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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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準優勝戦 私的回顧

10R
①菊地孝平(静岡)
②今垣光太郎(石川)
③秋山直之(群馬)
④平田忠則(福岡)
⑤辻 栄蔵(広島)
⑥藤丸光一(福岡)

2009_0530_r10_1078  “魔物”が棲んでいたのは、多摩川だけではなかった。総理杯に続き、今垣光太郎が準優で賞典除外に……総理杯は待機行動違反で見た目にはよくわからないものだったが、今回の事故現場はすべての観衆が目撃した。あれがどれほど危険なプレーだったかは、評価が分かれるところだろう。私は今垣に深く同情する。この10Rは素晴らしい「水上の格闘技」だった。準優でありながら、今垣と菊地のふたりが揺るぎなく1着を目指した名勝負だった。今垣本人の落胆は計り知れないだろうが、ファンのために全力を尽くして戦った己を誇りに思ってほしい。
 レースを振り返る。「博多天皇」藤丸が気合満々に前付けし、それに菊地が抵抗して進入は16/245/3。3コースの今垣に有利な隊形になったが、その今垣が遅れた。1艇身以上ものビハインド。勢い、外の平田が猛然と絞りまくる。

2009_0530_r10_1047  これに飛びついたのは藤丸。地元同士の大競り!で、今垣が息を吹き返した。イン代わりにも近い角度からクルリンと差し回り、これで逃げる菊地に肉薄していた。凄い回り足&ターンテクだった。バックでは2艇のマッチレース。やや態勢有利な今垣が2マークを先取りする。ここで菊地が差しを選択すれば、ほぼ2-1で安泰だっただろう。が、菊地という男は基本的に握るのである。しかもウルトラ全速で。それが菊地孝平なのである。菊地は握った。2マークでは2着を安全に取りきるためのツケマイモドキもあるが、彼はいつものように全力の強ツケマイを放った。今垣はその気配を察して張った。飛びついたというレベルにはほど遠い、「先マイしながら張った」という感じだった。一般戦の1マークでもそれはよくある光景だ。が、何が違うって相手のスピードが違うのだ。カツンと接触した瞬間、猛スピードの菊地艇はぐんぐん流れた。流れて消波装置にぶつかりそうになって失速した。私は勝負舟券の2-1が紙屑になったことを実感しつつ、それでも興奮していた。地元の2艇がやり合い、準優なのに先頭の2艇が雌雄を決するべく激突する。これは、実に面白い競艇の姿なのだ。
 格闘技はさらに続く。菊地が脱落し、2周バックで今度は辻栄蔵が2番手に躍り出た。が、その後方を見れば、内に平田、外に藤丸が控えている。1周1マークで競った地元のふたりが、ここでは連繋するかのように機能的に動きはじめる。平田が切り込んで辻にプレッシャーを与えつつ、藤丸が鋭角差しに。平田の突進を避けて辻が大回りしている間に、藤丸の差しが届いた。ホーム直線で2艇がガンガンぶつかる。準優らしい、火花を散らす2着争い。そして、2艇の大競りを藤丸が制しているうちに、平田が3番手に流れ込んでいた。結果、この2艇が優出したのだから、「地元の意地と気合」が実を結んだレースといえるだろう。とにかく進入からゴールまで目が離せない、スリリングかつ迫力満点の3周だった。こんなSGが随所に行われれば、競艇の人気が廃れることはない。私はレースを見ながらそんなことを考えていた。
 そして……今垣に下された裁定については、いずれ深く掘り下げて語り、書くことになるだろう。今日のところは、今垣、不運だったね、と言うしかない。あれは、間違いなく不正やラフプレーとは異なるターンだった。ただ、法には法の言い分があって、それが適用されてしまった。今垣、不運だった。

11R
①瓜生正義(福岡)
②寺田 祥(山口)
③坪井康晴(静岡)
④太田和美(奈良)
⑤赤岩善生(愛知)
⑥松井 繁(大阪)

2009_0530_r11_1202  枠なり進入から、かなりの楽インでトップS。それでも簡単に逃げられないのが福岡の怖いところだが、瓜生がバックでしっかり伸びきって後続を振りきった。これで優勝戦での1号艇か2号艇かが約束された。今節、もっともプレッシャーがかかった選手だと思うのだが、見事なイン逃げだったな。
 問題は2着争いだ。1マークで坪井が転覆してしまったため、2マークの攻防がウルトラ一大事となった。ここで1艇身以上抜けてしまえば、ほぼ99%優出が確定するのだから。寺田が先マイし、赤岩がぶん回し、太田が追っつけ気味に差した。

2009_0530_r11_1231  このとき5番手の松井はまだ外に艇を開いている状態だった。後手を踏んで絶体絶命のようだが、この王者の冷静な判断が僥倖を呼ぶ。3艇がもつれながら回っている間に、キュッと最内に艇を入れた。態勢はまだいちばん不利だ。が、外の3艇は並走状態だから、わずかでも舳先さえ入れてしまえば2周1マークで先着の優先権を得られる。その判定ポイントはスタート地点。それまでに入るか、入らないか。入った。4艇立てのスリットのような景観が生まれたが、もう大勢は決していた。最内艇=最優先の原則で、松井が心地よさそうに1マークをゆっくり先取りする。今節は自身の転覆で苦戦を強いられたが、ここ2日は持ち前の勝負強さを発揮した。先に僥倖という言葉を使ったけれど、実のところこの2着は自力でもぎ取ったものだ。あの5番手!のバック直線で、最初のうち松井は内寄りを走っていた。「なんとか2着を!」などという焦りがあれば、そのまま内から突進気味に仕掛けたくもなる。が、松井はその直線で他艇の引き波をまたぎながら、艇を外に持ち出した。前の3艇が混戦になる可能性を見据えて、最善のポジションに自分の身を置こうとした。何度も修羅場を潜り抜けた経験則が、そうさせたとしか思えない。百戦錬磨の王のターンだった。
 レースの綾は1周で終わり、ファン投票の1位と2位、シリーズの本命がファイナルに駒を進めた。

12R
①今村 豊(山口)
②白井英治(山口)
③池田浩二(愛知)
④丸岡正典(奈良)
⑤吉川元浩(兵庫)
⑥山崎智也(群馬)

2009_0530_r12_1334  結果を先に記すと、今村が逃げて(決まり手は「抜き」)、吉川が差しての1-5決着。他のレースよりも穏やかな戦いになったが、特筆しておきたいのが丸岡の健闘だ。スリットほぼ同体の隊形から、丸岡は果敢に仕掛けた。吉川の行き足に注目していた私は、その隣がキュンと伸びたのに驚いた。素晴らしい行き足から絞る丸岡。これに池田が抵抗して、その全速まくりの勢いは半減した。それでも、丸岡は握り続けて今村を叩こうとした。あと半艇身で叩ききるところだった。惜しくも優出は逃したけど、気合もパワーも、素晴らしかったぞ、丸ちゃん! 
2009_0530_r12_1333  個人的には、白井を応援していた。あるインタビューを契機に「将棋フレンド」として親しくなった白井の今年のテーマは「王手!」。今日も1号艇の今村師匠はじめ、他の5選手はバリバリのSGレーサーであり、白井にとっては「ここを勝ち抜いて、明日へ王手をかけたい!」という心境だったはずだ。師匠に勝てたかどうかはともかく、展開的には差しハンドルが生きそうな1マーク……しかし、届かなかった。王手をかけても、どうしても詰みには至らない。そんな彼のもどかしさが、そのまま伝わってくるような1マークだった。「もっともSGに近い男」と呼ばれるようになって何年かが過ぎた。また今節も不完全燃焼に終わったが、こうして敗れ去りながら、王様を詰ませるための経験も蓄積されていく。白井の対局は続き、王手も続く。もう、その悲願まで5手詰か、いや3手詰まできていると思うぞ。めげずに頑張れ、白井英治!(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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H記者の「吉川に要注意!!」予想

 おお、れいこ様おめでとさんです!(って、まさかSG史上最高配当の3連単っすか?) ちなみに私は、智加-9-9のみ>< 極選も例によってボコボコで中洲がどんどん遠ざかっております。せめて、準優だけでも……!!

10R
①菊地孝平(静岡) A→
②今垣光太郎(石川)S→
③秋山直之(群馬) A→
④平田忠則(福岡) A'→
⑤辻 栄蔵(広島) B→
⑥藤丸光一(福岡) B→

進入6142/35????

 進入から超難解。藤丸がスタート特訓で80m起こしを試したのは当然として、平田も2、3コース想定の進入やイン水域からの足合わせを何度も繰り返していた。気持ちはわかる。ほっとけば5コース確定なのだから、藤丸に連動して内に入りつつ2、3コースを狙う。地元で内を固める腹積もりだろう。対して菊地や今垣がどこまで抵抗するか。それがわからない。S展示でその態度がソコソコわかるだろうが、本番ではまったく変わる可能性もある。それほど難解な進入だ。
 ここはあれこれ迷わず、私の機力診断に忠実に買う。◎は今垣。藤丸の直撃アタックを喰らう菊地よりも、進入から自在に動ける強みもあるし。あの回り足があれば、どのコースからでも展開を鋭く突けるだろう。菊地と準優2着が似合う秋山へ。

3連単★2-13-全

11R
①瓜生正義(福岡) S→
②寺田 祥(山口) A→
③坪井康晴(静岡) A→
④太田和美(奈良) A↑
⑤赤岩善生(愛知) A↑
⑥松井 繁(大阪) B→

進入123/456

 松井(新ルールになってから前付けが激しくなった)の動向が気になるが赤岩がブロックしての枠なり想定。ならば捌きタイプの多いここは逃げきり濃厚だ。たとえ松井と赤岩が揃って前付けにきても90m起こしくらいなら持ちこたえるだろう。パワー、展開的に後続争いがもつれるとみて、気配アップしている太田と赤岩へ。

3連単★1-45-全

12R
①今村 豊(山口) S→
②白井英治(山口) A→
③池田浩二(愛知) A→
④丸岡正典(奈良) A→
⑤吉川元浩(兵庫) S↑↑
⑥山崎智也(群馬) A’↑

進入123/456

 レース的にいちばん難しいのがコレ。というのも、今日の一連の特訓で吉川がウルトラ超抜に見えたからだ。スリットからの行き足、ターン回りともに素晴らしく、瓜生との足合わせでもまったくヒケをとらなかった。そして、吉川が激しく攻めれば賞金王シリーズの夢よもう一度で智也も突っ込んでくる。1256のボックスを買いたいくらいだが、ここは私なりに絞り込んでみた。今村が逃げきるか、吉川の強襲を喰らってぶっ飛ぶか。この変則フォーカス10点で勝負!

3連単★本線1-25-256、穴256BOX

 もし私の予想通りの決着なら明日の優勝戦は①今村②瓜生③今垣④菊地⑤白井⑥赤岩ってな感じになるのですが……憲吾どの、うりちゃん、hiyoちゃん、今節もダメダメ予想ですんまっせん!!


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笹川賞終了。次回は……

井口佳典のSG初制覇で幕を閉じた、第35回笹川賞。平和島もすっかり闇に包まれましたが、まだ銀河系軍団3人目のSG覇者誕生の余韻が残っています……。

Cimg3957 今節もご覧いただき、ありがとうございました。今回が丸3年目のSG参戦、つまり4年目に入ったわけでありますが、次回からも頑張って取材、更新してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。前検日にいただいたお叱りについては、次回参戦までに改めて向き合っていくつもりです。

その次回は、6月24~29日に芦屋競艇場で開催されるグランドチャンピオン決定戦です。もちろん23日の前検から最終日まで、現地より取材・更新をしてまいりますので、次回もどうぞよろしくお願いいたします。

今節も本当にありがとうございました。それでは、芦屋でお会いしましょう!


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THE ピット――強き男たち

Img_3598  優勝戦1周1マークを先頭で抜け出したのは井口佳典だった――。

 今日のピットで見ていた井口の印象については、どう書けばいいかと悩まされる、微妙な部分もあったのは確かだ。
 昨年の総理杯のように1日を通して表情が固まったままになっているようなことはなかったが、ある程度の緊張感は、こちらにも伝わってきていたのだ。ただ、今日の井口が醸し出していたそんな緊張感は、優勝戦を迎えようとしている選手にとっては、ベストに近い精神状態を作りあげていたものだったと言えるのかもしれない。昨年の賞金王決定戦ファイナルの日にしても、井口はギリギリの精神状態にあるように見えたものだが、そうした修羅場を経験してきたことが、この男を確実に強くしていたのだろう。
 表彰式のインタビューでは、賞金王決定戦を経て今日を迎えていたことで「怖いものは何もない」状態になっていた、と井口は言い切ることができていたのだ。

Img_7384  9R後、優勝戦出場メンバー全員揃ってのスタート特訓が行なわれているが、特訓から引き揚げてきた直後に井口の表情はさっと曇り、バタバタと動き始めるところを確認していたため、足に対して納得がいかないところが出てきて動揺しているとも考えられた。
 そのため、井口の精神状態についての印象が微妙になっていったところもあったのだが、それについては、それからしばらく経ったあとに、何があったのかの事情は一応、判明していた。
 井口の傍に駆けつけた整備士さんたちに見てもらいながら、井口はそれを直して、「すみません」と頭を下げ続ていた。そして、それが終わると、井口の表情はいつもとそれほど変わらないものに戻っていたのだ。
 その後に整備士さんの一人に、あの部品は何だったのかと確認してみて、「チルトロック」というものだと教えてもらった。井口がその部品を締めるのに力を入れ過ぎていたため、折れてしまったそうだったのだ。そしてそれは、直してしまえば、競走にはまったく影響の出ないようなトラブルだったのだという。井口にしても、そんなことはおそらくわかっていたのだろう。ただ、自分の単純なミスによって整備士さんの手をわずらわさなければどうにもできないトラブルを起こしてしまったために表情を曇らせていたということだったのではなかろうか。
 力を入れ過ぎて、チルトロックという部品を壊してしまったこと。そのために、顔色を変えて、整備士さんたちに謝り続けていたこと。
 そのどちらも井口らしいと言えるはずだし、そんなことを改めて振り返ってみても、今日の井口はいつもとそれほど変わらない精神状態にあったと言えるだろう。

Img_7680  ゴールの際には、ド派手なガッツポーズを決めた井口だが、ピットに戻ってきた際も、その周囲はお祭りムードになっていた。
 銀河系軍団の湯川浩司や山本隆幸に迎えられ、バンザイやガッツポーズをしながら、ピットに帰還! ボートを降りた瞬間は、まだ興奮冷めやらない顔をしていて、TVインタビューを受ける前にも大きく息を吐きだし、自分を落ちつけようとしているふうにも見えていた。
 また、そのインタビュー後にウィニングランに出ていき、再びピットに戻ってきたときには、山本隆幸と力強く抱き合った。そして、顔なじみなのだろう記者たちと抱擁しているところも何度となく見かけられていた。
 井口自身、それだけこの勝利を強く欲していたのだろうし、井口をよく知る周囲の人間たちも、井口がそれを成し遂げたことを心から祝福していた。周りの人間をそんな気持ちにさせる男が井口であるわけだ。

Img_7521  ……大きく気候が変わり続けた今節だが、その締め括りとなる今日の午後にも、意外と優出メンバーは落ち着いたままでいて、慌てた作業を始める選手はいなかった。
 1日を通してずっとOPCでプロペラと格闘していたのは横澤剛治だったが、これは、6コースから勝ちに行くためのチルト3度に合わせたペラを作っていたのだろうと予想されるし、そうした攻めの姿勢と、それに取り組む集中力は素晴らしかった。

Img_7637  他の選手たちは、気候に合わせたペラ調整にもそれほど手こずらなかったようで、佐々木康幸、田中信一郎などは、それほど作業をしているところを見かけられなかったし、相当の自信があるためか、普段と変わらないマイペースで優勝戦までの時間を過ごしていたようにも見えていた。
 自信といえば、白井英治もそうで、よほど足は仕上がりきっていたのか、今日の白井は、プロペラを磨いていたりエンジンの濡れを吹きとるなどの作業をしているところくらいしか見られなかった。9R後のスタート特訓のあとにも、他の選手はなんらかの調整をしていたなかでも、白井だけはすぐに展示ピットの脇にある待機ピットにボートをつけて、作業を終了させていたのである。
 白井はおそらく、勝てると踏んでレースに臨んでいたのだろう。だからこそなのか、レース後には、誰よりも結果を悔しがっているようにも見えたものだった。師匠の今村豊と、同支部の仲間である寺田祥に手伝ってもらってモーター格納をしていたときにも、その顔には苦笑いが貼りついたままになっていたのだ。そんなところを見ていると、井口のあとは白井か――という気持ちにだってさせられた。

Img_7442  悔しそうにしていたといえば、濱野谷憲吾ももちろんそうで、レース後は白井と似た性質の苦笑いを見せていたし、コメントでも「悔しいです」と、はっきり口にしていた。
 本番のスタート直前――。ピットアウトも済んで隊形も決まり、選手たちがまさにスロットルを握りだそうとしているような段階になって、急に追い風が強くなったのは、ピットにいても感じられたものだった。
 いたずらすぎる運命の風。
 そういってしまえば大袈裟過ぎるかもしれないが、それが6選手のスタートタイミングを微妙に左右した部分は皆無ではなかったはずだ。
 紙一重のところで勝敗が分けられることは少ないないし、今日の優勝戦は、6選手それぞれの心に重いものを残していたともいえるだろう。
 ただ……。
 それにしても今日の井口は強かった!
 そして、井口はこれからもこの強さに磨きをかけていくことだろう。
 おめでとう、井口佳典!
 艇界の未来を明るくしてくれる男が、ここにまた一人現れてくれたことについては、本当に感謝したい。
(PHOTO/山田愼二 TEXT/内池久貴)


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優勝戦私的回顧

 井口佳典のまくり差し一閃。第35回笹川賞は1マークで勝負がついた。銀河系軍団にあらたな恒星が誕生した瞬間である。

_u4w_040  進入は枠なり。とにかくインとカドが強かったシリーズだけに、優勝戦1号艇が東都のエース・濱野谷憲吾ならば、まず優勝は間違いないように思えた。

 実際、オッズボードは濱野谷の勝利を確信したような数字を示していた。エンジンは仕上がっている。誰もコースをガメる選手はおらず助走距離は充分。数え切れないほど走ってきた平和島水面なら、難なくスタートを決められるはず。死角はなかった。

 なのに、濱野谷のスタートタイミングはコンマ21。スタート順位は6番手。スリットを通過後、人で埋まったスタンドから悲鳴が上がる。

「スタート全速で行けなかった」
 レース後の濱野谷のコメントである。やはり地元SG1号艇のプレッシャーがあったか。また、真夏のように暑くなった気温も影響した面があるかもしれない。はたまた風の影響か。

_u4w_042  濱野谷がスリットで遅れた瞬間、2コースの佐々木康幸は色めきたつ。
「エンジンは昨日より良くなっていた。スタートは様子をみながら行った。握っていく形もあると思っていた」

 全速というわけではなかったが、佐々木が勝てそうな態勢である。しかし、ここに3コースの白井英治が攻めてきた。
 白井はエンジンを行き足から伸び型のセッティングにしている。差しに構えると乗りづらいので、
「締めまくりしかないから、1マークで行った」

_u4w_048  2号艇と3号艇が1マークでやり合う。スタートで後手を踏んだ濱野谷は、早々に小回り一本に絞っている。1マークにパッカリとスペースが開く。そこに黄色いカポックがズバッっと飛び込んできた。そして、突き抜けた。
 バックで先頭に立ったとき、井口は家族の名前を無意識に叫んでいたという。

 井口の優勝の伏線は昨年末の賞金王決定戦にあった。

「(賞金王決定戦で)優勝を意識したら、ああいうブサイクなこと(同期の湯川とやり合って失格)になった。だから(笹川賞は)アタマの中から優勝という言葉を消した」

_u4w_053  年明けには「絶対に今年が勝負。SGを取る」と決意していた井口だが、笹川賞の優勝戦は、あえて優勝を意識せずに臨んだ。非地元の平和島で、気楽に乗れる5号艇。さらに予選道中は絶好の足だったものの、4日目に調整ミスをしているのが、気楽に乗れる要因となった。

「何も考えず、リラックスして乗れました」 

 井口のスタートタイミングは、トップスタートのコンマ07である。
「もうちょっと行きたかったです」
 おどけ気味に答える井口だが、これは上出来のスタートであろう。 1マークも捲り差しを狙いすましていたわけでなく、
「体が勝手に反応してくれました」
 ちなみに、レース後のド派手なガッツポーズも、
「ガッツポーズは自然と出ました」
 レース結果に対しても、
「できすぎじゃないですかね」
 普段は気負いがみえるほどに「一発を狙っている」ように感じる井口だが、自然体でいれたことが勝利につながったようである。

_u4w_136_3  自然体での勝利と書くと「棚ボタ式のラッキー」を想像する人もいるかもしれない。ただ、勝負の場で自然体の自分を作り上げるのは難しい。勝てる力があるのにプレッシャーに潰される選手がいるというのは、自然体になることの難しさの証明に思えてならない。
「まだまだ未熟者。もう1回イチからやりなおします」
 記者向けのインタビューをこのように締めた井口。「未熟」は謙遜だとしても、まだ次のステージには到達していない
 井口が次に目指すのは、
「自然体で勝てるではなく、勝つべくして勝つ」
 そんな選手だ。憎らしいまでに強い選手、どんな逆境でも勝てる選手、ファンの期待を裏切らない選手……。井口佳典には、競艇界を背負って立つ選手になれる素質がある。SG優勝おめでとう! そしてさらなる飛躍を期待している。 

(PHOTO/池上一摩 TEXT/姫園淀仁)


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本日の水神祭!――優勝戦編

Img_3661  第35回笹川賞の優勝は井口佳典!
 井口にとってはこれがSG初優勝ということで、もちろん水神祭が行なわれることになるわけだ!!
 イベントステージでの表彰式が終わったあと、救助艇に乗って井口がピットに戻ってくると、同県の先輩・森竜也の仕切りによってすぐに水神祭が執り行われている。
 慌てて集まってきたのは、銀河系軍団の友・湯川浩司や、田中信一郎、太田和美といった近畿勢に、地元の高橋勲など、だった。そのなかでもとくに田中は、「お前、ええとこ差すなよ!」と、笑って“文句”をつけながらも「おめでとう!!」と握手。同じレースを走っていながらも、そうして気持ちよく祝福しているところは、とにかく男らしかった。

Img_3670  水神祭は、バックスタイルでドボン!
 井口が水面から上がってきたあとの“主役”は、信一郎の弟子・湯川だった。
 井口のお尻と局部に、濡れたタイツがびっしり張り付いているのを発見すると、「お前、ケツ! それ、きもい」と、さらなる注目を井口のソコに集めることに成功している。
 そして、その後に井口と湯川の2ショット撮影が行なわれ、ずぶ濡れの井口が湯川に肩を組んでいくと、「つめたいって!」と、再び周囲の笑いを取っていた。そうして、注目を集めるのが湯川になろうとも、井口はとにかくご機嫌だった!!
 傍にいたなら、誰もが思いきり祝福したくなるような、なんとも気持ちのいい水神祭だったのだ。
 ……おめでとう、井口佳典!
(PHOTO/山田愼二)


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THE ピット――優勝戦の朝

Img_7107  早朝スタート特訓がひと段落ついた9時半頃、ピットに行くと、優勝戦メンバーのボート6艇は装着場に一列に並ぶ格好になっていた。
「人」のほうはどうかといえば、まず目に入ったのが白井英治だ。
 屋外ペラ調整作業場=OPCで、白井は、あたかも自分自身は何もやることがないとでもいうように、同支部の寺田祥がペラを叩いているのを横から見ていたが、落ち着きはらったその様子はいつもとまるで変わらなかった(写真は、その後に自分のペラを磨いているところ)。

Img_7207  そのすぐ隣では横澤剛治がペラを叩いていたが、焦っているような感じはまるでしなかったし、今日の午前中で、私が確認した範囲でいえば、これが、優出メンバーがペラを叩いているところを見た唯一の光景になっていた。それは少しばかり意外といえば意外なことで……。
 今日の1レース開始時にピットで温度計を確認してみると、気温は22度で湿度は57%となっていた(昨日はほぼ1日中14度前後だった)。その時間帯には過ごしやすい気候になっていたが、予報によれば最高気温は26度になる見通しであり、実際にピットで日差しを浴びていれば、これからどんどん暑くなっていくのだろうことは疑われなかったのだ。
“浪速のドン”長嶺豊さんが「いい天気になってよかったですけど、選手は調整が大変ですよ」と話しかけてきてくれたので、「でも、優勝戦の選手はまだあまり動いていませんね」と返してみると、「そりゃ、そうですわ」と長嶺さん。こうしたときには午前中の時間帯に慌てて調整をすることにあまり意味はなく、午後からの勝負、ということになるものだそうなのだ。
 優出メンバーでは横澤だけがその後もOPCから離れず、ずっとペラ調整を続けていたが、これは気温に合わせた調整といったものではなく、別の意図があるペラ叩きだったということかもしれない。

Img_7263  午前中から比較的よく動いていた選手としては井口佳典が挙げられるが、井口にしてもまったく慌てた様子は見られなかった。早い時間帯に整備室でペラを磨いたあとは、OPCで田村隆信がペラを叩いているのをのんびり見ていたり、1Rで永井聖美が2着に終わったあと、ちょっと残念そうな表情も見せながらモーター吊りを手伝ったりしていて、それからゆっくりとボートを水面に降ろしていったのだ。その様子を見ている限り、とりあえずの感触を掴んでおこうとしているだけで、焦りなどがそうした動きにつながっているふうには見えなかったのだ。
 同じ平和島で優出した昨年の総理杯における井口は、見ていても明らかに張り詰めすぎているような顔をしていたものだったが、あれからの1年で、井口は大きく変わってきているようだ。

Img_7139_2  濱野谷憲吾と佐々木康幸に関していえば、装着場で記者と話をしていたり、ちょっとした点検作業をしているところを見かけただけだったが、ともに特筆しておくべきことはなかったように思う。
 とくに佐々木は、見るたびに“これは女の人から見ればこたえられないだろうな”と思わせられるような、やさしげで、あま~い笑顔を見せながら記者(男)と話をしていたので、いつもとそれほど変わらぬ精神状態にあると見てもいいだろう。
 濱野谷にしても、昨日は少し張り詰めた顔になりすぎているとも懸念されたものだったが、「今朝」に限っていえば、リラックスと緊張感がほどよいバランスで融和しているようにも見えたものだった。

 一方、午前中ほとんど姿を見かけなかったのが田中信一郎で、これだけ動かないのもある意味、不気味だ……。
 昨年、平和島のダービー優勝戦の日には一日中、OPCでペラを叩いていたものだったのだから、この不動ぶりをどう受け止めるべきかは判断が難しい。
(PHOTO/山田愼二 TEXT/内池久貴)


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優勝戦出場選手インタビュー!

 気持ちいい青空の下で、笹川賞優勝戦デー……いやあ、スタンドの熱気がすごい! 今日は早朝からファンが平和島競艇場に多数駆け付けたようで、朝8時には指定席が満席になってしまったそうです。8時! ごめんなさい、私まだ寝てました……。
_mg_6087  そんなふうにテンションが高まる中、5R発売中にはイベントホールで優勝戦出場選手インタビューが行なわれました。
 そのイベントホールも、これがもう……立錐の余地なし! 屋根のある客席からお客さんがあふれるほど、多数のファンがベスト6を一目見ようと、集まったのでありました。たまたまご一緒した長嶺豊師匠も、その様子、またファンの方たちの熱狂ぶりを見て、大感激してらっしゃいましたぞ! いやはや、それくらい、イベントホールはアツかったのです! いや~、これぞSG優勝戦! こっちもテンションがマックスですよ!
 というわけで、6名の気になる一言をご紹介。

_u4w5323 ①濱野谷憲吾(東京)
「昨日みたいな、インからいい勝ち方をしたいです。今日は、自分のすべてを出し切ります」
②佐々木康幸(静岡)
「3年前の笹川賞も2号艇でした。借りを返すチャンスだと思っています」
③白井英治(山口)
「ファンの人への感謝の気持ちを込めて、スタートも行っています」
④田中信一郎(大阪)
「いつの間にか、SG優勝戦で一番年上になってしまいました。若い人の胸を借りるつもりで頑張ります」
⑤井口佳典(三重)
「勝負所では行きますので、ぜひ僕から買ってください」
⑥横澤剛治(静岡)
「みなエンジンがいいので、S行かなければいけないと思います。結果を残さなければ意味のない世界なので、結果を出したいです」

_u4w5348 声援の一番人気は、やっぱり地元のヒーロー、濱野谷憲吾。そして、それに勝るとも劣らない声援をあびていたのが、白井英治でありました。「ミスター平和島!」というチャントも飛び出たように、白井は屈指の平和島巧者。ファンはよくご存知ですよね、と師匠も関心されてましたぞ。また、井口が「Sの目標は00~05」と宣言すると、客席からは「ぶち込め~~~っ!」の声も。いや~、ほんと、興奮してまいりましたよ!

 優勝戦まで約4時間。熱狂の渦は、これからもっともっと大きくなっていく!


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K記者更迭!H本記者の本紙予想 笹川賞最終日

煮え切らないK記者は降板してもらい、最終日の本紙予想は私、H本が担当することとなりました。どちらかというと機力を重視した予想になっております。

1R 足イイのは海野も6号艇ではヒモまでか。大穴は永井。
◎①日高 ○海野 ▲永井 △横西
1→346→全

2R センターが機力低い選手のため内2人が浮上。
◎長田 ○折下 ▲上瀧 △池田
12→123→1236

3R 今垣の足はフツー。スタート決まれば峰が逃げ切る。
◎峰 ○三嶌 ▲今垣 △市川
1→235→全

4R 鎌田と松井が上位も、穴なら山本の先攻め。
◎鎌田 ○松井 ▲山本 △星野
134→134→1345

5R 湯川の機力は上位級。コース悪くともアタマで買いたい。
◎湯川 ○赤岩 ▲森 △岡崎
5→124→全

6R センター・アウトから魚谷の捲り差し一発。
◎魚谷 ○平石 ▲辻 △川崎
4→123→全

7R 外に攻める選手おらず池田と田村の一騎打ち。
1=3→全

8R 太田の差しは侮れない。大穴は長田。
◎太田 ○烏野 ▲服部 △長田
2→146→全

9R 今節の山崎智は一息。ここも湯川がさばく。
◎湯川 ○吉川 ▲山崎 △鎌田
2→135→全

10R 寺田がすんなりイン逃げ。相手も松井と魚谷。
◎寺田 ○松井 ▲魚谷 △赤岩
1→23→全

11R 機力は中堅もスタート決めて熊谷。穴は秋山。
◎熊谷 ○今村 ▲田村 △秋山
1→345→全

12R 地元濱野谷が5個目のSGタイトル奪取へ!
◎濱野谷 ○田中 ▲白井 △井口
1→345→全


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6日目! さあ、優勝戦だ!

おはようございます! 平和島は晴れ上がりましたよ! 笹川賞優勝戦は、五月晴れ(今日から6月ですが)のなかで行なわれそうです! 今日は気温が25℃まで上がるという予想、選手の皆さんは調整に追われることになるわけですが、われわれはこの爽やかな天気の中で、強烈バトルを楽しみましょう!

_u4w4259 こぼれ話を。6~7Rくらいだったでしょうか、平石和男選手が笑顔で歩み寄ってきました。BOATBoyで連載をしていただいているので、ピットではいつも優しく話しかけてくれます。それにしても、準優前に何事? 実は、平石選手、埼玉軍団もトーキョー・ベイ・パイレーツに対抗したい、東京が海賊(パイレーツ)なら埼玉は山賊だ! ということで、連載担当のBOATBoy黒沢に山賊は英語で何?と調査を依頼していたのであります。ということで、調べたところ山賊はバンディット(bandit)。これをいつ平石選手にお伝えするか考えていたら、彼のほうから近寄ってくるではありませんか。これはチャンスだ!……と思ったら。

「山賊、バンディット、だったね」

うががっ、平石選手、独自に調べてましたか! というわけで、役に立てなくてすみませんでした。でも、埼玉バンディットで頑張ってくださいね! と言ったら、ハハハハハハ!と大笑いしてくれました。というわけで、今日も彩の国バンディットを応援ヨロシク!

優勝戦はもちろん12R、皆様盛り上がってまいりましょう。そして、1~11Rも、ファン投票で選ばれたスターたちばかりが、今節最後の戦いに臨みます。熱く声援を飛ばしましょう! もちろん、舟券も頑張りましょうね!(PHOTO/池上一摩)


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準優戦私的回顧

 平和島だというのに、準優3レースはすべて1号艇が1着。2連単の払い戻し金もすべて3ケタ配当。数字だけを見ると、平凡な準優を想像するかもしれない。
 でも実際のレースは、激しいバトルがちりばめられた手に汗握るレースだった。レースをまだ見ていない方は、結果だけを見て納得するのではなく、ぜひVTRを見てほしい。

 準優10レースのハイライトは、ピットアウトと2マークだ。
 まずピットアウト。
2008_0531_r10_1108  順当に1号艇の白井がインから攻めると思われていたこのレース、なんと2号艇の田中信一郎がピット離れを決めて、オレンジブイに到達するまでに白井のインを奪い去った。
 白井曰く、
「ピット離れは(田中信一郎が良かったのではなく)自分が失敗しました」
 だがリプレイを見るかぎり、田中のピット離れはかなり鋭い。艇が出るタイミングは白井とほぼ同じだが、そこからクククッと伸びていくのだ。スタート展示のときもピット離れは良かった(それでもインを奪うまではないと思っていたが)。
 偶然インが取れたのではなく、あわよくば一発狙っていたのではないだろうか。積極的に動きはしないが、小さくともスキがあれば、襲い掛かってくるのが田中信一郎である。
 進入は『2136/45』で固まり、1コースと2コースがコンマ11のトップスタート。田中が1マークを回って危なげなく抜け出し、白井もそれにつづいて2番手を追走。バックでほぼ態勢は決した。
「信一郎、すげえ気合だったなぁ」
2008_0531_r10_1120  すでにレースの余韻に入っていた観衆たちは、ふたたびドギモを抜かれることになる。田中が慎重に2マークを回ろうとスピードを落とした瞬間を見逃さず、白井が切り返して怒涛の突っ込みを敢行したのだ。
 白井は予選3位である。たとえここで1着になっても、優勝戦で1号艇が回ってくる可能性は低い。リスクが高いわりに、この突っ込みはリターンが少ないのだ。それでも白井はアタマを取りにいった。損得ではなく、あっさりとインを奪われた自分が許せなかったのではないだろうか。そういった理詰めの話ではなく、とにかく前しか見えていなかったような気もするが
 白井のダンプは成功する。田中は外へと吹っ飛んでいって2着に落ちる。かなり危ない競走だったが、レース後、田中は「自分の油断だった」と語っている。小さくともスキがあれば、噛み付いてくるのが白井英治である。

2008_0531_r11_1224  準優11レースのハイライトは、1マークでの激突だろう。
 3対3の枠ナリから横一線にそろったスタート。
 外から襲い掛かってくる艇はいない。この態勢ならば、エンジンが仕上がっている1号艇の佐々木康幸がすんなりと逃げ切るはず。
 しかし2コースの今村豊が差しに構えた瞬間、怒涛の勢いで3コースの井口佳典が襲い掛かってくる。
 初日からオール連対を果たしていた井口だが、昨日はエンジンの調整が上手くいかず5着に敗れた。今日はセッティングを元に戻して、3日目までのパワーが復活していた。
 捲ろうとする井口。捲らせないとする佐々木。2艇が重なる。
 力と力のブツかり合い。あと少し井口のパワーが上回っていれば、佐々木は引き波に沈んだ。逆に佐々木のパワーが勝っていれば井口は置いていかれた。ところが、重なりあったまま1マークを回っていく。エンジンはどちらも互角なのだ。
 くっついたまま1マークを回り切ると、バック水面でも2艇は併走。結局、内外の差で2マークで佐々木に軍配が上がる。
 逃げたい者とそれを阻む者の激突。見ごたえのあるマッチレースだった。

2008_0531_r12_1375  準優12レースのハイライトは、どんでん返しの2着争いだろう。
 こちらも枠ナリ3対3の進入。インコースの1号艇・濱野谷憲吾がコンマ12のトップスタートを決めて逃げる。かたや、エンジンを伸び型に仕上げた6号艇・横澤剛治が6コースから大マクリを打つ。横澤は内の艇を一気に飲み込んで濱野谷を追撃しようとするが、ほんの少しだけ届かなかった。
 もしスタートでコンマ05秒だけでも踏み込めていたら、大外マクリが決まっていたはず。惜しかった。
 バック水面。濱野谷の逃げが決まり、レースの焦点は準優最後のイスを賭けた2着争いに切り替わる。
 2番手を追走しているのは捲った横澤だが、内を通って4号艇の田村隆信がグイグイ伸びてくる。平和島の伸びる定番コースだ。それに原田幸哉が続く。
 2マーク。伸び型エンジンであるために差したら分悪い横澤が先に攻める。田村は横澤の動きを見ながら差し。横澤が少し外へと流れて、まったくリードがなくなる。
 2周1マーク。大きく外に開いたあと先に回ろうとする田村に、横澤がツケマイを放つ。これがまたもや流れてしまい万事休す。優出最後のイス取りゲームの音楽は鳴り止んだ。レースを作った横澤だったが、04年総理杯以来2度目のSG優出の道は絶たれた。

 はずだった。
2008_0531_r12_1426  だが最終コーナー。外へ艇を持ち出して、ゆっくりと慎重にターンマークを回ろうとする田村の内に、4艇身ほど後ろを追走していた原田幸哉が強引に艇をネジ込んできた。昨年の笹川賞優勝戦の1周2マークを彷彿させるような突っ込み。いや、それ以上にキビしいダンプといえるかもしれない。
 九分九厘優出を手にしていた田村が、艇のバランスを崩して外へと吹っ飛ばされる。最後の最後に2着をもぎ取ったのは原田幸哉で、3着は横澤剛治。田村は4着にまでポジションを落とした。

 レース後、原田のターンが不良航法に取られたため、3着の横澤に優出の権利が回ってきた。横澤のレース後コメントは、「モマれて苦しいレースだったけれど、運があったと思う」。ピットでの田村は平静な表情だったが、内心はどうかわからない。原田はコメントを出していない。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)


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THEピット――ドラマチック準優

●もつれたレース①――10Rの場合
_u4w4921 「あれは僕の油断です。突っ込みって言ったら、英治に悪い」
 会見で田中信一郎は、そう白井英治をかばっている。1周2マーク、先頭を行く田中の内から白井の艇が接触し、トップと2番手が逆転している。その件について、田中はそれが禍根を残すようなものではないことを、強調したのだった。
 実際、ピットに戻って来てからの田中は、特別に怒りを表明することもなく、むしろサバサバとした表情を見せている。また、むしろ自分から白井に駆け寄って、ノーサイドの意思を表明していた。たしかに、ターンマークを外してしまった田中と逆転を狙った白井の軌道がたまたまかち合ってしまったようにも見えたから、田中としては白井に恐縮させないよう、気を遣ったのかもしれない。
 ただ、では田中の心中が穏やかだったかといえば、そうではなかったはずである。会見でも、あるいは顔見知りの報道陣とピットで話している時でも、おどけた表情を見せることもあった田中だが、それはむしろ内心抱いている怒りを鎮めるためのものではなかったか。その怒りとは、おそらく、自分に対する怒り、だと思う。というより、長嶺豊さんと話していて、そう思った。
 やはり、田中信一郎には男気がある!
 自分の感情にだけまみれるのではなく、その感情が自分への悔恨だったからこそ、笑顔で勝者を讃えてみせる。この平和島のピットというのは、田中信一郎の男気や心意気に改めて気付かされる場なのか。昨年ダービーでも心震わされた田中のふるまいに、今日も再び感動させられたのだった。個人的感情にまみれさせてもらえるなら、この男に明日、勝ってほしい!

●もつれたレース②――12Rの場合
_u4w5191 「あれは危ないんちゃうか?」
 長嶺豊さんにささやかれたとき、一瞬、何のことなのかわからなかった。というか、単純に原田幸哉の3周2マークの突進は危険なプレイだった、という意味にしか受け取れなかった。
「競技本部から放送はあった?」。師匠にそう聞かれて、ただ「ないです」と答えるのみ。「そうか、原田は呼ばれてないか」と師匠が返して、ようやく「危ない」の意味に気づいた。
 そういえば、12Rの選手を出迎えるためにボートリフトに集まった選手たちは、一様に微妙な表情を見せていた。それは、やはり単純にあの3周2マークに対する選手の反応なのだろうと思ったし、地区的に原田のエンジン吊りをしなければならない井口佳典は、突進を受けたのが同期の田村隆信なのだから、複雑な思いを抱えていて当然だろうと思った。だが、事はそう単純ではなかった。
 ピットに上がった原田は、まず田村のもとに駆け寄っている。原田は何度も何度も謝って、事情についても説明していたようだった。田村は苦笑いを浮かべつつも、わだかまりなどないということを原田に示している。本音はともかく、また原田に対してではなく結果に対して大きな悔いを残していたとしても、田村は原田に対しては遺恨を残すような態度をとっていなかった。原田は、カポックを脱ぎながらも改めて田村に歩み寄って頭を下げ、田村も苦笑いでうなずいていた。
_u4w5216  準優3個レースではすべて、優出者は地上波のインタビューをレース後すぐに受けている。原田もそれに呼ばれ、装着場に姿をあらわす。だが……。
 原田幸哉を呼び出す、競技本部からのアナウンスがかかった。それが何を意味するのか、その瞬間に誰もが――師匠にささやかれたときにはサッパリわからなかった僕でさえ――即座に察知したのであった。
 原田が去って数十秒後、横澤剛治が姿をあらわす。横澤も、複雑な表情を見せていた。

●やることはやった!――12Rの幸運
_u4w5208  ピットに上がった横澤は、小さく天を仰いで、ふっと息を吐き出した。ヘルメットをかぶったままでも判断できるほど、ハッキリとそんな様子を見せて、そのあとにほんのわずかだけ、肩を落としたのだった。
 やることはやった……しかし……。
 そんな風情の横澤だった。見ていて、胸が熱くなった。
 1マーク、大外からものすごいスピードでぶん回して攻め、2番手争いを演じた横澤は、伸び一本で戦った。差したら届かない、そう腹を括って外を攻めたのだ。そしてそれは一時、奏功した。結果、競った際のもろさを露呈してしまい、敗れることにはなったが……。それでも横澤は、最後まで諦めずに2番手に先んじられた田村を追いかけ続けた。
 やることはやった……だからこそ!
 幸運の女神は、横澤に微笑んだ。最後まで諦めなかったことが、横澤に僅差3着という結果を与えた。そして、それが結果的に、横澤に優出のイスをもプレゼントしたのである。
 先述したとおり、やや複雑な表情を見せた横澤だったが、胸を張っていいと思う。明日はさらに伸びを追求して、優勝戦に臨むという。笹川賞といえば緑のカポック……滑り込みで準優に残り、滑り込みで優出した幸運に、さらに笹川賞のジンクスも加わるのだから、こんな怖い存在はない。

●勝ち抜いた者たちの肖像――白井、佐々木、井口
_u4w4914 10Rで逆転の1着をもぎ取った白井英治は、会見にはやや硬い表情で表われている。田中に対する思いもあったのかもしれないが、それよりもむしろ、彼の男っぽさが全開になっているように見えた。声は小さめで、歯切れよく短い言葉で、質問に答える白井。その白井がふと声を張ったのは、明日への意気込みを聞かれたときのことだった。
「正直、アシは仕上がってるんで」
 田中に回り足でやられる以外は、誰にも負けないアシだという。機力的には、自信をもっているようだ。だが、白井はそのあと、少し口ごもった。
「………どうですかね………やってみます」
 さらに白井はこう続けている。
「明日はもう少しリラックスして臨みたい」
 この言葉が何を意味しているのかは、幾通りも考えられるだろう。ピット離れで田中にやられ、インを奪われたこと。いったんは田中に逃げ切られたこと。そうなってしまった原因は何か。そして明日はどうするのか……。
 ただ一つ言えるのは、白井の表情が最高にカッコよかったということだ。

_u4w5076  ピットで、誰かが呟いていた。
「井口の顔つきは、風格が出てきたなあ」
 その通りだと思う。井口はもはや、完全にトップスターの顔をしている。会見でも、こんなことをサラリと言ってのける。
「(スタートの目標は)全速で05です」
 サラリと、である。顔色ひとつ変えずに、である。「ぶち込みますか?」と追い打ちの質問がかかると、「いや、ぶち込みません」と笑いをとって、自分もニコリと笑ったが、いやいや、目標05がすでにぶち込み宣言ではないか。実に粋なやり取りなのである。
 その井口はレース直前、OPC横のベンチで田村隆信と話し込んでいた。弾ける笑顔の田村とは対照的に、井口の笑顔はやや硬い。当然だ、レース直前なのだから。田村が井口の緊張をほぐしつつ、エールを送るといった格好か。井口は笑顔でベンチを後にしている。
 優出を決めて、もろもろの作業を終えた井口は、再びベンチへと向かった。今度は自身がレースを直後に控えた田村が、そこにはいた。立場がまったく逆になって、井口が笑顔で励まし、田村が笑う。銀河系軍団の、微笑ましくも麗しい光景だったのだが……。
 先にも書いたとおり、12R後、もっとも複雑な表情だったのは井口だった。

_u4w5054  佐々木康幸は、会見の最後に3年前の常滑・笹川賞のことを語っている。あのときも、2号艇での優出だった。「あのときは平常心で戦えず、不完全燃焼でおわってしまった。今でも鮮明に記憶に残っているくらいです。だから、今回は悔いの残らない戦いをしたい」。この決意は、重い。
 今日は、「今村(豊)さんと足合わせをしちゃって、伸びられてしまったんで、ペラを叩いたら失敗してしまった。起こしで鳴いてしまって……」とのこと。今村の伸びは超抜で、その今村と足合わせを「しちゃった」おかげで、迷いが生じてしまったわけだ。いつも見ているペラ叩きの作業の裏には、こうしたこともあるわけである。
 おそらく、明日はもういちどペラを叩き直す佐々木の姿が見られることだろう。完全燃焼するため、佐々木の戦いはそこから始まる。

●たぶん、ガツガツしていると思う――濱野谷!
_u4w5187  予選1位、準優1号艇、そして優勝戦1号艇。平和島にとって、最高に幸せな笹川賞となった。濱野谷憲吾が主役となって、最終日を迎えるのだ! もちろん、本当に最高の最高に幸せな笹川賞になるかどうかは、優勝戦の結果次第だ。
 その濱野谷について、僕はとにかく「ガツガツしているかどうか」を気にしている。インタビューした際に、ガツガツしないことが自分の気質だとしたうえで、「でもガツガツしないからダメなのかな」とも言っていたのだ。だからこそ、ガツガツした濱野谷が見られることは、彼の変化をあらわしていることなのだ、と僕は思ってきた。
 この笹川賞、僕は「濱野谷憲吾はガツガツしている」と思う。緊張感を切らさず、そして気合を隠そうともせずに表に出す。スタイリッシュに勝利を重ねてきた濱野谷にしては、あまり見られない姿が、今節を通して見られてきているのだ。
 準優レース前の、驚くほどに硬い表情。レース後の、笑顔を見せながらも、即座に引き締まっていく顔つき。明らかに、いつもと違う。本気で勝ちに来ている。ガツガツしている、たぶん……と思わずにはいられないのだ。
「明日は長い1日になりそうな気がします」
 濱野谷は、会見をその言葉で締めた。これはつまり、明日1日を緊張し、できる作業はすべてやりきって、過ごすという意味だ。やっぱり、たぶんガツガツしている、と思う。地元のSGを1号艇で勝ち切るために。

●いくつものドラマがあった――敗者、そして見守る仲間
_u4w5059  この準優のピットでは、他にも胸が熱くなるシーンはたくさんあった。たとえば、松井繁のレース後のたたずまい。悔しさをぐっと噛み締めて、決して顔を歪めたりせず、むしろ胸を張るくらいに前を向き、そのうえで瞳にメラメラと炎を燃やす。王者とは、常に孤独なもの。こんなことを言われて、松井はむしろ腹を立てるかもしれないが、これほどまでに敗れて色気を漂わせられる者は、他にいない。いや、それに近づいて見えたのが、12R後の魚谷智之か。彼もまた、カポック脱ぎ場でライバルに囲まれながら、しかし決して他と交わらぬ空気を醸し出しつつ、表情を硬くしていた。本物の強者の敗戦は、我々が想像するよりもずっと重い。すべてのレースで勝てるわけではないという現実に、彼らは黙って耐えている。
 もちろん、悔しさをあらわにする者もまた、強い者たちだ。ただでさえ迫力ある風貌の赤岩善生は、誰であっても近寄りがたい雰囲気を目いっぱい発散しつつ、唇を噛み締めていた。2コースが獲れそうな感じだったのに、進入で迷ってしまった……赤岩の怒りもまた、自分に向けられている。
 
 そうして、心に深い傷を負いながらレース後を過ごす仲間を癒すのは、やはり仲間の存在である。特に、この人の優しさというものに、僕は触れずにはおれない。
2008_0531_0361  金子良昭だ。
 佐々木康幸が1着で戻って来て、出迎えたのは金子だった。師匠の服部は、弟子の壮挙を信じて、一便で宿舎に戻っていた。その分も、金子は思い切り喜んでみせて、佐々木に祝福のガッツポーズを送っていた。エンジン吊りの間も、ひたすらに笑顔。佐々木は喜びをきっと増幅させたに違いない。また、田中信一郎に駆け寄って、励ましていたもいたのも金子だ(1枚目の写真を見てほしい)。男気の交歓に、思えた。
 不覚を取りそうになったのは、12R後だ。対岸のビジョンに映し出されるリプレイを、着替えを終えた田村と井口が見つめていた。そこに歩み寄ったのは、金子だった。約30期も離れた先輩と後輩であり、地区的なつながりもない(それを言ったら、むしろ原田との関わりのほうが深い)のに、金子は田村に優しく語りかけたのだ。
「あんたは、えらいよ」
 えらい、の意味もまた、何通りか考えられるが、田村はきっと救われたはずである。金子の男気も、これまで何度も何度も見かけてきた。これが、金子良昭という男だ。それが、この空気のなかで見られたことに、僕はただただ感動し、心を震わせたのだった。
(PHOTO/中尾茂幸=金子&江口のみ 他の準優レース後=池上一摩 TEXT/黒須田守)


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笹川賞の「Vはアンタだ!!」5日目

◎極選レースの結果&検証

2008_0529_0471 12R
 ①濱野谷憲吾(東京)A↑
 ②魚谷智之(兵庫) B’→
×③原田幸哉(愛知) A→
◎④田村隆信(徳島) A→
○⑤平石和男(埼玉) A→
 ⑥横澤剛治(静岡) B’→
進入予想123/456

3連単★本線4-35-全、押さえ35-4-全
   ↓
結果★1-3-6
収支★マイナス6000円、累計マイナス31200円

 またしても完敗です。推理①から誤算が生じました。
★推理①…幸哉と田村がセンターから覗く。
 起こしから突き抜けるほどの勢いで発進した幸哉でしたが、道中でモミモミと放りましたね。迫力のないコンマ16のスタート……2コースの魚谷は予想通りに凹んでいたものの、インの憲吾が12のトップSでは届きません。一気の逃げで大勢が決しました。最終ターンマークで捨て身の突進をするくらいなら(←不良航法で賞典除外)、スタートを張り込んでほしかった。残念……!

◎節イチは誰だ!?

 昨日のトップ3の結果は……

2008_0529_0446 ①井口佳典S’<11R3号艇・2着…今村の上を叩いてイン佐々木にもツケマイを浴びせる。バック伸び返されたがレース内容は上だった。伸びで佐々木・白井に分が悪いが、全部のバランスではトップ>
②松井 繁S<11R5号艇・5着…仕上げきれずに終戦。スリットからわずかに覗く程度で展開もなかった>
③赤岩善生S<10R6号艇・6着…深い4コースから凹んで終戦。何もできなかった。足は仕上がっていただけに残念!>

※リザーブ
田中信一郎S<抜群のピット離れでイン強奪。さらに抜群の出足・回り足で逃げる。2マークでは油断から白井の強襲を浴びて2着になったが、パワーは凄い。相変わらず課題はストレートの伸び>
今村豊S<11R2号艇・4着…伸び→回り足に重点を置く調整が裏目に出たか。スリットから井口に一気に叩かれて終戦>

2008_0529_0135  はい、もう選択の余地はありません。私に残された手駒はふたりのみ。
独断トップ2
①井口佳典S’→
②田中信一郎S→

 明日はこのふたりのどちらかが優勝してほしい。特に前検から目をかけてきた井口には情も移ります。明日の極選は……決まりかも!?(Photo/中尾茂幸)


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速報 優勝戦メンバー決定!

 笹川賞のベスト6、優勝戦のメンバーが確定しました! ポールポジション1号艇は地元のスーパーエース濱野谷憲吾。このまま大本命がインから押しきるのか。しかし、外には節イチの伸びを誇る2号艇の佐々木はじめ、握り屋がズラリ。スリリングな1マークになりそうです!

12R 優勝戦
①濱野谷憲吾(東京)
②佐々木康幸(静岡)
③白井英治(山口)
④田中信一郎(大阪)
⑤井口佳典(三重)
⑥横澤剛治(静岡)


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ベロタクシー!

エコをテーマに開催されている今回の笹川賞。その一環として、本日と明日、ベロタクシー試乗会が行なわれます! ベロタクシーとは、環境にやさしい「自転車タクシー」。東京都内では、観光地などですでに稼働しているそうですが、この笹川賞でもエコをアピールするという意味も込めて登場しているわけです。

Cimg3960_3 この試乗会、なんとトーキョー・ベイ・パイレーツのメンバーが運転するイベントが行われていますよ! 1日3回、ベイパの3選手が会場にやってきて、ファンの方を乗せて実際に運転するのであります。Cimg3965 本日は、東京支部長の池田雷太、一瀬明、そして齊藤仁が参加! さっそく仁選手の運転する姿を撮影してまいりました! ボートとは勝手が違うんでしょうが、それでも軽快に運転する仁選手。ベイパとともに、地球を大切に!

Cimg3966 明日は山田竜一、角谷健吾、作間章が登場します。1回目が13時30分からですので、舟券予想の合間にぜひ、選手運転のベロタクシーに乗りましょう! 平和島近辺の方は、本日15時30分からの回に間に合うかも!


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THE ピット――間もなく準優!

_u4w4224  先のピットリポートをUPしたあと、もう一度ピットに戻ってみると、熊谷直樹と湯川浩司がOPCで話をしているところがまず目についた。こちらが記憶している限りでは、個人的にこの組み合わせの2ショットを見た覚えはない。OPCという開放的な作業空間ゆえに、こうした場面が見られるということもあるのだろう(もしかしたら、こちらが気づいていなかっただけで、元からよく一緒にいる組み合わせなのかもしれないが)。
 今朝の熊谷……というか、今節を通してずっとそうだが、いい雰囲気を醸し出しながら作業をしていることが多いようにも思われ、この後の戦いのカギを握る男になりそうな予感もさせられる。

_u4w4330  午後1時半頃、選手控室のほうから出てきた濱野谷憲吾がボートからプロペラを外して、それを手にペラ小屋へと入っていく姿が見かけられた。
 ひと目、その顔を見た瞬間に、引き締まった、いい表情をしているなと思ったが、しばらくその動きを見ていると、少しばかり気合いが入りすぎているというか、神経質になっているのではないかという気がしないでもなかった。
 もちろん、これもまたこちらの勝手な印象に過ぎないわけだが、いいほうに出るのか否かが紙一重にも近い「ゾーン」に入ってきていると見ていいのかもしれない。
 予選1位で乗る、地元SGの準優1号艇――。濱野谷にとってはある意味、明日以上の正念場が迎えられているともいえるだろう。

_u4w4435  濱野谷がボートからペラを外してペラ小屋に行くのと、ほぼ同時に、ペラ小屋を出てきて、ボートにプロペラを取り付けていたのが佐々木康幸だ。
 佐々木は朝から作業をしている場面がよく見られていたが、とくべつ緊張しているようにも見えず、好感が持てた。
 白井英治もまた、慌てたところや緊張している様子はまるで感じられず、ちょうど濱野谷と佐々木がペラ小屋で入れ替わった時間帯にOPCでの作業をゆっくりと始めようとしていた。そこにやってきた辻栄蔵や、続いてやってきた赤岩善生に話しかけられると、手を止めて笑って話をしていたので、このあたりの選手たちはペラ調整なども納得のいく段階に来ている可能性は高いといえよう。

 イン受難のムードもあるなかで、1号艇を手に入れた3人の選手たち。準優の焦点というか、予想の焦点においても彼らの取捨選択がポイントになるには違いない。
 午前中と変わらぬ静かなピット――。
 午前中も午後も変わらず、落ち着いた空気がそこにあるといっても、少しずつその場ら立ち込める緊張感は強くなってきていた。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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THE ピット――準優勝戦の朝

_mg_6042  個人的には三日ぶりの平和島ピットになったのだが……、とにかくまず、その寒さに驚いた。前検日から、暑い、暑いと書いていたが、本日10時時点でピットの気温は14度! 初日のメモによると、10時15分時点で25度と書いてあるのだから、同じ時間帯で11度も下がったことになる。それでいて、予報によれば、明日はまた初日の気温に戻るともされているのだから、選手は本当に調整が大変である。
 寒い、というのも予想以上だったが(1R後には強い向かい風が吹いてきて、長袖シャツの上に報道用ウィンドブレーカーを着ていても、冗談抜きで寒かった。いや、本当に)、その静けさも、初日・2日目とは異質なものだった。準優・優勝戦の朝には、たしかにピットは落ち着いた空気になっていることが多いのだが、1R前あたりには、人の数そのものがかなり少ない状態になっていたのだ。
 その時間帯のペラ小屋で作業をしていたのは、平石和男、三嶌誠司、高橋勲、辻栄蔵くらいしかいなかった。
 屋外のOPCでも、作業をしていたのは湯川浩司くらいで、その横で田村隆信が何かを話しながら笑っており(田村もペラ調整をしていたのだろうが、私が見ていた段階では手を止めていた)、少し離れた場所で、山本隆幸がそんな二人の様子を楽しげに見ていた(※写真は私が見た光景より少し早い時間帯むのもの)。
 そうした銀河系軍団的光景にしても、いつものような、はじけた感じがなく、落ち着いた雰囲気を醸し出していたものなのだ。

_u4w2735  また、ペラ調整をしていた選手として挙げた名前を見てもらってもおわかりだろうが、作業をしている、していないの差は、準優出しているか、していないかとは関係ない。当たり前のことだが、自分のレースが何時に組まれていて、それまでにどのような整備が必要とされているかに左右されるのだ。
 ペラ小屋にいるメンバーなどはちょっと目を離しているうちにも次々と変わっていくものだが、1Rが行なわれている最中には、そこにいるのが服部幸男ただ一人になったりもしていた。
 また、先にペラ小屋にいた選手として挙げた三嶌は、その後も場所を移しながら、様々な作業を続けていたものだ。この二人などは、常に“仕事師”であり続けているもので、その姿を見ていて、何度溜め息をついたかわからない。

_u4w4090  準優組のなかで、早い時間帯のピットで作業をしているのが目についたのは秋山直之だ。ひとり黙々と整備室と装着場を行き来していて、取り外されていたモーター本体をボートに取り付けていたのだ。これについては、整備を施している場合と、点検だけの場合の両パータンが考えられるので、「何か大がかりなことをやられたんですか?」と確認してみると、「何もやってないです。……点検だけです」との回答だった。
 とはいえ、この秋山は、今開催では、ひとりピットで作業をしている場面が初日からよく目についていたし、その雰囲気はなんだかいいなあ、と思っていたものなのだ。最近は、不調で喘いだ時期もあったが、昨年末の賞金王シリーズで優出したときとも、今節の秋山が発散している空気は近いものがある。

_u4w4168  さて、三日ぶりのピットということで、私としては当然、スクガラス……ならぬサワカラス(「さわやかな若者たち、三羽ガラス」の略称。この呼び名もだいぶ浸透してきたようだ)にも声を掛けている。
 まずは長田頼宗に、4日目勝負駆けができる位置につけながらも準優出を果たせなかったことについてを尋ねると、しばらく反省の弁を述べたあとに、「それでも、4日目に可能性のある位置につけられていたこと」にはある程度の納得はしており、「今日、明日でまた何かを掴んで帰りたい」と貪欲な姿勢を見せていた。長田にSGはまだ早い、との声もまったくなかったわけではないようだが、この笹川賞で長田が得たものは大きいはずだし、このSG参戦を機に、大きく成長していくのではないかと思う。……というか、そう確信している。
 また、本日1Rでは峰竜太が今節初勝利! 「1勝目がちょっと遅くなってしまいましたね」と声を掛けてみると、「ええ、そうですね」と言いながらも、「(1勝も)獲れずに帰ることにならなくてよかったです」と言っていた。そして、「これもエンジンの裏付けがあったからですね」と付け加えていたので、「まだいけますか?」と訊いてみると、「はい! 獲っていかないと悔しいんで!!」との返事。
 こうして、気持ちよく返事をしてくれる峰竜太という男は、さわやかで、さわやかで、仕方がないほどの男なのである。
 また……、“つい、うっかり”とサワカラスに入れ損なってしまった山口剛と、朝には話をしていたが、こちらも3Rで今節初勝利!
 とにかく頼もしい若者たちなのである。

_u4w4210  なお、3日間ピットを離れていた私の、まったくもって勝手な印象だけでいえば、今節序盤は、なにか重々しいものをまとっているような気がしていた山崎智也は、憑きものが落ちたように晴れやかな顔をしているようにも見えたし、朝からあちらこちらで作業をしていた吉川元浩の姿はどこかさびしげにも見えたものだった。
 これらの印象については、とにかく個人的な見解に過ぎないわけだが、好対照の二人からはそれぞれの「プラス」を感じたわけなので、あと2日間、彼らの活躍も見守りたい。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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「H記者に負けるな!“本紙”予想」笹川賞 5日目

そこそこ的中は出ています。しかし、煮え切らない感じの“本紙”予想。本日より現場参戦のH本記者から、非難を浴びました。名誉挽回のためにも(挽回するほどの名誉があるのか、という気もしますが)、本日は当てます! もちろん担当はKでございます。

1R 準優の目があった森のアシが抜けている
◎③森 ○⑥海野 ▲④峰 △⑤山本
3連単3-645-全

2R 今垣がリベンジに燃える
◎④今垣 ○③川﨑 ▲①横西 △⑥山﨑
3連単4-316-全

3R 太田のマクリ差しが突き刺さる
◎③太田 ○⑥山崎 ▲②岡崎 △④中澤
3連単3-624-全

4R 次点に泣いた江口がウップン晴らし
◎①江口 ○③吉川 ▲⑥三島 △⑤服部
3連単1-365-全

5R 着実にリズムアップの海野が逃げる
◎①海野 ○④湯川 ▲②金子 △⑥折下
3連単1-426-全

6R 今垣が連勝で憂さ晴らし
◎③今垣 ○①山﨑 ▲④鎌田 △②星野
3連単3-142-全

7R 智也の逃げで盤石か
◎①山崎 ○④川﨑 ▲②烏野
3連単1-42-全

8R 三嶌の逃げ濃厚も、太田のマクリ差し怖い
◎①三嶌 ○④太田 ▲③服部 △⑤岡崎
3連単1=4-全 1-35-全

9R 4カドに引いて湯川が一撃
◎③湯川 ○⑤吉川 ▲①折下 △⑥江口
3連単3-516-全

10R 準優勝戦
白井と熊谷がかち合えば、田中に展開向く
◎②田中 ○①白井 ▲⑥赤岩 △③熊谷
3連単2-163-全

11R 準優勝戦
今村の行きアシ鋭く、1マーク自在に攻める
◎②今村 ○⑤松井 ▲①佐々木 △③井口
3連単2-513-全

12R 準優勝戦
濱野谷が地元の意地を爆発させる
◎①濱野谷 ○④田村 ▲②魚谷 △③原田
3連単1-423-全


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5日目! 準優勝戦です!

おはようございます。笹川賞も準優勝戦を迎えましたよ! 平和島は雨、かなり寒いですけれども、水面の熱戦と舟券でアツくなりたいっすね! 今日と明日は、本場でトーキョー・ベイ・パイレーツによる「ベロタクシー」試乗会も行われますよ。ベロタクシーとは、いわば自転車タクシー。まさしくエコタクシーなのであります。ベイパメンバーも研修を受けて、運転するそうですから、ぜひ試乗に!

2008_0530_0588 予選1位通過は、地元のエース濱野谷憲吾でした。平和島笹川賞の準優1号艇といえば、彼には5年前に苦い思い出があります。あのときはファン投票1位、やはり東京のエースとして期待されながら、準優で転覆しているんですね。以前、濱野谷本人にその話を振ったこともありますが、リベンジの機会があれば絶対に借りを返したいと、そう語っていました。その機会がきた! 思い出したくもないことを払拭するのは、憲吾自身。そんな思いも込めながら、憲吾の1号艇を注目したいと思います。

というわけで、本日もアツく!(PHOTO/中尾茂幸)


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笹川賞の「Vはアンタだ!!」

★極選予想の結果と検証

 極選は今日も不発で、初日から5連敗。心もフトコロもつらいっす。

11R    
①田口節子 
②濱野谷憲吾
③森 竜也
④田村隆信
⑤辻 栄蔵
⑥鎌田 義

11R予想
3連単★本線6-14-全、押さえ14-6-全
   ↓
結果★2-4-5
収支★マイナス4000円、累計マイナス21200円

★推理①…勝負駆けの日に滅法勝負強い田村が握って攻める。
★推理②…鎌ギーがスリット覗いて田村に連動する。

 どちらも違いました。それ以前に進入が245631……この時点で私の推理はもう終わっています。スタ展は枠なりだったのに、本番では大崩れ。4カド想定の田村が2コースでは、差しに回るのは当然のこと。「憲吾が逃げて田村が差す」という行った行ったの1番人気決着になりました。波乱の余地、なし。

2008_0529_0211  12R     
①魚谷智之  
②田中信一郎 
③原田幸哉  
④平石和男  
⑤烏野賢太  
⑥太田和美  

12R予想
3連単★本線45-3-全、押さえ3-45-全
   ↓
結果★2-4-1

収支★マイナス4000円、累計25200円

 こちらは想定どおりの枠なり進入で、スリットから幸哉が覗いたあたりまでは一縷の望みを抱かせたのですが……。
★推理①…幸哉が握って攻める。
 握るには握りましたが、1マークではまるで届かない態勢でした。誤算はふたつ。
★敗因①…インの魚谷に断然のトップSを許した。
★敗因②…行き足が想像以上の超抜に仕上がっていた信一郎があっさり伸び返した。

 これでは幸哉が叩き潰す展開にはなりません。苦しい態勢から苦しいまくり差しを打って流れて終わりでした。それにしても、信一郎の出足~行き足は凄かった。スタートでは魚谷に半艇身ほど遅れていたのに、くるりと差しただけで逆転……今節は2コース差しがほとんど決まらない水面なので、この圧勝はことさら価値があります。
★推理②…幸哉のまくりに乗じて平石、烏野が1マークに殺到する。
 幸哉がある程度握った分だけ、平石に美味しい差し場が生まれました。2連単2-4で36倍、3連単2-4-1で101倍。信一郎のあの驚愕の出足をしっかりと掌握していれば、狙える舟券でした(ベスト4に指名していたのに)。このレースは、完全に私の推理ミスです。

★節イチは誰だ!?

 昨日までの独断トップ4の今日の成績は……

2008_0529_0395_2 ①井口佳典S'<2R2号艇・2着…1マークで小さく差すも、熊谷の逃げを捕えきれずに2着。安定感は抜群でも、やや出足~レース足に不満を残した。/10R5号艇5着…5コースから展開なく、レースをしないまま終わった。パワー評価のできる内容ではない>
②松井 繁S'<5R5号艇・4着…スタートから後手を踏んで差し遅れる。パワー以前に今節の松井はリズムに乗れないレースが続いている。/10R2号艇・3着…ここでもスタートで後手を踏み苦しい展開に。スリットからの伸びは抜群だが、自力で攻めるだけの形に持ち込めない。バック直線では勝った佐々木より完全に伸び負けていた>
③赤岩善生S<9R4号艇・1着…素晴らしいレース足だ。まくった今村など内3艇の引き波を軽々と超えて、バック突き抜けてしまった。伸びはチョボチョボだが、この力強いレース足があれば優勝に手が届く>
④田中信一郎S<12R2号艇・1着…すでに書いたがトップSの魚谷を並ぶ間もなく差しきり。魚谷の足が弱いとしても、あれだけのズボ差しは難しい。回ってすぐに押して行く足は間違いなく節イチ。唯一の課題は、もうひと伸び>

2008_0529_0161  それぞれ一長一短(今村や佐々木にしても同様)があって、トータルの節イチを決めるのは非常に難しいシリーズですね。おそらく現状で出足・回り足・伸びの全部がトップ級なのは湯川だと思います。が、その湯川は準優にはいない。本当に難しい。
 それでも今日はベスト3に絞ります。リザーブの佐々木(1着)、今村(1・2着)も素晴らしい足でしたが、昇格させるつもりはあのません。上記トップ4から誰を削るか……?

独断トップ3
①井口佳典S’→
②松井 繁S↓
③赤岩善生S→

 リザーブ/田中信一郎S→、今村豊S↑

 今日の強~いレースを見せつけられても、やはり信一郎には「伸び」の部分で不安が伴います。強烈な出足だけで優勝できるか……かなり難しいと思えるのです。逆に佐々木は超の付く伸び型で、出足回り足に不安があるとみてリザーブから抹消します。さあ、いよいよ明日は準優。この3選手の中から何人が優勝戦に生き残れるか。枠番としては3人とも苦しいのですが、私はふたりは残ってくれるものと信じて舟券を買います。(Photo/中尾茂幸)


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THEピット――勝負駆けのゆくえ

●9R――スーパールーキーの挑戦、むなしく……
_u4w3640  今節の平和島は、1号艇が好枠とは言い切れない。予選最終走を迎えて、4着条件。艇番は1号艇。本来であれば、ほぼ安心できる条件のはずなのに、決してそうとは言い切れない……。岡崎恭裕は、まさしくその魔に呑まれてしまった。今村豊の鋭い伸びにひとたまりもなく先に行かれ、引き波に乗って流れる間に、内に一気に飛び込まれる。気づいてみれば、すでに4艇が前に出ていた。すなわち、勝負駆け失敗……。
 ピットに戻ってきて、岡崎はヘルメットの奥で笑っていた。だが、それが心からの笑いでないのは明らかだった。エンジン吊りを先導する峰竜太も、心なしか暗い顔をしているように見える。それからしばらくの間、岡崎はヘルメットを脱ごうともしなかった。そばに、田頭実が寄り添う。何かを話しかけたわけではなかったが、先輩の体温を感じることで気持ちがほぐれていくこともあるだろう。下を向くな、岡崎!

●9R――幸せのパンチ
2008_0530_0467  1着ゴールを決めて、勝負駆けを成功させたのは、赤岩善生だった。スカッと決めた一戦に、赤岩の顔は当然ほころぶ。エンジン吊りの間も、原田幸哉が笑いかけたりして、幸せな空気が漂っていた。
 そんなハッピーなエンジン吊りが終わると、赤岩にパンチが飛んだ! 何事? 放ったのは幸哉。カポックを着たままの赤岩の背中に、けっこう強めのパンチを見舞ったのだ。赤岩、思わず、ニコッ。そう、もちろん祝福のパンチなのである。幸哉も嬉しそうに笑った。と、そこに再びパンチ! 今度は幸哉に!……放ったのは、仲口博崇。幸哉はカポックを着てないから、ちょっとだけ優しいパンチであった。愛知支部、幸せのパンチの連鎖。勝負駆けの成功が生んだ、やわらかな空気。

●10R――ボーダーが下がらない!
_mg_6015  混戦を突いて、2着に抜け出したのは江口晃生。これで得点率は6・17、勝負駆け成功……とはならなかった。なんと、この時点でのボーダーは6・40! 江口は予選順位21位だったのだ。6点オーバーでもまるで届かないとは……。
2008_0530_0539  9R前だったか、江口は陽気だった。金子良昭や太田和美らを爆笑させて、自分もニコニコと笑っていた。ピットではいつも、穏やかな笑みを浮かべて周りを和ませる江口だが、勝負駆けを控えてさえ、いつもと変わらぬ明るさを振りまいていた。まさしく、ベテランの風格である。
 しかしレース後、江口の瞳が細くなり、それは笑っているというよりは泣いているかのようだった。そのとき、江口が6・17という得点率が18位の壁を突破できないということを知っていたかどうかはわからない。だが、普通のボーダーなら楽に越えた数字を出しながら、あの表情……江口は心から1着を欲していたに違いなかった。1着なら、6・50だった。

●11R――ムテキングがキターーーーー!
2008_0530_0144  勝負駆けという言葉は、「ボーダーをクリアするための、渾身の戦い」を指す場合が多い。しかし、一節を戦い抜くとき、決してそれだけの意味ではない。準優ボーダーが6・00だとして、予選終了時に6・00ピッタリを目指している者などいない。なぜなら、言うまでもなく、予選順位が準優の枠番に影響するからだ。できるだけ予選順位の上位が欲しい。狙えるものなら、予選1位を!
 今節、そんな思いがもっとも強かった男がいるとするなら、濱野谷憲吾をおいてほかにない。11Rが始まる時点で、濱野谷は1着を獲れば、予選1位になることが決まっていた。そうなのだ、11Rは予選1位への勝負駆けだったのだ、濱野谷にとっては。
 そして、濱野谷はこれをクリアした! イン逃げ決めて、堂々たる1着。バックで内から田村隆信に迫られたものの、気迫で抑え込んで引かせた走りは、普段の濱野谷の華麗な走りとは異質の、闘志あふれるものだった。
 レース後の濱野谷の表情は、いつも以上に、キリリと引き締まっていた。そりゃあ、もともとイケメンだけど、今日の濱野谷は本当に二枚目だった! JLCの展望インタビューを受けている顔つきは、予選1位に浮かれることなく、しかし充実感を漂わせる、貫禄充分のもの。地元SG制覇が、ぐっと現実に引き寄せられたことを予感させる凛々しさだった。もはや疑う余地なく、濱野谷が完全なる主役に躍り出たぞ!

●12R――大きな動きもなく……しかし大きく見えた、あの男
2008_0530_0607  12Rを迎えた時点で、ボーダーは6・20だった。江口はまだ届いていない。18位は横澤剛治だった。しばらく19位でいる時間が続いたが、11Rで森竜也が大敗したことにより、18位浮上。半ば他力だっただけに複雑な思いもあるかもしれないが、この得点にまで上積みしたレースは自力でマクって1着を勝ち得ているのだ、横澤剛治よ、胸を張れ!
 12R出走メンバーの状況はといえば、①魚谷智之……完走当確②田中信一郎……5着以上③原田幸哉……完走当確④平石和男……3着以上⑤烏野賢太……1着で6・00、ほぼ絶望⑥太田和美……2着以上、となっていた。このとき、太田和美は予選19位。得点率は6・20で、横澤に上位着順差で先んじられていた。もっとも痺れる状況で勝負駆けに臨んだのは、太田だったかもしれない。そしてまた、ドラマが起こるとするなら、ここだろうとも思われた。
_u4w3521  しかし……大きなドラマは、起こらなかった。太田は展開も向かずに5着。どうあがいてもボーダーを乗り越えていくだけの得点は獲れなかった。また、2着でボーダーをクリアした平石も、切羽詰まった戦いを乗り切った、とでもいうような顔つきではなく、ごくごく自然体のレース後であった。笑顔もごくごく自然体のもので、黙々と自分の仕事をこなし切っただけさ、と言わんばかりの余裕あふれる表情だった。これぞ、百戦錬磨の年輪である。
 もし大きなドラマがもうひとつ起こるとすれば……それはあまりにネガティブなものだけれど、田中信一郎がシンガリに負ける瞬間である。もちろん、それを願っていたなどということは毛頭ないのだが、もし……と考えた瞬間、心配でたまらなくなった。アシ色を考えれば、5着以上という条件はたやすいはずだ。しかし、これは魔の勝負駆けなのだ……本来ならば考えにくいシーンが、脳裏に浮かんでは消え、消えては浮かんだ。
_u4w3569  それが杞憂だ、と感じたのは、レース前のことである。出走待機室へ向かう信一郎の透き通った表情を見て、この男が取りこぼすはずなどない、と確信したのである。それくらい、信一郎が自信と気迫と充実感にあふれる顔つきだったし、足取りも確かだった。そして……レースはまぎれもなく、信一郎のモノだった。インの魚谷があれほどまでにきっちり差されるシーンを見たのは、いつ以来だろう。魚谷曰く「アシ色がもうひとつだった」ということを差し引いても、信一郎の差しは揺るぎなかった。2マークで一気に独走態勢に持ち込んだとき、それがVへのウイニングロードに見えたほどだった。
 ピットに戻って来た信一郎は、ヘルメットの奥で目を細め、そして雄々しいほどに目を見開いて、充実感をあらわにした。難なく勝った、なんてことは思っていないだろうが、レース前に想定した展開のひとつを実現させたのだとでもいうような、晴れやかさがそこにはあった。英雄が降臨した、そう思った。僕の半分しかないはずの信一郎の体が、巨大に見えた。

 結局、ボーダーは6・20、横澤のまま。江口が次点となった。笹川賞・勝負駆け。12R組が控室に消えて、ようやくピットの緊張感は解きほぐされた……。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田守)


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笹川賞 準優勝戦メンバー確定!

予選が終わって、ボーダーラインは6・20! 激戦でありましたね。結果、予選1位は地元の大エース・濱野谷憲吾だ! トーキョー・ベイ・パイレーツからは熊谷直樹も準優進出を決め、平和島が盛り上がっておりますぞ! もちろん他地区のスターも奮闘を繰り広げ、準優はなかなか面白いメンバーになったと思います。さあ、5月最終日の準優勝戦、おおいに楽しみましょう!

10R
①白井英治(山口)
②田中信一郎(大阪)
③熊谷直樹(北海道)
④寺田祥(山口)
⑤秋山直之(群馬)
⑥赤岩善生(愛知)

11R
①佐々木康幸(静岡)
②今村豊(山口)
③井口佳典(三重)
④辻栄蔵(広島)
⑤松井繁(大阪)
⑥市川哲也(広島)

12R
①濱野谷憲吾(東京)
②魚谷智之(兵庫)
③原田幸哉(愛知)
④田村隆信(徳島)
⑤平石和男(埼玉)
⑥横澤剛治(静岡)

※念のため、主催者発表でご確認ください


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THEピット――勝負駆けの風景

 心なしか、昨日に比べるとピリピリした空気に感じられるピット。これが勝負駆けだ! こちらまで緊張してしまって動悸がしたりするのだけれど、でもとっても気持のいい空間でもある。優しげな表情の選手も素敵ではある。同時に、鋭い勝負師の表情の選手は、もっと素敵だ!

●ペラ室にて――気になる智也がペラに集中
 屋内のペラ室は満員御礼。いちばん奥の“いつもの場所”で、服部幸男がペラに強烈な視線を浴びせていて、痺れる。もちろんこの光景も“いつものこと”なのだが、改めて感動を覚えた。
2008_0529_0063  そんななかで、やっぱり目につくのは気になる山崎智也である。1着でも1点足らずの相手待ち。気分が萎えてしまってもおかしくはないが、しかし勝たなければ望みを託すこともできない。モチベーションの保ち方が本当に難しい局面だと思うのである。それでも、智也の真剣な表情は、揺らぐことがない。周囲には目もくれずにハンマーを振り続ける姿は、間違いなく勝負師のそれだ。その後、智也はエンジン吊りなどで装着場に現われたりもしたが、顔つきはいつもよりずっと厳しいものに見えた。

●OPCにて――カッコいいぞ、白井英治!
2008_0529_0047  OPCも、ペラと向き合う選手たちであふれている。厳しい1着勝負横澤剛治が、まるでそこに備え付けられたオブジェのように、ほとんどその場を離れようとせずに、ペラを叩く。それに比べれば比較的楽な条件の田村隆信も、同様だ。といってもこの人は、仮に予選突破が絶望的な状況でも、同じ顔を見せるだろう。それは去年の賞金王で目撃している。
2008_0529_0153  一方、無事故完走で準優当確の白井英治も、OPCの主となっていた。横澤の隣で、ハンマーをふるう腕に力がみなぎっている。緩めることを知らないその姿は、もちろんSGクラスで緩める選手なんてまずいないのだけれど、心震わせる美しいものであるのは間違いない。
 白井は、時折立ち上がり、ペラをもって整備室に向かっている。数分後にはまたOPCに戻り、先ほどまでの場所で再びハンマーを振るう。このOPCと整備室の往復を、朝から2R前くらいまでの時間帯で3度ほど目撃した。その際の表情は、これがまた、実にカッコいい! 鷹のような鋭い目つき、ギュッと真一文字に結ばれた口元、力強く大股の足取り……闘魂みなぎるとしか表現しようのない姿がそこにある。まるで厳しい勝負駆けに立ち向かうような姿を、準優当確の白井が魅せているのである。やっぱり、この男は絵になるなあ。

●整備室にて――テラショーが本体整備!?
2008_0528_0113  白井のように、ペラ叩きと整備室の往復をしている選手は、他に何人かいた。目立っていたのは、予選トップの井口佳典。こちらの先入観も大きいはずだが、風格すら漂っている。ほかには、辻栄蔵もそのクチで、いちど整備室の入口でバッタリ。突然目に飛び込んだ巨体に、余計な驚きはしなかっただろうか。ただ、こちらの姿を認めると、ふっと微笑みを浮かべて会釈を返してくれた。これはいつもの辻栄蔵であり、メンタル的にはいい仕上がりだと思う。
2008_0529_0008  ペラと整備室の往復は、ペラを磨く場所が整備室にあるから。叩いて、磨いて、叩いて、磨いて……を選手は繰り返しているわけだ。で、そこに寺田祥がいたので、彼もその作業にいそしむ一人かと思いきや……ん? 何か様子がおかしい。よく見ると、手には何か工具を持っていて、ペラをいじっているふうではないのだ。テラショーは、その工具を手に整備机へ。そこには本体部分が置かれていて、モーター番号は58。まぎれもないテラショーのモーターなのだ。テラショーが本体整備!? 2日目を終えた時点で予選1位、昨日は星を落としたものの準優当確のテラショーなのだ。コメントを見れば、昨日はモーターの様子がおかしかったようだが、それにしても予選突破を決めていながら本体に手をつけるとは。
 もちろん、こうした行動は珍しいものというわけでもなく、先の競艇名人戦でも田中伸二が優勝戦の日に本体を調整していた。このクラスは、予選突破くらいで満足しないのである。逆に言えば、こうした姿勢があるから、その節でも突っ走ることができる。テラショーの本体整備は、ポジティブファクターだと見た。

●装着場にて――岡崎の動きの真相
2008_0529_0191  整備室を離れて装着場をふらふらしていると、魚谷智之が逆に整備室に向かうところで、40m先からこちらに歩いてきた。改めて言うのもナンですが、この男のたたずまいは本物の強者のものだと思わずにはおれない。ブレイクのきっかけとなった一昨年のダービーからは1年半しか経っていないのに、強烈に風格が漂ってくるのだ。いや、本当はそれ以前から同じオーラを振りまいていたのかもしれず、こちらがそれを見落としていただけだというのか。その力強い顔つきには、本当に圧倒されるし、戦慄さえ覚える。
 装着場で、岡崎恭裕がしゃがみ込んでいた。何をしているのだろう、と注視してみると、自艇に装着されたモーターをじっと眺めている。何かをチェックしているようだが、何をチェックしているのかわからない。じっと目を凝らしてどこかを見つめている、その視線の先にあるものがわからないのだ。やがて岡崎は、ボートの底を覗き込んだ。そして、貼り付いたゴミを払うような感じで、ピッピッピッと右手で触れる。岡崎選手、何してるの?
2008_0529_0457 「えっ? 今のですか? 特に意味はないっす(笑)。ヒマなんで、見てただけなんですよ。モーター見てた? チルトの角度を、まあ、はい(笑)。ボートの底? ああ、もう1年も使っているボートなんで、けっこうささくれてて、それを、はい、ちょこっと(笑)。ささくれが走りに影響するか? いやあ(笑)。特に意味ないっす」
 おっさん変なとこみてるねえ、ってな感じで、さわやかに呵呵大笑の岡崎。さすがサワカラスの一員である。ヒマということは機力が仕上がった? そう聞いてみると、もちろん仕上がりは悪くないのだが、今日の出走は8R、だからもう少し遅い時間帯の、潮回りや気温や風が出走時刻と近い時間帯になってから試運転をしようと決めているのだそうだ。だから、朝のうちはやることがない。勝負駆けを前にこの余裕、やっぱりスーパールーキーなのだな、この人は。4着条件の勝負駆け、準優決めれば、史上もっとも若い登番のSG準優進出となる。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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「H記者に負けるな!“本紙”予想」笹川賞 4日目

 いやあ、我ながらひどい。◎1着でもヒモが抜けるし、まるで見当違いのレースもあるし……昨夜、自分もちっとも当たっていないH記者にヤキを入れられました。汚名返上のためにも、本日はこの“本紙”予想も勝負駆けであります。というわけで、もちろん本日の担当もKでございます。

1R 女子ワンツーも充分にある組合わせ
◎①寺田 ○②横西 ▲⑥山口 △④山本
3連単1-264-全

2R 勝負駆け吉川が勝って後半につなぐ
◎①吉川 ○②上瀧 ▲④海野 △⑤長田
3連単1-245-全

3R 予選突破へ鎌田が必勝態勢
◎①鎌田 ○⑤金子 ▲②川﨑 △⑥湯川
3連単1-526-全

4R 勝負駆けに今垣が燃える
◎②今垣 ○①平石 ▲⑤秋山 △④今村
3連単2-154-全

5R 原田の攻めに乗る松井
◎⑤松井 ○④原田 ▲③横澤 △②辻
3連単5-432-全

6R 熊谷が意地の逃げ決める
◎①熊谷 ○②井口 ▲⑥魚谷
3連単1-26-全

7R 智也が攻めて、望みをかける
◎⑤山崎 ○②烏野 ▲③三嶌 △⑥寺田
3連単5-236-全

8R 太田が捌いて後半に勢い
◎②太田 ○③服部 ▲④白井 △⑤仲口
3連単2-345-全

9R 岡崎に逃げ切れるアシ
◎①岡崎 ○④赤岩 ▲⑥吉川 △②今村
3連単1-462-全

10R 佐々木がカドから4勝目
◎③佐々木 ○⑤井口 ▲②松井 △④中澤
3連単3-524-全

11R 森が攻めれば田村に展開向く
◎④田村 ○②濱野谷 ▲⑤辻 △⑥鎌田
3連単4-256-全

12R 魚谷の逃げ盤石
◎①魚谷 ○④平石 ▲②田中 △③原田
3連単1-423-全


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4日目! 予選最終日です

おはようございます。笹川賞、今日は怒濤の勝負駆け! 予選最終日でございます。今朝の平和島も小雨ではありますが、グズつき気味。気温も上がっていません。まあ、過ごしやすいと言えば、そうなんでしょうが……。この気候が、選手たちの勝負駆け調整にどう影響するか……。

2008_0529_0395 3日目終了時点での予選1位はこの人、井口佳典です。なんかもう、そういう状況に立つことがちっとも不思議ではありませんね。SG制覇にもっとも近い……無冠の強豪はよくそんな言い方をされたりもしますが、現在その言葉がもっともふさわしいのは、この人かもしれません。予選突破確実だからと言って緩める男でもありませんし、今日も目が離せませんね!

それでは、本日も雨空を吹き飛ばして熱くなりましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――レース前、レース後

2008_0527_1187  先の記事で、「レース前の海野ゆかりが笑顔で会釈してきた」ということを不思議に思ったことを書いているが、改めて考えてみると、レース前の選手の心境というものは、いったいどんなものなのか、と不思議になる。締切1分前あたりに、出走待機室で発走を待つ時間帯というのは、それはそれは緊張感にあふれているはずだが、その少し前の時間帯、つまりピット内で、周囲に他の選手もいるなかで過ごす時間の、選手の精神状態である。
 6名以外は、レースに対する差し迫った緊張感を抱く時間帯ではない。ましてや、その日のレースが終わっていれば、もはや緊張する理由もない。そうした40数名が、自分たちの周りでそれぞれの作業をしている。そんななかに6人だけ、戦いを間近に控えた者がいるのである。緊張感だけでなく、作戦を思い浮かべる必要だってある彼らが、どんな思いでいるのか……基本的に僕は、レースに集中したい時間帯だろうからと、できるだけ視界に入らないように心がけたりもしているのだが、それは果たして正確な認識なのだろうか。

●9R出走者たちの表情

_u4w3155  ゆったりとした足取りで、一点を見据えて、うつむき加減にOPC横のベンチに向かう。水面に一度目をやってから腰かけると、タバコに火をつけてうまそうに一服吸いこむ。苦み走った表情は、ただただシブい。穏やかに水面を見つめて、もう一口。物思いにふけっているようでもあり、一人の静かな時間を楽しんでいるようでもあり。
 上瀧和則は、こんな姿が本当に絵になる男である。
 これは、9R、集合時間がかかる前の様子。つまり、レース前の時間帯だ。去年の平和島ダービーでも、レース前の上瀧はこうして過ごしていて、それを何度か見かけていた。もしこれが、上瀧のレース前における精神統一の方法であるのなら、上瀧の視線は、現実に見えている水面ではなく、10数分のちに自分が走っているはずの水面に向けられているはずだ。戦略を練る、と言ってしまえばそれまでだが、強者だからこそ、自分なりの儀式のようなものがあってもおかしくはない。
_u4w3045  その1・5人分ほど離れた横に、濱野谷憲吾が座った。濱野谷も目を細めて水面を眺める。そして、どちらからともなく、上瀧と会話を交わす。濱野谷が身振り手振りで何かを語りかければ、上瀧が目を細めてそれにうなずく。まさに10数分後には剣を交え合う二人が、そこでは戦友同士として語らう。来るべき戦いへの闘志を胸の内に秘めながら。
 湯川浩司が控室から出てきて、出走待機室へと向かった。眉間にシワが寄るほど、厳しい顔つき。すなわち、闘志が顔に思い切りあらわれている。
_u4w2472  と、ちょうど整備室から出てきた池田浩二が、湯川を見つけて、ゆっくりと歩み寄っていった。笑顔を満開にしながら声をかける池田。同世代の後輩へのエールというよりは、雑談に近いもののようだった。それに応えて湯川が、ははははとひとつだけ笑った。ただ……目は笑っていなかったが。それでも、心に闘志を満たしている途中でも、こうして先輩の言葉に笑い返す。それがどんな意味をもっているかどうかはともかく、そういうものなのだろう。
_u4w2920  湯川に続いて、烏野賢太も待機室に向かっていく。小さく弾むような歩き方は、普段の烏野と何も変わらない。レース前に限らず、装着場を往来する際の烏野の足取りは、いつもこんな感じだ。ふと表情を盗み見ると、やや気合いを感じるかな、といった程度で、これも普段の表情とそう変わるわけではない。彼が気にするくらい凝視すれば、普段とレース前の違いに気づけるのかもしれないが、少なくともパッと見で大きな差を感じるわけではないということだ。開会式ではひょうきんな素顔を見せてくれる彼も、ピットでの表情は驚くほど落ち着いていて、貫禄がある。その表情が、レース直前にも見られた。これがベテランの味なのだろう。

 1着は逃げた湯川浩司。2着に山本浩次が入り、3着は激戦の末に濱野谷憲吾。烏野、上瀧との3番手争いを最後は憲吾が追い詰めて、逆転したかたちだ。

_u4w2769  ピットに上がってきて、濱野谷はひたすら目を細めていた。3着だから嬉しいなんてことはないだろうが、ただ充実感のようなものは得ることができたのかもしれない。烏野は、カポックを脱ぎながら、笑顔で濱野谷に語りかけていた。抜かれたことはくそ面白くもないことだろうが、しかし“レース”をしたことへの充実感はあったのではないか。あるいは、一時は完全に後方に置かれた濱野谷が追い上げてきたことに対する純粋な驚きもあったかもしれない。笑顔で濱野谷に語りかけていたのは、上瀧も同じだ。記者席に届く上瀧のコメントは「レースを見ての通りです。以上」のみ。この字面は明らかに不機嫌ぶりをあらわしているのだが、レース直後の感想戦ではむしろ気分よく濱野谷を称えていた感じだ。
 勝った湯川も、もちろん笑顔が多い。先輩たちに恐縮ぎみに頭を下げながらも、目はしっかりと笑っていた。スッキリと勝利を収めた勝者の顔、である。

●スタートタイミングを計算する、ということ
 レースの直前ではないが、整備室やペラ室以外でも選手たちがまず真剣な表情になる場所がある。
 スリット写真の前である。
 レースのスリット写真、あるいはスタート練習のスリット写真、どちらでも、だ。レース後なら、誰それのスタートが速いの遅いのと笑い合うこともあるが、これからレースを控えている選手たちはまず、その前で思いつめた表情を見せる。
2008_0527_0409  9Rが始まる直前くらいだっただろうか。レース間に行なわれた特別スタート練習のスリット写真が貼り出された。すると、すぐさま赤岩善生と佐々木康幸が、やや早足で掲示板の前までやって来た。まるで、どこかで貼り出される瞬間を監視していたかのように、そこに現われたタイミングは早かった。ゼロ台と言ってもいい。
 なぜそんなに思いつめた表情をしているのかといえば、言うまでもなく、スリットと自分の勘を確認し、修正し、本番での起こし位置を想定し直し、風や機力を計算し、そのときのタイミングを想像しているからであろう。レース前に行なう戦略構築においては、かなり重要な要素のはずである。
 赤岩は、いつだって迫力十分の表情を見せているが、スリット写真を覗き込む表情もまた迫力である。きっと今、赤岩の脳内のコンピュータはものすごいスピードで動いているのだろうと考えれば、そこには高性能マシンを前にしたかのような感覚までわいてくる。赤岩のガッツあふれるレースを形作るもののひとつは、このときに生まれるのである。

●居残りしてまでも
 場によってまちまちだが、ここ平和島は帰宿バスが何便か出ることになっていて、1便は10R終了後。それまでにレースを終えていて、自分の作業をする必要のない選手は、これに乗って一足早く、宿舎に戻る(全レース終了後に全員で帰宿という場もあるし、宿舎が隣接していて徒歩で通える場合にも全レース終了後に全員で帰宿している)。
 とはいえ、やはり若手は雑務も多いから、基本的には最後まで残ることになる。サワカラスの面々も当然残っていて、エンジン吊りはもちろん、OPCの整理整頓などの仕事もこなしている。ということもあって、12R直前くらいになってくると、ピットに目立つのはもっぱら若手の姿ということになる。
_u4w2849  そんななか、ペラ室を覗き込んだら、日高逸子の姿があって、頭が下がった。グレートマザーはいつもこうして、懸命の姿を見せてくれる。そして、何かを学ばされる。大きく分類すれば、この時間帯は「レース後」である。でも日高は心からリラックスすることもなく、さっさと宿舎に戻ってくつろぐこともなく、時間の許す限り働き続けるのである。正直、声もかけづらいほどに、集中して(ちなみに、宿舎での選手インタビューのときなど、対象選手を待つ僕らを見つけると、いつも優しく声をかけてくれる筆頭が日高さんである。ピットとは打って変わって、優しいお姉さんというかお母さんの顔を見せてくれて、和まされるのだ)。
_u4w2997  日高の周りでは、横西奏恵、田口節子の女子勢がペラを叩いていた。彼女たちは横西が10R、田口が11Rの出走だったから、まあこの時間にいるのも納得だ。それでも、レース後に相棒をいたわるようにペラと向き合う姿は、本当に美しかった。
 で、その輪の中心には、峰竜太! このこのこのぉ~、うらやましいぞ、ミネリュー! 素敵なお姉さま方に囲まれてペラを叩く峰竜太。やっぱりうらやましいじゃないか! でももちろん峰は、真摯な表情でペラの翼面を注視しては、鋭い目つきでペラを叩いているのであって、ハーレム気分に浸っているわけなどないのであった。でも、いいなぁ……。

●気になる智也は……
_u4w2766  11R3着で、なんたることか、4日目1着でも1点足らずの相手待ちになってしまった気になる山崎智也。レース後は、特に表情が変わったところは見えなかったけれども、なんとなく精気が感じられなかったような気がする。髪の毛を後ろでポニーテールのようにしばっていて、妙に色っぽかったのが印象に残ったくらいで、強烈なオーラは伝わってくることがなかった。それだけに、寂しいが……。
(PHOTO/中尾茂幸=イメージ、赤岩 それ以外は池上一摩 TEXT/黒須田守)


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明日の勝負駆け状況!

 3日目までの得点率ランク&4日目の勝負駆け状況をお伝えします。ボーダー6・00とすると、完走当確は井口、佐々木、濱野谷、白井、市川、寺田祥、田中の7人。下位では32位の長田まで逆転のチャンスがあります。ドリーム組では服部がまさかの脱落、山崎智也も1着で5・83という苦境に立たされています。

井口佳典  ☆
魚谷智之  ⑤⑥
佐々木康幸 ☆
原田幸哉  ⑤⑤
濱野谷憲吾 ☆
白井英治  ☆
市川哲也  ☆
辻 栄蔵  ④⑤
松井 繁  ④⑤
寺田 祥  ☆
田中信一郎 ☆
森 竜也  ⑤
今村 豊  ④④
田村隆信  ④
熊谷直樹  ④
平石和男  ③④

岡崎恭裕  ④
秋山直之  ③
……以上18位ボーダー……
折下寛法  ③
烏野賢太  ③③
江口晃生  ②
太田和美  ②③
赤岩善生  ②
今垣光太郎 ②
鎌田 義  ②③

池田浩二  ②②
横澤剛治  ①
山崎智也  1待ち
吉川元浩  ①②
川﨑智幸  ①②
田口節子  ①②
長田頼宗  ①②
(ボーダー6・00想定、☆は完走当確)


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THEピット――雨の朝の光景

●元気な声を聞くと、やはり安心する
鎌田義(兵庫)

2008_0527_0304  昨日までは、OPCで懸命に、黙々とペラを叩く姿が目立っていた鎌田だが、今朝は元気一杯の姿のほうが目立っていた。
 同期の白井英治と、OPCで大声でジョークを飛ばし合う姿。本栖時代の教官に挨拶に来て、笑顔で近況を語り合う姿。エンジン吊りで、近畿地区の選手の輪の中で率先して動きまわる姿。やっぱり、こんなカマギーを見ると、安心する。安心する、はヘンか。ピットにいて、自然と頬が緩んでくるのである。
 1R後、山本隆幸のエンジン吊りで、山本のモーターを架台に乗せて、整備室まで移動しようとしていたのは魚谷智之だった。それを目ざとく見つけて、「オッケー、オッケー!」と言いながら、魚谷からその役を引き継ごうとしていたのが、カマギー。先輩にそんな雑用っぽいことさせられへんわ~、といった感じで魚谷のもとに駆け寄った。魚谷も、別にかまへんかまへん、とカマギーを従えたまま、整備室へ。水の上では先輩も後輩もない。こうした作業においても、先輩も後輩もない。それが競艇の麗しさでありながら、しっかり先輩を立てようとするカマギーは素敵であった。もちろん、決してえらぶろうとはしない魚谷も。

●岡山勢の姿
川﨑智幸/山本浩次/田口節子

2008_0527_1137  天候が変わったこともあって、選手たちは調整に忙しく、また情報交換にも余念がない。装着場の真ん中で、川﨑と山本が立ち話をしていた。時に両手をボートに見立てながら、かなり長い時間、じっくりと話し込む二人。この時間が、水面での走りに反映していく。多数のA1級を擁する岡山支部を牽引する二人だけに、その姿にも貫禄が漂う。
 田口節子が、SGジャンパーを着ていた。これは珍しい姿だ。ふだんの田口は、オリジナルの乗艇着やTシャツを着ていることが多いのだ。女子リーグをレギュラーで撮影している池上カメラマンに確認すると、女子王座でも一瞬だけ着ていたそうであるが、少なくとも僕は初めて見た。なんだかものすごく新鮮な光景に見えた。まあ、急激に気温が下がり、寒く感じる朝のピットだったからなのかもしれないけれども。

●きっと一発がある
海野ゆかり(広島)

_u4w2601  1R前、ヌボーッと突っ立っていると、競技棟から出てきた海野ゆかりと目が合った。20mくらい離れていたので、会釈だけをする。海野も、会釈を返す。ぺこりと頭を下げる瞬間、顔に微笑みが広がって、美しいスマイルが浮かび上がっていた。海野はそのまま、整備室方面へと歩いて行った。
 2分ほど経って、何気なく出走表に目を落とす。げっ、海野、1Rに出走じゃないか! つまり、海野は出走直前だったのであった。ということは、整備室方面へ行ったのではなく、出走待機室に向かったということではないか。これまでSGで何度か顔を合わせているが、いつも余裕をあまり感じさせず、時にはどこか切羽詰まったものすら感じさせていた海野。一方、女子王座のピットでは、常に格上感を漂わせ、もちろん余裕を感じることも多々あった。今日の海野は、どちらかといえば後者。初戦転覆から苦戦しているが、きっと一発がある。そう思った。

●サワカラスは、今日もハツラツ
長田頼宗/岡崎恭裕/峰竜太

_u4w2621  長田は1R、海野と3着争いの接戦を演じている。ピットに上がって来た長田は、充実感にあふれた表情。いい顔だ、と思った。峰はキビキビとした動きで、レースの準備をしている。笑顔は見えないが、表情に暗さはない。
 岡崎は、肩の力が抜けて、完全にSGのピットに溶け込んでいる感じだ。並居る先輩たちに気後れすることもなく、OPC横のベンチに座り込んで、物思いにふける。そこに、ロンリーソルジャー・山口剛もやって来て、二人でベンチを独占して話し込んだ。そのとき、OPC周辺の世界の中心は、二人にあった。さすがのスーパールーキーたちだ。
 岡崎がらみでたびたび当欄にも登場している日モ競の生水さんは、そんな岡崎とのふれあいに目を細める。岡崎のほうから嬉しそうに近寄ってきて、耳元でコソコソささやいたり。やまと時代の教官と教え子の絆は今節も健在。「生水さんにイジめられたら、言ってくださいね。仕返ししときますから」と岡崎に言ったら、彼はケタケタケタケタと大笑いした。その余裕が素晴らしい。

●まるで新人のように
秋山直之(群馬)

_u4w2538  83期生だから、SGのピットでは若手の部類。しかし10年選手にもなんなんとするわけだから、新人という言葉はまったくあたっていない。それでも秋山は、新人のように腰を低くして、先輩に気を遣う。
 2Rを2着であがってきた秋山は、帰還してきたピットで真っ先に三嶌誠司のもとにすっ飛んで行った。そして、顔をくしゃくしゃにしかめて、本当に申し訳なさそうに、三嶌に詫びていた。ん? 三嶌と秋山に危ないシーンはあったっけ……。おそらく、前付けに動いた5号艇の三嶌をブロックして枠(4号艇)を主張したことを謝ったのだろう。なぜなら三嶌は、まるで気にするそぶりもなく、応えていたからだ。コースを動いた選手がレース後に内枠の選手に謝って回っている光景は、日常的である。逆のパターンは初めて見たかもしれない。
 そうした礼儀を見せつつ、秋山の足取りは軽い。準優も見えてきて、気分が悪かろうはずがない。

●智也が整備室!?
山崎智也(群馬)

_u4w2369  気になる智也を発見したのは、整備室。これは本当に珍しい光景である。智也の調整パターンは、ほとんどがペラ。ペラ室で見かけることはあっても、整備室で見かけることは本当に少ないのだ。見かけるときは、たとえばモーター格納作業とか、前検の点検作業とか。ところが今日の智也は、本体を外して作業をしていたのだから、めったに見ることのできない光景なのである。内容を確認しようと智也が出てくるのを待ったが、レース後のエンジン吊りまで出てこず、その後は風のように去って行ってしまったため、具体的に何をしていたのかは不明である(5Rは、部品交換の発表はなかった)。それでも、今節の智也はいつもと違う動きを見せていた、ということが重要なのではないかと思う。
(PHOTO/中尾茂幸=鎌田、山本 池上一摩=海野、岡崎、秋山、山崎 TEXT/黒須田守


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「H記者に負けるな!“本紙”予想」笹川賞 3日目

 申し訳ありませんでした。昨日は壊滅でございました。堅いと見えるインが飛ぶほど、逃げが決まりにくい今節の平和島でございます。本日は天候も変わり、傾向が変わるのかもしれませんが……。とにかく、昨日の失態を挽回すべく、3日目の“本紙”予想であります。本日の担当もKでございます。

1R 山﨑の差しが突き刺さる
◎②山﨑 ○①中澤 ▲④星野 △⑤海野
3連単2-145-全

2R コース動いて、三嶌のマクリ差しが炸裂
◎⑤三嶌 ○①折下 ▲④秋山 △②寺田
3連単5-142-全

3R 金子のアシは依然、上位級だ
◎①金子 ○④森 ▲②熊谷 △⑥仲口
3連単1-426-全

4R 寺田と田中の一騎打ちだ
◎①寺田 ○③田中
3連単1=3-全

5R 智也のマクリ差し一閃に期待
◎⑤山崎 ○②田村 ▲①太田 △⑥辻
3連単5-216-全

6R S決めて逃げる田頭に妙味
◎①田頭 ○③赤岩 ▲⑥服部 △④江口
3連単1-364-全

7R 今村が伸びて自在に抜け出す
◎③今村 ○①市川 ▲⑥佐々木 △⑤高橋
3連単3-165-全

8R ダッシュになりそうな若手脅威も、結局は内寄り
◎①仲口 ○②魚谷 ▲⑥平石
3連単1-26-全

9R 不本意な成績、湯川がここで鬱憤晴らし
◎①湯川 ○⑤濱野谷 ▲④烏野 △③上瀧
3連単1-543-全

10R 江口が逃げ粘って王者を倒す
◎①江口 ○④松井 ▲③横澤
3連単1-43-全

11R 佐々木がインから3勝目だ
◎①佐々木 ○④田中 ▲③山崎 △⑤赤岩
3連単1-435-全

12R 服部がインから今節初勝利
◎①服部 ○⑤今垣 ▲③井口 △②原田
3連単1-532-全


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3日目! 予選後半に突入

おはようございます。笹川賞、3日目であります。今日の平和島は、雨が降り出しています。気温も下がり、湿度も上がった、ということで、選手たちも調整に大変になりそうですね。今節は「回っていない」とコメントする選手が多い。湿度が上がればさらに回転の上がりが悪くなるわけで、このあたりがポイントになってくるのかもしれません。昨日までイン劣勢の傾向にあるわけですが、これがどう変化していくのか……。

_u4w2254 2日目を終わって、予選1位は寺田祥であります。昨年の平和島ダービーでは強烈な伸びで優出したテラショー。昨日もいいアシを見せてましたね。。昨年は賞金王出場、今年も総理杯優出と大ブレイクしたテラショー、なんだか流れが彼に向いているように思えます。写真は、同期・佐々木康幸とのツーショットであります。

というわけで、本日も雨にも負けず、張り切っていきましょう!

黒須田


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THEピット――陸の上と水の上

 今日からピット入りした長嶺豊師匠。さっそくご挨拶に行くと、師匠はうれしそうに語っていた。
2008_0527_1090 「昨日のドリームはすごかったなあ。松井1号艇、服部4号艇。優勝戦で見たいなあ」
 ですよね、ですよね。でも昨日もすごかった。服部がマクっていって、松井が抵抗! 麗しき同期対決!
「マクリ差しに行ってたら、服部が1着や。でもああなったら、引けんのや」
 そうです、それでこそ競艇選手!
「でもな、陸の上では、みんな仲がええやろ。ペラのことでも、隠さずに教え合うし。こういうのって、ウチの業界ならではやなあ」
 陸の上では、みな戦友同士。しかし水の上では遠慮なくぶつかり合う! 4Rでは井口佳典と湯川浩司が、賞金王の再現のような競り合いを見せたが、あれもまた競艇選手の美しさなのである。
_u4w2013  などと話していたのが6R頃。その6Rでは、原田幸哉と金子良昭の激しい2番手争いが繰り広げられた。3周1マークでは幸哉が完全に先行したのだが、3周2マークで内に進路変えした金子が渾身の切り返し! 最後の最後で逆転劇が起こった。
 ピットに戻った二人は、カポック脱ぎ場で並んで装備を解いていく。会話こそないが、わだかまりもなく、同じ空気を共有する。これが競艇選手、なのである。もちろん、幸哉はピットに上がって来た直後には、まるであと一歩で優勝を逃してしまったかのような、それはそれは苦虫をかみつぶした悔しい表情を隠そうともしていなかったが。その幸哉の表情もまた、競艇選手のアイデンティティだと言うしかない。

 5名もこの笹川賞に送り込んできた85期には、もともと「銀河系軍団」という立派なネーミングがある。長田頼宗、岡崎恭裕、峰竜太には、内池が「サワカラス」という名前をつけた(これもまた広まっていくとは思えないが、広まったとしたら上手に略した私の手柄である)。そのちょうど真ん中に挟まれている山口剛は、どうするんだ!? 内池には、彼が4000番台ではたった一人、どこにも属していないことになってしまった責任をとってもらいたいものだが、なにしろ僕は昨日、レース後に選手宿舎で彼のインタビューをしているので、山口が不憫でならないのだ。どうせなので宣伝させてもらうが、山口剛インタビューは6月11日発売のBOATBoy7月号に掲載されるものである。中尾カメラマンが衝撃ショットを撮影したので、山口ファンはもちろん、そうでない方もぜひご覧いただきたい。
_u4w2270  というわけで、今日のピットではまず最初に、山口を探した。一人ぼっちでさびしくないか、気になったのである。しかし山口は、そんなことはどこ吹く風で(というか、サワカラスは我々が勝手に言ってるだけだし)、陽気にピット内を往来しているのであった。取材のお礼のために近づくと、最高の笑顔を見せてくれてもいる。やはり、この男はタダモノではない。ちなみに、機力のほうはまだまだ仕上がり途上とのこと。3カ月にわたるF休みのブランクが大きいようだ。

 とまあ、長嶺師匠にしても、山口にしても、いつも僕の言葉にやさしく答えてくれて、笑顔を向けてくれる。ピット取材をするようになって丸3年。今でもちっとも慣れなくて、選手が目の前に来るとめっちゃくちゃ緊張して固まってしまう僕にとっては、本当にありがたい人たちである。
2008_0527_0428  そうした一人が、三嶌誠司なのだが……しかし今節は、どうにも声をかけづらい。三嶌に限らず、ではあるが、やはり成績がもうひとつの選手は、気分が良いわけがなく、ピットでは眉間にシワを寄せていることも少なくない。そんなところに、こちらは基本的にネガティブな言葉から入っていくことになるわけだから、どうにも気が進まないのが正直なところだ。それでも……、今日の11R後にこちらから三嶌に声をかけていって、その胸の内を聞くことにした。
 一瞬、こちらに微笑を向けてくれた三嶌だった。だが、話している間じゅう、やや暗い表情をしていることは変わらなかった。成績が来ない理由は、ただただ「乗りにくい」とのこと。かといって乗りやすいペラに変えると、モーターの機嫌が悪くなるというのだから、悩ましいようだ。それにしても……よくぞ正面から、ネガティブな話をきちんとしてくれたものだと思う。これが、三嶌誠司という男の誠実さである。
 ただし、もちろん心・機・技が深刻なまでの状態にあるわけではないようでもある。まだ諦めるつもりがないことも語ってくれているし、その後、「編集長、編集長。明日の山﨑(昭生)選手と三嶌選手は、何レース?」とおどけながら前夜版を覗き込んできたりもした。なんだかんだ言って、やっぱり僕はこの人に癒され続けているのである。

 不思議なツーショットを発見した。今垣光太郎と永井聖美だ。言うまでもなく支部は違う。もちろん、同期ではない。それだけに、二人が延々と話し込んでいる姿には、ちょっと驚かされた。
2008_0527_0513  今垣によれば、会ったのは初めてだ、という。ほぉ。で、ギアケースを調整していたら、永井も隣で整備を始めた、と。症状を聞いてみたら、これが今垣とまったく一緒。すなわち回転が上がりすぎて、出足だけのアシ、とのこと。そこで、今垣がアドバイスをして、永井に調整の方向を教えたのだそうだ。まさに、長嶺さんが言うような、手の内を隠さずに教え合う戦友同士、という関係が、レース場で初めて顔を合わせた先輩と後輩にも成立しているのである。一人黙々と作業をしていることの多い今垣も、決して他者に手の内を明かしていないのではない。ストイックななかに、やさしさがあるのが光ちゃんだ。
 しっかし、永井も果報者ですなあ。初対面の“整備の鬼”に薫陶を受けることができるんだから、こんなに幸運なことはない。津・女子王座で、整備士さんのアドバイスを受けながら凡機を立て直した様子を記したが、こんなところがようするに、永井の人徳なのだろう。二人とも、機力が上向くといいっすね!

_u4w2332  ツーショットといえば、気になる山崎智也と熊谷直樹のコンビは、しばしば目撃することができる、相性の良いコンビだ。熊谷はここ2、3年はあまりSGには顔を出さなかったが、3年前にしばしば登場していたときには、やはり智也と一緒にいるところをよく見かけたものだ。北海のクマと艇界のアイドル……イケメンと野獣、っすか。違いますか。_u4w2059熊谷さんゴメンナサイ。で、二人が整備室から歩いて来ると、ちょうど濱野谷憲吾がトーキョー・ベイ・パイレーツの生みの親、平和島競艇の茂木さんと立ち話をしているところと交錯。濱野谷は、ベイパジャージのズボンのヒモが劣化している、とかなんとか茂木さんに訴えていて、熊谷も智也もそれを眺めながら、微笑を浮かべていた。なんか、いいなあ。この3人のことは、トーキョー・ベイ・パイレーツfeat.智也、とかにしておく? いずれにしても、3人とも気分は悪くない様子です。濱野谷が、いつもよりガツガツしてる感じがちょいと気にはなるのだけれど。(PHOTO/中尾茂幸=松井、三嶌、今垣、濱野谷 池上一摩=金子、山口、山崎、熊谷 TEXT/黒須田)

2008_0527_0840


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H記者の「Vはアンタだっ!!」2日目

 まずは極選予想の結果から……(涙)

★『穴・極選』結果&検証

 10R
×①山崎智也(群馬)A↑
△②仲口博崇(愛知)A’→
  ③寺田 祥(山口)C→
○④湯川浩司(大阪)S→
  ⑤田口節子(岡山)B’↑
◎⑥三嶌誠司(香川)S→

10R予想
3連単★6-124-全、14-6-全
   ↓
結果★3-2-1
収支★マイナス7200円/累計マイナス11200円

_u4w2295  完敗です。レース展開の読み自体は合っていました。
★推理①…三嶌が3コースまで潜り込む。
★推理②…三嶌が握って攻める。

 どちらも推理のとおりだったのです。が、致命的な誤算が……。
敗因…三嶌がスリットからまったく伸びなかった。
 これに尽きます。スタ展からまったく伸びず、その時点で早くも絶望的な気分に。案の定、展示タイムも仲口の6・65とは雲泥の6・85……まあ、それでも舟券は買ったのですが、無駄な買い物でしたね。スリット同体から覗くことなく、伸びないパワーで握っても届くわけがありません。ひたすら流れて万事休す。今日の三嶌は前半の6着も含めてまったく回転が合っていませんでした。調整ミスなのか、湿度が急激に上がったせいなのか。中堅下位レベルでしたね。とにかく完敗です。これで三嶌を完全に見切るわけではありませんが、節イチ候補からは抹消します。

★節イチは誰だ!?

 トップ6の今日の成績は……こちらも溜息が出るほどの惨敗続きでした。

①松井 繁SS<7R6号艇・3着…伸び・安定感ともに抜群も突き抜けるだけの破壊力はなかった。/12R3号艇・3着…まくったが憲吾まで届かず。昨日より気配は落ちたがトップ級は間違いない。さらなる上積みもあるはずだ>
②赤岩善生S’<11R2号艇・4着…差してドロドロに流れる。まいった。ただ、最後方から全速全速で4着まで追い上げた足は素晴らしい。見限れない!>
③湯川浩司S<4R2号艇・6着…井口を叩きに行って逆襲を食う。スリットからの行き足は節イチ級。/10R4号艇・6着…やはりスリットから豪快に伸びながら信じられないような大惨敗。伸び一本で回り足は相当に厳しいのか>
_u4w2063 ④井口佳典S<4R1号艇・2着…湯川のまくりに猛反発しながら楽々の2番手キープ。レース足は文句なし。/12R6号艇・2着…やはりレース足が強く、惨敗は考えにくい足。V候補だ>
⑤服部幸男S<9R2号艇・4着…差してバック白井に迫ったが、昨日までの伸びがまったくなかった。おそらく調整ミス。このままの足では準優も厳しい>
⑥三嶌誠司S<6R1号艇・6着…逃げきれる態勢から流れて惨敗。回り足に不安。/10R・4着…期待していたスリットからの伸びがまったくなかった。明らかに気配落ち>

 もう、何がなんだか……松井と井口以外は、昨日までの気配とは似ても似つかぬパワーでしたね。他の選手がしっかり回転を合わせてきたのでしょうが、それにしてもひどい。湯川に至っては、2日目にして準優に赤ランプが点ってしまったし。
 しかし、今日の結果だけで彼らを切り捨てることはできません。服部は調整ミス、赤岩はターンミス、湯川は展開の不利……それぞれに克服できるであろう敗因が想定できます。今日の惨敗には目を瞑り、三嶌以外の5人をトップ5に据え置きます。準優がほぼ絶望的になった湯川も! 湯川よ、明日こそ目の覚めるようなパワーを見せてくれっ!!

_u4w2247 ★独断ベスト5
①松井 繁S’↓
②井口佳典S→
③赤岩善生S↓
④服部幸男A’↓
⑤湯川浩司A’↓

 リザーブ/今村豊、仲口博崇、田中信一郎、辻栄蔵

 魚谷&憲吾のファンには申し訳ないけれど、今日の勝利をもってトップ級と認めることはできません。正味の足はまだ上位の下程度だと思います。悪しからず。明日は4人に絞ります!(Photo/池上一摩)


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the水神祭 笹川賞①

_mg_5942 ●水神祭要件 SG初1着
●選手 長田頼宗(神奈川)
●当該レース 2日目1R
●水神祭実施 2日目5R終了後
●参加選手 熊谷直樹/高橋勲/濱野谷憲吾/江口晃生/秋山直之
●スタイル ワッショイ・スタイル
●落下型 脳天直下のバックドロップ式

_mg_5951  今節ファースト水神祭は長田頼宗! SG初出場の若武者が、2戦目にして初1着。地元での嬉しい水神祭をあげました。音頭を取ったのは熊谷選手班長。江口も、熊谷に呼び寄せられたものでした。なお、折下寛法は6R展示のため参加できず。レース後にでも祝福を浴びせていたものと思われます。
 おめでとう、長田頼宗! 93期では一人目ですから、誇っていいぞ! これを機に、一気に記念常連になってもらいたいものです!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)


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THE ピット――2日目朝、平和島に吹く涼しき風

_u4w2281  昨日までとは違って、ピットにも涼しい風が吹いてくるようになってきた。ただ、ここから東京の天気は下り坂になっていくので、選手とすれば調整がまた大変になってくる。そのためもあってか、朝からペラ小屋もOPC(オープン・ペラ・カフェの略/たぶん今後も普及しないはずの用語)も大繁盛状態になっていた。大繁盛状態といっても、熱気にあふれているわけではなく、多くの選手が口を一文字に閉じながらも、慌てた様子はなく落ち着いた感じで自分のペラを叩いていく。ピット全体がとにかく静かで、離れたところにいる記者同士が小声で話している言葉までが聴き取れそうなほどだったのだ。
 1R直前には、このペラ小屋から服部幸男が出てきたが、手にしたペラを見つめながら整備室へと向かっていくところを見ていると、本当にいい表情が浮かべられていて、調整に関しては自信が持てているのだろうと受け止められた。1R後には、OPCでペラを叩いていた同期の松井繁のもとへと行って、しばらくのあいだ何かを話していたが(その後、試運転のためボートを水面に降ろしていた)、そんな様子を見ていると、今節の服部には大きな期待がもたれてくるものだ。

_u4w2232  服部、松井の2ショットを見ていると「艇界の誇り」と感じられるが、それとほぼ同じ時間帯には、わずかしか離れていないOPCのベンチで、また別の「魅惑の2ショット」ができていた。
 山崎昭生と上瀧和則。
 黒須田守が命名したOPCとのネーミングはいまいちだと思うが、この二人が静かに笑い合っているのを見ると、水面際のその場所が赤坂の静かなバーにようにも錯覚されてきて、目の前の水面には都会の夜景が写しだされているような気にもなってくる。
 次は誰のタマをとろうか……といったようなことを相談しているわけではなく、“いい後継者たちが育ってきているな”と、普通とはちょっと違う意味での「親の顔」を見せているようにも錯覚されるのだ。なんというのか……、要するに『さわやかな男二人、艇界のオヤビンズ』なのである。

_u4w2208  さて、1レースでは、今節、「初水神祭!」となる長田頼宗の勝利に、平和島が沸いた。
 水神祭そのものは、本日2走目の5R後になりそうだが、とりあえず“長田を見守りたい”という保護者的な気持ちがひときわ強い私は、レースから戻ってきた長田にすぐに「おめでとうございます」と祝福に行っている。
 長田自身は、まだ少し実感がないような顔をしていたが、「いけると思っていますか?」と尋ねてみると、「いや、全然です。足は出てないので、とにかく握っていこうかと思って」とのことだった。レースそのものはまさに、無心で握っていってこそ勝利を掴めたようなものだったのだから、なるほどこの若武者らしい。さすがは「さわやかな若者たち、三羽ガラス」、略してサワカラスのリーダー格である。……サワカラスってなんだか、いいなあ。

2008_0526_0717  と、そうした朝のピットだったが、整備室で作業をしている選手の姿は少なかった。1R後でいえば、がらんとしたピットには、レースを終わったばかりの田頭実のモーターがぽつんと置かれていて、はしのほうで横西奏恵が何かの部品をチェックしているのか磨いきながら、井口佳典と談笑していたところが見られたような感じだった。
 この二人は、周囲の空気をなごませてくれていたが、そうも言ってられないのは、永井聖美だ。
 1レースでは、1周1マークでエンスト・競走中止となってしまい、すぐさま整備室でモーター整備を始めていたのだ。遠目で見ていてもつらいものがある姿だった。
(PHOTO/中尾茂幸=横西、池上一摩=その他  TEXT/内池久貴)


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「H記者に負けるな!“本紙”予想」笹川賞 2日目

初日の“本紙”予想は3本的中。まずまずといったところでしょうか。それにしても、H記者は惜しかったなあ。展開はズバリ、だったんですけどね。舟券ベタのH記者らしい、といえばそういうことですが、いずれにしても2本立て予想はなかなかいいところを突いているようですぞ。

 では2日目の“本紙”予想でございます。本日の担当もKでございます。

1R F後もアシいい金子が抜け出す
◎④金子 ○③山口 ▲②長田 △⑥山本
3連単4-236-全

2R 機力不安も峰が気合いの逃走
◎①峰 ○⑤折下 ▲②星野 △⑥森
3連単1-526-全

3R アシは上位級、田村の逃げ
◎①田村 ○④熊谷 ▲⑤白井 △⑥今垣
3連単1-456-全

4R 絶好調・井口が連勝ゴールだ
◎①井口 ○②湯川 ▲⑤今村
3連単1-25-全

5R コース動いて、智也が自在に抜け出す
◎⑥山崎 ○③平石 ▲②市川 △⑤太田
3連単6-325-全

6R 三嶌のイン戦を信頼する
◎①三嶌 ○③魚谷 ▲②折下 △⑤原田
3連単1-325-全

7R 王者が相手でも辻の逃げ堅い
◎①辻 ○⑥松井 ▲③烏野 △②高橋
3連単1-632-全

8R 6コースでもムテキングに期待だ
◎⑥濱野谷 ○⑤山﨑 ▲①山本 △②森
3連単6-512-全

9R 服部の闘魂が1マークを制する
◎②服部 ○①白井 ▲⑤田中
3連単2-15-全

10R アシは上昇中の智也だ
◎①山崎 ○⑥三嶌 ▲④湯川
3連単1-64-全

11R ミスター競艇が連勝決める
◎①今村 ○②赤岩 ▲③今垣
3連単1-23-全

12R 濱野谷のイン戦に誰が逆らえよう
◎①濱野谷 ○③松井 ▲④佐々木 △⑤田村
3連単1-345-全


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2日目です!

おはようございます。笹川賞、2日目でございます! 平和島周辺は、本日から天候が崩れるとの予報ですが、水面の熱さは変わりませんぞ! 初日から好レース連発のSG第2弾、さらに白熱するはずだとお伝えしておきます。

2008_0527_0672 昨日のドリーム戦を制したのは、ミスター競艇! 緑のカポックの今村豊でした。やはり笹川賞にはグリーンが似合う、今村豊には勝利の笑顔が似合う! アシも強力で、ピットでは元気一杯の今村だけに、今日以降も大活躍が期待できそうですね。4年ぶりのSG制覇も十分にありそうですぞ! 応援せずにはいられません!

それでは、本日も熱い1日を!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――初日後半、主役は気になるあの人

2008_0526_0761  午後のピットはひときわ暑く、内池に「さわやかな若者たち、三羽ガラス」などというダサいユニット名をつけられてしまった長田頼宗、岡崎恭裕、峰竜太も汗だくだ(→写真は、長田のかわりに池田浩二)。それでも、やはり若者のハツラツとしたふるまいは、本当に気持ちがいい。水際を駆け足で移動するサワカラス(略してみました)の姿を見ていると、ここが湘南の海岸のようにも思えてくる。もっとも峰はエンジンが本当にひどいようで、「去年の笹川賞と精神的に違う部分は?」というこちらの質問に、「最近でいちばん出てません」と心ここにあらずの様子。だからだろう、サワカラスのなかではもっとも多く試運転に出ていて、装着場で姿を見る機会が多いのも彼だった。もちろん、その姿もさわやかではある。

Cimg3956  装着場で姿を見る機会が多かったといえば、今日の午後はなんといっても、気になる山崎智也だ。OPC横の選手喫煙所で江口晃生と語らっている姿を発見し、微笑ましく眺めていたのだが、そのあともまあ、いろいろなところに姿をあらわしていたのである。
 整備室を覗き込んで、その様子を見ていたら、智也登場。整備中だった熊谷直樹としばし談笑する。いったん整備室を出て行ったのでペラ室にでも向かったのかと思ったら、その3分後くらいに再び智也は整備室にやって来た。ほんの一瞬だけ整備室に入り、出てきたと思ったら、金子良昭とともに田村隆信のエンジン吊りをお手伝い。3人でしばし談笑して、控室のほうへ。2008_0526_0798_2 僕は引き続き装着場を眺めていて、原田幸哉と挨拶を交わしたりしていたら、その幸哉のもとに智也はやって来て、いつものようにじゃれ合い笑い合いのご機嫌な雰囲気を見せていた。で、その後の智也はまたまた整備室へ。いったい何の用事だろうと推量してみたものの、手には何も持たずに整備室⇔控室の往復をしているから、まるで見当がつかないのだ。というわけで、話しかけてみようと智也を待っていると、試運転から服部幸男があがってきて、一瞬そちらに目を奪われる。すると、その間に整備室から出てきた智也が服部とアイコンタクトを交わし、お互いニコニコニコッと微笑みあった。こうなれば、もう二人の世界に割って入ることなどできない。智也と服部は、二言三言、言葉を交わし合いながら、アハハハハッと笑いつつ別れていった。
 とまあ、こんな具合で智也の姿をずーーーーーっと見ていた午後のピットだったのである。最後に見かけたのは、ペラ室。濱野谷憲吾の隣で、強烈なツーショットを見せつけながら、黙々とペラを叩いているのだった。

 ところで、OPCってのは全国共通語じゃなかったのか? と午前の内池の記事を見て衝撃を受けたわけだが、改めて言っておくと、OPCとはもちろん「オープン・ペラ・カフェ」の略である。競技棟の1階玄関部分の横はピロティになっており、ここが屋外ペラ叩き場と選手喫煙所になっている。ちなみに、喫煙所と言っても、灰皿があるほかはベンチが並んでいるので、タバコを吸わない選手もここにすわって休憩したり、物思いに耽ったりもしている。で、ペラ叩き場も喫煙所も、水面を望む位置にあって、まさしく海辺のオープンカフェの趣きがある。あるったらある。誰が何と言おうとある。そこで、OPCという名称がついたわけだが、もしこれを選手の方がご覧になっているとしたなら、ぜひ選手間でも広めてほしいものである。
2008_0526_0876  てなことはともかく、OPCにはさまざまなつながりのある組み合わせが見られた午後ピットであった。まず、白井英治と鎌田義。実は好調な選手が揃いに揃って、静かなブーム状態となっている80期、その精鋭同期生である。去年のダービーでは、ここで周囲を笑わせているカマギーを何度も見たものだったが、今日のカマギーは白井とかなり真剣な表情で情報交換をしており、いつもとは違う雰囲気を漂わせている。
 その手前では、横西奏恵、田口節子の女流軍団。奏恵はかなり力強くハンマーを打ちおろして、装着場内にカーンカーンという小気味いい音を響かせていた。その隣には、田村隆信&湯川浩司の銀河系SG覇者軍団。田村は今日の3Rでチルト3度を敢行! 2着をもぎ取っている。午後もずーっと試運転を繰り返していたから、明日も楽しみにしてほしい。なんといっても、明日は3R1号艇。普通のペラに戻してインから行くのか、それとも1号艇など関係ないとばかりに外へと飛び出すのか。スタート展示時のアナウンスには要注目だ。

 今日の8Rで海野ゆかりが転覆、永井聖美がこれに乗り上げてしまっている。これに伴い、海野のボート64→22へ、永井のボート21→61へ、それぞれ変更になっているので、明日はご注意いただきたい。レースを続けた永井はもちろん、海野も無事で元気一杯の姿をレース後に見せているので、ファンの方はご安心を。
2008_0526_0763  また、もろもろの部品交換については競技情報をご参照いただきたいが、9R前くらいだったか、山本隆幸がキャリーボディ交換をしているところをたまたま見かけた。実は、この交換をしているところを目撃するのは初めてで、思わずじーーーっくりと見入ってしまった次第。それに気づいた山本は、なんだこのへんなデヴは、というような顔で一瞥し、しかしそんなこと気にしてらんねえとばかりに、交換作業に集中していった。それにしても、かなり時間のかかる作業なんですね、コレ。もちろん、他の部品交換にしたって、ちょちょいのちょいで済むようなものではないだろうが、交換したキャリーボディをハメ込む際にはけっこう力が必要なようで、思わず手伝いたくなったくらいだ(もちろんそんなわけにはいきません)。気楽な見学者としては、この大変な作業が報われて、機力一変なんてシーンを期待する次第である。(PHOTO/ TEXT/黒須田守)


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H記者の「勝つのはアンタだっ!!」初日

★『穴・極選』結果&検証

2008_0526_0868 2R
  ①高橋 勲(東京)
△②田頭 実(福岡)
○③山﨑昭生(香川)
◎④仲口博崇(愛知)
×⑤中澤和志(宮城)
  ⑥星野政彦(大阪)

2R予想
2連単★4=3、4-25
3連単★4=3-25、4-25-3
  ↓
2R結果★4-1-3 ハズレ
収支★マイナス4000円

 弁解はしません。後悔もしません。試合に勝って勝負に負けた。そんな心境です。おヒマな方は、ちろっとマウスをクリクリして朝アップした極選予想に目を通してください。でもって可能な方は2RのVTRを観戦してください。
2008_0526_0696 【予想&VTR】昭生がまくって仲口がマーク差しからバック突き抜ける。
 嗚呼、美しすぎるほどの完璧予想。本当に、私の脳裏に描いた1マークと1mmたりとも狂いのない映像でありました。が、なぜか結果は……4-1-3。誤算はただひとつ。「前検ではサッパリだった高橋の機力がアップしていた」これに尽きます。バックで高橋を2艇身ほど置き去りにしていた昭生がグングン追い上げられ、慌てた昭生が2マークでターンミスをして逆転……昨日のままの高橋なら、1マークの引き波だけでずり下がっていたでしょう。格言③「平和島の高橋と折下は、一夜にして一変する」という鉄則を知りつつ軽視した私がバカでした。
 まあ、とにかく昭生のスリットからの伸び、仲口の引き波を超えるパワーともに私の見立て通りで、明日以降もこのふたりには注意を払いたいところ。ただ、昭生の伸びがターンマーク付近で売り切れ感があるのはやや不安ではありますが……。

★節イチを探せ!

 続いて独断パワー診断トップ12のレースっぷりを簡単に振り返りつつ、節イチ候補(=V候補)を6艇に絞ります。

2008_0526_0785SS級
松井繁<12R・2着…服部のまくりに抵抗している間に今村の強襲を喰らった。パワー的にまったく不安はない>

S級
湯川浩司<11R・5着…ダントツの展示タイムも展開がなく惨敗。伸びはトップ級も回り足に不安>
山﨑昭生<2R・3着…3コースから一気にまくるもバック後退。常に一発はあるがトップ級とはいえない>
服部幸男<12R・4着…王者に真っ向勝負を挑んでの敗戦。握って回ればトップ級だが、やはり小回りでは行き足が弱い>
井口佳典<9R・1着…4カドから豪快に伸びて差し抜け。実戦向きの抜群パワーだ>
今村豊<12R・1着…松井VS服部の競りの間に差し抜け。展開の利も大きいが、一気に松井を突き放した伸びは圧巻>
三嶌誠司<10R・4着…スリットから覗いての2コース差しは不発。行き足は凄い>
仲口博崇<2R・1着…4カドからマーク差し一閃。/9R・6着…1マークの迷いがたたってレースできずに脱落。パワー負けではないがズルズル下がったのはやや不満>

A'級
赤岩善生<4R・2着…ドカ遅れから驚異の追い上げ。この足はかなりヤバイ>
佐々木康幸<1R・1着…5コースからまくり一発。/7R・1着…2コースから楽まくりで連勝発進。スリットからの伸び上々>

辻栄蔵<5R・3着…道中追い上げて上瀧を抜き去る。/11R・2着…江口との2着争いに圧勝。好バランスで完成度が高い>
上瀧和則<5R・4着…イン強奪からトップSも完全な伸び負け。9R・4着…前半と同じ伸び負け。出足は十分だが、致命的な伸び不足だ>

2008_0526_0798  前検の見立て自体はソコソコ合ってましたね。12選手のべ16走の着順を羅列すると1111122233444456着。平均勝率6・56なら及第点でしょう。さあ、今日はここから一気にトップ6に絞ります。じ、実に難しい。(~ここから考慮20分~)決めました! 初日を終えてのベスト6は……
①松井 繁SS→
②赤岩善生S’↑
③湯川浩司S→
④井口佳典S→
⑤服部幸男S→
⑥三嶌誠司S→

 とします。三嶌については高配当への期待も込めての抜擢。本来ならドリーム男の今村にするべきでしょうが、今村に関してはまだ回り足に未知数な部分があって次点扱いとします。以下、差がなくピンピン発進の佐々木、山﨑昭生、仲口と続きますが、急上昇しているのが山崎智也。不安のあった前検から一気に上位級の仲間入りを果たしましたね。
 さてさて、明日はこのトップ6から若干の入れ替えも含めて5選手に絞ります。誰が脱落するか……現時点ではさっぱりわかりません!!(Photo/中尾茂幸)


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THE ピット――初日。戦いの幕開けは静かに

 開会式直後にピットに行くと、ペラ小屋で真っ先に作業を開始していたのは峰竜太だった。その際のペラ叩き自体は長い作業ではなかったが、すぐにモーターにペラを取り付け、試運転のためにボートを降ろす準備を整えた。

2008_0527_0308  このときは、1Rのスタート展示前でもあったため、ボートリフトの前にボートを置いておくだけにして、そのままペラ小屋の手前にある屋外ペラ叩きスペース――、通称オープン・ペラ・カフェ=OPCへと移動した。念のために書いておけば、通称といっても、昨年、黒須田が勝手に命名しただけなので、この場をOPCと呼ぶ人間は、おそらく全国にも2、3人くらいしかいない。
 話は逸れかけたが……、峰はこのOPCで、上瀧和則と話をしながらまた別のペラを叩いていた。そして、水面にボートを降ろす際にはそのペラもボートに積んでいたので、「ペラはまだ決めてないんですか?」と訊いてみると、ニッコリ笑って「まだですね」との返事。
 今朝のピットもかなり暑く(10時過ぎで25度)、こうして、選手たちは手探り状態での調整作業を進めているわけだ。
 それにしても……。
 やはり峰竜太は驚くほどさわやかだ! さすがは「さわやかな若者たち、三羽ガラス」の一員なのである。

2008_0526_0885  ペラ小屋の一番乗りが峰なら、OPCの一番乗りは横澤剛治だった。
 峰と横澤は、開会式後、まったく休むことなく作業を開始したのだろうが、多くの選手にしても、わずかなブレイクタイムを入れただけで、それぞれすぐに作業を開始していった。
 ピットの中で、少しずつ少しずつ、選手たちが作業を開始していく情景には、なんともいえない緊張感が漂っていたものだ。
 装着場では海野ゆかりと寺田千恵、あるいは吉川元浩と星野政彦、ペラ小屋では原田幸哉と横西奏恵……というように、選手同士が何かを話している場面もあちらこちらで見かけられたが、笑い声が響くようなことはほとんどなく、それぞれに情報交換のようなことをしていたものと思われる。

Sn2_9933  「笑い」といえば、忘れてはいけないのが鎌田義だが、笑いの伝道師でもある鎌田にしても、とりあえずはギャグを連発しているような感じはしなかった。
 鎌田、吉川、山本隆幸の尼崎最強伝説軍団に星野政彦を加えた近畿勢は、並んで座って1Rのスタート展示を見ていたが、そこから笑い声は聞こえてこなかったのだ。
 客席に「あなたのチェルシー」をばら撒いていた開会式とは打って変わり、ピットでの鎌田はいつになく落ち着いた雰囲気を醸し出していたのだ。もちろん、ピットの鎌田はいつでも笑いを取り続けているわけでなく、周囲を爆笑させていたかと思えば、キリリと表情を引き締め、大股でピット内を闊歩していき、自分の作業はきっちりと進めているというように、メリハリのよくきいた選手なのである。……だからこそ、私も鎌田さんが好きなのです。はい。

Sn2_9740_2  ペラ組からモーター組に目を移せば、開会式後、ほとんど間を空けずにモーターに手をつけていた選手としては、山本浩次、今垣光太郎、白井英治が挙げられるので、「らしい」といえば、らしいメンツだ。
 また、整備室の前では、三嶌誠司が作業をしていて、隣にいた海野に手伝ってもらってモーターを取り外し、通りかかった田村隆信に手伝ってもらってボートをひっくり返すと、ボートの腹ビレのようなフィン(水平舵)の具合を確認……。
 実際はそんなことはないのだが、ボートとモーターの調整・整備を同時に進めていかんばかりの、いっさい時間のムダをつくらない作業ぶりには目を見張らされた。三嶌の場合、これは今節に限ったことなどではなく、ほとんど毎度の恒例行事のようなものなのだが、何度、その光景を見ても感心させられるばかりだ。……だから私は、そんな三嶌さんも好きなのです。はい。
 ムダのない作業ぶりということでは、今朝、目についた選手としては江口晃生、折下寛法などもそうだった。この2人はともに3R出走だったので、開会式のあとは慌ただしくなる時間帯でもあったのだろうが、ともにきびきびした仕事ぶりは好感が持てたものだ。

Sn2_0155  こうして、選手のほとんどが「仕事師」と化していたなか、ドリーム組は揃って、比較的ゆったりした動きだしになっていたのは、ちょっと意外だった。昨日のコメントでは、万全の状態になっていると話していた選手はいなかったにもかかわらず、誰もがマイペースで作業を始めていたのである。早い時間帯においては、服部幸男も濱野谷憲吾もペラ小屋にこもるようなところは見られなかったのだ。
 今日の“修正ぶり”が再注目された魚谷智之にしても、1R前にピットに姿を見せたかと思えば、最初にやっていた作業は「ヘルメット調整」だったのだから(シールドか、内側部分の生地の張り直しかなにかをしていたようだった)、慌てる必要はないと判断できているのだろう。
 松井繁にしても山崎智也にしても、ボートやモーターの状態をチェックするといった動き出しだったし、今村豊は、終始、笑顔を絶やさず、どこから手をつけるかを悩んでいるような素振りをしていたかと思えば、早めの試運転に出て行った。
 ドリーム組で、その気配が気になったのはやはり服部だ。
 ゆったりした足取りで、整備室とペラ小屋を往復したりもしていたが、その様子はとても落ち着いているようでありながらも、その目からは、静かな闘志というか熱い気迫が滲み出してきていたのだ。
 早い時間帯の服部は、とりあえずステアリングホイール(ハンドル)の調整などをしただけで、3R前に試運転に出ているが、その走りぶりを見れば、かなり仕上がってきているようにも感じられたものだ。
 ……1R後のピットでは、金子良昭がゆっくりとした拍手をしながら、勝った佐々木康幸を迎えていたが、そうして静かに戦いは始まった。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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thank youいっぱいの開会式!

2008_0527_0114 「男は黙って、やるしかないです」(上瀧和則)
 くぅ~、カッコええ! ビシッと一言で決めたエースのジョー。まさしく、男!であります。
 というわけで、SG初日の朝を彩る開会式・選手紹介。笹川賞ということで、「たくさんの投票、ありがとうございました!」と、自分をこの舞台に送り込んでくれたファンの思いに対しての感謝を述べる選手が多かったですね。これぞ、笹川賞!であります。
2008_0527_0144 「感謝、感謝、ありがとーっ!」(松井繁)
 ファン投票1位の王者は、3つの「thank you」を力強く語って、その思いの強さを表現していました。う~む、さすが王者、粋な一言ですなあ。
2008_0527_0059 「はい、こんちわ~。僕のようなものに投票してくれてありがとうございます。ささやかではございますが、お礼をさせていただきたいと思います(と言って、Tシャツを3着、客席に投げ込む)。あと、少しばかりチェルシーがあります(と言って、チェルシーを客席に投げ込む)。あなたにも、チェルシー、あげたい」(鎌田義)
 エンターテイナー・カマギーも、いつも通りの軽妙なトークを「thank you」バージョンにしてお届けであります。それにしても、最後の一言は、若者にはわからないんじゃないのかな~。
 こうしたお礼の言葉が並ぶ中、東京支部の重鎮・北海のクマは、投票絡みで笑いをとります。もちろん、テーマはベイパ!
2008_0527_0010トーキョー・ベイ・パイレーツといえば、ホームは平和島。だから当然、(メンバーの)みんな受かってるんじゃないの~~~と思っていたら、現実は……(ベイパTシャツの背中を客席に向けると……「落選」の文字が(笑)」(熊谷直樹)
 たしかにね~。トーキョー・ベイ・パイレーツのA1級は8名。だというのに、笹川賞に選ばれたのは2人……誰もが「あらら……」と言葉を失ったわけですが、クマさんはそれをギャグにしてしまったのですな。とはいえ、熊谷はもちろん、落選してしまったメンバーは悔しさにまみれているに違いないのでありまして、その分まで熊谷直樹は燃えているはずであります!
 ベイパを差し置いて、東京支部から参戦するのは、東都の若武者!
2008_0527_0035 「今のところ、開会式がいちばん緊張してます」(長田頼宗)
 そりゃあ、そうだろうなあ。なんたって、艇界のスーパースターがズラリ、ですからね。レースでは震えることなく、力を出し切ってくださいね!

2008_0527_0069  てなところで、あとは駆け足で。
「来る前に、愛情のたっぷりこもった大きなペラを作ってもらってきました。でも……愛情、ちょっと落ちてたかも」(寺田千恵
 調整頑張って、愛情取り戻してくださいね!
「このあとF休みに入りますが、今日、ここで出会えたことを忘れずに、思い出してください!」(仲口博崇)
 というか、あなたがいないSGはさびしいっす。早くまた戻ってきてください!
2008_0527_0124 「エンジン出てます、平和島好きです、ファンの皆さん大好きです……また三拍子そろいました!」(湯川浩司)
 僕も三拍子そろってますよ~金ない、舟券当たらない、ちっとも痩せない……。
「相変わらずFばかり切ってますが、投票してくれたファンのために頑張ります」(田頭実)
 それでも怯まずS決めるのが、この人の男気!
2008_0527_0074 「平和島の平は、平石の平。平和島の和は、和男の和。応援ヨロシク!」(平石和男)
 平和島で強いのは、そういうワケだったのかぁ。
 というわけで、笹川賞開幕でございます! 闘魂燃やす52名への応援ヨロシク!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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「H記者に負けるな“本紙”予想」笹川賞・初日

 今節より、予想は2本立てとなります。これまで、予想のメインはH記者が務めておりましたが、我々取材班がよく知るH記者は、普段からあまり当たらないのは変わりませんが(笑)、時に強烈な穴予想を繰り出して周囲を驚かせるというエンターテイナー的ギャンブラーであります。しかし、メインとして予想をすると、どうしても的中を意識してしまうあまりに無難な予想になることもあるのでして、これにはH記者自身、苦悩していたようでございます。ならば、H記者には自由自在な予想をさせて、いわゆる「本紙予想」を設けようではないか、と。というわけで、今回からはまず「H記者に負けるな“本紙”予想」をアップし、その後にH記者の厳選・爆裂予想を発表させていただきます。ま、予想をダブルにして的中数を増やそうって魂胆もありますが、はい……。率もちろん、両者の予想が一致することもあるでしょうが、それはそれ、ということで(共倒れの危険性があるな)。

 それでは、“本紙”予想でございます。ちなみに、本日の担当はKでございます。

1R 岡崎が2コースからズブリと差す
◎②岡崎 ○①森 ▲⑤佐々木
3連単2-15-全

2R 高橋が地元の意地で逃げる
◎①高橋 ○③山﨑 ▲④仲口
3連単1-34-全

3R 田中のインは危なげなし
◎①田中 ○②池田 ▲④折下 △⑥田村
3連単1-246-全

4R イン烏野が機力不安で、山口が抜け出す
◎②山口 ○③鎌田 ▲④赤岩
3連単2-34-全

5R 前検動きいい横澤が上瀧を入れて3コースから自在に
◎②横澤 ○③太田 ▲④辻 △⑥上瀧
3連単2-346-全

6R 山本が外を完封して逃げる
◎①山本 ○④吉川 ▲⑤市川 △⑥白井
3連単1-456-全

7R 勝手知ったる平和島で、熊谷がマクる
◎③熊谷 ○①星野 ▲②佐々木 △⑥原田
3連単3-126-全

8R オール女子戦なら、横西の逃げ堅い
◎①横西 ○④海野 ▲⑤寺田 △③田口
3連単1-453-全

9R 鬼より怖し、インの上瀧
◎①上瀧 ○④井口 ▲③仲口 △⑤岡崎
3連単1-435-全

10R 今垣が軽快にインから
◎①今垣 ○②三嶌 ▲③吉川
3連単1-23-全

11R 原田のイン戦は信頼度高し
◎①原田 ○⑤湯川 ▲③辻 △④鎌田
3連単1-534-全

12R ドリーム戦 早くも節イチ、松井で鉄板
◎①松井 ○③濱野谷 ▲④服部 △⑤魚谷
3連単1-345-全


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初日! エコSG・笹川賞の開幕です!

おはようございます。笹川賞初日の朝を迎えました。そうです、競艇オールスター戦、開幕です! この笹川賞のテーマのひとつは「エコ」であります。平和島競艇では「I love kyotei I love the earth」を合言葉に、グリーン&クリーンプロジェクトを推進しています。この笹川賞も、ゴミなどから作る「グリーン電力」を使用して運営していくのですね。環境破壊が叫ばれる昨今、競艇界もエコに貢献を! そんな思いを込めて行なわれるSG・笹川賞であります。舟券もバッチリ買って、エコの意識を高めて、1節間盛り上がってまいりましょう。

2008_0526_0355 平和島競艇のそうした企画を率先して引っ張って行っているのが、トーキョー・ベイ・パイレーツ! 今節は、濱野谷憲吾と熊谷直樹がベイパを代表して参戦しています。平和島のSG、やっぱりベイパが活躍しなければ! エース濱野谷&北海のクマにかかる期待は大きいですぞ。がんばれ!

それでは、本日もよろしくお願いします!(photo/中尾茂幸)


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THE ピット――前検日編

2008_0526_0826  朝の段階ではあまり目につかなかった山崎智也だが、午後にピットに入ると、最初に目についた。
 その表情はキリリと引き締まり、さすがは、どこにいても“気になる男”なのである。
 スタート特訓のあとのドリーム戦出場選手インタビューでは、モーターの感触は「まだ掴めてないけど、やばそうですね。ぜんぜん回っていなくて」とも話していたので、そのあたりの部分が、厳しめの表情に出ていたのかもしれない。ただ、智也の場合は、いい結果を出すときにも、少し不機嫌に見えるような表情をしていることが多いので、そのあたりの判断は難しい。
「たぶんペラが合ってないだけで、それを合わせれば……」とも続けていたので、明日の動きを見てみないと、現時点ではなんとも言えないところだ。
 とにかく、さすがはSG前検日ということで、智也に限らず、誰もの表情が引き締まり、平和島のピットはいい意味での緊張感が支配していた。そして、やはり……、今日のピットは暑かった。スタート特訓が始まる前の2時頃にピット内の温度・湿度計を見てみると、28度・58%となっていたので、これは、選手たちにとっては肉体的にもきついだろうし、調整作業も厄介になってくる。
 今日は、智也に限らず多くの選手が「回らない」と口にしていたので(コメント一覧を見れば、まさにその言葉の嵐状態だ!)、そのあたりをどう修正していけるかが、明暗を分けるともいえそうだ。

2008_0526_0415  笹川賞ではやはり、若手選手、女子選手の動きが気になる。
 長田頼宗がさっそく新品のSGジャンパーを着込んで作業をしていたのに対して、永井聖美は黒のTシャツを重ね着して、ピットの隅っこで、ひとり黙々と作業をしていたのが印象的だった。
“女流通の某カメラマン(=本日のNIFTYはお休み)”が永井本人に確認したところでは「SGジャンパーはもらったけど、着る予定はない」とのことで、そんなところも、とても奥ゆかしい。個人的には、「いいなあ、聖美ちゃんは……」と頷きたいところでもあるが、SGジャンパーを着ない理由が、遠慮や気遅れ的な部分にあるなら、そうした気持ちは捨ててもらいたい。今節のうちのどこかで気が変わって、SGジャンパーを着ているところが見たいと願われる。
 作業前半は、一人黙々とやっていた永井だが、ひと段落ついたところで、田口節子がやってくると、長く話し込むことになり、女子王座のときなどにくらべてもリラックスできているように見える笑顔を見せていたので、こちらもほっとした。
 すると、その場には海野ゆかり、横西奏恵もやってきて、熱くて、男くさいピットに「涼しい風」を運んできてくれたのだ。

2008_0526_0447  涼しい……といえば、若手男子選手たちも負けていない。
 長田と岡崎恭裕がピットの端で話をしていると、その場を通りかかった峰竜太も合流……。
 3人で話をしている場面ができあがると、男の私が見ても「絵になるなあ」と感心したくなるような風景ができていたのだ。そこにカメラを向けると、岡崎と峰はこちらに気づいたようにニッコリ!
 なんとも憎い奴らなのである。
 個人的には彼らのことを『さわやかな若者たち、三羽ガラス』と命名したい(黒須田主宰には「ひどいネーミングだから明日からは使わない」と言われたが、そんなことはないと思う。まさに彼らにピッタリだ)。

2008_0526_0420  さわやかといえば、忘れられないのが、もちろん上瀧和則だ。
 ピットを歩いている途中で、金子良昭とすれ違うかたちになると、ニッコリ笑って、大きな声で「ういっす!」。
 今節、はじめて顔を合わせた瞬間だったわけでもなかろうが、SGのピットでこうして、気の合う仲間と顔を合わせられるのがいかにも嬉しいという気持ちがこちらに伝わった。
 年代的にいえば、この二人のほうが私とは同年代に近いということにもなり(正直にいえば「さわやかな若者たち、三羽ガラス」は私の子供でもおかしくはない年齢だ)、活躍を期待したい。
 上瀧と金子のコンビにも、何かのニックネームをつけたいところだが……、「さわやかな若者たち、三羽ガラス」のようなうまいネーミングが思い浮かばないので、とりあえずは保留にしておこう。

2008_0526_0766  さて、明日のドリーム組でもっとも気になったのはやはり松井繁だ。
 モーターの手応えについては、平和島で走る経験そのものが少ないので、「回転数などが手探り状態」とのこで、「わからない」という言葉を繰り返していたが、驚いたのは代表インタビュアーが、「すでに賞金王決定戦出場がほぼ確定になったかたちで、残りのSGロードを戦えることについてはどうか?」という主旨の質問をしたときのことだった。
 いつもの松井であれば、賞金王の切符を取ったと決めつけられること自体を否定するか、それは否定しないにしても「今後のSGロードには関係ない」と言うのではないかとも予想されたが、松井はそう言わなかった。
「それはラクですよ」
 と、そう言ったのだ。
 そして……、
「あと、2、3個、狙えるチャンスはあるんじゃないですか」
 とも涼しげな顔で続けたのだから驚いた。
 この絶対王者が、今年、地区選・周年とGⅠ2連勝している32号機を引いたのだから、そのチャンスはすでに摑みかけているともいえるだろう。
 本当に強い男とは、こうした「強運」を持っているものだし、それが今の松井繁だ。総理杯で絶対的な強さとはどういうものかを見せつけた松井が、今節、どのような戦いぶりを見せてくれるかが楽しみである。

2008_0526_0590  ドリーム組では、コメントの内容というより、その雰囲気で、いい手応えを掴めているのではないかという印象を持てた選手としては、他に濱野谷憲吾、今村豊、服部幸男の名前が挙げられる。彼らにしてもやはり、回転数などにまだまだ納得はしていないようなコメントを出しているが、そのあたりの修正はきっちりできてくるのに違いない。
 修正――という意味では魚谷智之もそれができるはずの男だ。
 モーターについて、第一声として「まったく回っていなかったです」と話したときには、昨年の賞金王決定戦前検日における「悲しいお知らせがあります」発言が思い出されたものだが、その後に魚谷は自分で「明日は時間があるので、しっかりやります」と続けたのである。
 そう。昨年の決定戦でも、前検日には「まったく出ていない」と泣きを入れたモーターを翌日(初日)のレースまでにきっちり修正してきたのだ。

 この気候のなか、初日からバッチリの状態に仕上がるのがある意味おかしいともいえるのだろうから、先にも書いたように、今節はは「修正の闘い」という要素も大きくなってくるはずだ。智也ももちろんそうだが、ピット内での動きがカギを握りそうなシリーズなのである。

 ……付き足しておけば、そんな中でも服部幸男は、すでに「ペラの鬼」と化していく気配を漂わせ、長くペラ小屋にこもって作業をしていた。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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H記者の「笹川賞・前検を斬る!!」

2008_0526_0861  Hです。足合わせ、展示、スタート練習、すべてを見ました。すべてを見た結果、松井が抜けています。伸び、回り足、レース足ともにトップ級で、特にターンしてから一気に加速していくレース足が絶品! 当たり前の結論でやや拍子抜けの感もありますが、強いものは強い。素直に認めるとしましょう。
 さて、もう少し具体的に前検を振り返ります。まず、足合わせでは注目すべきマッチアップが3組ありました。
★足合わせ
①内・松井VS外・服部…この同期ふたりの対決は全くの五分。これだけなら松井=服部なんですが、他艇との足合わせでレース足に差がありました。松井は内でも外でもターンマークから一気に相手を置き去りにし、服部は内から小回りしたときに外から煽られていたのです。つまり

「松井はどの戦法でも勝てる足」

2008_0526_0546 「服部は握ってこそ持ち味が生きる足」

 その差の分だけ、松井が上だと判断します。
②内・憲吾VS外・智也…ドリーム2・3号艇の対決も全くの五分。ただ、松井・服部と同じ次元で語るわけにはいきません。なぜなら憲吾が折下など数名の選手に足負けしていたのです。この両者は中堅上位レベルでほぼ同じパワーだと見るべきでしょう。

2008_0526_0468 ③湯川VS井口(スタ練のインターバル中に2戦)…このふたりの対決は松井・服部レベルと見ます。両者とも、他艇との足合わせで一度も負けませんでした。7~9班(後半)での事実上の「決勝戦」といえるでしょう。で、結果はほんのわずかに湯川の方が伸び、レース足ともに勝っていましたね。本当にわずかの差ですけど。
 他で目立ったのが、伸びで今村豊、山﨑昭生、仲口、回り足で赤岩でした。ワースト級は烏野、山本浩次、星野、寺田祥、田口あたりです。
2008_0526_0697 ★スタート練習
 スリットから抜群の行き足を見せたのが山﨑昭生、三嶌のふたり。辻と佐々木もカドなら要注意のパワーです。ダッシュが利く平和島ではこの行き足がもっとも強力な武器になるので、上記4選手には常に注意が必要です。出足が良く見えたのは上瀧で、80mまでならSを決めて逃げきれるだけのパワーはあります。

2008_0526_0801 ★展示タイム
 展示タイムが出ました。トップ10は
①今村 豊……6・70
②山﨑昭生……6・72
③松井 繁……6・73
④仲口博崇……6・75
⑤今垣光太郎…6・77
⑥佐々木康幸…6・78
 赤岩善生
 湯川浩司
⑨日高逸子……6・79
 山崎智也
 折下寛法

 おお、私の見立てに近い結果ですな。補足するなら、前半(1~6班)より後半(7~9班)の方がホーム追い風が強かったので、後半に走った赤岩、湯川のふたりはこの展示タイムよりさらに速かったと見るべきです。また、今垣光太郎はほとんど足合わせをしなかったので未知数が大。もっとも不気味な存在ではありますな。
 さてさて、以上の3要素をすべてひっくるめて、前検でのトップ12を記しておきましょう。
●前検パワー診断
SS…松井繁
S…湯川浩司、山﨑昭生、服部幸男、井口佳典、今村豊、三嶌誠司、仲口博崇
A'…赤岩善生、佐々木康幸、辻栄蔵、上瀧和則

 明日はレースを見た上で、この12選手から4、5選手に絞り、さらに実戦足の良かった選手を1、2名ほど追加します。(Photo/中尾茂幸)


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松井、湯川、今村!~モーター抽選~

2008_0526_0363  12時過ぎから競技棟本部の3Fでモーター抽選会が行われた。ベテラン勢は和気藹々に談笑を交わし、SG初出場選手の多くは緊張の面持ち。フレッシュな顔ぶれが並ぶ笹川賞ならではの光景だ。特に永井聖美はコッチコチの様相だったな。なぜだか右隣が濱野谷憲吾、左隣が今垣光太郎なのだから、落ち着けというほうが無理か。キョロキョロとせわしなく瞳が動き、時にコクリと唾を呑み込んだりもしていた。だ、大丈夫か、聖美ちゃん!?
 で、今節の注目機ベスト3を独断で選ぶなら
①67号機…GWシリーズで鈴木猛がブッチギリの節イチ仕様。
②32号機…地区選で平石、周年で湯川浩司が優勝した勝負強さNO1機。
③16号機…やや下降気味だが2連対率43・5%のエース機。
2008_0526_0312  さあ、誰がこの超抜機を引くか、と見ていたら周年チャンピオンの湯川があっさりと特注67号機をゲット。おそらく周年に続く32号機を狙っていたであろう湯川は一瞬だけ残念そうな顔をしたが、周囲から「出た!」という声が漏れると、「え、出た? 出た?」と半信半疑ながらも笑顔に。さらに横西奏恵(おそらく67号機を狙っていた?)から背中をバンバン叩かれて、湯川の顔が思いっきり崩れた。今節も、この男から目が離せませんな。
2008_0526_0317  でもって、その直後にGI連続Vの32号機を引き当てたのが王者・松井繁である。2連率自体は37%なので、データを見た松井は「ふん、まあまあかな」という顔をした。が、このモーターの底力を知り尽くしている湯川が近づいて「こりゃえぇっす、ええっす!」と力説した途端にニンマリ。こりゃヤバイ。湯川から素性、特長などを伝授してもらえば、このパワーは初日から噴きまくるはず。SG連覇へ、松井に強力な相棒が手渡された。
 最後の特注機16号機もほどなくガラポン機から飛び出した。2連対トップモーター(一応エースだな)をゲットしたのは、絶好調の今村豊。どの場でも抜群の伸びを見せるプロペラに、43・5%のエースモーター……46歳でのSG制覇も射程圏に入った。
 他では地元のエース濱野谷憲吾が5優出4Vとここ一番に強い68号機をゲット。F渦で3つのSGをフイにし、賞金王へ勝負駆けのシリーズとなった服部幸男は、2連率40%の54号機を引き当てた。つまりはドリーム組&V候補が軒並み注目機を占領したわけで、パワー的には波瀾の余地は少ないシリーズといえるだろう。
2008_0526_0354  ちなみに、憲吾と光太郎に挟まれてず~っと緊張していた永井聖美は、左手でガラガラ抽選機を回してポンッと74号機。2連率9位、3優出1Vの中堅上位機で、このパワーを100%引き出せれば十分にに戦えるはずだ。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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平和島に選手が到着!

2008_0526_0176  今日の平和島は暑くて、熱い! 気温は30度近くまで上がるという予報が出ているうえに、さすがは笹川賞ということなのか、選手の入りを待つ、熱心な“入り待ちファン”は、いつもの平和島SGの2倍、3倍といった数になってきているのだ。
 そのため、競技本部前で一度、ファンに囲まれると、なかなか競技本部に入れない状態となっていた。
 寺田千恵は競技本部に入ってくるとすぐに、太陽熱でホカホカになっていたのだろう頭を押さえて、「暑かったあ!」と、笑いながら悲鳴を上げていたので、“これは選手も大変だな”と改めて思ったものだ。
 なお、寺っちは、ファンに囲まれている時間が相当に長かったのか、競技本部に入ってこられたのは比較的遅めになったほうだが、「本日の競技本部一番乗り」は海野ゆかりだった。2番乗りの長田頼宗を挟んで、日高逸子、横西奏恵と続いていたので、女流らしい気合い乗りも感じられたものである。

2008_0526_0017  長田には、『BOATBoy6月号』でインタビュー記事を書いていることもあり、すぐに挨拶をして、状態を訊いてみた。
 すると、5月の鳴門GⅠ大渦大賞でフライングを切ってしまったことで、「逆に開き直れている部分」もあるようで、「当たって砕けろですね!」と初SGとは思えないほどリラックスしていたのがわかり、好感を持てた。
 インタビューでも「変に力を入れているとダメだし、自然体というか楽しんでいるときにいちばん結果が残せている」とも言っていたが、そういう意味でも期待は持てる。
 これまでの平和島では、なかなかペラが合わなかったそうだが、ここに入るまでにペラのめども立ってきたようで、「万全に近い状態」で今節を迎えられているというから、まずはSG初勝利の水神祭を待ちたいところだ。

2008_0526_0128  ファンに囲まれて、なかなか競技本部に入れなかった一人としては、もちろん、“王者” 松井繁が挙げられる。
 あれだけファンに囲まれていれば相当に暑かったとも思われるが、松井は終始、笑顔でファンサービス!
 ようやくひと段落ついて、競技本部に足を踏み入れた瞬間、キリリと表情を引き締めたので、さすがだな、と思ったものだが、マスコミ陣からカメラ撮影を求められると、またニッコリ!
 この切り替えの早さはすごいし、メンタル面でも今節の松井は非常にいい状態になっているものと確信された。

2008_0526_0142  岡崎恭裕、峰竜太のフレッシュコンビも、ももちろん大人気!
 フレッシュかどうかはともかく(失礼!)、ある意味、彼らと変わらないほど人気の鎌田義と、峰が、ツーショットの形になって、競技本部に入ってきたときには、「なんだか、いいツーショットだなあ」とも思ってしまった。
 なぜそう思ったかといえば……、特別の理由はない。まあ、対照的な人気者ふたりが並んでいるのがおもしろく感じられただけの話でしかないわけだ。
 このカマギーの傍に辻栄蔵が歩み寄っていたときには、遭遇した次の瞬間、辻が大声で笑っていたので、要するにカマギーとはそんな奴なのだ。
 峰はたまたまカマギーの横を歩くかたちになっただけなので、笑ったりすることはなかったが、カマギーマジックによって峰が大笑いするところを見たかったということが、僕の深層心理にあったのかもしれない(←どうでもいい話で、すみません)。

2008_0526_0161  さて、若手といえば、山口剛にとりあえずコンタクト!
 1月の新鋭王座では3日目まで取材をしていて、その後に丸亀を離れてしまっていたので、「ずいぶん遅くなってしまいましたが、新鋭王座優勝、おめでとうございました」と声をかけると、「こちらこそ、新鋭王座のあとは、長いこと姿をくらましていたので」とニコリ。
 山口はF2によるフライング休みのため、90日間、レースに出ていなかったために、そのことを言ったわけだ(正確には、新鋭王座のあとの地区選のあとにF休み)。
 その山口は、復帰戦となった唐津開催でも初日12Rで5コースからコンマ04のスタートで勝利しているのだから、勝負勘も勝負度胸もモノが違う!
 唐津でも優出している勢いで、ここ平和島でのひと暴れも期待される。

2008_0526_0201  ファン投票で出場選手が決められる笹川賞だけに、ファンになかなか離してもらえない人気者を挙げていけばキリがないが、さすがは平和島ということで、濱野谷憲吾も「一番人気」を争う一人になっていた。
 ピットに入ってきたときには両手にかなりのプレゼントを持っていたのだ。
 写真では、後ろに不気味な男が映っていて申し訳ないが、濱野谷のコンディションも良さそうで、今節の活躍は約束されている気がしたものだ。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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平和島!

Cimg3955_2 おはようございます。いよいよ笹川賞始まります! 昨日は悪天候だった東京も、本日は雲の間に青空も見えておりますよ。本日はかなり暑くなるとのことですが……。

本日はただいまより選手の入り取材にまいり、前検の様子を取材し、レポートしてまいります。最初のアップは昼から昼過ぎになると思われます。もちろん、明日からはレースやピットについても取材してまいりますよ~。今節も最終日優勝戦まで、どうぞよろしくお願いいたします。

おかげさまで、この笹川賞でSports@Nifty「競艇特集」は立ち上げから丸三年となります。ここまで続けてこれましたのも、皆様のおかげと深く感謝しております。昨日、お叱りのコメントもいただいておりますが、これを機に現状を見直し、そうしたお声をいただくことが今後ないよう、精進してまいる所存でございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


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平和島で笹川賞!

5月だというのに台風が接近したり、妙に暑い日があったりと、天候が安定しない今日この頃ですが、競艇界はバリバリに盛り上がる時期を迎えておりますよ!

そうです。SG第2弾、笹川賞が目前でございます! あさって27日から平和島競艇場で開催される笹川賞、今回ももちろん取材班は明日の前検からびっちり更新してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。取材班のホームプールでのSGですからね、気合も入っておりますぞ!

それでは皆様、平和島で盛り上がりましょうね!


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