吉村に親身になり、吉村も素直に聞き入れた。意外な組み合わせだからこそ、そこにある関係の深さを思う。
_u4w3615  三嶌が去ったあと、吉村はボートに乗り込んでモーターを始動、レバーを握ったり放ったりしながら、回転計をチェックしていた。回転計、モーターを交互に見やりながら、時折ニードルのあたりをいじったりして、回転数を合わせている。他のいっさいが視界には入っていないかのように、目つきはぐっと鋭くなり、回転計とモーター以外に視線が向かない。……視界にははいっていないかのように、ではなかった。本当に他のものはいっさい見えていなかったようなのである。途中、白井英治がつかつかと近寄って、ボートの後部でしゃがみ込んだ。吉村は気がつかない。距離にしたら数10cmしか離れていないのに、白井を無視しているかのごとく、そのまま作業を続けたのだ。
 20秒くらい経っただろうか。吉村は声には出さなかったけれども、「うわっ」と目を見開いて、白井を見た。にこにこと吉村を見つめていた白井の目つきがさらに優しげになる。やっと気づいたか、という風情で。白井が「どう?」と問いかけ、吉村が答える。白井はふんふんとうなずきながら、何か一声かけて、さらに笑みを深めるのだった。

2008_1217_0585 今節、いろいろな選手に話しかけているのをよく見かけるのが、ベテラン岡本慎治である。帰郷してしまった寺田祥と話し込む姿はチャレンジカップでも見られたが、今節は一昨日から白井英治とともにいる光景を何度も見かける。昨日はピットで白井のレースをナマ観戦し、1マークの攻防を身を乗り出すようにして見つめていた岡本。実は、岡本は普段のSGでは、ピットで姿を見かける機会がもっとも少ない一人なのである。レースやモーター格納以外はエンジン吊りの際だけ、なんてこともあったと記憶している。見落としているだけだとも思うが、エンジン吊りにはすべて控室から出てくる、なんて日もあったのも確かなことだ。
 そんな岡本を、今節は頻繁に見かける。当社比300%くらいの割合で、しかも後輩たちを気遣う場面ばかり、目にするのだ。山口の精神的支柱。ミスター競艇とともに、この人が支部を引っ張っていくから、白井や吉村の活躍もあるのだ、と思う。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極選』4日目

 極選はもちろん「16マルチ作戦」も失敗して丸坊主裏パー……皆様からの暖かいコメントに救われているHです。嗚呼、それにしても、7Rから満を持して16マルチ作戦をはじめた途端、6号艇が6連続ぶっ飛びって……しかも4着が5回って……6が弱かったのではなく、私が6を殺したのかもしれません。げに哀しきは博才の乏しさよ。
 しかし!! 永久に6が負け続けるはずもなし(←なんて舟券も買わずに書いている間に、いきなり1R261で77・7倍が……ま、万太郎じゃないので許します!)。今日こそは仕留めてみせます6-★-1あたりの大穴を!! 狙いは6コースでも一発ありそうな4、5R。
 あ、もし私を見捨てる場合はK記者の本紙予想(毎朝トイレの中で1R5秒くらいでシルシを打ってます)ではなく、我が最強の敵(とも)しげ爺さんのウルトラデータ予想をおススメします。2日目の回収率は約300%!!! 当然、節間プラスで折り返しておりますぞ~!

4R
★①田村隆信
★②松本勝也
 ③福田雅一
 ④吉村正明
 ⑤平石和男
★⑥山崎智也

進入123/456

 昨日の原田幸哉同様「6コースで怖い」のが智也クン。もはや予選突破は絶望的になりましたが、それでも平気で攻めたりする男なんです。イン田村の気配が一息だけに1・2着で万太郎を提供してくれるかも。去年の優勝戦の電撃まくり差しを、ここで見せてもらいましょう。ここには3日間こだわり続けてきた松本もいるので、126の決め打ちBOXで。1・2・6まんまの決着ならご愛嬌。
3連単★126BOX

5R
★①深川真二
 ②藤丸光一
 ③馬袋義則
 ④大場 敏
 ⑤中島孝平
★⑥守田俊介

進入1234/56

「日本一の整備下手A1」と言われる俊キチですが、今節は中堅上位レベルの足を保っています。「2コースで2着」が好調の証なんです。そして、このレースには間違いなくスリットから仕掛けるであろう節イチ級の中島がいます。5コースから内を掃除してもらって、俊介のズッポリ注文差しが決まるかも。156では安そうなので、ここは手広く24点張りで!!
3連単★126、136、146、156BOX

 4Rが当たったら5Rに転がします! で、トライアルの予想は9R頃に!!


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本日の“本紙予想”賞金王シリーズ4日目

 ども。K記者さん(そこまで言う)でございます。坪吉様、うさ子様、競艇LOVE様、コメントの書き込みありがとうございます。あ、憲吾(さんはもちろん付けない)も書き込んでいやがりましたか、そうですか。そりゃどうも。まったく当たらない「穴・極選」とは違って、それなりに的中している“本紙予想”。坪吉様、うさ子様、競艇LOVE様は憲吾(さんは付けるわけない)と違って、実に聡明な方たちだと感服しております。うりちゃんも、「○瓜生」と「無印・瓜生」のどちらを選ぶべきか、一目瞭然だと思うのですが。まあ、いいです。昨日は憲吾(氏くらいなら付けてもいいかと思い始めている)は前半ひそかに乗っかってくれていたとのこと。今日も、うりちゃんも含めて、乗っかりたくなる予想を目指して頑張ります。
 まずは賞金王シリーズから。

1R このメンバーなら江口が逃げ切れる。枠遠いが山口の逆転も。
◎江口 ○山口 ▲吉永 △今村
3連単1=6-全 1-54-全

2R ターン系は悪くない辻が差し切る。重成の逃げ残しが本線。
◎辻 ○重成 ▲飯山 △吉田
3連単2-146-全

3R 白水が渾身の勝負駆け。カド戦になる平尾を相手本線に。
◎白水 ○平尾 ▲笠原 △森高
3連単1-423-全

4R 田村が逃げて意地見せる。カドから吉村が自在に続く。
◎田村 ○吉村 ▲松本 △福田
3連単1-423-全

5R 深川の懸命な整備が実る。中島が人気で、大場のヒモが妙味。
◎深川 ○大場 ▲中島 △守田
3連単1-456-全

6R 中尾が予選最終戦を勝利で飾る。市川の2着アシに注目。
◎中尾 ○市川 ▲原田 
3連単1-52-全

7R 山口が勝負駆けを決める。菊地本線も白水が怖い。 
◎山口 ○菊地 ▲白水
3連単1-35-全

8R 思い切って笠原の全速戦に賭けてみる。石田が相手本線。
◎笠原 ○石田 ▲倉谷 △今村 
3連単4-321-全

9R 作間が予選突破へイン速攻。中島、山本の超抜コンビへ。
◎作間 ○中島 ▲山本 △辻
3連単1-346-全

10R 守田が逃げて予選ロードを締めくくる。相手本線は岡本。
◎守田 ○岡本 ▲田中 
3連単1-45-全

 トライアルは後ほどアップします。


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純粋に――THEピット、賞金王シリーズ3日目②

2008_1220_0275 「試」のプレートをつけた艇が3艇。静けさをたたえた水面を、モーター音で切り裂いていく。「松本」「馬袋」「山本」のネームプレートが、猛スピードで去っていく。1マークを回り、2マークに到達すると、スピードを落として係留所へと向かう。並んで係留し、陸に上がると、その場で長い長い会話が始まった。
 松本勝也、馬袋義則、山本隆幸。言うまでもなく、兵庫支部同士である。トライアルが近づいて決定戦組が出走の準備を進め、シリーズのレースはあと1~2レースを残している時間帯。ピットも水面も、人影はそれほど見当たらず、特にピットは圧倒的に報道陣のほうが多くなっている。そんななかで、いつまでも試運転を続け、しつこいまでの情報交換をし、さらにまた試運転に出ていこうとする。
 兵庫支部、強いわけだ。
2008_1217_0485  吉川元浩が3人の輪にゆっくりと近づいていった。松本が「ゲンちゃーん、ごめーん」と声をあげ、吉川がニッコリと笑う。2つ3つ言葉を交わして、吉川は満足そうにうなずき、控室へ。松本は再び輪の中へ。いったいどんな会話だったのかは聞き取ることもできなかったが、吉川はこの仲間たちに支えられて決定戦を戦うのだとハッキリわかった。
 兵庫支部、強いわけだ。

2008_1219_0457  9R前、ピットに入るや否や、笠原亮がモーターから燃料を抜いているところに出くわした。試運転を終えたところだったのだ。今日は5号艇から抜きで1着。好レースだったという意味を込めて親指を立ててみせたのだが、笠原は首を振って苦笑いを作った。
「アシはいいですよ。でもまだ乗り心地が来ない。そこが来れば、もっといいレースができるんですけど……」
 選手たちの追求心、あるいは完璧主義ぶりにはいつだって驚嘆の言葉しかない。あえてこういう言い方をするが、いい意味での強欲さがあるからこそ、彼らは強者たりえるのだ。ひとつのレースの勝利だけでは決して満足することのない選手としての本能は、水面に出ると極上のエンターテインメントを生み出すのである。
 浜名湖は本当に悔しかった。下関は本当に情けなかった。2つの記念レースでの失敗に顔をしかめる。しかし来年に向けて光明が見えてきている。確実に成長している部分がある。そう言って爽やかな表情を見せる。ピュアな魂を発露していく会話のひとつひとつが、本当に心地いい。絶対にこの男は強くなる、そう確信させる純粋さが笠原にはあるのだ。
 残り3日間、笠原のコメント、あるいはアシ色に注目してほしい。乗り心地がよくなった(ターンのかかりが良くなった、とほぼ同義だと思う)気配が見えたら、この男はコース不問でぶっ飛んでくる。

2008_1217_0495  10R前になって整備室を覗くと、いきなり木村光宏と目が合った。本体整備の真っ最中。そうだ、この男にはこの粘りがあった。「とことんまで整備と試運転を続けて、いちばん最後まで作業をしている」という粘りが。
 その奥では深川真二が本体を割っている姿もあった。実は、昨日も深川は本体に手をつけていた。今日は2着を取り、機力上昇がかなったのか、と思いきや、まだまるで満足していないらしい。この執念が、深川の強さなのだと思う。
2008_1220_0300  シリーズのほうは、今日は予選3日目。そう、明日は勝負駆け、である。そして、木村も深川も、予選突破はほぼ絶望的となっている得点状況なのだ。にもかかわらず、誰よりも最後までパワーアップを欲して整備をする。彼らもまた、純粋に勝利を追い求めているのだ。予選がどうこう、準優がどうこう、ではなく、ただただ勝つために。明日、納得のいくレースをするために。彼らのこうした姿勢には、いつもいつも尊敬させられる次第なのだ。
 
 11R、トライアル出走の6人がボートに乗り込む頃、ボートリフトの水面際に一人、腰を下ろし、膝を抱え込んで水面を見つめる男の姿があった。山口剛だ。決定戦では、こうしたシーンをこれまにもよく見かけてきた。最高の戦いをナマで見たい、そうした思いは選手にもあるようで、トライアルだろうと優勝戦だろうと、装着場に出てくる選手が何人もいる。住之江のピットは、2マークが目の前で、対岸には超大型ビジョンがあるから、レースの様子が観察しやすい。ならば、決定戦の空気を体感したいと考えるのは、自然なことだ。
 鎌田義が、艇運係の方を誘って、やはりボートリフトのあたりに向かっていく。岡本慎治も控室から物静かに歩いて、鎌田の隣へ。笠原亮、吉田拡郎はその数m後ろから観戦するつもりのよう。トライアル第1戦、5人の選手が濃密な空気の中に身を置いていた。ちなみに、12Rはこれに吉永則雄が加わっていた。
2008_1218_0586 「モニターで見るより、やっぱりナマで見たいですからね。見やすいし」
 レース後に山口に声をかけた。それは、決定戦の戦いに刺激を受けたいという意味? そう問うと、山口は肯定はしなかった。来年は、陸から見るのではなく、水面のほうにいたい、という意を強くするため? 山口は、やや苛立つような口調で言った。
「あと1年で出られるほど実力ないっすから」
 気楽に言ってくれるな、そんな思いと、自分だってそうしたいに決まってる、そんな思いが交錯していた……それが、彼には珍しい吐き捨てるような口調になったのではなかったか。軽率な意見だったかもしれないが、しかし同時にそれが山口剛への期待、あるいは期待したいもの、である。それを彼も理解しているからこそ、現状の自分に満足できない……これもまたピュアな強さだと僕は思う。
 まずは明日、予選突破に向けて頑張って! そう伝えると、山口は爽快に「ありがとうございました!」といつもの口調に戻って、好青年の笑顔を見せた。本当に頑張れ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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賞金王シリーズダイジェスト3日目

●総理杯勝負駆け・番外列伝
幸哉、F後の仰天一発!

2008_1220_0434  やはり、この男だけは……昨日の11Rで激痛のFを切った原田幸哉だが、メゲることなく桁違いの器のデカさを見せつけた。2R、のんびりと枠なりのアウトコースに構えた幸哉だが、いざ起こしの段になって獰猛な獣に変わる。他艇の動向(コンマ22~26のまったりS)など見向きもしない、唯我独尊のコンマ11トップS。元よりスリットからの伸びでは節イチ候補だから、あとは簡単に絞りまくってバック独走……SGでのコンマ11は驚くことではないが、他艇が遅れている中でひとり突っ込むのは至難の業だ。Fの翌日に!! 今節はじめて6コースから勝ち名乗りを挙げたのは、痛快すぎる強マクリ一発だった。
「ここで行けなかったら、昨日のFが無駄になる。そう思って踏み込みました」
 レース後、平然と言ってのける肝っ玉男。素晴らしい。そして、後半の8Rでもコンマ09!!!!のトップSで豪快に逃げ切ってしまった。私は「あるいは前半の反動でドカまで……」などと眉にツバを付けていたのだが、私の思考レベルの器ではなかった。甘いマスクに優等生的なコメントも目立つ幸哉だが、実はウルトラワイルドな猛禽類なのである。舞台が賞金王シリーズであっても、そのV戦線から脱落しても、総理杯の勝負駆けが終わっても、「あとはボチボチ走って心機一転、来年から頑張ろう」などとは微塵も思わない。だからこそ、来年は怖い。本当に強いSGレーサーとは、そういうものだ。今節の幸哉は、誰よりもいちばん強いと思った。

●本日の機力評価
シリーズ三銃士が小休止

2008_1220_0409  パワー・リズム・着順ともに抜群で昨日まで予選のトップ3を独占していた田中信一郎、中島孝平、山本隆幸の“シリーズ三銃士”がちょっと一服という余裕?を見せた。田中は5Rで5コースから豪快にひとマクリして「こりゃ優勝間違いなしか!?」と思わせたが、9Rはスリット同体から攻めきれずに4着敗退。ここで1着ならほぼ優勝戦まで突き抜けてしまっただろう。だが、「朝の方がよかった、修正する」と敗因をきっちりと掴んでおり、また明日(5号艇)は万全の状態で臨むことだろう。

2008_1220_0557  中島も昨日ほどの怪物パワーではなく、センターから攻めが後手に回って3着。それでも大敗さえ考えられる展開からすぐに立て直し、ぐんぐん先団を追い詰めて行ったのは見事。「回転が難しい。今日は合わなかった」とのことだが、それで上位級なのだから完璧に仕上がったら……無敵のモンスターと化す。
 K記者が節イチに推していた山本は、よもやの6着大敗。3コースからマクリ差しを狙ったが2コースの深川に弾き飛ばされてしまった。パワー云々ではなく明らかに深川の気合い勝ち。気持ちを引き締めなおせば、またピンラッシュも可能な足だと思う。
 とにかく、この3選手に共通しているのはスリットからの行き足が素晴らしく、なおかつ伸びるという点。最近のSGは出足一本より伸び型の選手が活躍するという傾向があるが、今節もその流れを踏襲している。では誰が節イチか……難しい。現状ではほぼ互角で、怪物級のポテンシャルを感じさせる分だけ中島を推奨したい。きっちり仕上がれば、という条件付きではあるが……。
 他で目立つのは吉田拡郎、山口剛のレースっぷりのよさだが、これはパワーよりも若さ&気合いに拠るところが大きいか。常に一発が怖いのはピット離れ&スリットからの行き足が三銃士に匹敵するほどよさそうな平尾崇典だ。

●本日のMVP

 原田幸哉(愛知)

 文句なしのピンピン劇であった。アンタは凄い!!
(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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賞金王シリーズ 明日の勝負駆け情報

 賞金王シリーズ、明日4日目は準優勝負駆け。決定戦トライアルも大熱戦必至ですが、こちらの戦いもアツい!
 3日目を終えて18位は福田雅一で、得点率6・00。ということで、ボーダーを6・00と想定します。当確は4名。もちろん、ボーダーはいくらでも変わり得るので、ご注意を。初SGの吉田拡郎が19位と好位置につけており、注目されますね。1着2着が必要な今村豊は、なんと1Rに登場! 明日は朝から目が離せませんぞ。

1 中島孝平  当確
2 田中信一郎 当確
3 笠原亮   5・5着
4 石田政吾  当確
5 菊地孝平  当確
6 横沢剛治  5着
7 倉谷和信  4着
8 池田浩二  4着
9 大場敏   4着
10 市川哲也  4着
11 守田俊介  3・4着
12 山本隆幸  3着
13 吉村正明  3着
14 平尾崇典  3着
15 山口剛   3・3着
16 辻栄蔵   3・3着
17 松本勝也  3・3着
18 福田雅一  3着
19 吉田拡郎  3着
20 岡本慎治  2着
21 吉永則雄  2着
22 作間章   2着
23 平田忠則  2着
24 吉田俊彦  1着
25 白水勝也  2・2着
------
28 馬袋義則  1着相手待ち
29 川﨑智幸  1・2着
------
31 今村豊   1・2着
------
34 平石和男  1・1着
------
36 重成一人  1・1着


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H記者の『穴・極選』3日目②

 今シリーズでの衝撃の必勝法。それは、1&6を軸にしたマルチBOX! 競艇において、1号艇と6号艇だけは他艇(2~5)とは明らかに違う特徴があります。それは……(つづきは来年1月10日発売のBO~誌にて。←PR)。特に、軽視されがちな6を重視するのが、近代競艇の盲点であり万舟への最短距離なのです。
 6を制する者は舟券を制す。
 でもって住之江SGでは1がやたらと強いので、「1&6軸固定のマルチBOX(24点)」という考え方が成立します。今節の2日間を振り返ってみましょう。
●初日
1R 163 12440円!
2R 126 1580円
5R 651 50120円!!
8R 136 2260円
9R 613 6230円
●2日目
1R 126 3610円
2R 621 16220円!
7R 316 16950円!
10R 165 3950円
11R 163 2210円

 と2日連続で5本的中し、回収率でも大幅プラスなのは一目瞭然でしょう。そして今日も……あららん、まだ6Rの162→5750円オンリーですか。
 必勝法 気づいた瞬間 必敗法
 という私の得意パターンも考えられますが、きっと後半に大爆発するはず!! 狙いは8・9R。それぞれセンター筋に中島、田中という人気選手がいますが、これが飛べば……ちと点数が多いのがネックではありますが、狙ってみたいと思います。嗚呼、これが笑劇の必笑法にならんことを!M1グランプリの直前だけに、怖いぞ。絶好調のうりちゃん、8Rに幸哉もいることだし、この予想に乗ってみて~~。

8R・3連単★126・136・146・156BOX

           ↓
9R・3連単★126・136・146・156BOX

 あ、8Rが当たったら、9Rに転がしてみます~!

 トライアルの予想はこの9Rあたりにアップします。


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ファッション――THEピット、賞金王シリーズ3日目①

2008_1218_0705  山崎智也が、賞金王ジャンパーを着ていた。
 その意味を、ずーっと考えた。ここ2年はシリーズ回りの屈辱を味わっているが、智也が賞金王決定戦に出場するのは当然のことのように思えていた。賞金王ジャンパーは毎年、智也のもとに届くのが当たり前のはずだった。思い返してみれば、智也のSGジャンパー姿は記憶にない。どのSGのピットでも、賞金王ジャンパーで過ごしていた。
 一度だけ決定戦に出場したことのある某選手が、もう一度出場できたときに賞金王ジャンパーを着るのだと話していたことがある。笹川賞でSG初出場を果たした若手選手が、自力で出場したわけではないのだから、SGジャンパーを着るのがまだ恥ずかしい、と言っていたのも聞いたことがある。賞金王ジャンパーにせよ、SGジャンパーにせよ、それはただの洋服ではない。着用することに意味が生じる、誇り高いコスチュームなのだ。名人戦のピットで、高山秀則さんや関忠志らが着用していたことにだって、きっと意味はある。
 賞金王決定戦のピットで、賞金王シリーズに出場している智也が、賞金王ジャンパーを着ている。いったいどんな意味が……。ふと視線をずらすと、白井英治がSGジャンパーで作業をしている姿が目に入った。一方の智也が賞金王ジャンパー。いったいどんな意味が……。
 と熟考していたら、誰かが僕の目の前をさささっとすり抜けていった。智也! 追いかけてその思いを尋ねてみようとも思ったが、智也は風のように控室のほうに消えていってしまったのだった。

2008_1218_0224  2R1回乗りの今村豊が、3R発走前にはもう、通勤着に着替えている。整備室に入っていったので、その恰好で整備をするということなのだろうが、しかしなんだか異様な光景にも見える。
2008_1217_0638  菊地孝平が、ヘルメットを頭にちょこんと乗っけたまま、モニターに見入っている。カポックもカッパも着ていないから、ずいぶん不思議なスタイルに見えるのだが、おかまいなしに菊地はヘルメットをかぶっている……のではなくて乗っけている。そのまま、装着場の奥のほうにある自艇までとことこと歩き出す。バランスが悪くて歩きにくそうだなあ、とその後ろ姿を見ていて思うのだが、菊地はボートに辿り着くまでヘルメットに触ろうともしなかった。
  決定戦トライアルが始まり、いっそうベスト12への注目が集まる3日目。朝から決定戦組がピットを右へ左へと駆け回り、水面を決定戦用の装飾を施されたボートが次から次へと疾走していくことで、シリーズ組はどうしても影が薄く感じられてしまうものである。そんななかで、他と違うファッション(?)をしている選手に目が留まり、その意味について、考え込んでしまう。もちろん、答えは出ない。選手にしてみても、別に何の意味もなく、そうしているかもしれないのだし。

2008_1219_0743  それにしても、平田忠則のニット帽姿はよく似合っている! これは間違いなく、ファッション、ですよね。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極選』3日目①

 鼻息も荒く住之江に乗り込んでみたら、午後4時過ぎ。最終Rで飛び込み自殺した挙句、超テンパッてるK記者(小ミスがいくつかあったようですが、その58%くらいは私の責任……許してやってください)から「来てくれたのはいいけど、手伝ってもらえることは何もないっすね」と冷ややかに言われたHです。た、確かに、トライアルの足合わせも見られず、シリーズのレースも観られず……で、あんた何しに来たんや~ってなもんです。ごめんねごめんね~~~。
 極選もさっぱりではありますが、現地入りした今日から本番っす! まず1発目は、こっそりと1R。取り急ぎアップしといて、後ほど衝撃的な“必勝法”をご披露します!! 憲吾どの、うりちゃん、hiyoさん、とりあえず今は寝といて昼ごろに起きて~~!

 1R
★①三嶌誠司
  ②平尾崇典
  ③藤丸光一
  ④田村隆信
◎⑤松本勝也
★⑥飯山 泰

 今日も松本。田村が握ってマーク差しという単純な展開でOK。筋は5=4ですが、平尾がスリットから伸びるため、田村と喧嘩になりそうな気がします。パワーはなくてもコースの利がある三嶌と、常に一発の魅力がある飯山へ。この3艇のボックスも少々押さえます(理由は後の衝撃的必勝法にて!)。

3連単★5-16-全、156BOX

 


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本日の“本紙予想”賞金王シリーズ3日目

 ども。K記者(と自分で付ける)でございます。昨日は散々でございました。何が散々って、たあ様もご指摘の通り、予想とフォーカスの番号が合わない誤記がいくつか。アホさ加減と疲労度を記録しておくべく、もはや訂正もいたしませんが、こんなん的中以前の問題だよなあ。憲吾(さんは意地でも付けない)に目にもの見せてやる……なんて、それどころじゃありませんでした。せっかく、うりちゃん様が「乗ってみようかな」とおっしゃってくださったのに……。坪吉様も、信じてくださったのに……。
 ともかく誤記につきましては、皆様、申し訳ございませんでした。
 さて、本日の“本紙予想”。今朝、住之江競艇場に向かうべくタクシーに乗り込んだところ、運転手さんが「一二」さん。名前じゃないですよ、苗字が、です。漢数字だけで構成された苗字って、私は『柔道部物語』の三五十五しか知りません。競艇場への道を、一二さんとランデヴーなんて、なんとまあ縁起がいい! H記者は、「今日の“本紙予想”は全部①-②で行け」などとのたまってましたが、そんな予想では憲吾(さんは意地でも付けない)の鼻を明かすことができません。今朝の邂逅は、「“本紙”予想がすべて一、二着で決まる」予言だったのだと信じ、昨日までと同様イン中心に攻めたいと思います。
 まずは賞金王シリーズから。

1R 三嶌がどうにも苦戦気味で、2コース平尾が優位。
◎平尾 ○田村 ▲三嶌 △飯山
3連単2-416-全

2R 木村も苦戦気味。伸びて攻める菊地に妙味
◎菊地 ○濱村 ▲原田 △木村
3連単4-261-全

3R 吉田拡が嬉しい水神祭。アシいい岡本が相手本線か
◎吉田拡 ○岡本 ▲笠原 △吉永
3連単1-256-全

4R 吉村に逃げ切れるアシ。超抜山本に逆転の目も
◎吉村 ○山本 ▲渡邉 △作間
3連単1=2-全 1-45-全

5R 苦戦気味も、勝野の逃げを上位に。田中も好調
◎勝野 ○田中 ▲服部 △福田
3連単1-425-全

6R 吉田俊の逃げ切り濃厚。山崎マクれば穴の目もあるが……。
◎吉田俊 ○横澤 ▲山崎 △倉谷
3連単1-326-全

7R 苦しい戦いの飯山だが、元のアシは悪くない 
◎飯山 ○菊地 ▲平石 △平田
3連単1-234-全

8R 原田がFの悔恨をここで晴らす。
◎原田 ○田村 ▲中島 
3連単1-34-全

9R 大場がきっちりと逃走。石田が出ている
◎大場 ○石田 ▲田中 △辻
3連単1-435-全

10R 池田が渾身の逃げ切りで連勝へ。服部のカド戦注意
◎池田 ○服部 ▲岡本 △平尾
3連単1-463-全

 トライアルは後ほどアップします。


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明暗、そして希望――THEピット賞金王シリーズ2日目 水神祭も!

2008_1219_0791  ピットに戻って来た寺田祥が、肩を押さえてうずくまったのだそうだ。
 そうだ、というのは、その瞬間を僕は見ていなかった。ただ、ヨコ棒側係留所のほうに救助艇がいて、それに寺田を含む数名(吉村正明がいたように見えた)を乗せて発進、救護室の目の前にある救助艇係留所に向かったのを見て、怪訝には思っていたのだ。なんだなんだ? 同じシーンを目撃していた中尾カメラマンが、どこからか情報を仕入れてきて、「テラショーが……」と伝えてくれた。7R、1マークではたしかに危険なシーンがあって、寺田は当事者であった。
 昨年から今年にかけての好調ぶりが、ここ最近は影をひそめてしまっている寺田。悪い流れに巻き込まれてしまったのか……。寺田は残念ながら途中帰郷となってしまった。まずはケガを直し、切り替えて来年の爆発を目指してほしい。

2008_1219_0862  そうした一方で、おめでたいこともあった。水神祭! SG初出場の吉田拡郎だけがその権利者かと思っていたら、実はもう一人いた。馬袋義則だ。
 えっ? すでに勝利はあげてる、って? もちろん。馬袋の水神祭はそうではない。本日1Rであげた1着が、通算1000勝目だったのである。水神祭はお初の儀式であると同時に、区切りの儀式でもある。というわけで、本日の水神祭!
2008_1219_0914 この水神祭は、大時計前で12R発売中に行なわれた。そう、ファンも一緒に喜びを分かち合う儀式となったのだ。救助艇に乗り込んだ兵庫支部&王者・松井繁。うがっ、豪華やなあ……。救助艇の上でワッショイスタイルで担ぎ上げられた馬袋は、ファンの皆様の前で、1、2の3でドッボーーーーーーーーーン! 実は1R後、馬袋は「寒いからヤダ」と駄々をこねていたのだが、松本勝也と鎌田義の密議の結果、強行された。でも、やってよかったっしょ! SGの舞台で区切りの儀式が行なえるなんて、そうそうあることではない。思い出の1000勝!なのである。
2008_1219_0928  さらに思い出を重ねてあげよう、と画策したのは鎌田。水中で震える馬袋に大笑いしたあと、何かを狙ったかのようにヘリの部分に立ち上がった。そして、馬袋にボディアタック! うわっ、あの藤波辰巳が得意としたドラゴンロケットばりの、トペ・スイシーダ・バイ・カマギーではないか! まさか伝説の技が見られるとは……。馬袋とともに助け上げられると、なぜかガッツポーズ! いや、1000勝あげたのは馬袋ですから……。
2008_1219_0954  と、最後はカマギーがぜーんぶ持っていった水神祭。ともかく、馬袋選手、おめでとう! さらなる活躍を願っております!

 お初と言えば、「賞金王」のピットを初めて体験している若者が揃っている。吉村正明、吉永則雄、吉田拡郎だ。カクロー以外はすでにSG参戦を果たしていたが、暮れの聖戦を肌で感じるのはこれが初めてのこと。奇しくも「吉」がアタマにつくサンキチ・ブラザーズにとって、遅れて登場して、注目をすべてかっさらっていく決定戦組12名を出迎える、というシーンを初めて目の当たりにしたわけだ。
2008_1219_1136 吉村にせよ、吉永にせよ、吉田にせよ、特殊な空気にも動じることなく、己の行動に徹しているように思えた。それはそれでたいしたものだ。自分の戦いに集中することが、好結果につながるものだからである。
 それでも、この特殊性をしっかりと実感してほしいとも思った。大きなお世話には違いないが、いずれ彼らが12名に入って艇界を支えていく存在になってほしい、そう願うからである。偉そうな物言いでサンキチには申し訳ないが、この環境に刺激を受けること自体が、大きな大きな糧になっているはず。明日から始まるトライアルを脳裏に焼きつけて、それに負けじと若々しい走りでシリーズを盛り上げてほしいのだ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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賞金王シリーズダイジェスト2日目

2008_1219_0996 ●総理杯勝負駆け
原田幸哉、痛恨のF……
 気合は充満していたのだと思う。もちろん、総理杯の勝負駆けであることを意識もしていただろう。さらに、1年の消化不良を帳消しにするつもりで、頂点に立ちたいと願っていたはずだ。
 空回りとは思わない。闘志が時にスリットラインをわずかに超えてしまうことは、競艇の宿命である。
 原田幸哉、痛すぎるフライング……。
 11R、4号艇。4カド発進だった原田は、一気にマクっていったものの、非情にもフライングコールを受けてしまう。これで、来年の総理杯出場は消えた。原田のリベンジストーリーは、春以降を待たなくてはならない。
 これで、勝負駆けに臨む選手は24人となった。

2008_1219_1071  ●イン絶対主義をぶち破れ!
やっぱりインは強いけど……
 2日目は逃げ6本。50%だから、昨日よりはインの絶対度が落ちている。半分もインが勝てば、普通は「インが強い!」ということになるのだが、住之江のSG、ということを考慮に入れれば、他コースから狙う価値は十分にある、と言えるだろう。
 ただ、今日はインがS遅れて敗れる、というレースも2つあった。3Rの石川真二、12Rの山崎智也である。もしS互角だったら……少し様相が変わっていただろうか。
 そんななかで、中島孝平が5コースから、池田浩二が3コースからマクリ差しを決めた! お見事! で、外から突き抜けるパターンは、明日からもこれが主力となりそう。原田がFとはいえマクったが、マクリが決まるのはこういった「Sで完全にのぞくこと」が条件となる。3R石田政吾の2コースマクリも、先述の石川のS遅れによるものだった。これからスタートが揃っていくことを考えれば、やはりマクリ狙いは分が悪くなるのは明らかで、ここがポイントになりそうだ。

2008_1219_1052 ●本日の機力評価
節イチは山本隆幸!
 今日も相変わらず難解なのだが、節イチは山本隆幸で間違いないだろう。12R、山崎がS遅れて、市川哲也が2コースからジカマクリ。山本はマクリ差しで追走したのだが、ターンの出口では市川に分があるように見えていた。しかし、そこからグイグイと伸びて、あっさり市川をつかまえたのだから、伸びは超抜クラスと言うしかない。内よりはむしろ外コースでこそ狙いたいアシ色である。
 中島孝平も快調だ。6号艇だった2Rは5コース発進となり、きっちりマクリ差しを突き刺している。引き波を苦にしていないし、9Rの逃げ切りを見ると出足関係も問題なさそうだ。成績なりのアシはあると思う。
 昨日から残したいのは渡邉英児、辻栄蔵、山口剛、菊地孝平といったところか。追加は大場敏、吉永則雄、吉田拡郎、岡本慎治。あ、そうそう、明日からH記者にバトンタッチしますが、彼が愛する守田俊介も悪くなさそうですね。
 というわけで、心もとない評価のまま、H記者と交替しますが、重労働から解放されたH記者だけに、しっかりした評価をするだけの時間はあるはず(舟券買いまくってるだけだったりして)。明日からのH記者診断にご期待いただきたい。

●本日のMVP
山本隆幸(兵庫)
 というわけで、本日も山本。節イチのアシで明日からも大暴れ必至ですぞ!
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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シリーズ組のモチベーション――THEピット、賞金王シリーズ2日目

 モーター抽選記事アップなどに追われて、本日の初ピット入りは3R終了直後。最初に目に飛び込んできたのが湯川浩司と田中信一郎で、一瞬戸惑った。相棒を受け取った決定戦組はすでに続々と着水をしていたようで、池上カメラマンによれば1R頃から始まったとのこと。しまった、見逃した、と悔みつつ、ピットがすっかりムードを変えていることを肌で感じて、賞金王決定戦のゴングが鳴ったことを思い知るのだった。
2008_1218_0462  これが現実、とも言える「12人>48人」という注目度の不等式。僕にしたって、湯川→田中の順で目に飛び込んでいるわけで、「賞金王シリーズも立派なSGだ!」と主張しているにもかかわらず、視線は決定戦組を追っかけてしまう時間が長い。言い訳はしません。シリーズ組には申し訳ないけれども、やっぱり決定戦組の華やかさに惹かれてしまう。シリーズ組はここで感じる悔しさや理不尽さに、翌年は決定戦行きを決意する……とは言うものの、いささか気の毒に思えるのもまた確かなこと。などと言っている自分自身が気の毒なことをしている集合体の一員でもあるのだから、まったくもって不条理な空間である。

2008_1217_0106  ただし、こんなふうにも思う。12人がやって来たことで、48人もピリリと引き締まったのではないか。どんな理由であれ、自然とモチベーションを一段上げた選手が多いようにも思えるのだ。装着場で繊細な作業(キャブレター調整など)をしていた辻栄蔵が、慎重に慎重に、周囲が目に入らないほどに集中してモーターと向き合っている顔を見たときには、けっこう本気でベスト12側の選手に勘違いしそうになったほどだ。1という艇番がついて、住之江で……3年前がオーバーラップした、ということだろうか。実に頼もしく見える辻の表情は、この場所自体の特異性、あるいは神聖さを感じさせるのである。

2008_1218_0513  渡邉英児のボートが、装着場内の屋根のない部分(整備室の出入口右脇のあたりにある)に置かれていて、どこかで見た光景だと思った。たしかに、同じ場所で渡邉英児のボートを見たことがある。いったいいつのことだったのか思い出せないのだが、絶対に初めて見る光景ではない。これがどういう意味を持つのかはよく覚えているのだ。これは渡邉英児が本体作業に突入する合図なのである。きっと英児は、ここに長くボートを駐め、整備室にこもることになるはず。コツコツと整備して機力をジワジワと上げていく“英児スタイル”。別に12人に刺激を受けて始めるわけではないけれども、モチベーションがジンワリジワリと上がっていっている証ではあろう。

2008_1218_0601  試運転タイムになり、選手たちが次々と水面に飛び出していく。4R発売中には決定戦組も足合わせを初めて、コースには通常ボートと決定戦カラーリングが施されたボートが入り乱れる。
 ヨコ棒側係留所、自艇の目の前で、守田俊介が正座していた。視線は水面に向けられていて、じーっと動かない。いったいどれくらいの時間そうしていたのか。その姿を確認し、ペラ室をのぞき、整備室をチラリとだけのぞいて係留所に目をやると、守田はまだ同じ態勢で水面を眺めていた。守田の目に映るのは果たして……。こうしている間に、闘志が奮い立っていくのだろうか。

2008_1217_0554 何人もの決定戦組と会話を交わしているのを見た。昨年のベスト12戦士、寺田祥だ。彼がどんな思いで、決定戦組と絡んでいたのかはわからないが、比較的笑顔が多いように思える。もっとも身近な先輩である白井英治が決定戦に出場しており、二人の組み合わせはおそらく今節中何度も目にすることになるだろう。そして今日は、濱野谷、丸岡、瓜生……そういった選手たちとも会話を交わす。見ているこちらのほうが少しだけ複雑な気分になったのだが……余計なお世話かな。むしろ、仲のいい選手がピットに増えて、メンタリティはもっと充実していくのかもしれないのだから。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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“本紙予想”2日目後半です

 さあ後半戦。前半はほとんどイン本命ですな。もちろん後半もイン中心。

7R 横澤が逃げ決める。平尾に要注意
◎横澤 ○平尾 ▲三嶌 △池田
3連単1-543-全

8R インなら平田が逃げ粘る。渡邉の逆転も
◎平田 ○渡邉 ▲今村 △森高
3連単1=3-全 1-56-全

9R アシ良さそうな中島がインから盤石に
◎中島 ○藤丸 ▲服部 △作間
3連単1-456-全

10R 伸び型だがインならS決めて菊地
◎菊地 ○山口 ▲石田 △田村
3連単1-456-全

11R 原田がカドからせめて辻と一騎打ち
◎原田 ○辻 
3連単3=1-全

12R アシ悪くない山崎が堅実に逃げる。山本が出ている
◎山崎 ○山本 ▲市川 △大場
3連単1-325-全


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H記者の『穴・極選』2日目

 致命的遅延の末、昨夜半やっとボー誌の仕事納めとなったHです。ボスKはじめ、編集スタッフの皆様、大変ご迷惑をおかけしましたweep 

さあ、仕事の借りは舟券で返す!違うか。ま、頑張ります!!
 私がいない間に、私のせいでブチキレ気味のK記者と「憲吾(さんはもはや付けない)」どのとの間で仁義なき戦いが……! これを鎮圧し仲直りできるのは、やはり切れ味鋭い私の全速ターン予想しかない。違うか。ま、3節ぶりにhiyoさんからのコメントをもらったし、うりちゃんは100人力だし「憲吾(さんはもはや付けない)」どのも同盟軍だし、全国20名のファンのために、あとは私が当たるだけ!!typhoon
 昨日のレースをVTRで何度も観たところ、気になった選手は平田、白水、オバビン、平尾、拡郎、幸哉、吉村、そして松本ですか。今日はこの8人に要注意。特に8Rのカクロー君は怖いかも。でもって極選は、しつこく松本君で!

  4R
  ①森高一真
  ②大場 敏
★③原田幸哉
◎④松本勝也
  ⑤倉谷和信
★⑥吉村正明

  進入125/346

 今節、スリットからガンガンまくりそうなのが幸哉。このレースも地元の倉谷あたりを入れて、センターから猛ダッシュで攻めるでしょう。となると穴党は「マクリ屋の外」!で松本が浮上します。昨日は3着止まりでしたが足は十分に上位級と思われます。得意のまくり差しが突き刺さるはず。昨日、大穴を提供したオバビンは軽視し、気になる幸哉と吉村へ。

3連単★4-36-全

さ、着替えていざ住之江へ! 待ってろ万太郎!!


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本日の“本紙予想”賞金王シリーズ2日目

 ども。Kでございます。H記者フリークの憲吾(さんはもはや付けない)に目にもの見せてやろうと、燃えに燃えている本日でございます。憲吾(さんはもはや付けない)が大きなお世話にも数えてくれたところによると、昨日は4本的中。今日は的中率70%くらいで? うぐっ……超えてみせようじゃありませんか。ともかく憲吾(さんはもはや付けない)にまいったといわせるべく、本日も頑張ります。……ん? 某誌定期購読してくれる? おぉ、憲吾さん……。

1R 馬袋が一気に逃げる。握って追走する吉田が相手本線
◎馬袋 ○吉田拡 ▲笠原 △深川
3連単1-365-全

2R 転覆後の気配次第も、飯山に声援
◎飯山 ○吉田俊 ▲濱村 △中島
3連単1-32-全

3R 鎌田が速攻逃げ。渡邉の行きアシが軽快
◎鎌田 ○渡邉 ▲石田
3連単1-52-全

4R 森高が逃走決め込む。大場が差して続く
◎森高 ○大場 ▲原田 △松本
3連単1-234-全

5R インならもたせられる石川。菊地の伸び脅威
◎石川 ○菊地 ▲岡本 △作間
3連単1-23-全

6R P離れ不安も、笠原がインから逃げる
◎笠原 ○重成 ▲川﨑 △守田
3連単1-245-全

 後半は後ほどアップします。


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仲良し自慢――THEピット、賞金王シリーズ初日

2008_1218_0626  石川真二と中尾カメラマンが話し込んでいる。キャンピングカー仲間の二人、「年末年始はどこどこに出かけるつもり」とか、そんな話だろうと思いきや……。
「あぁ、回転が上がりすぎていて、操縦不能で……」
 ん? レースの話? 今日の石川は6Rで先頭を走っていたのに、2周1Mでターン漏れし、平尾崇典に逆転されている。ま、まさか、ダメ出し? 記念レーサーにカメラマンがダメ出しなのか?
「まぁ、俺くらいだろうなあ、GⅠ覇者にダメ出しできるのは」
 得意げににやつく中尾。誠じゃなくて、もちろんカメラマン。誠が石川にダメ出ししていたとしても、けっこう大変な事態なのに……。
 ふふん、と鼻を鳴らして、さらににやつく中尾カメラマン。本当は撮影した写真を石川にプレゼントしただけのくせに。しかも、石川が2着になったおかげで、舟券が当たったくせに。

2008_1218_0850  ようするに、中尾カメラマンの石川真二と仲良しだよ自慢だったわけだが、悔しいから俺も選手と仲良し自慢だ。
 整備室からとことこと係留所の自艇に向かっていた三嶌誠司と目が合う。三嶌がニッコリ笑って、こんちわー。こちらももちろん、こんちわー。その直前、穏やかだった住之江の水面を豪雨が叩きつけていた。ほんの10秒ほどのことだったのだが、大粒の雨が激しく降ったのだ。それに伴って空気はひんやりし、ピットには一気に冷気が充満する。というわけで、三嶌さん、寒いですけど頑張ってくださいねー。そう声をかける。すると、聞き取りづらかったのか、目を見開いて「何?」という表情で僕との距離を詰めた。そこで繰り返す。三嶌はさらにニッコリ笑って、僕のボッコリ膨らんだ太鼓腹にパーンチ! 強烈なボディブローに10m吹っ飛ぶ僕、ガッツポーズで満場の歓声にアピールする三嶌……ってのはウソだけど、三嶌はゴキゲンの様子でボートに乗り込み、軽快に試運転へと飛び出していったのだった。
 ちなみに、これは11R前の出来事。三嶌誠司、こんな時間まで試運転と調整を忙しく続けていたのだ。その試運転で足合わせをしていたのは、渡邉英児と吉田拡郎。この努力が明日、3人とも報われますように。

2008_1218_0374  その吉田拡郎とも仲良し自慢。ご存知の通り、SG初出場のカクロー。池上カメラマンが「初めて着たはずのSGカッパなのに、まったく違和感なく似合ってるのが凄いよな、クロちゃん」と、カメラマンらしいビジュアル面の気づきを囁きかけてくる。なるほど、たしかにSGカッパがハマっている。きっと、カクローに着られるのを待っていたのだ。
 この場に彼を送り込む原動力となったのは、ひとつには今年6度もの優勝。これで来年総理杯もほぼ確定させているわけだが、皆さん知ってましたか、その6Vのうち2つは、「BOATBoyカップ」なのだ。全国各地で行なわれているBB杯、複数回優勝しているのは吉田拡郎のみ(尼崎と福岡)。ということで、勝手に「史上初の快挙!」と盛り上がった我々は、彼に毎月BOATBoyを送ることにしたのだ。福岡BB杯の表彰式後に住所を教えてもらう約束をしたのだが、式が終わるとすぐにピットに戻らねばならないカクローは、彼の韋駄天スタートよろしく、風のように去ってしまっていたのだった。
「住所教えられなくて、すみませんでした! でも、冗談だと思ってたから、ま、いいかな、って」
 冗談なんてとんでもない。僕らのなかではすでに、あなたはBOATBoyファミリーです。というわけで、改めて毎月お送りすることをお約束します!
「ええっ、本当にいいんですか? えっ、マジで? ええっ、悪いですよ~、でも本当ですか?」
 なんでも、お母様が毎月ご購入されているということで、うがっ、こちらこそかえって恐縮です!
「ありがとうございます。いやあ、ほんと、BOATBoyカップの2優勝があったから、こうやってSG来られたんですもんね~」
 そんなふうに言ってくれたカクローを(言わせたという説あり)、全面的に応援します!

2008_1217_0402  仲良し自慢ではないが、本当に仲良くなって、いつか思い切り自慢したいのが、飯山泰。信州の星! 同郷である我々は、競艇界にあっては数少ない長野県出身。長野にもっともっと競艇を根付かせよう! と勝手に思っている僕は、これまた勝手に飯山を盟友と思い込んでいるわけである。でも……なんか緊張するのだ、話しかけるのは。飯山のほうも、同郷と認識してくれているようだから、なお硬くなる。わかりますよね、こういうの。
 その飯山は今日の8Rで転覆。だ、大丈夫か!……いわゆる転覆整備に時間をとられながら、装着場にあらわれた飯山に、思い切って声をかけた。
「体、大丈夫ですか?」「はい、大丈夫です!」
 ……以上。長野県民は奥ゆかしいんです、はい。

2008_1217_0580  飯山を見送って、ふとピットの奥に目をやると、通勤着に着替えた選手がぞろぞろと。10R後には帰宿バスの1便が出発するので、作業を終えた選手たちが乗り込む準備をしていたわけだ。やがてバスのドアが開き、選手が乗り込んで、プップーとクラクション一声。出発しますよ~、の合図だろう。1便の皆様、お疲れ様でした!と見送っていると、控室から猛ダッシュの岡本慎治! 10R1着、レース後は勝利選手インタビューなどあるから、片付けが遅れたのだろう。発進しかけたバスがいったん止まって、大急ぎで乗り込む岡本。ふう、間に合った……と思いきや、何か忘れものだろうか、バスを降りて整備室へ。それから1分ほどして……あぁ、バスが出発……。バスになんて遅れたっていい。スタートが遅れなければ、他艇に遅れなければいいのだ。明日も頑張れ、岡本慎治!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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賞金王シリーズダイジェスト 初日

●総理杯勝負駆け
大場が好発進だ
 賞金王シリーズは、実は来年の総理大臣杯の最後の勝負駆けである。以前は、ここを勝てば翌年のSGへの優先出場権を手にできたが、その特典がなくなった今、ゲットできる出場権利は総理杯のみ。
 だが、SGクラスの選手にとって、総理杯の権利というのは実は簡単に手に入るものではない。SGまたはGⅠ制覇か優勝回数が選考基準となる総理杯、SG・GⅠを勝つのは相手関係を考えれば至難の業だし、ゆえに一般戦への出場機会が少ない選手であれば優勝回数を稼ぐこともできない。
 この賞金王シリーズ、総理杯の権利を確定させていない選手は、なんと過半数の25名。これだけの数の一流選手が、たった1つのイスを奪い合う戦いでもあるのだ。今村豊も山崎智也も原田幸哉も寺田祥も勝負駆け。ということで、総理杯出場を狙う選手たちの動向をチェックしていくことにしよう。

2008_1217_0629  初日に、大きな大きな星をあげたのは、大場敏だ。今日は5R1回乗り。6号艇での出走だった。インが強い住之江において、緑のカポックは予選を勝ち抜くうえではひとつのカギ。ここをどう凌ぎ、どう戦うかが、予選ポイントを左右してくる。大場は、その6号艇で1着! 前付け4コースからの差しが決まり手であるが、1号艇が9勝をあげた(2号艇も1勝で、内枠が10勝)1日においては大きすぎる意味をもつ1着となったのである。
 大場の2日目は、2号艇と5号艇。最低でも着をまとめれば、来るべき1号艇でもうひと勝負できるのだから、予選突破が早くも見えてくる。まずは、明日の戦いぶりに注目だ。

●イン絶対主義をぶち破れ!
6コースを無視するな!
 住之江は、もはや説明するまでもなく、インがめちゃ強い水面である。先述したとおり、今日は1号艇が10勝。3Rの山本隆幸は3コースからのマクリで勝っているが、決まり手で7本。抜きも加えれば8本、インコースが勝っている。
 それにしても初日は、外からの攻めが利きづらかった。内枠、内コースが幅を利かせ、まさしく住之江らしい決着の連続。……しかし!
 6コースの連絡み、6本!
2008_1217_0421  実に半分のレースで、6コース発進の選手が舟券になっているのだ。なにしろ、オープニング1Rが、1-6-3で14220円のマンシュー! 6コースは平石和男で、道中逆転での2着であった。1号艇が、インコースが勝っているのに、この波乱! 言うまでもなく立役者は平石和男だ。
2008_1217_0590  6コースだけではない。6号艇もまた無視できないのだ。1号艇9勝、2号艇1勝の初日、実はあとの2勝は6号艇。先述の大場敏と藤丸光一だ。藤丸も3コースからのレースだったから、6コースからの勝ち星ではないけれども、枠が遠いと思われている6号艇が今日の枠別1着数2位、なのである。
 競艇という競技はそもそもインが強い。だから、6コース、6号艇はただでさえ敬遠される。住之江のような水面ではなおさらであろう。しかし、そんな固定観念は捨てたほうがいい。「6には常に注意せよ! 6を制する者は舟券を制す!」H記者が某誌で最近ひねくり出したそんな新格言を示しておこう。

●本日の機力評価
今日も超難解……
 いやはや、本日もまた、機力評価の難解な一日だった。なにしろ、これほどまでに内が強いと、水面にあらわれた結果が機力によるものなのか、コースの利によるものなのか、判断がしづらいのである。H記者の野暮な仕事の致命的遅延の対処により、足合わせもあまり確認することができなかったこともあるのだが、昨日の評価が正しかったのかどうかさえ、わかりづらかったというのが正直なところだ。
 そんななか、伸びに見どころがあったのが、3Rで3コースからのマクリを放って勝った山本隆幸。進入がもつれたとはいえ、それほどスリットで差があったわけではないなか、握って出ることができたアシは、現時点では上位級であろう。2008_1218_0640 また、ドリームで原田のカド戦に負けることなく2コースからきっちり差した中島孝平も、ターン回りが良さそうな感じ。昨日ピックアップした15名以外で目についた選手がいるとするなら、中島だ。
2008_1218_0304  15名のなかで、ほかに注目したいのはやはり渡邉英児の行きアシだ。1R、2コースからコンマ20のスタートながら、スリット後はコンマ16のイン吉永則雄よりのぞいていく感じだった。コメントによれば、出足が弱いとのことだが、これは遅い時間帯までの調整、試運転で上向かせているはず。今後、さらに仕上げてくる可能性があるから、引き続き注目してみたい。
 15名のなかから残したいのは、今村豊、川﨑智幸、福田雅一、辻栄蔵、山口剛、菊地孝平。すでにあげた山本、渡邉も含めて(あと中島も)ひとまず、ここまでの名前をあげておくことにしよう。おし、7名もふるいにかけたぞ。
 ただ……今、全選手のコメントにざっと目を通したのだが、明るい言葉がほとんど見当たらないのである。これがシリーズ用モーターの現実なのか。逆に言うと、今後のそれぞれの調整次第で相場がガラリと変わる可能性も秘められているということ。明日はちょっと気を入れて、レース&試運転をチェックしたいと思う。今日はこんなところですみません。

●本日のMVP
山本隆幸(兵庫)
2008_1218_0312_2  これだけインが、内寄りが強いなか、マクリで3Rを制したのは価値が高い。アシもよさそうなので、明日からも迫力のあるレースを期待しよう。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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住之江ピットのヒミツ――THEピット、賞金王シリーズ初日

2008_1217_0430  ペラ室を飛び出た服部幸男が、ペラを手に走り出した。全力疾走というわけではないが、スピードは相当についている。スロットルレバーを半分くらいは握った感じの足取りである。
 向かった先は、係留所。もちろん、服部のボートは係留されている。走らねばならない理由が何かあったとするなら、服部がボートに辿り着いて1分後に、試運転許可の緑ランプが灯ったことだろうか。一刻も早く水面に飛び出したい。その思いが服部を走らせたのか。
 手早くペラを装着した服部は、急いでカポックを着ると、ガソリンタンクに燃料を補給して、ブルウンとエンジン音を響かせて水面に飛び出ていった。やはり、服部は試運転を急いでいたのであろう。
 今日は、こうした動きの選手を、朝から多数見かけている。昨日は「普段のSGと違う雰囲気がウンヌン」と書いたが、今日はこれぞ「THE SG初日」と言うべき空気の慌ただしさが確かにある。係留所はほぼ満車(満艇?)状態で、試運転タイムには多くの艇が水面に見られたものだ。服部ほどのスピードは出していなくても、駆け足で自艇のもとに向かう選手は少なくなかった。
2008_1217_0354  さて、服部。なんと、たった1周で試運転を終えてしまった。あんなに急いでいたのに? しかし、試運転を終えて、仕事はおしまい、ではない。そんなわけがない。服部は、試運転前と同じ係留所にいったん艇をつけると、モーターをチェックしてボートを降りた。控室のほうへ歩み出し、2~3m、そう、係留所でいうと4コマ分くらい歩いて、まるでバレリーナのようなターンステップを見せた。何かを思い出したように踵を返した、というだけなのだが、その動きはあまりに優雅だった。180度振り返った服部は、再び自艇へ。操縦席に乗り込むと、モーター(キャブレターのあたり)をチェックして、防水カバーをはめ直すと、エンジンを始動。レバーを握ることなく、ゆっくりとゆっくりと、そう、待機行動のスロー水域のスピードのまま、選手控室前の係留所へと向かったのだった。
2008_1217_0272  住之江のピットはL字型である。出走ピットや展示ピットはLの字のタテ棒の真ん中あたり。出走ピットの奥は競技棟で、展示ピットの奥は選手控室。展示ピットの隣、Lの字のちょうどカドっこのあたりまで、10艇収容可能の係留所がある。服部が向かったのはここだ。Lの字のヨコ棒にあたる部分はすべて試運転用の係留所。服部のボートが最初に係留されていたのは、その真ん中あたりだった。ヨコ棒の最先端にはボートリフトがあり、着水やレース終了後、試運転終了後はここでボートを出し入れする。壁の向こうはもうスタンドだから、ファンの皆さんのすぐ近くで選手の盛んな往来があったりするわけだ。
2008_1217_0235  さて、服部は何ゆえヨコ棒側係留所からタテ棒側係留所へと向かったのか。控室までボートに乗って行った? そんなわけがない。服部はタテ棒側では、係留したままレバーを握り込んでいた。いわゆる回転数のチェック、またはモーター音のチェックだ。モーター調整、ペラ調整には欠かせない過程である。それを数分、服部は続け、モーターをストップさせることなく、その係留所を離れた。今度はどこへ?
 なんと、タテ棒側係留所、すなわち最初に係留していた場所に戻って来たのである。
 これはナゾの動きだ!
2008_1217_0603  というわけで、「クロちゃん、ジャンパーのファスナー占めると、パンパンで似合わんわ。開けたほうがええ」とファッションアドバイスをしてくれた長嶺豊さんに聞いてみた。
 実は、タテ棒側とヨコ棒側では、係留所が違うのである!
 知らなかった!
 ヨコ棒側は、装着場の先っちょをそのままえぐった形で係留所が作られている。岸をそのまま係留所にしているわけだ。一方、タテ棒側は岸から板を伸ばし、そこに係留所を設置。違いがわかりますか? すなわち、モーターの位置から岸まで、ヨコ棒側はまったく距離がない。タテ棒側は、板の分だけ距離がある。つまり、ヨコ棒側で係留したままモーターを指導すると、ペラが攪拌した水の行き場がないのである。タテ棒側は距離があるから、水は押し出されていく。レース時のペラ周辺の水の量や気泡の有無など、どちらが条件的に近いかといえば、言うまでもなくタテ棒側。というよりヨコ棒側では機力やペラの状態のチェックにならないのである。
 ようするに、服部はヨコ棒からタテ棒に、調整、チェックのために向かい、それが終わったからヨコ棒に戻って来て係留した。10コしかないタテ棒側係留所だから、調整が終わったあとも係留していたら後の人に悪い、だからさっさと開けた、ということだろうな。で、よく見るとタテ棒側係留所の脇には看板があり「調整専用」と記されているのであった。こういうことだったのか。
2008_1217_0176  賞金王シリーズ初日、またひとつ新たな知識が増えた(長嶺さん、ありがとうございます!)。毎年、住之江のピットに1週間へばりつきながら、まだまだ知らないことがたくさんある。これだから競艇は深い。それを知ることができる、これだからピット取材は楽しい。

※服部のことしか書いていないので、中尾カメラマンのPHOTOコレクションから適当に見繕って掲載しました。ご了承ください(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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本日の“本紙予想”初日後半です

 後半ですよ~。後半もインを中心に。

7R 山崎がアシ活かしてマクリ差す。平石の残しを本線
◎山崎 ○平石 ▲山口 △森高
3連単3-125-全

8R 川﨑が堅実な逃げ。福田がカドから自在に
◎川﨑 ○福田 ▲濱村
3連単1-45-全

9R 市川がS決めて逃走。深川のカド戦が相手
◎市川 ○深川 ▲木村
3連単1-42-全

10R インの岡本はめちゃくちゃ強い。
◎岡本 ○横澤 ▲石田 △山本
3連単1-436-全

11R 服部の逃げ鉄板。アシいい山崎が迫る
◎服部 ○山崎 ▲辻 △田村
3連単1-435-全

12R ドリーム戦
イン田中が負けられない一戦。笠原の全速戦脅威で対抗に
◎田中 ○笠原 ▲原田 △菊地
3連単1-356-全


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聖戦の開会式……

 賞金王決定戦12名+賞金王シリーズ48名。実は、「最多人数登場」開会式なのですな、賞金王は。だから何だってわけではないが、豪華は豪華。しかも、いよいよベスト12の全貌が我々の前に現実のものとして姿をあらわすわけで、いやがおうでも盛り上がらずにはおれない! そんな開会式であるのは間違いありません。住之江のイベントホールの微妙な密閉感も、濃密な空気を作り出すのに一役買っていたような気がします。

 まずは賞金王シリーズ組が登場。
2008_1218_0025 白水勝也
「自力で1億円を獲ることができないので、宝くじを買いました。(拝んで)当たりますように……」
 まずは水面で1600万円をゲットしましょう!
守田俊介
「全国の守田シュン(スケまでは言ってなかったっすよね?)ファンの皆様、今年もご声援ありがとうございました」
 取材班の守田シュンファン、H記者にはお礼言わなくていいです。彼がシュンの舟券買うと、飛びまくってますから。

石川真二
「前節はとんでもないレースに遭遇して、嫌な気分で帰りましたが、今節は最終日にいい気分で帰れるよう頑張ります」
 例の「大時計故障」レースの当事者だったのであります。いい気分で帰るには、優勝あるのみ!

2008_1218_0053鎌田義
「いつものようにTシャツを持ってきました。あと、鎌田といえばチェルシーですが、今日は少しばかりのチロルチョコを」
 チェルシーほしかったよーーーーー。これからはチロルチョコに転向するのでしょうか。
2008_1218_0070 三嶌誠司
「終わりよければすべてよし!」
 まったくです! 今年最後のSG、我々も終わりよければすべてよし、でいきましょう!

 続いては、賞金王決定戦組の登場!
2008_1218_0092 赤岩善生
「もう少し俺みたいなヤツがやれるところを見せたいと思います」

2008_1218_0099 魚谷智之
「今年もこの舞台に立てることを感謝して、4日間、全力を出し切ります」

2008_1218_0102 白井英治
「今まで白井英治を支えてくれた方々、ファンの皆様のために気合を入れて頑張ります」

2008_1218_0114 丸岡正典
「おはようございます。ダービー王です。1億円獲って帰ります」

2008_1218_0122 瓜生正義
「今年の集大成、思い切り走ります」

2008_1218_0133 濱野谷憲吾
「今年こそ頂点目指して頑張ります」

2008_1218_0142 井口佳典
「本気で優勝を狙いにきました。4日間暴れます」

2008_1218_0147 湯川浩司
「最終日にここに戻って来ることを夢見て頑張ります」

2008_1218_0155 吉川元浩
「去年よりすべていい状態でここに臨むことができました」

2008_1218_0166 今垣光太郎
「一度でいいから黄金のヘルメットをかぶりたい」

2008_1218_0176 坪井康晴
「今年1年のすべてを出し切りに来ました」

2008_1218_0185 松井繁
「1年間、応援ありがとうございました。全力で頑張ります」
 なんか、みんな気合が違ったなあ……。やはりこの舞台に立つというのは特別なことなのでしょう。賞金王組はイベントホール後方から花道を通ってステージに上がったのですが、松井と白井、この2人だけが花道を堂々と歩いて入場しました(あとは駆け足で)。

 うむむむ……、今年も賞金王が始まってしまった……。(PHOTO/中尾茂幸)


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H記者の『穴・極選』初日

 例によって「ボー誌」(激辛の年末進行!!)のマジギリ〆切を大幅にオーバーしてしまい、東京で居残り特訓をしているHです。すいません、足合わせも見ていない身の上では極選をお休みするのが本筋とは思いますが、挨拶代わりに気になるレースを1本だけピックアップしておきます。我が最強の敵(とも)・しげ爺さん、憲吾どの、うりちゃんはじめ全国推定15名(笑)の極選ファンの皆様、今節もお付き合いのほどよろしくっす。この最後のシリーズでひと花、いや、ひと大花火をぶち上げてみせます!!

 8R
 ①川崎智幸
 ②飯山 泰
 ③白水勝也
 ④福田雅一
 ⑤濱村芳宏
★⑥松本勝也

進入123/456

 インの強い住之江に、イン巧者の川崎。逃げ切って当たり前のレースではありますが、2号艇にナチャラル・ボーン・マクリ屋の飯山(前検時計もソコソコ優秀)がいるのがミソ。2コースからでも平気でまくる男ですから、1マークの内水域には豊潤な差し場が生まれます。となれば狙いは「使えるペラがある」といつになく強気のコメントを発している松本でしょう。若い頃は6コースが死ぬほど得意な男でもありました。アタマまでは難しいとみて2着固定で勝負。万舟にはならないかもしれない川崎-松本を押さえに、飯山-松本で美味しい夢を見るとしましょう。

3連単★2-6-全、押さえ1-6-全


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本日の“本紙予想”賞金王シリーズ初日

 ども。Kでございます。今節も“本紙”予想を担当させていただきます。どうぞよろしく。しげ爺様、お久しぶりでございます。H記者の極選が不安定な分、安定した予想でしげ爺様に対抗する所存でございます。
 さて、住之江といえば、インが強い。SGもまたインが強いわけでして、今節はインにはあまり逆らわないほうがよさそうですね。“本紙”ももちろんイン主体の予想。手堅い中に潜む穴が見つかれば、というスタンスでいきたいと思っております。

1R 前検気配よかった渡邉が伸びて差し構え
◎渡邉 ○吉永 ▲飯山
3連単2-15-全

2R 松本の逃げが堅そう。鎌田が続く
◎松本 ○鎌田 ▲田村
3連単1-32-全

3R 山本が迫力の逃げ見せる。前検よかった深川が追走
◎山本 ○深川 ▲今村 △山口
3連単1-365-全

4R 倉谷が地元の誇りにかけても逃げる
◎倉谷 ○辻 ▲作間
3連単1-43-全

5R 藤丸が池田を壁にして逃走
◎藤丸 ○池田 ▲三嶌
3連単1-23-全

6R 平尾がイン速攻。重成相手も、服部怖い
◎平尾 ○重成 ▲服部 △馬袋
3連単1-364-全

 後半は後ほどアップします。


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普段と同じ空気、違う空気――THEピット 賞金王シリーズ前検

 なんだか、早々と通勤着に着替えてしまう選手が多いような気がする。
 限られた時間で数多くの作業をこなさなければならない前検は、ピット内の空気が激しく攪拌されるのが常である。しかし、今日は妙に穏やかだ。気がつけば、あの選手もこの選手も通勤着姿になっており、宿舎へ送迎するバスの発車を待っていたりする。通勤着とは、競艇場の行き帰りに着用するジャージ。これに着替えることは、本日の作業は終了しました、と同義となる。
2008_1217_0186  前検1班の今村豊や江口晃生が、早々に通勤着になっているのは、まあわかる(今回は珍しいことに、通常1班のドリーム組が4班。1班は登番最上位6名のベテラン組だった)。もっとも早く水面から上がる彼らは、8班の若手にスタート練習の順番が回ってくる頃にはすっかりリラックスした表情になっていても、何もおかしいことはない。しかし、5班の山崎智也も、同じ頃にはもう宿舎へ帰る体勢になっているのには、正直驚かされた。スタート練習と展示を終えて、水面に上がって速攻で格納、7班が水面を走っている頃にはもう通勤着……って、早っ! これを「もう手をつけるところナシ!」とすでに仕上がっているのだと見るのか、「とりあえず明日!」と割り切っていると見るのか、どちらをチョイスするかはなかなかに難しい。うーん、どちらだろう……。
2008_1217_0321  寺田祥も、早々に通勤着に着替えていた一人。ドリーム出走のテラショーは4班で、15分ほどの試運転タイムを挟んで5班がスタート練習に飛び出した頃には、やっぱり通勤着の岡本慎治と話し込んでいたのだ。これを「もう手をつけるところナシ!」と……うーん、わからん。まさか、モチベーションが下がっているわけではないと思うが……。

2008_1217_0389  ドリーム戦共同会見で、原田幸哉は言った。
「今シリーズはもちろん勝ちたい。だけど、来年につなげる節にもしたい」
 幸哉は、どうやら2009年に勝負を賭けているようである。やや曖昧な物言いで来年への決意めいたことを述べ、その具体像がつかめない報道陣が突っ込むと、「なんて言ったらいいんだろう……」と言葉をうまく見つけられない様子ながら、「枠なりばっかりじゃ面白くないでしょ」と言った。
「5(号艇)や6でも、動くときはビシッと動く。カドを獲るときはビシッと獲る。外から行くときはビシッと外から行く。とにかくだらだらっとした進入はしたくない」
 今までだってだらだらっとした進入をしてきた男だとはとうてい思えないが、彼の中には確実に何かが芽生えている。今節持ち込んだ新ペラ2枚はともに伸び型だそうで、アウト想定のレースでは伸び重視で勝負をかけるスタイルを模索しているのだろう。もちろん、ここは内から行くべきと考えれば、なりふりかまわずコースを獲りにいく……ハッキリ明言したわけではないが、そういうことのはずだ。
 賞金王シリーズで幸哉が見せてくれるのは、変革の片鱗なのか。それとも……。ひとつだけ言っておくが、そうした決意を表現する走りは、結果はどうであれ、絶対に否定すべきではない。
 
 時間を追うにつれ、さらに通勤着姿の選手は増えていく。ふとペラ室を覗きに行くと、明日からは満員御礼になるはずの部屋にたくさんのスペースができている。違う。明らかに普段のSGと違う。賞金王シリーズ……その名前を呟く。よくわからなくなる。
2008_1217_0159  ピットの隅で、吉田拡郎がTVインタビューを受けていた。まっさらなSGカッパ。カクローにも、この“晴れ着”を着られる日がついに来た。SG初出場。カクローにとっては忘れられない一節になる。
2008_1217_0529  モーター抽選が終わり、モーターを受け取り、ボートに装着して、真っ先に水面に飛び出したのは田中信一郎だった。地元だからではない。選手班長だからでもない。これがいつもの田中信一郎だ。シリーズの封を切るのは、いつだって信一郎。これは(われわれが取材に来るSGでは)常に見られる光景で、彼は毎回毎回、まだ誰も走っていない処女水面を疾走して、穏やかな水面を切り裂いていく。今日は、これに絡んでいったのが同期の福田雅一。最近よく見る光景で、去年あたりはやはり同期の都築正治が信一郎に追随して、最初の足合わせを挑んでいたものだった。信一郎の周辺には、普段と変わらない空気が漂っている。

2008_1217_0523  それにしても、賞金王シリーズの前検を見ているだけでも、近畿の充実はハッキリと見てとれるな。特に兵庫。魚谷&吉川のツートップは、今日はまだいない。なのに、今年のSGではあまり姿を見かけなかった馬袋義則と勝野竜司が存在感を発揮していて、上2人が抜けてもまったく勢力が衰えないことに今さらながら驚嘆する。もちろん、あさってになればツートップもピットの住人となるわけで、結局は勢力が増すかたちとなるのである。これに、シラケンとか安田政彦とか星野政彦とか、さらに加わっていてもおかしくない選手たちがいるわけで……。凄すぎるな、まったく。

2008_1217_0454  うおっ、ピットに閃光が走った! 全力疾走する菊地孝平! 足合わせでは伸びがかなり良さそうに見えたが、陸の上でも超抜の伸び。菊地はまるでペラ室の主であるかのように、長い時間ペラと向き合っていて、エンジン吊りのたびにボートリフトへ猛ダッシュ。リフトがピットのいちばん隅っこにあるがゆえに、ギリギリまで作業をしていると、走らなければ間に合わないのである。
2008_1217_0111  整備室の中から勢いよくリフトに駆け出して行った三嶌誠司。昨年、一昨年は2日遅れの到着を許された男が、今日はここにいる。それでもその動きに変わりはない。前検日には、律儀なまでにエンジン吊りに走って向かう三嶌が見られたりするものだ。そこには、たしかにSGの空気を醸し出すものが、ある。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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前検チェックは超難解……

 正直に申しましょう。非常に難しかった。
 前検足合わせをチェックしたのは、スリットからやや1M寄りのスタンド。良く見える選手はいるのです。伸びにしろ、出足にしろ、行き足にしろ、私の眼にキラリと光って映る選手は、間違いなくいた。でも、その比較が非常に難しい!
 軽快なアシ色に見える選手同士のマッチアップが、あまり見られなかったということもその一因でありましょう。良く見えたAとBはともに●班、ならばスタート練習での行き足を比較してやろうと目を凝らしていると、うがぁぁぁぁ、Aがドカ遅れで比較にならん~~なんてこともございました。AとC、BとCが足合わせをしていれば、Cを物差しにすることもできるのですが、そうしたケースも非常に少なかった。
 ……えっ、言い訳だろ、って? そりゃまあ、言い訳ですよ!(←開き直り)しかしながら、この状態で横綱だの大関だの評価するのはあまりにも心もとない。今日の時点では、「良く見えた選手一覧」でお茶を濁……じゃなくて、ご勘弁いただければと存じます。

2008_1217_0103  一覧を記す前に、良く見えた2人がマッチアップ、の数少ない例をひとつ。まず、山崎智也が出足も伸びもバランスが良く、上位と見えました。もう一人、深川真二も粘っこいアシで、相手を圧倒するまではいかなくても、誰と合わせてもちょっとずつ優勢、という気配。で、智也と深川が1回だけ、足合わせをしていたのです。これがもう、まったくもって互角のアシ色。言ってみれば、深川がほぼ唯一やっつけられなかったのが智也。智也のアシ色を抜群に見せなかったのが深川。この71期の2人は、好気配と判断していいでしょう。71期といえば、馬袋義則も悪くなかったですね。

2008_1217_0113 今村豊/平石和男/市川哲也/川﨑智幸/福田雅一/渡邉英児/笠原亮/田中信一郎/山本隆幸/辻栄蔵/山口剛/深川真二/山崎智也/馬袋義則/菊地孝平(→どーしても一人あげろということなら、いちおう渡邉英児の行き足。あと、菊地の伸び)

 15人かよ! シリーズ出場選手は48名なので、ほぼ3分の1もあげてしまった……。この15人の中から誰がふるい落とされていくのかは、明日以降に鋭くチェックしてまいりたいと思います。もちろん、名前があがっていないなかから浮上する選手もいるはずで……って、明日も15人あげるつもりかよ。

2008_1217_0098  さて、前検タイムが届きました。
6・63 原田幸哉
6・64 今村豊
6・65 平尾崇典/重成一人/菊地孝平/山口剛
6・66 飯山泰
6・67 岡本慎治/江口晃生/渡邉英児/石田政吾

 一番時計は幸哉! たしかに悪く見えたわけではないですが、トップタイムとは驚き。15人衆からは今村、菊地、山口、渡邉がランクインしてますな。
2008_1217_0099  一方のワースト。
6・83 守田俊介
6・79 吉田俊彦
6・78 田村隆信
6・77 作間章
6・76 山崎智也/吉村正明

 うがっ! 智也がワースト5に入ってる!? うむむむ……。果たして明日の気配はいかに。それにしても、H記者の愛する守田俊介は、どうして展示タイムがいっつもいっつも遅いのですか? H記者は予想を当てる前に、それを解明してください、はい。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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シリーズ戦モーター抽選

 えっと、モーターうんぬんとは関係ないけど、感心したこと。
2008_1217_0093  モーター抽選は、「男子選手控室」というプレートのかかった部屋で行なわれた。この部屋は、大部分が畳敷き。入口、それと部屋の真ん中に川のように板敷の部分があり、ここでクツを脱いで畳にあがるようになっている。だから抽選は、全員が畳に上がっている。で、板敷にずらりと並んだクツ。これがみな、きれいに揃えられているのである。誰かが揃えたわけではない。登番が大きい順に(つまり若手から)抽選が行なわれた今回、ガラポンが始まった後に一瞬だけ席をはずしていた重成一人が、自分の順番になっても戻ってこれなかった。池田浩二が「シゲさーーーーん!」と呼びに行って、ダッシュで戻って来た重成、会場に駆け込んで大急ぎでクツを脱ぎ……それを揃えた。急いでいたって、クツは揃える。これはしっかり習慣づいているということである。本栖orやまとで叩きこまれたものなのか、キャリアを重ねても染みついている習慣。どうでもいいことかもしれないけど、思わず唸らされた次第だ。うん、僕も明日からクツは揃えて脱ぐことにしよう。

2008_1217_0109  さてさて、今節の選手班長・田中信一郎がオブザーバーとなって進行したモーター抽選。他の選手がガラポンを回す間、ずっと正座して見守っていたのにもちょいと感心しつつ、その田中がにこにこ顔だったこともあってか、どこか和やかな空気の中で各選手の相棒が決まっていったのでありました。
 といっても、上位機は決定戦に回っているわけで、どれだけ祈ってもエース機が出てこないのがシリーズの宿命。それでも“シリーズでは上位”機は必ずあって、それが静かに選手間の話題となっていたようだったが、普段のSGのような「おっ、エース機!」的盛り上がりはついぞ起こらずじまいであった。
 シリーズ使用機の2連対率上位はざっとこんな感じ。

2008_1217_0104 6号機 38・0%……資料によっては決定戦の予備機になっているのだが。近況は乗り手の問題もあるのかもしれないが、成績はふるわない→→→山崎智也
64号機 37・5%……これも乗り手がB級だからなのか、近況成績はもうひとつ。それでも1~3着の回数がほぼ同じで安定感あるか→→→森高一真
70号機 36・9%……前節で小野信樹がオール3連対。ひとまず好仕上がりが期待される→→→濱村芳宏
2号機 36・9%……前節、山本修一が優出1号艇。優勝戦はマクられて敗れているが、好仕上がりは間違いない→→→平尾崇典
33号機 36・7%→→→松本勝也
19号機 36・6%……前節は吉田一郎が節イチパワー。優勝戦で2号機の山本をツケマイで沈めている。スリットから伸びていた→→→笠原亮
28号機 36・1%→→→市川哲也

2008_1217_0120  2連対率トップが38%だから、実際のところはそれほど差はないと見るべきであろう。ここからのセッティング、マッチングが重要となるわけで、相場はいくらでも変わり得る。日々の気配に注意しつつ、足合わせ、レースを確認していくとしよう。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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どんな思いを抱えて、住之江入り……

2008_1217_0009 「クロちゃん、冷えるなあ~~」
 山本隆幸とともに若手が運転する自動車で住之江入りした森高一真が、後部座席から降りるや否や、そう言って顔をしかめる。たしかに風は冷たい。寒い。しかし、これが賞金王の空気でもある。いや、あるいは“シリーズ前検”の空気なのか。本日はまずはシリーズ組が競艇場にやって来る。本当はもう2日、住之江入りを遅らせたかった彼らにとっては、さらに冷たい師走の風、かもしれない。
「まあ、サブを盛り上げるわ」
 森高が笑う。ちょっとちょっと、サブなんて言わないの! 森高はさらに笑った。
「そうやな。これもタイトルはタイトルやもんな」
 そりゃあ、前座と見られるのは仕方ないけど、それでも賞金王シリーズだって立派なSGである! 決定戦の濃密な緊張感はたしかに凄いが、その舞台に進めなかった者たちの怨念だって相当のものだ。実は、シリーズ戦には、そうした悔恨供養のドラマがある。
2008_1217_0053 「くやしい! 情けない!」
 競艇場入りして、いきなりそんなふうに顔をしかめたのは、笠原亮だ。まだレースも始まっていないのに、いや、戦場に足を踏み入れたばかりなのに、くやしい、とは……言うまでもなく、競艇王チャレンジカップ優勝戦の敗戦を、あれから16日が経過した今日になっても笠原は振り返る。チャレカでは節中から笠原とはたくさん言葉を交わしていて、しかし優勝戦後には顔を合わせることができなかったから、あの日の思いをわざわざ蘇らせて、伝えてくれたのだと思う。その思いを抱えながら、シリーズ戦に臨む。やっぱり、そこにドラマがないわけがないのだ。

2008_1217_0023  ファンとの長い長い交流タイムを経て、山崎智也が入場門をくぐってきた。カメラの放列(といっても、撮影していたのは中尾カメラマンと池上カメラマンだけでしたが)に向かってにこやかにぺこりと会釈をしつつ、颯爽と競技棟に向かうのはいつも通りの智也ではある。しかし、まさかの2年連続シリーズ回りを納得しながら、この場に姿をあらわす男ではあるまい。
2008_1217_0060 360度どこからどう見ても不機嫌としか見えない表情で入ってきたのは、菊地孝平。ピットでは厳しい表情が目立つ昨今、しかし競艇場入りの際にここまで硬い顔つきでいるのを、僕は見たことがない。言葉を交わしたわけではないので、それがどういう意味なのか断定することはできないが、ただならぬ雰囲気の菊地と見えたのは間違いない。
 賞金王シリーズ。そりゃあ、前座と見られるのは仕方がない。賞金王決定戦がメインなのは、当然である。
 しかし、その舞台に立つ者たちは、複雑な心境と絶対に負けたくないという勝負師魂を抱え、爆発させ、物語を紡いでいくのである。競艇場入りしてくる選手を眺めつつ、決定戦とは違った意味で、特別なSGだと痛切に思った。

2008_1217_0001  駆け足で。吉田俊彦が金髪に! 一瞬、「誰?」とか思ってしまいました。でも、似合ってます!
2008_1217_0032  鎌田義に「編集長、競馬の雑誌にも原稿書いてるんですね」と声をかけられました。うむむむ、恐縮っす……。でも今は競艇アズ・ナンバーワン!ですから。

2008_1217_0064  今節もクール! 服部幸男! やっぱりこの人は、絵になるのであります……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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