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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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次回はナイターSG!

第18回グランドチャンピオン決定戦は、湯川浩司選手の優勝で幕を閉じました。史上初のグラチャン2連覇。湯川選手は1年で3つものSGを獲ったことになるわけですね。85期、そして近畿地区の充実ぶりには、感心させられるばかりであります。

2008_0629_0003 さて、今節もご覧いただきまして、ありがとうございました。取材班一同、心より感謝いたしております。次回は、7月22~27日、蒲郡競艇場で行なわれるオーシャンカップです。そう、今年もナイターSGが始まります! 取材班はもちろん蒲郡に駆けつけ、前検から優勝戦まで取材、更新してまいります。更新の時間帯は普段とは変わってまいりますが、次回もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、取材班も管理解除となり、帰郷いたします。繰り返しになりますが、今節もありがとうございました。約1カ月後、蒲郡でお会いしましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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優勝戦 私的回顧

12R優勝戦
①湯川浩司(大阪)
②松井 繁(大阪)
③吉川元浩(兵庫)
④坪井康晴(静岡)
⑤寺田 祥(山口)
⑥原田幸哉(愛知)

2008_0629_r12_0745  芦屋の水面が、浪花色に染まった。逃げる湯川と差した松井。前年度覇者と艇界の王者、大阪が誇るふたりのヒーローがバックで艇を並べた。態勢は松井が有利だ。差しが届いて舳先を内に入れた以上、湯川を完封するだけのテクと回り足がある。
 が、バック後半で大阪コンビを猛追する艇が現れた。2年前の覇者・坪井だ。2番差しから伸びる、伸びる。この気配を感じた松井は、ターゲットを外の湯川から内の坪井に切り替えた。監禁していた湯川から離れ、内に絞って坪井の進路を塞いだのだ。たまらず外に持ち出す坪井。これでひとまず松井の2マーク先制は約束された。しかし、早めに絞ったたために十分なマイシロがない。勢い、松井のターンは流れた。すかさず自由の身になった湯川がその内フトコロをえぐる。渾身の全速差し。
 2周ホーム、再び大阪の2艇がサイドバイサイドの併走になった。今度は湯川が内で、松井が外。他艇は大きく引き離され、完全なマッチレースだ。ゴチゴチと2艇がぶつかる。スタンドが大歓声で揺れる。
2008_0629_r12_0754  2周1マークの直前で、松井は最後の勝負に出た。外に開いての差しではなく、内側に切り込んでのダンプ。危険な賭けだが、節イチ級パワーの湯川を逆転するにはこのタイミングでこの戦法しかない、と意を決したのだろう。この奇襲に湯川が怯んで大回りをすれば、再び松井の差しハンドルが突き刺さる。
 だが、湯川はこの王者の突進にいささかもビビることなくターンマークを先取りした。これで勝負あった。松井とて可愛い同郷の後輩と無理心中するつもりはない。あわや接触か、という瞬間に松井は身を引いた。湯川の度胸が、王者の勝負手を引き波に沈めたのだ。
 最後は圧勝のゴールイン。去年の戸田に続くグラチャン連覇を成し遂げた湯川に、派手なガッツポーズはなかった。それどころか、静かに頭を下げてゴールを通過した。大観衆に一礼するように。思えば、この結末は昨日の準優の段階で約束されていたのかもしれない。ファイナル1号艇のチャンスがあった寺田が、坪井が相次いで敗れた。このふたりに土ならぬ水を付けたのは、吉川と松井。関西の先輩レーサーの差しハンドルが、湯川に望外の1号艇をもたらした。ゴールの瞬間に湯川の脳裏をよぎったのは、喜びよりも感謝の一念だったか……。
「自力とはいえないっすね。(2周1マークで)松井さんがぶつけんでくれたし……」
2008_0629_r12_0772  インタビューでも謙虚な言葉が飛び出した湯川。決まり手は「抜き」。確かに完璧なイン逃げではなかったが、2マークの俊敏な全速差し、2周1マークの果敢な先マイ、ともに素晴らしいターンだった。文句なしの自力優勝だと私は思う。そうそう、このグラチャンにはふたつの不思議なジンクスがあった。
「前年度のSG覇者はひとりも勝っていない」
「グラチャンでは複数回の優勝を遂げた選手はひとりもいない」
 前年度覇者の湯川は、このふたつのジンクスを同時に打ち砕いてしまった。また、このVは平和島・笹川賞の井口佳典に続く、銀河系85期のSG連覇でもある。艇界の常識を次々と覆すような銀河系軍団の快進撃は、いったいいつまで続くのか。おそらく暮れの賞金王では松井・服部の「黄金64期」VS「銀河系85期」の激闘が見られるだろう。今日の素晴らしいマッチレースは、その序章に過ぎないのかもしれない。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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THE PIT 優勝戦の一日――これが「SGのなかのSG」だ!

_u4w2588 「明日、晴れるといいですね」
 優勝戦が近づいていた頃、ピット内の記者室に姿を見せた今村豊はそう言った。芦屋競艇場のピットでは、記者室と選手控室が隣接しているので、時おり、こうした場面が見かけられるのだ。ちょうど私は“浪速のドン”長嶺豊さんと話をしていたところだったが、今村は、その長嶺さんに話しかけてきた格好だった。
「ゴルフ、行こうかと思ってるんですよ」
 それが、今村が天気の回復を望んでいた理由だったが、その願いが天に届いたのか……。午後になってからやはり雨が降り出してしまっていたのだが、優勝戦のスタートが切られる頃には、雨もほとんど降りやみかけて、空が少しだけ明るくなっていたのだ。
 今村と長嶺さんが話をしていると、少し離れたところで赤岩善生としゃべっていた原田幸哉もこちらにやってきた。しばらくは、気をまぎらわすように雑談をしていたが、長嶺さんが進入についてを振ってみると、「僕的には臨機応変に行こうと思ってるんですけどね」と頭をかしげて、原田は続けた。
「行かないで、(ファンの皆さんに)あいつ、やる気ねえのかと思われるのかもイヤなんですよね」
 いかにも原田らしい言葉と言えよう。
 その原田は、スタート展示のときから、前付けの動きをみせようとしていたが、スタート特訓ではスロー水域からの練習もしていた寺田祥が、それを許さなかった(当然、原田もセンター/スロー水域からのスタート練習もしていた)。
 動かなかったというより動けなかったのである。

_mg_6988  そうして枠なりでのスタートとなった優勝戦――。
 詳しいレース回顧については別記事に譲るが、2周1マークまで先頭争いがもつれた大激戦は1号艇・湯川浩司が制している!
 レース後の湯川は、ピットに向かって、大きなアクションで何度も頭を下げてからウィニングランに行ったが、ピットに引き揚げてきたあとにも何度となく周囲に頭を下げ続けていた。
 陽気なキャラの湯川だが、実をいうと、ものすごく謙虚なところがある人間なので、レース後には、他の選手以上に恐縮した態度をとっていることが多いのだ。だが、それにしてもこのときの湯川の恐縮ぶりはすごかった。表彰式に向かうため、係の人に誘導されて移動しながらも、きょろきょろと誰かを探していたようだったが、その目線の先に見つけたかったのは松井繁だったのかもしれない。表彰式で湯川は、2周1マークの攻防について「松井さんが気をつかって当ててこなかったと思うんで、申し訳ないです」と言っていたのだ。
 これについても詳しくは触れないが、ここで松井が紳士的なレースを選択したのは、展開のアヤでもあり、共倒れになるのを避けるための判断だったはずだ。だが、これに対して湯川は、このような受け止め方をしていたからこそ、いつも以上に謙虚になって、レース後にも複雑な表情を見せていたということなのだろう。

_u4w2357 「今日は一日、しんどかったです」「お腹、痛いです」
 とも言っていた湯川だが、彼らしい“ゾーン”の作り方をしていたのは、ピットにいても、よくわかったし、緊張感と集中力をレースまでにピークにもっていく方法は、すでにしっかりと手に入れているのだろう。今日は胃が痛かったとしても、今後はそうならずにゾーンがつくれるのではないかとも思う。
「僕みたいなもんが、グラチャンを連覇できて夢のようです」
 と、どこまでも謙虚な湯川だが、今後はさらに大きな勝利を積み重ねていけるはずである。
 湯川浩司、本当におめでとう!
 あなたは、グラチャンを連覇するにふさわしい選手です。

_u4w2278  さて、今日一日、湯川に限らず、優勝戦を戦った6人は、それぞれに素晴らしい時間の過ごし方をしていたと思うが、とくに印象に残った2人が松井と坪井康晴だった。
 松井は、8レース後のスタート特訓のあと、他の選手たちがピットに引き揚げても、一人、試運転を続けてからピットに戻ってきたが、待機ピットで隣りにいた吉川元浩に対しては「最後におまけの一本をやってきたわ」と笑いかけていた。そして、聞き違いでなければ吉川が「行き足がいいですね」と言ったのに対して、満足げな笑みを見せていたにもかかわらず、「もういっぺん、(ペラ)調整するわ。俺もしつこいやろ。本領発揮やな」と笑っていたのだから、これが松井という男の「一日」の過ごし方なのである。
 その後すぐ、駆け足で選手控室とペラ小屋を移動して作業を始めていたが、まさしくタイム・イズ・マネーの権化なのである。
 9Rのレース直後、ペラ小屋にぽつんと松井ひとりが取り残されている時間があったが、作業の途中で手を止めた松井は、ペラを片手にボートリフトのほうを見やって、人手が足りているかどうかを確認して、作業を再開した。こんな気遣いができるのも、王者の凄いところなのである。…………この点について解説しておくならば、優勝戦の日には、レースを終えた選手から管理解除となり、帰郷していくものなので、同県かどうかといったことは問わずに、残っている選手は、できるだけモーター吊りなどの作業を手伝うようにするものなのだ(ちなみに湯川は、表彰式で「井口くんは(僕のレースを待たずに)9R後に“全速”で帰っていきました」と笑って言っていた)。
 レース後の松井は、納得の表情で何度も笑っていたが、記者たちがいないところでは悔しげな顔も見せていたし、「優勝できなかったので満足はしてません」というコメントもしていた。
 今日一日のピットでの過ごし方やレース後の表情を見ていて、湯川と松井のことは、また改めて「大好き」になったものである。

_u4w2472_2   一方、坪井の場合は、このレースに懸けていた想いの強さがひしひしと伝わった。
 モーターも仕上がっていたため、作業自体はそれほどしていなかったが、長嶺さん情報によれば、「今節、坪井はものすごく減量しとるらしいですわ。宿舎でも食堂を出て行くのがいちばん早いそうですよ」ということなのだ。
 そうして体重を減らしていたことで、疲れも出ていたようにも見えなくはなかったが、それによって集中力を限界まで研ぎ澄ましていたのも間違いないはずだ。
 8レース後、9レース後ともに、坪井はスタート特訓にも参加しなかったが、それは何かの作戦だったわけでなく、優勝戦だけに「とっておきの集中力」をぶつけたかったということなのかもしれない。
 カメラアングルにも関係するところが多いが、モニターで観ている限りは、1周1マークを抜けた時点で、先頭でバックストレッチに出てきたようにも見えたものだったが(実際はわずかに届いていなかったようだ)、そんなレースができたのは、まさしく極限の集中力によるものだったのだろう。
 2年前のグラチャンの覇者・坪井にはこれから何度もチャンスが出てくるはずだ。「昨年、厳しい1年を過ごして得たものがある」と自分で語っていた坪井だが、そこで得たものとは本当に大きなものだったに違いない。

_u4w2762  グラチャン。
それが「SGのなかのSG」と言われる所以がひしひしと伝わった一節だった。

(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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H記者の「湯川vs坪井!!」予想

 さあ行こう、優勝戦。昨日の11&12Rが2-1ではなく1-2だったら……①坪井②寺田③湯川④松井⑤吉川⑥原田……メンバーは同じでも、まったく別物のレースになったことでしょう。流れ的には、自然にインが転がり込んできた湯川のもの。昨日までの向かい風がウソのように、強い追い風が吹いているのも偶然ではないのかもしれません。

12R 優勝戦
①湯川浩司(大阪)S→
②松井 繁(大阪)A'↑
③吉川元浩(兵庫)A→
④坪井康晴(静岡)S→
⑤寺田 祥(山口)A’↓
⑥原田幸哉(愛知)A’→

★パワー評価…劣勢だった魚谷や憲吾はやはり一歩及ばず、素晴らしいパワー軍団が生き残った。湯川と坪井がトップ双璧、伸びは湯川で行き足は坪井。続いて松井、寺田、原田、吉川の順か。松井は昨日のように出足一本に絞るはず。寺田はシリーズ後半から自慢の伸びがやや落ちてきたのが気になる。
★進入…123/456か原田が動いての1236/45。おそらく枠なりだろう。
★スリット…すべてコンマ17以内の湯川を筆頭に、S勘は全員OK。風向きが変わっても今日はスタートが揃うレースが多く、ほぼ横一線になりそう。もちろん怖いのは原田の狂気スタート。
★1マーク~バック…追い風、枠なり、横一線なら湯川の天下。まくらせず差させずの激辛逃げに徹する。松井は出足を活かしての差し一本勝負。吉川はまくり差しでカドの坪井は握って攻めそう。寺田、原田はとりあえず握っての展開待ちか。
★結論…湯川が逃げる。そして1-2は切り捨てる。松井の差しは「2着でもいい差し」ではなく、一発勝負のV狙い差し。成功すれば昨日と同じく2-1だが、外を気にせず激しく攻める分だけリスクも大きい。湯川に1マークを締められると大失速する可能性もある。対抗はセンター向きの行き足を誇る坪井。この追い風でぶん回しても流れずに湯川に肉薄するとみた。1-4の一本勝負!

2連単★1-4
3連単★1-4-6、穴4-1-6


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優出インタビュー!

_mg_6957  7R発売中に、優勝戦出場選手インタビューが行なわれました!
 SGウィナーが5名、昨年の賞金王出場者が4名と、いずれ劣らぬスターが勢ぞろいしたこともあって、会場となった「夢リア」ホールは大盛り上がりでありました。なかでも、もっとも歓声をたくさん浴びていたのは、意外にも原田幸哉! 蒲郡や常滑ならそれも当然ですが、九州では人気が高い? もちろん、進入で動きを見せるならこの人、ということもあるのでしょう。場内からは「2コース!」というリクエストがやけにたくさん飛んでおりました。

1号艇・湯川浩司
「スタートは10近辺を狙いたいです。やり残したことはもうないですね。プレッシャーかかりますけど、頑張ります」

_mg_6904_2 2号艇・松井繁
「(昨日はペラで迷って、最後に交換)今日はもう、昨日のペラでいきます。スタートは、優勝を目指すなら10が必要でしょうね。昨日の再現となるように、風格はまだまだないけど、一生懸命頑張ります」

3号艇・吉川元浩
「芦屋は相性がちょっと悪かったんですけど、今回は結果残していますので。今節は3号艇で2回アタマを獲ってますので、3度目を狙っていきます」

_mg_6917_2 4号艇・坪井康晴
「昨日まではバランスがとれていて、舟の返りも良かったんですが、ちょっと失敗しちゃって。今日は伸びをもっと強力にしたいです。昨日は申し訳ないことをしましたし、自分も悔しかったので、取り戻したいです)

5号艇・寺田祥
「今日は(試運転など、ボートには)乗っていません。試運転する必要があるとは思わないので。行きアシには自信があります。コースは流れに身を任せて」

_mg_6947 6号艇・原田幸哉
「コースは獲らせていただけるなら、前付けにいきたいなと思ってますけど(場内大拍手)、競艇業界のことも考えると、進入が乱れると心も乱れるので……。スタートは、優勝戦なので際どいのはいけませんけど、05近辺はいけると思います

 はたして幸哉は声に応えて2コースまで動くのか……。進入から要注目です!(PHOTO/池上一摩)


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THE PIT――優勝戦の朝

2008_0629_0128  はっきりとはしない空模様でありながらも、雨はやんでいる。
 このまま降らないといいなあ。
 ということで、本日の1R時。ピット内のモニターでは原田幸哉が、赤岩善生と一緒にレースを観ていた。愛知勢が出ていたわけではないので、とりあえず、今日のコースがどんな感じになるかを確かめていたということなのだろう。
「波はあるなあ」と原田は呟いていたが(1R時で風速4mの追い風、波高は4cm)、それで慌てるような気配は微塵もなかった。
「波乱」という二文字が頭に浮かぶが、そうしたレースになればなるほど、原田の存在が大きくなってくるとも言えなくはないだろう。

2008_0629_0095  さすがは、「SGのなかのSG」ということで、優勝戦メンバーの表情は、原田に限らず、落ち着いたものだった。
 1Rには、静岡の笠原亮、奈良の太田和美が出ていたこともあり、レース後のモーター吊りの手伝いには、松井繁、吉川元浩、湯川浩司の近畿勢と、坪井康晴(静岡)の姿が見られたが、彼らが6時間後に優勝戦に挑むのだという緊張感は漂っていなかった。

2008_0629_0071_2   作業のあとに、井口佳典と話をしながら引き揚げていった湯川は、井口が笑っていたのに対して、硬い表情のまま、口元をゆるめることもなかったのは少し気になったが、それにしてもマイナスの作用を心配する必要はないはずだ。普段はいたずらっ子のような表情をしていることが多い湯川にしても、優勝戦の日はさすがに厳しい表情をしているところがよく見かけられるし、それで「結果」を出しているのだ。
 そういう意味でいえば、今日の湯川も、乗り慣れてきたSG優勝戦の“普段着どおり”でいるものと見ていいだろう。グラチャン連覇という偉業も、現実味を帯びてきた。

 吉川もまた、少し厳しめの顔つきをしていたように見えたが、それはある意味、“地顔”でもあるのだから、心配する必要はまるでないはずだ。

2008_0629_0086  対して、もっとも落ち着いた雰囲気を醸し出していて、笑みを浮かべていることも多かったのが松井である。ゆっくりとピットを歩いている姿はまさしく悠然としたもので、今日はそれほど作業をすることもないのかとさえ思われたものだった。
 ……が、こちらがそう思った次の瞬間には、ペラ小屋に行って、ペラ調整を始めたのだから、時間の使い方には少しのムダもない。
 昨日は、伸びをつけようと考え作業を続けていながらも、「直前で出足型にペラを叩き直した」とのことで、今日もどこでどう決断するかはわからない、と話していたが、松井の中で、すでに答えは出ているのかもしれない。
 そうではなく、まだ試行錯誤の最中なのだとしても、それはそれで王者の戦い方と受け取ればいいはずだ。

2008_0629_0196  1R後に早くも試運転に出ていたのが坪井だ。待機ピットにボートを戻したあとに、足合わせをしていた川﨑智幸が「伸びてるんじゃない」と、その足をホメていた。
 言われた坪井も「いいと思います」と返していたし、「押してる感じがあるもんね」と川﨑が続けていたのだから、やはり、その伸びはトップ級と見るのが正しいだろう。
「ありがとうございました!」と元気に川﨑に礼を言った坪井は、駆け足でペラ小屋に行き、すぐに作業を始めた。といっても、その様子に慌てているようなところはまったくなく、笑みを浮かべながら“自分の宝物”をいたわっているように見えたものだった。

2008_0629_0018  なお、早い時間帯には、姿を確認できなかった寺田祥は、少し時間を空けてペラ小屋での作業を始めていた。
 2着に敗れた昨日のレース後にも「足は上位クラス、伸びは抜けてる」と言っていたのだから、調整レベルの作業くらいしか残っていないのだろう。
 ……さて、雨が降るのか、もつのか。
 気温と湿度の変化によっては、「午後の戦い」は慌ただしいものになってくる可能性もあるだろう。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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H記者の『穴・極選』最終日

 昨日、12Rの予想でハシシ記者(←誰?)からお褒めの言葉をいただいたHです。でも11R(極選)で無一文になり、指をくわえて2-1-5の並びを見ていたんですけどね。今日も仲間から恵んでもらった2300円での勝負。極選の8Rまでに、コイツを10倍くらいまで増やしたいっす。

 8R
  ①金子良昭
  ②秋山直之
◎③木村光宏
○④吉田弘文
  ⑤濱野谷憲吾
▲⑥田中信一郎

「秋山の外を狙え」は舟券師の鉄則。今節の秋山はコンマゼロ台を連発しましたが、最終日の平場で無理はしないでしょう。セオリー通り、木村を狙い撃ちます。木村って、実はかなり獰猛なまくり屋だし。連動する吉田コーブンとの3-4が本線ですが、信一郎が前付けに出て126/345や1236/45になったときのために3-6も押さえましょう。

3連単★本線3=4-全、押さえ3=6-全

 優勝戦は9R頃にアップします。ではでは、goodluck!


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“本紙予想”グラチャン最終日

 昨日は3レース的中。一本は5130円と中穴になりましたね。本日は最終日、昨日以上の成績を収めて、有終の美といきたいところです。担当は最後までKであります。

1R アシ悪くない今垣が最後の意地
◎今垣 ○笠原 ▲太田
3連単 3-42-全

2R 飯島と菊地の一騎打ちい
◎飯島 ○菊地
3連単 1=4-全

3R 田中が逃げて存在感示す
◎田中 ○辻 ▲烏野
3連単 1-32-全

4R 平田が地元で逃げ切り
◎平田 ○山崎 ▲魚谷
3連単 1-23-全

5R 1号艇の上瀧は負けられない
◎上瀧 ○山本 ▲濱村
3連単 1-36-全

6R 機力上位の池田が差す
◎池田 ○赤岩 ▲佐々木 △横澤
3連単 2-435-全

7R エース機・渡邉が機力の違い見せる
◎渡邉 ○川﨑 ▲市川 △倉谷
3連単 1-346-全

8R 濱野谷がマクリ差して準優のリベンジ
◎濱野谷 ○秋山 ▲木村 △田中
3連単 5-236-全

9R 井口の逃げで鉄板
◎井口 ○平尾 ▲重成
3連単 1-24-全

10R 横澤が差して突き抜ける
◎横澤 ○赤岩 ▲倉谷 △上瀧
3連単 2-315-全

11R 出足抜群の濱村が逃げる
◎濱村 ○西村 ▲渡邉
3連単 1-36-全

優勝戦
12R 湯川がグラチャンV2の逃走劇
◎湯川 ○松井 ▲坪井
3連単 1-24-全

 それではみなさん、頑張りましょう!


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6日目! さあ優勝戦です!

おはようございます。グランドチャンピオン決定戦、いよいよ優勝戦であります! 天気はもうひとつですが、熱戦に期待しましょう。もちろん、一般戦も見逃せませんよ!

2008_0628_0120_2 石川真二は家族とキャンピングカーで旅行に出かけることがあるとか。キャンピングカーといえば、取材班では中尾カメラマン。というわけで、二人はすっかり意気投合しており、こんな最高の笑顔&ピースサインが出るんですねえ。今節は残念でしたが、次へのリベンジを信じております!

それでは、優勝戦をおおいに満喫しましょう! 舟券も当てましょうねえ!


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パワー診断付き「準優ダイジェスト」

2008_0628_r10_0628  逃げ、圧勝。

10R
①湯川浩司
②濱村芳宏
③魚谷智之
④原田幸哉
⑤渡邉英児
⑥横澤剛治

 枠なり3対3から、スタートは6選手すべてがコンマ14~18。これだけ横一線になってしまえば、レースに紛れが起きる余地はない。湯川が余裕のインモンキーで圧勝態勢に。1マークで早くも焦点は2着=第2議席の争いに絞られた。4カド原田のまくりはまったく届かず、差した濱村&魚谷が優位に見えたがこの両者が流れてゴッツンコ。途中までぶん回していた原田が「あらら、ほんなら内側に戻ります~」みたいな妙なハンドル捌き(あえて決まり手を命名するなら「まくり不発3番差し」)でまんまと2番手を取りきった。あとはアウトから追いすがる横澤を2マーク全速マイで振り切って安全圏へ。優勝戦への1-4態勢が固まった。
2008_0628_r10_0645  湯川の足はほぼ完璧。節イチ級の伸びはもちろん、出足と回り足も上位級だ。スタート同体からこの超抜・湯川をまくるのは不可能だし、差しても舳先を入れる余地はなかった。後は11、12Rの結果を待つばかり。この時点では、湯川が優勝戦1~3号艇のどこに配置されるかは他力に任せるしかなかった。
 原田は機力というより、非常にクレバーな立ち回りによる優出だった。が、まくり不発→方針転換→減速しての差し、という大きなロスがありながら、アウト勢の追撃を難なく振り切ったパワーは評価できる。減速してからスルスルと伸び返した出足は間違いなく上位級で、明日もスタートからうるさい存在になるだろう。ただ、自力で攻めて優勝するにはもうひと伸びが必要だろう。

2008_0628_r11_0850 王者の貫禄。

11R
①寺田 祥
②松井 繁
③濱野谷憲吾
④上瀧和則
⑤池田浩二
⑥赤岩善生

 前付けが予想された上瀧はまったく動かず、これまた枠なり3対3。そしてスタートは内2艇がトップタイのコンマ12。この時点で「寺田の逃げか、松井の差しか」というムードが濃厚になった。もちろん、同体なのだからインの寺田が圧倒的に有利だ。寺田は自信満々に1マークを制したように見えた。やや落としすぎたきらいはあるが、ターンマークは寸分も外していない。傍から見ていれば、イン逃げの王道。湯川のように圧勝してもおかしくない先マイだった。
 が、そんな理想的なインモンキーを、王者は冷徹な差しハンドルで捌ききってしまった。落としすぎず握りすぎず、小回りしてもすぐに加速のつく絶妙なハンドルワーク。その職人技に呼応するように、昨日まで不安定だった出足が火を噴いた。回った瞬間にひゅんとタイムスリップするような「松井流瞬間移送出足」。こんな足になったときの松井はベラボーに強い。まさかこの日のためにエースペラを温存していたわけではないだろうが、交換したペラは芦屋の水面と完璧に同化していた。
「準優のペラは2走目までのペラ。伸びをつけようとしたが、つかないので出足型にしていった」(レース後・談)
2008_0628_r11_0836  この判断が正解だったのだ。瞬く間に舳先を入れ、併走し、2マークで突き放す。寺田はちょっと驚いたかもしれない。あの逃げがバックの前半で捕えられるとは……!? 結局、敗因らしい敗因といえば「少しだけ落としすぎたこと」になるのだろう。出足よりも伸び型なのに、落としすぎた=バックで加速がつくのに時間を要した。そして、そのわずかな隙を、松井にとがめられた。が、それは結果論でしかない。誰が寺田のあのターンを責められるだろう。寺田に非があったというより、松井の腕と出足が一枚上手だった。それに尽きる。王者の貫禄勝ち、だった。
 結果は2-1。内2艇が優出したとはいえ、1-2とはまるで様相が違う。好枠をもぎ取った松井は、明日も同じペラ(もちろん、さらに煮詰めるだろう)で臨むだろう。十分に勝ち負けに持ち込める瞬間移送出足ペラで。これは大きい。
 一方の寺田は勝てば1、2号艇が保障されたが、この2着でまたしても遠い枠に追いやられた。が、元々が伸び型仕様なのだから、明日は開き直ってさらに伸びを付けるべきだろう。出足、レース足では上には上がいる。バランスよりも長所をより伸ばして、悔いのない全速戦を展開してほしい。

2008_0628_r12_0978 ミスターン。

12R
①坪井康晴
②吉川元浩
③川﨑智幸
④倉谷和信
⑤西村 勝
⑥平田忠則

 結果は11Rと同じ2-1だった。が、その内容は天地ほども違う。明らかにインの坪井が1マークを外したのだ。実は2年前の浜名湖グラチャンでも、坪井は握るべきポイントを逸してVを逃しかけている。あの時は怪物級のモーター&ペラの後押しで、なんとかミスを挽回できた。自ら「ターンミスでした」と舌を出す程度の笑い話で済んだ。が、今日のターンミスは致命的だ。放物線の頂点が1マークから10m近くもズレていた。まくり艇を大向こうに張り飛ばすような感じ。トップSの坪井をまくろうとする選手など、影も形もなかったのに……。2コースの選手に首を差し出し、「どうぞ、差してください」と言っているようなものだった。
 「はいはい、ではでは」と2コースの吉川は差した。クルリと小回りしたときには、すでに坪井を1艇身半ほど置き去りにしていた。吉川の出足が良かったとかターンが鋭かったとか言う次元の話ではない。吉川の差しは、イン逃げと同じだった。
 それでも……バック直線、身の毛がよだつほどの加速で坪井は吉川に迫った。あのパワーはヤバい。出足、レース足、伸びのどれがどうだかよくわからない。得体の知れないエネルギーの塊が走っているように見えた。底知れぬ不気味さという点では、湯川よりもはるかに上だろう。間違いなく優勝できるだけのウルトラパワーだと思う。もし1号艇(イン)で、ターンミスさえなければ……。
2008_0628_r12_1009  結局、この2着で坪井は明日の1号艇を湯川に明け渡し、4号艇に甘んじることになった。V確率が80%から10%程度になっただろうか。が、それでも不気味なパワーは明日も健在なのである。インのプレッシャー(おそらく坪井はインが苦手なのだと思う)から解放され、出足ともレース足とも伸びともつかないウルトラパワーを4カドから100%生かしきれば……回り道のVで、今日のターンミスも笑い話になるのかもしれない。
 勝って明日の3号艇をゲットした吉川の足は、正直よくわからない。あまりにも楽な差し切りだったし、道中の競りもなかったから。上位級は間違いないが、湯川と坪井、そして今日の松井ほどの破壊力はない。そんな雰囲気だけは感じている。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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THE PIT@準優勝戦の午後――「結果」が持つ意味

_u4w1180_2   ハハハハハ!
 一日中、雨が降り続いていた薄暗いピットの中で、時おり、そんな笑い声が、気持ち良く響いてきていた。その中心になっていたのは、倉谷和信、濱村芳宏、川﨑智幸、上瀧和則という60期の4人である。
 一日を通して休みなく作業を続けていた4人だが、その合間合間に声を掛け合い、互いの足や回転数などを確認しあいながらも、なごやかな空気を醸し出していたのだ。
 笑いの中心になることが多かったムードメーカーは、ガッツポンこと倉谷だ。濱村は4人の要的な存在であるようだったし、川﨑はいつもどおりの普段着的佇まいで、上瀧はやけに楽しそうに見えたものだった。
 4人とも、気楽に準優を戦っていたわけでは決してない。それにもかかわらず、こうして時おり、ピットに「花」を咲かせてくれていたのだ。これだけメリハリのあるSG準優の一日を見れて、本当に良かったと思う。とくに、普段からいろんな表情を見せることが多い上瀧などは、今日の姿を見ていて、これが“素の顔”なんだろうな、と改めて感じさせてもらったものなのだ。

 ……ただ、結果として、彼らのなかから明日の優勝戦に駒を進める選手は出ることはなかった。10Rから12Rまで、近年のSGの傾向がよく出ている「いかにも2008年グラチャン」な選手たちが次々に優勝戦のチケットを得ていくことになったのだ。

_u4w1421  10Rを勝ったのは1号艇・湯川浩司である。
 湯川は、今日の作業ぶりを見ていても、慌てたところがまるでなく、最低限のことだけをやってレースを迎えれば、おのずと結果が出るものと考えていたかのようだった。
 共同会見ではフライング一本持ちで戦っていることが「キツイ」とはこぼしていたものの、節イチ級の足を評して「これくらいの伸びは慣れっこですね」と言ってしまい、記者陣の笑いをとっていたのだから、いかにもマイペースだ。
 ピットでの過ごし方も含めて、すっかり「SGの主役」になる立場が板についてきた印象を受けたものだ。
 湯川が10Rを勝った時点では、優勝戦は何号艇になるかはわからなかったこともあり、「レースでは負けても展示タイムでは負けんようにします」と言っていたくらいなのだから、その伸びには相当の自信を持っているのだろう。

_u4w1326  このレースの2着は原田幸哉で、こちらも最近のSGでは、いろんな意味で話題を提供し続けてくれている存在だ。
 とくに先の笹川賞では、準優2着ながらも不良航法という判定により優出を逃していただけに、その直後にこうした結果を出してきたところには末恐ろしさすら感じさせられる。
 原田自身、先の笹川賞の「雪辱」という意識があったかどうかはともかくとして、ピットに引き揚げてきたときには、井口佳典がハイタッチで迎え、辻栄蔵が背中をポンポンと叩いて祝福していたように、近しい仲間たちは、その気持ちを察していたところがあったのかもしれない。
 公開会見での原田は「芦屋チャレンジカップ2号艇での大失敗(05年優勝戦/6着)を今思いだしたので、その借りを返したいと思います」とも言っていた。
 心に何かの引っ掛かりが残されていたならば、それを払拭せずにはいられないのが、原田という男なのかもしれない。

_u4w0912  11Rでは、1号艇・寺田祥が2着に敗れて、2号艇の松井繁が勝ち、この2人が優出を決めている。
 松井の場合はいつでもそうだが、今日の松井も“タイム・イズ・マネー”の権化となっていたようだった。
 朝の1R後から試運転に出ていたばかりか、7R後や8R後には全選手の先頭を切って試運転に出ていたし、9R後、待機ピットにボートを移す際にも2周ほどきっちりコースを回っていたのだ。
 松井いわく、「伸びが弱かったんで、それをつけたかったんですけど、どうしてもつかないんで、直前に出足型にペラを叩きかえて、ぶっつけ本番で行きました」とのこと。
 そんな芸当で結果を出せる選手はそうそういないだろう。だが、今日の松井を見ていると、その表情には終始、余裕が感じられていたのだから、凄みが感じられたほどである。

_u4w1675  2着の寺田に関しては、やはり2着に入ったというより、2着に敗れたと言わなければならないだろう。それだけの足を持ったうえでの1号艇だったのだ。
 しかし、気になっていたのは、8R後の試運転から引き揚げてきたとき、「どう?」といった感じで白井英治に声をかけられると、大きく首をかしげる場面を目にしていたことだった。思うように調整ができていないのかとも思ったが、これに関してはこちらの取り越し苦労だったのか……。
 レース後の共同会見でも、「スリットの足は、外が気にならないほど出ている」「足は上位クラスで、伸びは抜けてる」と話していたのだ。
 ただ、問題の1周1マークについては、「落ち着いて回ろうとしたのが裏目に出た感じですね」と回顧していた。
 そんな観点からいえば、外のコースになって、思いきりのいいレースが期待されるようになった明日は、インに座るよりもむしろ危険な存在になったと見ることもできるだろう。
 しばらく時間をおいた12R後、松井が寺田の背中をぽんぽんと叩いているシーンが見かけられたが、そんなところにも王者の貫録と優しさが感じられたものである。

_u4w0890  12R。こちらも1号艇・坪井康晴が2着に“負け”て、2号艇・吉川元浩が勝っている。
 8R後の試運転では、湯川、寺田、坪井と、1号艇の3人が揃って水面に出ている形になっていたが、引き揚げてきたとき、もっとも余裕の表情を浮かべていたように見えたのが坪井だったので、個人的にこれは少し意外な結果といえなくもなかった。
 共同会見で「おめでとうなのか、残念でした、なのか……」と代表質問者に振られると、坪井は迷うことなく「残念です」と返していたのだから、本人の悔しさも察せられる。
「初動がおかしかったので、いつものターンができなかった」とも話していたが、このあたりに、今の吉川との経験や勢いの違いが出ているとはいえるのかもしれない。
 ただ、「伸びなどはトップ級」と、足に対する自信を失ってはいないうえに、「去年1年間の苦労でだんだんわかってきたことがある」「自分のペラもできてきた」とも言っていたのだから、明日の坪井には、本来の彼らしい勇気ある戦いが期待されよう。

_u4w1892  止まらない勢いの大阪・兵庫勢!
 そして、止まらない吉川元浩!!
「この勝負強さはなんなんですか?」と質問されると、「なんなんでしょう(笑)。こっちが教えてほしいくらいけすけど」と本人も笑うしかなかったほどなのだ。
 ただ、その言葉のあとに、間を空けずに続けた言葉が、「……失敗がなくなったとは思います」というものだったのだ。
 短いこの言葉が、11R、12Rの「結果」を集約しているともいえるだろう。思えば、結果以上に多くのことを考えさせられた準優だったのである。
 ……しかし、明日の優勝戦は、まぎれもなく「SGの顔役」にふさわしい男たちが揃った。
 チャレンジのための失敗をする者は出ることになったとしても、後悔する失敗をする者があらわれるとは考えにくい。
 優出を決めたというだけで表情をゆるめたりはしない6人の男たちの顔が、そのことを確実に教えてくれていた。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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速報 優勝戦メンバー決定!

 芦屋グラチャンの優勝戦の枠番が決定しました!

12R優勝戦
①湯川浩司(大阪)
②松井 繁(大阪)
③吉川元浩(兵庫)
④坪井康晴(静岡)
⑤寺田 祥(山口)
⑥原田幸哉(愛知)

 素晴らしいメンバーが揃いましたね。湯川の3つ目のタイトル奪取なるか、王者が渾身の差しを決めるのか。この両者で決まれば、去年の戸田グラチャンとまったく同じワンツー決着です。が、賞金王覇者の吉川を筆頭に、この大阪コンビをまとめて攻め潰そうとする猛者も並んでおります。本当に明日が楽しみっす!!


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H記者の「レッドロックで大穴を!!」予想

 さあ、準優です。今日は8Rまでイン逃げが2本。敗者戦なのに、イン選手が苦労しています。「イン鉄板」が基本の準優でもこの流れが続くのか。私は1号艇が1勝1敗1分(2着)になると予想します。穴・極選は、勝ち負けはともかく上瀧が大暴れしそうな11R。

10R
①湯川浩司S→
②濱村芳宏A→
③魚谷智之B’→
④原田幸哉A'→
⑤渡邉英児S'→
⑥横澤剛治A'→

 原田がコンマゼロ台の発狂Sを決めない限り、湯川が逃げきります。足は渡邉と双璧の節イチ級。インの巧さも艇界屈指。負ける要素が見当たりません。相手は56のアウト勢。濱村はこのメンバーではややスピードに、また魚谷はパワーに不安があります。幸哉の2着は十分にありますが、笹川賞での準優アクシデント(横澤の繰り上がり優出でしたね)などリズムの悪さが気になるところ。節イチ・渡邉、強運にしてアウトが似合う横澤が配当の妙味になります。横澤は3着でも美味しいっすね。
3連単★1-56-全、1-全-6

11R 穴・極選指定レース
①寺田 祥S→
②松井 繁A→
③濱野谷憲吾B'→
④上瀧和則A→
⑤池田浩二A→
⑥赤岩善生A'↑

 とにかく上瀧の動向が読みにくい。昨日はスタ展で4カド、本番でイン奪取。今日の4号艇も4カドありインありの微妙な枠番ですね。まあ、ここは準優ですからガリガリとインを取りに行くとみるべきでしょう。そこに内の艇がそれなりに抵抗して124356か142356か、あるいは412356か。いずれにしてもイン水域はやや深くなり、伸び型の寺田には苦しいスロー発進になりそう。
 となると、池田&赤岩の愛知コンビに美味しい1マークになりますな。特に赤岩は昼特訓でも抜群の気配(渡邉を引き波に沈めるほど。回り足では渡邉以上かも)を見せており、十分に優出を狙えるパワーに仕上がりました。人気面でもこれ以上ない連軸で、2着を厚めにします。相手は握って攻める池田と混戦に強い松井、上瀧。
3連単★本線245-6-全、押さえ6-245-全

12R
①坪井康晴S→
②吉川元浩A↑
③川﨑智幸A'→
④倉谷和信B’→
⑤西村 勝A→
⑥平田忠則B→

 すんなり枠なりか、同期・上瀧の気合いに触発されて倉谷も動くか。今節は内外兼用なので、まずは枠なりでしょう。ならば絶好調かつ超抜パワー坪井の逃げで鉄板なようですが、私はまだ「坪井のイン」を絶対視できません。2年前の浜名湖グラチャンのときは予選、準優、優勝戦と1号艇ではすべて逃げきりました。今回はあのときの状況とよく似ています。が、それでもこの2年間で、坪井が1マークを外して回るシーンを何度も見てきた私としては、アタマ決め撃ちにはできない。むしろ差す吉川に食指が動くのです。この2艇の外からは誰も仕掛けられないとみて、2-1オンリー勝負!
3連単★2-1-全


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THEピット@準優勝戦――戦う準備

 1R発走前、9時頃から行なわれる試運転や、スタート練習には、準優進出選手の多くが参加していた。その後、彼らはボートを装着場に戻し、おのおのの調整に入るわけだが……その後の準優組は、1R頃のピットではほとんど姿が見られなかった。
 またまた急変した天候に、準優組は改めて調整を強いられるわけだが、決戦はまだ数時間も先だからなのか、慌ただしそうに動いている選手は見当たらない。整備室やペラ室にはもちろん何人かの準優組の姿はあるのだが、それ以上に一般戦組の姿のほうが目立っていて、特筆すべき様子は見えない。
2008_0627_0154  1Rが終わって、エンジン吊りに駆けつける選手のなかには当然、準優組も含まれているわけだが、その多くは控室のほうから姿を現わし、整備室やペラ室からリフトに向かう者のほうがすくなかったように思う。
 そんななかで、もっとも早く始動したのは、王者だった。1Rに出走した太田和美のボートには小さな穴が開いていたらしく、装着場では大阪勢の田中信一郎、湯川浩司、そして松井繁らがボートをひっくり返して水を排出させている。その作業が終わると、松井はまっすぐ試運転用係留所に向かっていって、数分後には水面に飛び出した。一般戦組ですらほとんど試運転に出ていなかった雨の水面に、松井は真っ先に駆け出したのである。2008_0627_0909  続いたのは、渡邉英児だった。まるで松井の後を追うように水面に飛び出した渡邉は、松井が引き上げてもなお、艇を走らせていた。この天候のなかでも、エース機の威力は鈍っていないか……渡邉の頭にあったのは、それだったかもしれない。
 ともかく、王者とエース機がだれよりも早く動き出したのは、少し不思議な気がするのと同時に、だからこそなのか、という思いも沸いた。決して慌てる必要はなく(実際に慌てていた様子は少しもなかったが)、ゆったりと午前中を過ごしてもおかしくない二人が、いの一番に試運転を始めたことは、何かを象徴していることなのだろうか……。

2008_0627_0593  早めに動きだした選手、というなら、吉川元浩も含まれるかもしれない。2R前、控室のほうから整備室のほうに、落ち着いた足取りでゆっくりと歩いている吉川を見たのだ。その数分後、吉川は控室のほうへ戻って来た。それはまるで、ぶらぶらと散歩でもしている感じの、リラックスした足取りで、その余裕には少しばかり驚いてしまった。もはや準優勝戦というのは、この男にとっては平常心を奪わせるものではないのだろう。整備室の滞在時間を考えても、本当に散歩に出たのではないかと思えるくらいの雰囲気なのだから、この後の吉川がテンパるようなことは絶対にありえないだろう。
2008_0626_0332  その吉川は、ヘッドホンを耳に当てて、音楽か何かを聞いているようだった。山崎智也はかなり前からピットでヘッドホンを使用していたが、最近はこうした選手が増えているような気がする。今節は、ヘッドホン姿の松井を見ているし、今朝は原田幸哉がでっかいヘッドホンを装着しているのを目撃している。智也に聞いたところによると、これは精神統一のためのアイテムだそうである。なるほど、自分の世界に没入するため、お気に入りの音楽を聴くことで雑音を排除する、ということなのだろう。彼らの場合、これは単なる音楽鑑賞ではない。この瞬間も、戦いへの準備を整える時間なのだ。

2008_0627_1147  1号艇には、すべて80期台の選手が顔を揃えている。10R、85期ともっとも若い湯川は、先述したとおり、太田和美のボートをひっくり返す場におり、大阪支部の中では新兵ということもあって、率先してその作業を行なっていた。時折、田中らにからかわれて笑顔も見せており、かなりリラックスした様子がうかがえる。2008_0627_0219 11R、81期の寺田祥は、エンジン吊りに整備室から姿を現わす数少ない一人。何らかの調整を施して、白いカポックでの戦いに臨むべく、クールな瞳を鋭くさせている。湯川同様、今のところは緊張に震えている様子は少しもない。というより、この場面で打ち震えるような肝っ玉の男ではあるまい。
2008_0627_1209  12R1号艇は、82期の坪井康晴。坪井は、松井、渡邉に次いで、ボートを水面に着水させている。といっても、試運転には出ておらず、ただ試運転係留所にボートをつけたのみだった。この後、回転数などのチェックする心づもりなのだろうか。坪井にとって、グラチャンの準優1号艇、しかも12R、というのはこれが初めてではない。2年前の地元浜名湖グラチャンが、まさしくこの状況で、優勝を勝ち取っている。係留所から控室へと向かっていた坪井に駆け寄り「2年前の再現、ですね」と声をかけると、坪井は彼らしい人懐こい笑顔を浮かべた。「はい、頑張ります」、そう言った坪井には、やはり緊張や気負いは少しも感じられなかった。力を出し切る態勢は、すでに整っている。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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H記者の『穴・極選』5日目

 昨日、やっと万コロを的中させたHです。この勢いで今日も穴を召し取りたいのですが、SGの5日目といえばイン天国デー。ただでさえインが強い芦屋、1号艇がピンを量産するんでしょうな。逆に言えば、インが飛べば簡単に300倍あたりの大穴になるはず。ピンポイントの極選勝負は4R。

 4R
  ①高橋 勲
×②木村光宏
○③飯島昌弘
  ④秋山直之
  ⑤今垣光太郎
◎⑥井口佳典

 インの高橋は出足に不安があり、秋山と今垣にはスタートの不安がある。今節の秋山はコンマゼロ台3発というらしくない?鋭発で健闘しましたが、気落ちのあるここはガクンと凹むかも。初日にFを切った今垣は明らかにビビリが入っています。となると自力で仕掛ける木村、飯島、井口の誰かが1マークで主導権を握るはず。特に内2艇が凹みそうな井口にとっては絶好の展開になりそうです。ゼロ台までぶち込まなくても、コンマ10程度で強烈なアウト空襲戦に持ち込めるとみます。生粋のまくり屋である飯島もそろそろS一撃があるかも、です。

3連単★6=3-全、6-2-全

 極選には指名しませんが、山崎哲司も要注意。機力に関係なく常に電撃Sまくりがある男ですからね。準優の予想(極選あります!)は8R頃にアップします。ではではgoodluck!


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“本紙予想”グラチャン5日目

 す、す、すみませんでした! 昨日は、なんと、まさかの1Rのみの的中。しかも3連単720円という、焼け石に水にもならない低配当が当たったのみでした。何しろ、「1号艇10勝」を想定していた時点で大間違いでありまして……本日は汚名返上すべく頑張りますので、よろしくお願いします。今日も担当はKです。

1R 山本隆のアシが抜けている
◎山本 ○佐藤 ▲別府
3連単 3-12-全

2R 佐々木のアシに不安なし、逃げられる
◎佐々木 ○三嶌 ▲重野 △白井
3連単 1-325-全

3R 笠原が機力上昇で握って攻める
◎笠原 ○石川 ▲市川
3連単 3-15-全

4R インなら高橋がもたせる
◎高橋 ○木村 ▲飯島
3連単 1-23-全

5R イン戦強い都築の先マイ狙う
◎都築 ○今村 ▲山本 △重成
3連単 1-345-全

6R アシは上位級の山崎智がウップン晴らし
◎山崎 ○別府 ▲佐々木 △鳥飼
3連単 4-562-全

7R 太田が先マイして粘り込む
◎太田 ○田中 ▲菊地
3連単 1-45-全

8R 機力イマイチもインなら辻
◎辻 ○平尾 ▲木村 △高橋
3連単1-236-全

9R 井口が意地見せ逃走
◎井口 ○今村 ▲市川 △秋山
3連単 1-423-全

準優勝戦
10R 超抜湯川が万全の逃げ切り
◎湯川 ○原田 ▲渡邉 △魚谷
3連単 1-453-全

11R 寺田はダッシュ向きで王者が自在に立ち回る
◎松井 ○濱野谷 ▲上瀧 △赤岩
3連単 2-346-全

12R 坪井が盤石の運びで逃走
◎坪井 ○吉川 ▲西村
3連単 1-25-全


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5日目! 準優勝戦です!

おはようございます。グランドチャンピオン決定戦、5日目でございます。準優勝戦です!……しかし、芦屋は雨。しかもけっこう強い雨足で降っております。天気予報では今日明日が雨となっておりまして、大一番はこのような状況で行なわれることになりそうですね。ちょっと残念っす……。しかし、水面は今日もアツい。王の中の王になるための胸突き八丁を、思い切り楽しみましょう。

2008_0627_0055 さて、昨日、中尾カメラマンは朝イチでピットに向かいまして、競艇場に到着する選手たちを撮影していました。そんな朝の一枚がこれ。原田幸哉がじーーっくりと出走表を読み込んでいるシーンです。こうして、作戦を練っていたんでしょうかねえ。あるいは、準優に出た場合、ライバルになりそうなのは誰か、とか。選手たちにとっては、こうして競艇場に到着した時点から戦いは始まっている。そんなワンショットでありました。

それでは、本日も頑張りましょうね!(PHOTO/中尾茂幸)


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機力診断付き「本日のグラチャンTOPICS」4日目

 厳しい。あまりにも厳しい勝負駆け……山崎智也も田中信一郎も1号艇で敗れ去りました。井口も今村も市川も脱落しました。ただ、それでもベスト18人中12人がSGウイナーというあたりが、「SGの中のSG」と呼ばれるグラチャンの凄いところ。とりわけ、絶望的な成績から大逆転で予選を突破したのはこの選手であります。

●赤岩善生 男気のイン戦&アウト戦

2008_0627_0552  3日目が終わって34位。こんな苦しい順位から、赤岩が17人のゴボー抜きで準優のチケットを手にしました。まず1号艇の7Rは、インからコンマ02!!の快ショットで怒涛の逃げきり。そのインタビューが泣かせてくれます。
「全速です。3(寺田)と5(池田)がメチャクチャ出てるんで、スタートだけは張り込もうと思った。インからのレースで、絶対に負けたくなかったから。後半は相手も枠も厳しいけど、全力を尽くして走ります」
 中堅パワーの選手がインで勝ちきるには気合いしかない。身体を張って、それを実証してくれた赤岩です。
 1着を取っても、まだ2着条件という厳しいノルマが課せられた11R。田中、濱野谷、坪井……今日いちばんの激戦区、しかも6号艇ですから、前付けにも出たくなるところ。赤岩は迷わずアウトを選択し、全速のまくり差しで2着をもぎ取りました。展開を作ったのは4カドからまくった坪井でしたが、いかにもアウトらしい冷静的確かつ果敢なハンドルワークはひときわ目に付きましたね。インではインらしい気合いを、アウトではアウトらしい度胸を、その両方を鮮烈に魅せつけて17人を抜き去ったのです。まさに男気の勝負駆け。明日もまた6号艇という苦しいサバイバル戦が続きますが、一直線の男道で強敵に立ち向かってくれることでしょう。

●上瀧和則 変幻自在のコース取りで、智也を封殺

2008_0627_0614  本当にこの男だけは、ピットアウトから目が離せない。マバタキひとつできませんな。10Rの上瀧は、どうにも動きにくい3号艇。勝負駆けも2着条件というビミョーな立場でありました。スタート展示では6号艇の金子に煽られ、「勝手にせえや」という感じで4カド!発進……もちろん洒落ではなく、「伸び型をさらに伸び型に仕上げて、4カドも想定していた」(レース後・談)上瀧でした。
 が、本番でのピット離れがヤバかった。一気に内の平田を呑み込むほどの加速がついた以上、4カド構想とはオサラバです。あっという間にインを取りきっておりました。1号艇の智也は「あれ、上瀧さんか、どうしたもんか」という風情で流している間の強奪劇。「スタ展でイン→本番で4カド」というパターンはよく見かけますが、この逆というのはかなり珍しい。上瀧の出るレースは、進入からすでに「水上の格闘技」なのです。
 そして、上瀧はまんまとインから逃げきってしまいました。出し抜かれた格好の智也は、見せ場もないまま大敗……ともに厳しい勝負駆けだったこのレースは、実に意外な形で明暗を分けてしまったのでした。上瀧和則、恐るべし。また、すでに戦線離脱の状況でスタ展、本番ともに激しく前付けに出た金子も天晴れ。智也にとっては災難でしたが、SGでの361245という並びは、見ていて実にワクワクするものでありました。当然、結果も370倍という大穴になりましたけどね。

●そして、節イチは……?

2008_0627_0908  昨日のK記者は湯川を節イチに指名しましたが、本当に怖くて凄いのは渡邉ではないかと思っています。全体の伸びでは湯川がトップ、行き足(セカンドの加速スピード)では渡邉が上。それぞれタイプが違って微妙ですが、突き抜ける破壊力という意味では行き足の凄い渡邉の方に分がある。それが私の持論です。ただ、本来は出足~回り足を重視する渡邉にとって、スリットから死ぬほど伸びる行き足型は不向きともいえるんですよね。下手をすると宝の持ち腐れになるかも、という危惧もあります(そんなチグハグさが予選道中でも見られましたし)。
 ここは渡邉に開き直ってもらって、「行き足~伸び」をさらにアップし、自力で攻めるレースをしてほしい。桐生オーシャンカップで江口晃生が行き足抜群の15号機とともに3カドに引いたように……当然、初日から連続でまくりを打った渡邉も気づいているはずだし、このエース機の特長を最大限に引き出すために自力駆けスリット勝負に徹してほしい。それを期待しつつ、私は現状の節イチを渡邉とします。予選トップの坪井2008_0627_0763 はバランスでトップですが、伸びで湯川、レース足で渡邉に劣る分だけ3番手評価。寺田はやや伸びが落ちましたね。4日目の気配のままでは、ちょっと優勝には厳しいような気がします。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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THEピット――勝負駆け、切なくも美しい戦い

2008_0627_0515  6コースから2着。赤岩善生としては、もちろん1着が獲れていれば最高だったのだろうけれども、満足のいく勝負駆けだったのではなかったか。懸命に整備を続けて、パワーを上向かせ、1着2着の条件で迎えた勝負駆けをきっちりと成功させる。しかも、6コースをも克服してノルマをクリアしたのだから、なすべきことをやり遂げた充実感があったはずだ。
2008_0627_0896  結果的に、坪井康晴は予選1位で4日間を終えた。坪井にしても、やるべきことをやった、という思いはあるはずだ。準優当確でありながら、11Rはきっちりとカドからマクって勝負しているのだから、その意気が素晴らしい。1着で上がってきた時点では、まだ寺田祥が予選1位となる可能性があったとはいえ、準優1号艇をもぎ取ったことは確定的になっていたのだから、これも勝負駆け成功と同類の壮挙である。
 11Rは82期ワンツー。ピットに戻りカポック脱ぎ場へ向かう際、赤岩が坪井を追いかけて、並んで笑顔を見せた。“仕事”を果たした男たちの、プロフェッショナルな笑顔。こんなシーンを見るたびに、僕は彼らに心から尊敬の念を抱く。

2008_0627_0914  仕事を果たしたというなら、上瀧和則も同様だろう。彼も赤岩と同じく、予選道中の特に前半では、整備の鬼と化していた。さすが上瀧、2連対率32%という数字以上のポテンシャルを引き出して、10Rの勝負駆けを成功させている。それも、3号艇からインを奪い、逃走を決めて。整備、前付け、力強い逃げ切り……上瀧和則の真骨頂が詰まりに詰まった美しいレースだったと言えるだろう。レース後の上瀧は、さすがに笑顔がたくさん見られた。ここまでは、ひたすらに気迫が目立っていたから、ここまで気分の良さそうな姿はほとんど見られなかったように思う。だからこそ、痛快な勝負駆け成功が引き出した笑顔は、実に心躍るものだった。実は、上瀧和則は屈指の、笑顔が似合う選手だと僕は思う。

2008_0627_0884  そうした歓喜のかたわらに、悔恨を噛み締める選手もいるのが勝負駆けの真実。11Rでいえば、やはり田中信一郎に目が行ってしまうのは仕方がないことだった。秋山直之の突っ込みもあって、6着に敗れてしまった田中だったが、ピットに上がって来たときには笑顔すら見えていたのには驚かされた。ただし、もちろんそれが本当の笑顔だとはとても思えなかった。本当ははらわたが煮えくりかえるほど、怒っているのではないか。それを表に出さないための、笑顔ではなかったのか。田中に確かめたわけではないけれども、僕はそう想像して切なくなった。言っておくが、怒りとは突っ込んできた秋山へ向けられたものということではない。それもあるのかもしれないが、不運な展開のなか6着に敗れてしまったこと、それ自体に対する怒り、ということだ。そう、勝負師ならば当然の怒り。それを田中は、表面的にはそうと感じさせず、ぐっと歯の奥で噛み潰していた、と僕には見えたのである。男らしい敗戦……そう書いたら田中には失礼かもしれないが、僕はそう思った。

2008_0627_0167  言っておくが、勝負駆けの日に落胆している敗者は、決してノルマをクリアできなかった者だけではない。たしかに一節という単位で考えれば、ベスト18に残ることが勝利という考え方もあるが、ひとつひとつのレースでの敗戦を納得している選手はいない。どのレースでも、仮に6コースで1着は難しいと考えていたとしても、勝利を渇望するのが選手というもの。11R、西村勝は無事故完走で準優当確、という状況で出走した。結果は5着。もちろん、予選突破という事実に変更はない。しかし、レース後の西村は終始唇を噛みしめるようにして、顔をしかめていたのである。準優の枠が悪くなってしまった、という意味の悔いもあるだろうが、5着に敗れてしまったことへの悔いも大きい。準優に出られればそれでいい、という考え方をしてこなかったからこそ、西村はこの舞台にいるのだし、SGのタイトルにも手が届いたのであろう。負けてしまった選手に対しては失礼かもしれないが、これもまた競艇選手の尊敬すべき姿である。

2008_0627_0397  11R終了時点で、18位は平田忠則だった。12R出走メンバーは5名がその時点で18位以内で、1号艇の魚谷智之が19位だった。すなわち、魚谷の結果が魚谷自身はもちろん、平田の運命も決めるのだった。魚谷は3着で6・00に到達したけれども、その場合は上位着順の差で平田に軍配が上がる。2着以上で魚谷が18位以内に滑り込み、平田は次点に落ちる。魚谷と平田は、どんな思いでその時を迎えていただろうか。平田は魚谷が1号艇であることに絶望的な思いだっただろうか。魚谷は、勝って当たり前の1号艇にプレッシャーを感じてはいなかっただろうか。
2008_0627_0074  なぜ、こういうことが頻繁に起こるのだろう。魚谷が逃げ切って、ベスト18入りは確定。この時点では、平田は19位に落ちることになる。ところが……鳥飼眞がまさかの5着に敗れ、22位まで下がってしまったのだ。鳥飼も平田も福岡支部。そう、先輩のつまずきが後輩の前進につながった……。3年前の競艇王チャレンジカップ、場所はまさに芦屋で、坪井康晴が敗れて19位以下となり、19位だった笠原亮が18位に繰り上がったことがあった。静岡支部の先輩と後輩の明暗。瀬尾達也の大敗で田村隆信が18位に滑り込んだこともあった。徳島支部の大先輩の敗戦が後輩を救った。どうせ同じ事態になるのなら、せめて他支部の人間だったら、まだ気持ち的には楽なのではないか……。何も同じ支部の人間が、こういうかたちで明暗を分けなくてもいいではないか。しかも、鳥飼にとっても平田にとっても、芦屋は地元水面なのである。二人揃って準優に駒を進められれば最高だったのに……。
 エンジン吊りに向かう平田は、状況を知ってか知らずか、笑顔がなかった。もし知っていたとしても、素直に笑うことはできなかっただろう。ピットに戻って来た鳥飼は、やはり状況を知ってか知らずか、表情が凍りついていた。苦笑いも浮かんではいた瞬間はあったけれども、表情は硬いまま、カポック脱ぎ場へと向かっている。ああ、こんな場面を見るのがいちばんツラい……。

2008_0627_0196  それにしても、魚谷智之という男はさすがである。1号艇でイン逃げじゃないか……という向きもあるのかもしれないが、本来はイン逃げは決して簡単なことではないのである。ましてや、プレッシャーのかかる局面では、かえって手足を縛る要素になることだってある。だというのに、魚谷はきっちりと1マークで決着をつけ、揺るぎない足取りで準優へと向かうことになった。気づけば、準優は3号艇である。ベスト18が決まる瞬間のほんの数分前にはその枠外にいた男が、予選9位まで駆け上がったのだ。やはりこの男、覇王の名にふさわしい。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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準優18ピット確定!

予選が終了し、準優勝戦のメンバーが確定しました。予選1位は坪井康晴……2年前の浜名湖グラチャンでも、予選1位でしたね。18位は地元の平田忠則が滑り込んでいます。

10R
①湯川浩司(大阪)
②濱村芳宏(徳島)
③魚谷智之(兵庫)
④原田幸哉(愛知)
⑤渡邉英児(静岡)
⑥横澤剛治(静岡)

11R
①寺田祥(山口)
②松井繁(大阪)
③濱野谷憲吾(東京)
④上瀧和則(佐賀)
⑤池田浩二(愛知)
⑥赤岩善生(愛知)

12R
①坪井康晴(静岡)
②吉川元浩(兵庫)
③川﨑智幸(岡山)
④倉谷和信(大阪)
⑤西村勝(埼玉)
⑥平田忠則(福岡)

※念のため、主催者発表をご確認ください。


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H記者の『穴・極選』4日目②

 苦節1カ月、ついに「穴・極選」が火を噴きました!! 2R5-4-6で18280円。この初勝利で、コーナー自体の収支もプラスになりましたね。ありがとう白井。智也、よう3着に喰いこんだ!(山崎テツ&トモの競り合いは、ドキドキものでありました)
 この勢いで、もう一丁握って攻めます。狙いは前予告どおり、8Rと10R。

 8R
×①吉田弘文
 ②今村 豊
  ③吉川元浩
◎④菊地孝平
○⑤木村光宏
  ⑥魚谷智之

 1Rで爽快なカドまくりを決めてしまった孝平。この快勝で8Rはオッズが下がるわけで、ちょっと私としては悔しい結果ではありました。「後追い」の勝負でもあり、博打打ちとしてはケンすべきレースなのかもしれません。が、孝平は①①連勝条件なんです! ここも4カド必至、色めきたって得意のS一撃を狙うはず。あるいは、やはり勝負駆けに強い吉川(リメンバー賞金王トライアル3日目!!)が握ったところをマーク差しか。奇跡の大逆転準優出を見させていただきましょう。
 相手は孝平に連動する木村。こちらもピン勝負の身、捨て身の差しハンドルを入れるはず。大整備でやや上昇した吉田も押さえます。

3連単★4=5-全、4-1-全

10R
  ①山崎智也
  ②平田忠則
  ③上瀧和則
◎④飯島昌弘
★⑤川﨑智幸
  ⑥金子良昭

 2着条件の智也が一本カブリの人気を背負いますが、全幅の信頼を置けるパワーではありません。最近の智也は勝負駆けで次点や1点足らずに泣くなど、やや不運な流れでもあります。2Rには感謝しつつ、思いきって軽視してみましょう。
 枠なりか、金子が動いての1236/45か。どちらにしても、絶好のカド位置(上瀧はS慎重、金子は出足がまったくなし)になるのが飯島。生来のまくり気質に加えて、ここは1着しかチャンスの芽がない正念場ですから、委細構わず握って攻めます。もちろんマークする川﨑とのセットが基本になります。

3連単★4=5-全、4-全-5


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THEピット――厳しい勝負駆け

2008_0626_0994  整備室とペラ室の中間くらいに立っていたら、笠原亮が整備室のほうからやって来た。
「おはようございます…………悔しい」
 それだけ言って、去っていく笠原。1着2本条件の今日、1R1号艇という絶好のチャンスを生かせなかった笠原は、ただただ悔恨にまみれていた……。
 そう、今日は勝負駆け! ノルマを抱えた選手たちは、ただそれをクリアすることを考えながら一日を過ごす。笠原のように、1着2本なんていうキツい条件だろうと、諦めるものはいない。全身で必要なポイントを求め、かなわなければ落胆する。燃えたぎる気合いと、さまざまな悲喜こもごもが、ピットの空気を作っていく一日である。

2008_0626_0348  試運転用ピットで、じっとモーターとにらみ合っている赤岩善生。今節は懸命の整備を続け、時に部品を盛大に取り換えながら、準優が望める場所で踏ん張ってきた。その気迫あふれる姿は見ているだけで気持ちのいいものだったし、一方で近寄れば切られるのではないかと思えるほどの闘志が体からあふれていた。その成果を出さねばならない今日、赤岩は早々と水面に出て、鋭い目つきで最後のチェックをしている。条件は、1着2着。7Rに1号艇があるとはいえ、楽な条件ではないが、そんなことは赤岩にとってはどうでもいいこと。昨日までと同じように、全力で水面に思いを叩きつけるだけだ。
2008_0626_0891_2   その2つほど隣の係留所では、赤岩とは対照的な穏やかな表情で、飯島昌弘が調整をしていた。ボートに乗り、エンジンのほうを向いて、こちらも最終チェック。ニックネームが「プーサン」の飯島は、かのアニメキャラのとおり、柔和な顔つきだ。こうした緊張感あふれる局面で、気合いを表に出してさえ、好青年の面差しが消えることはない。しかし、だからといって赤岩に闘志が劣っている、ということではあるまい。胸のうちには、炎が燃え盛っていることは間違いない。条件は、2・2着。2日目までの成績なら、十分に乗り越えられそうなノルマ。だが飯島は、昨日までのことなど振り返ることなく、今日の勝利を目指すはずだ。

2008_0626_0260  試運転用ピットには、赤岩や飯島だけでなく、多くの選手のボートが係留されている。その列を見ているだけで、クラクラしてきて、思わず装着場内に目を向けると、そこには赤岩並みに厳しい顔つきの市川哲也がいた。市川も、本来は飯島と同じく柔和な顔つきが基本の好青年タイプなのだが、さすがに今日は眉間にシワが寄っていた。いや、市川は勝負がかかったとき、こうした表情をよく見せる。優しそうな顔が、強烈な勝負師の顔になる瞬間が、この人にはたしかにあるのである。まさに後者の顔つきで、ペラ室に入っていく市川。その背中も、十分に迫力を感じさせるものだった。条件は1着。そんな顔つきになるのも当然だろう。
2008_0625_0069  重野哲之も、市川と似たようなタイプである。ふだんの彼は非常に快活で、礼儀正しい好人物。選手同士だろうと、あるいは我々だろうと、笑顔を絶やさずに話す姿は、人の良さも感じさせる。ところが、レース前の顔つきは一変。眉間にシワが寄ると、むしろ人相が悪くなるほどに怖い顔になる。今日の重野がそうだった。装着場を歩いている時からド迫力を感じていたのだが、競技棟下のスタート練習スリット写真を見つめる重野の目つきは、野獣のようですらあった。重野は今日、1着をとって相手待ち、という状況。厳しいどころではない条件だ。しかも6号艇……。それでも重野は、予選を突破する自分を思い描いているのだろう。あの目を見たら、そうとしか思えない。

2008_0626_0563  3R前、整備室前でウロウロしていたら、遠くに気になる山崎智也を発見。今節、別に気にならなかったわけではないのだが、ここでは彼のことをあまり記していない。今日はやっぱり、思い切り気にさせてもらおう。2Rは逆転で3着。後半は2着勝負となった。1号艇ではあるが、もちろん簡単な条件というわけではない。今日の智也は、いつもより1・5倍ほど歩くスピードが速く、妙にスタスタスタと歩いていた。これが何を表わしているのか……10Rの結果がそれを教えてくれるかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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H記者の『穴・極選』4日目①

 笹川賞から11連敗のHです……すいません。そ、それにしても、インの強さはどうしたことか。3日間の勝率は70%強。昨日も9勝(山本のアクシデントがなければ10勝でしたね)。「ボートボーイ」誌によれば過去5年の「芦屋・記念のイン勝率は48%」というデータだったのに……!?
 勝負駆けの今日もまくり勢は届かず、「イン選手の金太郎飴逃げ」になるのでしょうか。そんな競艇でいいのでしょうか??
 というわけで、今日もめげずにインを切り捨てて万コロ狙いに徹します。私もメイチの勝負駆け、穴・極選は2R、8R、10Rの3本立てにする予定です。今朝はとりあえず、2Rのみをアップします。

2R
  ①山崎哲司
  ②重成一人
  ③佐藤大介
○④山本浩次
◎⑤白井英治
★⑥山崎智也

 インの哲司は明らかにパワー不足。メイチ勝負駆けの山本か、終戦でも獰猛に握る白井のどちらかが豪快に仕掛けるとみます。この両者のWヘッドに「勝負駆けの智也は買い」の鉄則に従って、智也の2・3着付け勝負。
3連単★本線45-6-全、45-全-6

  8、10Rは前半の勝負駆け状況を見てからアップします。ではでは、goodluck!


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“本紙予想”グラチャン4日目

昨日はいちおう5本的中。しかし、配当は安く、トータルではマイナスですね。まあ、あれだけインが強ければ、それも致し方なし、でしょうか……。本日もイン優勢が続くと見て、“本紙予想”はもう1号艇に依存しちゃいます。担当は本日もKでございます。

1R 笠原の機力上位でに逃げ切り濃厚
◎笠原 ○菊地 ▲太田 △山本
3連単 1-346-全

2R イン山崎哲機力不安で重成の差し
◎重成 ○山崎哲 ▲山崎智
3連単 2-16-全

3R アシ悪くない今垣の先マイ
◎今垣 ○平田 ▲田中 △原田
3連単 1-562-全

4R 別府に出足なく濱野谷が差す
◎濱野谷 ○湯川 ▲別府 △佐々木
3連単 2-513-全

5R アシ不安も金子のイン戦信頼
◎金子 ○西村 ▲井口
3連単 1-53-全

6R 機力抜けた選手不在で都築が逃げ切れる
◎都築 ○松井 ▲飯島 △市川
3連単 1-534-全

7R 赤岩が意地の逃走
◎赤岩 ○寺田 ▲笠原 △倉谷
3連単 1-364-全

8R 吉田が地元のプライドを懸けて逃げる
◎吉田 ○今村 ▲吉川 △魚谷
3連単1-236-全

9R 先マイできれば平尾が湯川抑える
◎平尾 ○湯川 ▲重成
3連単 1-24-全

10R 出足回り足いい山崎が確勝
◎山崎 ○上瀧 ▲飯島 △平田
3連単 1-342-全

11R 田中が勝負駆け果たす逃げ
◎田中 ○西村 ▲坪井 △濱野谷
3連単 1-345-全

12R 魚谷が渾身の逃げ切り
◎魚谷 ○渡邉 ▲寺田
3連単 1-24-全


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4日目! 勝負駆け!

おはようございます。グランドチャンピオン決定戦、4日目でございます。予選最終日の勝負駆け、大熱戦デーでございますね! このイン水面で、準優を目指す面々がどんなレースを見せてくれるか。もしかしたら、準優につながるヒントが発見されるかもしれません。今日も芦屋は晴れております。明日からは雨予報なのですが……。

2008_0626_0527 現在予選18位、ボーダーラインは魚谷智之! ボーダーを6・00とすると、3着2本の条件であります。12Rは1号艇ですが、8Rは6号艇。この前半レース次第で、後半のポールポジションがアツい戦いになってきますね。とにかく、今日の魚谷選手は条件的にも艇番的にも、大注目ですぞ!

それでは皆様、本日も頑張ってまいりましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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機力診断つき「本日のグラチャンTOPICS」3日目

 グランドチャンピオン3日目が終了。明日は予選最終日であります。すでにベスト18を見据える選手も少なくなく、熱戦が続出でありました。とはいうものの、今日もやっぱり……。

2008_0626_0285 ●1号艇連続1着は9でストップ。しかし……
 いやあ、今日もインが強かった! 昨日に続いて9勝をあげているのですから、芦屋の水面は完全に白いカポックに支配されている状況であります。
 1、2Rで1号艇が勝ち、昨日から9レース連続で1号艇が勝利。なんともはや……。3R、齊藤仁が敗れて連勝はここでストップしましたが、4~7Rが再び1号艇の勝利ですから、穴党の皆様、そしてワタクシ、ご愁傷様……であります。8Rも、1号艇の山本隆幸は、2周1マークまでは先頭を走ってましたから、実質的には連勝したも同様。さらに9、10Rも1号艇勝利ですから、もうお手上げ状態です。
 それにしても、ここまでインが強いとは誰が想像したでしょうか。象徴的なのは7Rでしょうか。4カドの西村勝がコンマ17で飛び出して、2~3コースはコンマ26、29の中ヘコミ。絶好のマクリ展開でありながら、1マークでは濱村がしっかり先マイを打っているのであります。もはや、インを叩くのは至難の業としか言いようがない。10Rの吉川元浩も、2コースから絶妙の差しを入れたかと思いきや、イン池田浩二がバックで突き放すのですから、よほどのことがない限り、イン戦の牙城を崩すことはできないと言えるでしょう。機力うんぬんよりも、まずは枠。そんな様相を呈しているのですね。

2008_0626_0415 ●風のいたずらか……山本隆、仁が転覆
 で、本日1号艇の敗戦は3つだけなのですが、そのうち2つが齊藤仁と山本隆幸。これが両方とも転覆なのですね。3Rは佐々木康幸の4カドからのマクリ差しが突き抜けて、その時点で1号艇の敗戦は決定的だったのですが、それでも攻めた仁ちゃんは風にあおられたのか、転覆。事実上の終戦となってしまいました。
 一方の山本隆幸は、これがまあ、なんとも悔しい転覆。1マークをきっちり先マイして先頭に立ち、2周1マークを回った時点では後続を突き放していたのですが、ターン後3~40m地点あたりで謎の転覆。本人も「よくわからないうちに転覆していた」というのですから、見ているほうは狐につままれたとしか言いようがありませんでした。今日は昨日までに比べてやや風が強くなり、また風向きも安定してませんでしたから、そのあたりが影響したのでしょうか。アシは悪くなかっただけに、この転覆はかなり残念ですね。

2008_0626_0661 ●あわや出遅れ……江口晃生、待機行動中にエンスト
 仁ちゃんが転覆してしまった3Rでは、あわや出遅れ、という場面がありました。5号艇ながら2コースに前付けして入った江口晃生が、ターンマークから少し入ったあたりでエンスト。これがなかなか再始動できなかったのであります。1コースと3コースはスリット方向に進んでいき、2コースは動かないわけですから、スロー水域が山型になるという不思議な光景が出現。江口が必死にスターターロープを引いている間にダッシュ勢は後ろに引いていましたから、普通ではありえない隊形になっていたのであります。
 江口のエンジンがなんとかかかったのは、もはや12秒針が動こうかというあたり。あわてて起こした江口でしたが、STはコンマ31でありました。これは仕方ないところでしょう。また、3コースの田中信一郎が、この不思議な隊形にカンが狂ったかコンマ48、また仁ちゃんもコンマ33と、立ち遅れてしまいます。さらに5コース横澤剛治がコンマ24、6コース都築正治がコンマ39と、佐々木康幸以外の5選手がスタートに失敗しています。
「ピットからエンジンがかからずにおかしかった」と江口は証言していますが、誰よりも痛い思いをしているはずなのが江口自身。明日はリベンジが見られるでしょうか。

2008_0626_0358 ●これは珍しい! 3着同着
 2Rのことです。1着は逃げた重野哲之、2着は辻栄蔵でしたが、3着争いが接戦になった。三嶌誠司と烏野賢太です。この争いは3周2マークでも決着がつかず、ぴったり並んだままでゴールラインを通過しました。写真判定の結果、2艇は同着! SGではほとんど見かけない珍しいシーンが出現したわけです。もちろん、3連単と3連複は2通り、ワイドは5通り、的中舟券がありますので、ご注意ください。

2008_0626_0156 ●エース機の本領発揮か?
 さて、1号艇が圧倒的に強い今節、機力以上に枠順がモノを言っているわけですが、その1号艇で出走したエース機・渡邉英児が、機力上位を証明するレースをしています。スリットは、渡邉のコンマ24に対して、2コース太田和美がコンマ17、3コース重成一人がコンマ16と、完全にインが立ち遅れた格好でした。ところが、渡邉はここからアッサリと伸び返した。1マークの初動を入れる頃にはすっかり追いついて、悠々と先マイを放っているのです。たしかに、多少の遅れを伸び返して先マイ、というイン戦は何回かありましたが、半艇身遅れをここまで簡単に巻き返すのは、やはりパワーの賜物としか思えない。まだまだ納得してはいない渡邉ですが、やはり上位級に仕上がっていると言えるでしょう。12Rで不良航法をとられ、明日は3着勝負となってしまいましたが、このアシなら乗り切ることはそう難しいことではない。そのパワーは信頼していいものと思われます。

2008_0626_0557 ●そして節イチは……
 これはもう、湯川浩司で決まりなのではないでしょうか。11Rが圧巻でした。4カドの湯川はコンマ06の快スリット。3コース鳥飼がコンマ24と1艇身遅れていましたが、グングンと伸びて、内を飲み込んでいきます。しかし、芦屋の水面はこの隊形でもインに味方してきた。ここからマクるのは、かなりの難業のはずだったのであります。ところが、湯川はあっさりと叩き切って、マクり切った。まさしく未開の地を切り開くがごとく、伸びマクリを放ったのであります。「Sは少し揉んだ」と言いながら、この伸び。もはや、疑いようのない節イチと言えるでしょう。グラチャン連覇も視界に入った……まぎれもなく、その言葉がふさわしい湯川のパワー、なのであります。
2008_0626_0943  他では、重成一人、西村勝、山崎智也は相変わらず上位。特に湯川にマクられ、バック6番手から3着に追い上げた智也の11Rは、敗れたとはいえ見どころ充分だった。明日はなかなか厳しい勝負駆けですが、10Rのやっと回って来た1号艇を取りこぼすことはないように思えます。坪井康晴も変わらず快調。上瀧和則は、渡邉英児との接触で6着に敗れましたが、内からもたせるアシは悪くないと思います。あと、忘れちゃいけない、予選1位の寺田祥。こちらは行きアシが超抜級になってきましたね。ハッキリと上位です。あとは、吉川元浩、笠原亮あたりが上昇気配に見えるのですが、果たして。
2008_0626_0305  さあ、明日は激戦の勝負駆け。選手たちの気合いをおおいに堪能しましょう!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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THEピット――男気

2008_0626_0200 「大丈夫?」
 山本隆幸の姿を見つけて、すぐにそう言ったのは金子良昭だった。山本は8Rで転覆している。
「すみませんでした」
 頭を下げる山本に金子は、無事ならいいんだ、とでもいうように、二度三度うなずいてみせる。ターン時ではなく、バックの直線に向いた時の転覆というあまり見ないタイミングでのものだったから、誰もが山本の身体を心配していた。
 いや、金子はそうでない場合にだって、誰にでも男気を発揮する好漢だ。支部や年齢を問わず、金子が気遣いや激励、賞賛の声をかけているところは、何度も見かけている。我々報道陣にも礼儀正しく接してくれ、時にはおどけたようなふるまいで周囲を笑顔にしたりもする金子は、心から尊敬できる人だと思う。きっと、後輩への叱咤や厳しい進言などをすることもあるのだろう。まさしく、男気あふれる素敵な男、なのである。

2008_0626_0126  その金子の弟子にあたるのが菊地孝平である。菊地もまた本当に気持いい男で、いつだって爽快な笑顔を見せてくれる。今節は、SG復帰戦という気負いもあるのか、いつにもまして気合いがあふれているように見えるけれども、快活な立ち回りは変わることなく、清涼な雰囲気を醸し出している。
 今日の菊地は10R前まで試運転を繰り返していた。明日はどうやら1着2本の勝負駆けになりそうで、今日のうちにできることはしておこう、ということなのだろう。さまざまな選手と足合わせをしては、その選手のもとに駆け寄って感想戦。そして、きびきびとお礼を言って、またボートへと戻っていく。烏野賢太、渡邉英児、辻栄蔵、重野哲之……さまざまな相手ととことん語り合い、礼節を示す。支部の隔てなどまるで感じられないのは、菊地の人柄の賜物だろうと、見ていて思った。
 試運転を終えて、ボートを引き上げると、そこに松井繁が現われた。「もう終わり?」と松井が声をかけると、菊地は歯切れのいい肯定の返事。すると松井は、エンジンを乗せる架台を菊地のもとに持っていくのだった。当然、菊地は恐縮するのだが、松井は一言、「高いぞ(笑)」。こういう言い方で菊地に気を使わせまいとしたのは、松井の男気だろうか。とっても爽やかなシーンだった。

2008_0626_0020  明日が勝負駆けということもあるのか、今日は遅めの時間帯まで試運転を続ける選手が普段より多かった。いや、勝負駆けということなど、関係なかったのか。ただただ機力を引き上げたい、ただただこのままでは終わりたくない、そんな闘志の現われだったのか。予選突破がかなり厳しい状況の中島孝平がそのなかに混じっているのを見て、こちらの先入観を超えた領域で、選手たちは戦っているのではないかと思った。
2008_0626_0487  いちばん最後まで試運転をしていたのは、田中信一郎と太田和美。大阪69期コンビである。ベテランというにはまだまだ早すぎるが、しかし今回のメンバーでは確実に古株の部類に入る二人が、若手よりも遅くまで水面に出ていたというのは、特筆すべきことだろう。それにしても、信一郎は明るい。装着場に戻るボートリフトの中でも声を張り上げて周囲の人間を笑わせ、上がってからもエンジン吊りを手伝う後輩を笑わせ続けている。エンジンを外したボートを駐艇場に移動したところに辻栄蔵と別府昌樹が近寄って、足合わせをしてもらったことのお礼を言うと、「伸びてるな! でも出足がもうひとつか……」などと率直に感想を伝えて、彼らに参考材料を提供している。競艇選手にとっては当たり前の光景なのだろうが、やっぱりこれも男気の交歓に見えて仕方がないのだ。
2008_0625_0171  信一郎のかたわらで、太田もまた彼らにもろもろを伝えている。信一郎に比べると渋めのたたずまいで、嫣然と微笑みながら、後輩たちに胸襟を開いているのだ。彼は、予選突破はほぼ絶望的な状況である。しかし、やはり勝負駆けうんぬんとは別のところで1着を心から欲し、こうして水面を走りまくる。そして、アドバイスを求める後輩を快く受け入れる。カッコいい、と思う。

2008_0626_1006  競技棟の記者室前に、記者さんたちが何人か立っていた。それを見つけて、輪の中に飛び込んでいったのは、今村豊。その輪からちょっと離れたところにいた僕から見たら、矢も盾もたまらん、といった感じで入っていったようにしか見えませんでした(笑)。
「引いたエンジンがA評価って書いてあったから何もせんかったのに、実際に乗ってみたらさあ!」などと機力について自分から語っていきながら、それをまたジョークっぽく、怒ったフリをしながら話すものだから、記者さんたちは大爆笑。そして、その笑いを見ながら、今村さんは満足そうにうんうんとうなずき、またジョークを連ねていくのでありました。これが男気……かどうかはわからんけど、そんな今村さんを見ていると、本当に幸せな気分になるのは確か。そうした空気をそこに作っていることが、ミスター競艇流の男気なのでしょう。

2008_0626_0247  さて、12Rを1着で、気づいてみれば予選9位につけている井口佳典。もはやすっかり、銘柄級の風格である。SGを獲った男の余裕と、そして責任感を感じさせるたたずまいは、今節、実はかなりピットで気になっていたのである。それでも、ここまであまり触れないできたのは、1着を待っていたから。機力がもうひとつの今節は、苦戦気味と言っていいはずなのだが、しかしピットで見る限り、その力強いまなざしには何らかの意思を見出さずにはおれなかった。焦っているわけでもなく、しかし結果を欲する強い思いを抱き、彼はグラチャンを戦っているように見えた。そして結果が出たと思ったら、予選9位とは! 本格化というのは、こういうことだろう。機力は相変わらず苦しいだけに、まだまだ予断は許さないが、その男らしい顔つきを見ていれば、最新SG覇者としての“男気”は見せてくれると確信する。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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明日の勝負駆け情報!

 予選3日目が終了しました。現時点での予選1位は、テラショー! オール2連対で堂々のトップです。そのテラショーを含めて、無事故完走で当確は4名。18位は魚谷智之の6・00であります。その6・00をボーダーと想定し、明日の必要着順を記しましょう。とにかくインが強い今節だけに、1号艇が回らない勝負駆け組は、3日目時点で上位であっても予断を許さない状況。明日は熾烈な1日になりそうですぞ!

(6・00想定の必要着順。★は当確)
1 寺田祥   ★
2 坪井康晴  ★
3 湯川浩司  5・5
4 濱村芳宏  ★
5 横澤剛治  ★
6 濱野谷憲吾 4・4
7 西村勝   4・4
8 倉谷和信  5
9 井口佳典  4
10 平田忠則  3・4
11 川﨑智幸  4
12 重成一人  3・4
13 松井繁   4
14 秋山直之  3
15 池田浩二  3
16 吉川元浩  3
17 渡邉英児  3
18 魚谷智之  3・3
19 原田幸哉  2
20 佐々木康幸 2
21 高橋勲   2
22 今村豊   2
23 田中信一郎 2・3
24 鳥飼眞   2・3
25 上瀧和則  2
26 山崎智也  2・3
27 市川哲也  1
28 石川真二  1
29 飯島昌弘  2・2
30 木村光宏  1
31 重野哲之  1で相手待ち
32 平尾崇典  1・2
34 赤岩善生  1・2
36 笠原亮   1・1
38 菊地孝平  1・1
39 山本浩次  1・1
41 金子良昭  1・1で相手待ち


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THEピット――天気が変わった朝

 朝は重かった空が、1Rが始まる頃には青く見え始め、今はもう、すっかり晴れ上がっている。
 爽快!
 やはり競艇に曇り空は似合わない。
2008_0625_0875  が、こんな呑気なことを言えるのは、僕が観察者にすぎないから。選手たちにとっては、今日は「天候が変わった日」なのである。選手だって、そりゃあ気持のいい天気であるほうがいいんだろうけど、昨日雨が降っていれば話は別だ。言うまでもなく、今朝の選手たちは調整に忙しく、昨日までのセッティングとの変化に頭を思い悩ます。別件で吉川元浩に声をかけたのだが、やはり口調がいつもとはぜんぜん違っていて、思考の途中に割り込んでしまったのであろうことがうかがわれた。
2008_0625_0736  そんな選手たちの味方になるものが、芦屋にはあることをご存じだろうか。それがこの「ボートタイマBT-50」。これは、試運転の際に、直線のタイムや周回のタイムを測定する機械である。
 芦屋を含め福岡3場は、展示タイムの測定を機械で行なっている。スタンド側にレーザーを照射する装置が2つあり、これをボートのカウリングにつけられた銀色の円に反射させ、2つの装置の間のタイムを自動測定するわけだ。このシステムを応用し、試運転の際のタイムも測ってしまおうというのがこのボートタイマで、選手はこれに記される数字を自身のアシ色の参考にするというわけだ。展示自動計測を行なっている芦屋ならではの機械である。
 というわけで、今朝も使っている人が多いのかなあ……と観察していたのだが、係留所でモーターの回転数をチェックするときには各自所有の回転計を使っているから、実際に試運転で誰が使用しているのかはわかりませんでした、はい。すみませんです。場の方に聞けば、日によっては獲り合いになることもあるとのことで、これを調整の指標にしている選手も少なくないのだろう。機会があれば、使用している選手の感想など聞いてみたいと思います。

2008_0625_0690  さて、そんな3日目の朝、まず目についたのは、何と言っても、上瀧和則であった。整備室にこもることも多かったここまでの上瀧、装着場で姿を見かけることはそれほど多くはなかった。だが、今日は細長い装着場のど真ん中を堂々と闊歩し、心なしか胸を張っているようにさえ思えるほど、キッと前を見据えている。うーん、男・上瀧! 思い返せば、ここまでオーラを発散させている上瀧は最近では珍しく、やはり芦屋SGへの気合いのほとばしりと、機力上昇の手応えによる気分の良さと、その両方を感じずにはいられなかった。これぞまさしく、スーパー上瀧!

2008_0625_0928 2R、珍しい出来事があった。3着同着。記憶に間違いがなければ、我々がこうしてSG節間取材を始めてからは、初めてのことである。ちなみに、長嶺豊さんは現役時代、一度も同着の当事者になったことはないそうだ。やっぱり、珍しいことなのである。
 今回の当事者は三嶌誠司と烏野賢太。たまたま目の前を通りかかった三嶌に、「珍しいことになりましたね」と半ば雑談っぽく話しかけた。きっと笑顔で応えてくれると期待して。ところが、三嶌は顔をしかめた。
「いや、そんなことより、最後のコーナーで烏野さんに迷惑かけてしまったから……。だから、かえって同着で良かったかもしれない。あれで僕のほうが先着していたら、烏野さんに申し訳なく思ってただろうから……」
 結果とか珍記録よりも、他者に迷惑をかけるような消化不良のレースをしてしまった自分に納得がいかない……。この誠実さこそ、三嶌誠司だ。そして、そんな三嶌さんが大好きだ!

2008_0624_0233  3Rでも、ちょっと珍しいというか、ヒヤヒヤするシーンがあった。2コースに回り込んだ5号艇の江口晃生が待機行動中にエンスト。これだけならちっとも珍しくはないが、なんと、エンジンがなかなか再始動しなかったのだ。必死にスターターロープを引く江口だが、なかなかエンジンは動いてくれない。あわや出遅れ?と思わせるほど、再始動したのはギリギリの時間だった。
 ピットに戻って来た江口は、当然のことながら、首を傾げている。何があったのかと駆け寄る整備士さんたちにも、あれこれと説明しながら、時折苦笑いが浮かんでいた。というわけで、江口はピットに戻って来てからも長い時間、エンジンのチェックをしていて、カポック脱ぎ場に戻るのが他の5選手よりやや遅れた。
 ちょうど田中信一郎が競技棟に差しかかった頃、「しーん!」という声がピット内に響く。田中は江口の不測の事態に戸惑ったのか、スタートはドカ遅れ。江口はまず、田中に声をかけたかったのかもしれない。二人の間には50m以上の距離があった。
「ゴメーン。もう、パニック、パニック、でさあ」
「ビックリしましたよぉ~」
 まさかの事態に、苦笑い&大声で語り合う二人。その後、カポック置場ではそのあたりについて江口が説明していて、田中が「そうだったんですか?」と驚き気味に問い返す姿があった。二人ともこれはひとつの笑い話にして、巻き返しを!

2008_0625_0079  その3Rでは、齊藤仁が転覆している。2周1マークでキャビってしまったのだ。でも皆さま、ご安心を。仁ちゃんはすぐに元気にピットに現われています。大きなケガがなく、何はともあれ、よかった。
 水をかぶってしまったエンジンは、関東地区の選手がヘルプしながら、ボートから取り外された。気になる山崎智也や濱野谷憲吾も、その輪に加わっている。で、なぜか吉田弘文こ加わっていて、エンジンが外されたあとのボートから水を吸い出すべく、掃除機を操っていた。仁ちゃんは後半8Rにも出走するから、エンジンだけでなくボートも手当しなければならないのだ。それをコーブンが率先して行なっていたのがちょっと不思議。やはり地元の人間として、こうした緊急事態には黙って見ているわけにはいかないだろう。苦戦気味のコーブンだが、そんな姿を見ると、心から応援したくなる。頑張れ、コーブン!

2008_0625_0950 さて、と。記者席に戻って執筆にとりかからねば……とピットを後にしようとしたら、湯川浩司に声をかけられた。というか、湯川はなんか怪訝そうな顔で僕を見ていたのだ。
「こんちはっす……太りました?」
 ガ、ガーン! ま、マジ?
「だって、デカなっとるもん」
 さ、最近は体重あんまり計ってないからわからんのですが、たしかにジーパンがキツい感じはしていて、しかも湯川選手がそう言うんだから、そういうことなんだろうなあ……。ピットから記者席まではおよそ500m。思わず走って戻って来た私でありました。今日はいい天気、気温も上がるでしょう。汗だくになって取材すれば、体重も減る……はずですよね、湯川選手?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守」


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H記者の『穴・極選』3日目

 ついに極選10連敗まできたHです。昨日は1号艇が9勝……これだけインが強きゃ、お手上げっすね。ただ、今日のイン逃げは減りますよ。5~7勝程度でしょうね。昨日より明らかにスリットに凹凸ができそうだし、センター界隈に獰猛なまくり屋が潜んでおりますから。「まくり屋の外選手」の狙いごろ。たとえば…
1R…④白井の外の⑤太田
6R…④木村の外の⑤吉川
9R…③哲司の外の④松井(これは人気ですが)
10R…④魚谷の外の⑤佐々木
11R…④湯川の外の⑤市川

 という感じでしょうか。そして、今日の極選は上記5Rよりも大穴になりそうな12R!

 12R
  ①井口佳典
○②寺田 祥
◎③高橋 勲
  ④上瀧和則
  ⑤倉谷和信
★⑥渡邉英児

 いま、競艇選手でいちばんインの信頼度が高いのは井口。が、今節のパワーは相当に苦しそう。F持ちでSぶち込みにも不安が残る。しかも、すぐ外には「もう完全に仕上がってます」と絶好調宣言の寺田が……枠なりでも142/356でも145/236でも、寺田は伸びない井口を握って攻めるはず。そして、井口はまくりに抵抗するタイプ(笹川賞での湯川とのガチンコetc)。
 はい、こうなると絶好の狙い目は寺田を徹底マークする高橋であります。高橋は伸びよりも出足型で、マーク戦にはもってこいの足。くるりと回れば、バックで勝ち負けのポジションをキープできます。井口と寺田が少しでもやり合えばアタマまで。すんなりなら2着でしょうか。これにアウトからでも2、3着に喰いこめそうなエース渡邉を絡めます。
3連単★本線3-6-全、3-全-6、押さえ3=2-全
 重複も含めて16点勝負。


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“本紙予想”グラチャン3日目

いやあ、昨日はひどかった。後半の7連続1号艇1着にまるで対応しておらず、1号艇◎でもヒモが抜ける有様。さらには、5Rで吉川選手を◎にしているのに、フォーカスを書き間違えているんですから、リズムが悪すぎた。本当にすみませんでした。その分も挽回できるよう、がんばります! 担当はもちろんKであります。

1R このメンバーなら石川の逃げ切り
◎石川 ○佐藤 ▲太田 △吉田
3連単 1-253-全

2R 三嶌の差し怖い
◎三嶌 ○重野 ▲山本
3連単 2-15-全

3R 機力アップの仁が逃げる
◎齊藤 ○田中 ▲横澤 △佐々木
3連単 1-342-全

4R 川﨑は先マイすればもつアシ
◎川﨑 ○松井 ▲山本 △今村
3連単 1-346-全

5R 上位級の坪井で堅い
◎坪井 ○平田 ▲赤岩 △金子
3連単 1-423-全

6R エース機2騎の一騎打ち
◎渡邉 ○重成
3連単 1=3-全

7R 出足鋭い濱村が逃げる
◎濱村 ○西村 ▲上瀧 △三嶌
3連単 1-435-全

8R 山本が行きアシ生かして先マイ
◎山本 ○濱野谷 ▲笠原 △齊藤
3連単1-426-全

9R 横澤に逃げ切れるアシ
◎横澤 ○松井 ▲坪井 △今垣
3連単 1-426-全

10R 吉川が鋭く差しこむ
◎吉川 ○池田 ▲秋山 △魚谷
3連単 2-134-全

11R 原田は1枠を外さない
◎原田 ○山崎 ▲湯川 △濱村
3連単 1-246-全

12R 内獲って上瀧が抜け出す
◎上瀧 ○渡邉 ▲寺田
3連単 4-62-全


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3日目!

おはようございます。グランドチャンピオン決定戦、3日目であります! 早いもので、もう折り返し地点に差し掛かっているのですね。今日も空模様はすっきりしておりませんが、舟券当ててスッキリしたいっすね!

2008_0625_0520

昨日、ピットで中尾カメラマンがやけに親しそうに話していた別府昌樹。なんでも別府選手は写真がお好きだそうで、去年のオーシャンカップなどのSGで会うたび、カメラ談義をしていたとか。今節久しぶりに会って、「相変わらずいろんなカメラ持ってますね~」「仕事ですから!」などと話し込んでいたのでありました。「そのカメラ、使わなくなったらくださいよ!」とおねだりもしていた別府選手でしたが、今節、いや今後のSGでもめっちゃ活躍してめっちゃ稼いで、中尾カメラマン以上のすげーヤツを買っちゃってください!

というわけで、われわれも中尾カメラマン以上のカメラを買えるくらい、舟券当てたいっすね。本日も頑張りましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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機力診断つき「本日のグラチャンTOPICS」2日目

 グランドチャンピオン決定戦も、予選前半が終了いたしました。初日とは気候が変わって、選手たちも調整が大変そうでしたね。そんななかでも、着実に機力を上向かせて来る選手もいるわけで、3日目の明日はさらに熱戦が期待できそうであります。というわけで、本日も水面のバトルを、機力評価込みでいってみましょう。

2008_0625_0895 ●濱野谷がマクった!
 ファンの皆様は、濱野谷憲吾にどのようなイメージをもっているでしょうか? まあ、いろいろあるとは思うのですが、我々はここ1年ほど、「濱野谷=差し屋」という非常に意外ともいえる印象を抱いてしまっています。というのも、濱野谷の1着時決まり手に、マクリはほとんどない! BOATBoyの出場選手一覧表に「決まり手まくり/差し」の回数データを掲載するようになって、我々は濱野谷の数値にビックリしまくりだったのですね。だって「まくり2/差し30」とかなんですもの。かつては「ダッシュからマクリ」というイメージだったのに、いまや完全にテク主体のレーサー。もちろん、そのテクニックが図抜けているわけで、差しもほとんどがマクリ差しだったりするわけですが、どうしても「基本は差し」という先入観が植え付けられてしまっているわけですね。
 ですから、今日の3Rのようなレースを見ると、興奮してしまうわけですよ、これが。濱野谷憲吾、マクリ一発! たしかに、インの白井英治がS遅れ、2コースの辻も半艇身遅れ。しかも辻はスリットから伸びることがなく、1マーク手前では1艇身前にいたのですから、絶好のマクリ態勢ではありました。しかし、私には憲吾の闘志が内2人を抑え込んだように見えましたね。そして、問答無用に握っていった憲吾に、思わず拍手を送っていた次第であります。
 おそらく、アシ自体も問題はないはずです。マクって出たときのかかりも悪くなさそうだし、それは憲吾がもっとも望んでいるアシだから、彼向きの特徴になっている。このアシが来た時の憲吾は実に強いレースを見せてくれますから、明日からもおおいに期待できるでしょう。明日からのさらなる巻き返しに注目してみたいところです。

2008_0625_0128 ●6コース勝ちが出た!
 1Rです。1マークは逃げた烏野賢太と5コースからマクリ差した木村光宏の一騎打ちムードでしたが、2マークで二人が競り合った間隙を、6コース発進の齊藤仁が突き抜けた。仁は1マークではきっちりと差しを入れており、好ポジションにつけていたからこその、逆転勝ちでしたね。おぉ、今日の前半はトーキョー・ベイ・パイレーツが魅せてくれた、ということですか。仁ちゃん自身は第二の故郷のSGで、記念すべき初白星であります。拍手!
 コメントによれば、アシもどうやら上向いてきている模様。伸びよりも乗り心地がグッドということですから、むしろ仁ちゃん向きでありましょう。たしかに、前が競ったとはいえ、引き波を苦もなく乗り越えた2マークのアシは、決して悪くは見えませんでした。今日は1R1回乗りで、調整の時間もタップリあった仁ちゃん。明日のアシ色もチェックしたほうがいいでしょうね。

2008_0625_0682 ●7連続1号艇勝利!
 そりゃあ、インが強い芦屋です。そして、インが強いSGです。1コース、つまり多くの場合1号艇が強いのは当然なんです。それにしても、今日の強さは凄すぎじゃありませんか、ほんとに。6~12R、7レース連続で白いカポックが先頭ゴールですから、今日の後半は穴党には非常につらい展開でしたね。
 6R=中島孝平、7R=木村光宏、8R=山本浩次、9R=秋山直之、10R=倉谷和信、11R=平田忠則、12R=松井繁。これが本日の6~12Rの1号艇でした。正直、昨日はあまり目立たなかった面々であり、もしかしたら荒れるのかなあ……などと想像していたのでありますが、まったくもって見当違いだった。ただ、このなかで出ているなあ、と感じたのは松井くらいでしょうか。秋山や倉谷も悪くはなさそうですが、中島や木村は決して出ているとは思えませんでした。
 この1号艇快進撃の要因は、マクリが届かなかった、もしくはマクりたい選手が複数いてかち合っちゃったりしてその間に逃げられた、ってなところだと思うのですが……はたして。

2008_0625_0031 ●では節イチは……
 正直言って、今日は節イチの判断がなかなか難しかった。昨日、「節イチかも」の湯川浩司は展開不向きで4着3着。それだけにアシ色の見立てがしづらかったのであります。それでもコメントは「3走目がいちばん良かった」ということですから、決して機力が下がったわけではないようですね。それを水面では確認しづらかったのだから、やっぱり難しい1日だったなあ……。
 エース機の渡邉英児と重成一人は、今日も好調に見えました。英児の行きアシはやっぱり強烈だし、かかりも昨日よりいい感じになっていて、英児向きの足になりつつある。重成も12Rで濱村芳宏と3着競りを演じて、結果的には敗れていますが、アシ自体は濱村より上に見えました。あ、その濱村も悪くないですね。回った後のアシが鋭いように思えます。
2008_0625_0455  山崎智也、西村勝、菊地孝平、山本隆幸ら、昨日三役にあげた選手も、変わらず快調のように思えます。あと、今日目立ったのは、坪井康晴に上瀧和則でしょうか。上瀧は8R、坪井は10Rでともに2コースから2着、ですが、インに逃げられこそしたものの(8Rの決まり手は抜きですが)、出足回り足系統はかなりのものに見えました。二人は確実に上向いていると思えますね。2008_0625_0698 何より、上瀧が着実に仕上げているのが、非常に気になる。気合いはパンパンなだけに、アシも盤石になってきたなら、明日からの戦いでは主役に躍り出ること必至。ジョー大暴れモードが見えてきたぞ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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THEピット――SG覇者たちがニコニコニコ

2008_0624_1194   装着場の手前のほうで、ついさっきまで試運転をしていた田中信一郎がJLCの展望インタビューを受けている。聞き手は荻野滋夫さん。信一郎の顔には微笑みが浮かんでいた。
 というシーンを確認して、装着場のほうを眺める。選手の姿はあまり見当たらず、整備室の前あたりに山崎哲司や笠原亮の姿が見えるくらい。テツはほうきとチリトリを持っていたから、整備室の掃除に向かうのだろう。今節最年少としては、当然のお仕事である。
 ……などとぼんやりしている間にも、まだ信一郎のインタビューは終わらない。展望インタビューは、選手にとっては作業の合間に時間を作って行なわれるもの、手短に要点を話しておしまい、というケースが多いように思えるのだが……これは明らかに長い。何を話しているのだろう……。
 と、それからさらに1~2分ほど話して、インタビューは終わった、カメラが止まると、信一郎は笑顔で一言。「このインタビュー、切るとこないな」。おそらく「どこを使おうか……」と編集の段取りを考えていたはずのディレクターさんは苦笑いだ。すると信一郎、眉に皺を寄せた。「宿舎に帰ってから、見るからな!」。ノーカットで流せってこと!? 荻野さんやスタッフの方たちがワハハハと爆笑したところで、たまらんといった感じで信一郎の笑顔が弾けた。ようするに、ずいぶんとゴキゲンに見えるのである。余裕、なのだろうか。とにかく、こんな信一郎は、本当に魅力的である。

2008_0623_0864  インタビューを終えた信一郎は、そのままモーター格納のために整備室へ。すると、装着場のど真ん中あたりで、江口晃生とすれ違った。江口がにっこにこで信一郎に声をかける。もちろん、信一郎もにっこにこだ。はるか遠くのことだから、何を話しているのかはさっぱりわからないが、江口が何かを問いかけたのだろう。SGのピットでは、後輩を気にかけて声をかけたりアドバイスをする江口を、本当によく見かけるのだ。
 遠くからジロジロ見つめているのもナニなので、視線を外して他の選手を探す。秋山直之が猛ダッシュで整備室のほうへ走っていき、なぜか空の段ボール箱を手に帰って来たのを見て「???」と首を傾げたりしていたのだが、耳に江口の声が聞こえてきて、再び装着場をチラリ。江口と信一郎は、まだ話し込んでいるのであった。しかも、お互いがいったん逆の方向に歩きだしてはいたようで、二人の距離はさっきより離れている。それで江口が声を張って話したから、こちらにまで声が届いたのだろう。といっても、話の内容までは聞き取れなかったけど。ただ江口は、全身を使っての身振り手振りで話していた。
2008_0623_0768  その江口が競技棟付近まで来ると、スタート練習のスリット写真掲示板には松井繁の姿が。「良くなった?」と江口が問いかけると、松井は親指と人差し指をU字型にして「ちょっと」。そう言いながら松井の頬は見事に緩んでいき、江口は松井に歩み寄っていく。松井はさらに笑顔になって、江口と話し込みながら控室へと向かっていくのだった。それを僕もニヤニヤと頬を緩めて見ていたら、松井がこちらをチラリと一瞥。うがっ、王者に睨まれた? でも松井は別にハゲデヴのことなど気にすることなく、江口と談笑を続けたのだった。
 それにしても江口って、笑顔配達人だなあ。じっくり話したことがあるわけではないけれども、ピットでのふるまいを見ているだけで、その人柄がうかがえる。そんな江口さんだから、つい応援したくなってしまうのである。

2008_0624_1061  江口&松井の笑顔を見届けて、いったん整備室を覗きに。赤岩善生が懸命の整備をしていて、彼の執念には本当に頭が下がる(今日だってシリンダーケースを交換しているのだ)。心の中で拍手をして、今度はペラ室を覗きに行……こうとしたら、向こうからプリンス二人のツーショットを発見! 今村豊と気になる山崎智也である。いやいやいや~、これは豪華な組み合わせではありませんか。今村さんもニコニコニコ。智也もニコニコニコ。見ているだけで幸せな気分になる絵である。
 今村はちょいと外に出ただけだったようだが、智也はそのままペラ室へ。すると、モーター格納を終えた田中信一郎と装着場のど真ん中でバッタリ。あ、同じ場所でまた信一郎&群馬支部だ。信一郎が、ぴょんと跳ねながら右肩で智也にタックル! 智也は左肩でそれを受けて、ニコニコニコ。もちろん信一郎もニコニコニコ。あはは、これまた幸せな光景だなあ……。
2008_0624_0607  ペラ室の付近に、今日から芦屋入りした長嶺豊さんがいたのでご挨拶。今節もいろいろ教えてくださーい、ということで少しお話をしていたら、ペラ室から智也が登場。長嶺さんにニコニコニコと話しかけた。長嶺さんも再会に嬉しそうな笑顔。「また2等ばっかり獲って優出か?」「えーっ、1等獲りたいっすよ~」。前節の住之江ダイヤモンドカップで、智也は7戦2着6回(あと4着1回)で優出していたのだ。住之江でそのへんを話していたんでしょう、それを受けての笑顔の会話。そんな場面に立ち会えるのは、本当に幸せだなと思う次第であります。

2008_0624_0466  よく考えてみれば、ここに記したツーショットって、ぜ~んぶ、SG覇者同士なんですよね。めっちゃ大物コンビばかりなのだ。豪華な二人組が、ニコニコニコと笑い合うシーン。素敵じゃないっすか。幸せじゃないっすか。
 で、ピットを出る際、最後に見かけたのは智也&平田忠則。11Rを逃げ切った平田に、智也がからかいながら祝福するシーンだった。20mほど離れていたので、智也が何を言ったのかはわからなかったけど、平田はタオルで口元を押さえながら、意味深な笑みを浮かべていた。なんだなんだ? 智也もキャハハハと声をあげて笑っていた。このコンビだけSG覇者同士じゃないけれども、平田よ、こうなったらSGを獲っちゃってください! そうしたら、後でこの記事を見れば、やっぱりぜ~んぶSG覇者同士、になるのですから。頑張れ~!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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THEピット――おはようございます!

2008_0623_0479  今朝のピット入りは1Rのスタート展示が始まる前。ふだんより少し早目の出勤だった。ピットに足を踏み入れ、競技棟のほうに歩いていくと、装着場から控室へと戻る途中の渡邉英児とバッタリ。これが本日の選手とのファーストコンタクトとなった。「おはようございます!」とにっこり笑う英児。うむ、渋い。その後ろからは別府昌樹もやって来て、続けてご挨拶。特に笑みはなかったけれども、引き締まった顔で会釈。うむ、こちらも渋い。その後方では、スタート練習のスリット写真に見入る鳥飼眞。このタイミングでは声をかけづらいので、しばし立ち止まって待つ。1分近くじっと注視ののちに写真の前から離れた鳥飼にすかさず挨拶。しかし鳥飼は、目だけで応えて小さく会釈するのみで、視線は鋭いままだ。う、ちょっと怖い。出走表を確認すると、2R出走か。もうすぐスタート展示が始まるというタイミングで、鳥飼は早くも闘志の森の中に身を置いているようであった。うむ、声をかけるべきではなかったか。

 朝イチでピットに入ったときには、選手と顔を合わせれば挨拶をするよう心がけている。ただ、これがなかなか難しいというか、必ずしも正解というわけではないようで、というのも出走レースが早い選手や機力いまいちで調整に忙しい選手にとっては、いくら体重100kg超の巨体でも視界には入っていないようなのだ。そう、それくらい選手は集中している。選手の思索を一瞬でもさえぎるのは、やはり申し訳なく思うものである。
2008_0623_0546  整備室を覗いて、競技棟のほうに戻ろうとしたら、三嶌誠司が自艇のもとでしゃがみ込んでいた。おはようございます、そう声をかけると、三嶌はじっと見つめていたモーターから目を離して、少し声の方向を探してから、元気一杯に「おはようございますっ!」。よく見ると、モーターにペラを装着していたようで、作業の邪魔をしてしまったようで、まず恐縮する。で、出走表を見れば、こちらも2R。ということは、急いでボートを展示ピットにつけなければならず、そんなときに一瞬とはいえ手を止めさせてしまったわけだ。再び恐縮。こんなときが本当に悩ましいわけである。

2008_0624_0415  それでも、だ。やっぱり朝はおはようの挨拶をするのが当然のこと。そして、鳥飼や三嶌のようなタイミングでなければ、選手も気持よく挨拶を返してくれるものだ。ボートリフトの脇でスタート展示を眺めていたら、試運転係留所から高橋勲がとことこと歩いてきた。もちろん、挨拶。すると勲は、まるで新人のように丁寧に挨拶を返してくれた。うがっ、ダービー王にこんなに丁寧な挨拶されちゃったよ~、と思わず興奮。もちろん高橋は、笑顔ですれ違ったあとは、どうということもなく控室のほうへ戻っていったわけだが、その後ろ姿を見ながらハゲデヴは一人、ウキウキしていたのであった。キモイね。
2008_0624_0671  その後も、笠原亮(こちらも2R出走だが、笑顔を見せてくれました)、市川哲也、平尾崇典らに続けざまのおはようございます。市川は、実は私と同い年なのだが、絶対にそうは見えないですよね。その微笑みは、本当に若々しいし、今年不惑を迎えるとはとても思えない。その市川は、けっこう早足でピット内を歩いていた。芦屋のピットは広いので、心なしか、選手はみな他場より足早に歩いている感じで、小走りしている選手も少なくない。市川はその代表格で、いや、市川の場合は他の場でもピット内で全力疾走している姿をよく見かけたりする。そのフォームはアスリートのそれであって、そんなところも若々しい、のである。私もそうありたい、のですが……。
2008_0624_0451 ペラ室の前を通りかかったら、倉谷和信がペラを光にかざしながら出てきた。翼面の状態を確認するという集中力を必要とする局面だから、声をかけようかどうか一瞬ためらったが、あまりにも接近遭遇だったので思い切ってご挨拶。すると、倉谷はすぐに目元をくにゃりと緩めて、「おはよっす!」。くぅ~~、痺れる! 倉谷と挨拶を交わすと、いつも歯切れ良い口調で、ビシッと言葉を返してくれるのだが、これがまた実にカッコいい。今朝のように笑顔が浮かんだりすると、なおカッコいいのである。男は強く、そして優しくあらねばならない……倉谷はそんな理想を体現している男だと思うのだが、どうか。

2008_0623_0384  1Rが発走。競技棟1Fの記者席で観戦する。齊藤仁が2マーク逆転で先頭を走り、3周目に差しかかったあたりから、出走組の仲間たちがボートリフトへと向かっていく。記者席を出て、遠くにエンジン吊りを眺める。そのかたわらスタート展示をチェック。ふーむ、枠なりか……と再び装着場のほうに目を戻すと、おぉ、早くエンジン吊りを終えた面々は控室のほうに戻ってきているではないか。誰のエンジン吊りなのかわからなかったが(近畿勢が1Rには出走していなかったため。あるいは整備から帰って来るところだったかも)、山本隆幸と目が合う。さっと頬が緩んで、「おはようございますっ!」。うがっ、先に挨拶されてしまった! 恐縮しつつ、こちらも丁寧に挨拶。この人も、実に男っぽい表情を見せますね。
2008_0624_0583  山本とすれ違ったあと、カポック脱ぎ場のほうへ移動すると、控室から出てきた辻栄蔵とバッタリ。挨拶をすると、穏やかにほほ笑んで、ゆるやかに会釈を返してきた。もしかしたら、レースに関して、あるいは今後の整備方針について、考え込んでいたのかもしれない。辻の誠実さに感動するとともに、ちょっと恐縮。辻と入れ替わるように控室へと向かってきたのが、おぉ、気になる山崎智也。おはようございます! ヘッドホンをしている智也に声が届いたかはわからないが、こちらに気づくと、うぉぉぉぉぉっ、ウルトラ智也スマイル! 智也の笑顔は、ハゲデヴをも癒す。こちらもスマイル、というか、ニヤニヤしてしまうのでありました。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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H記者の『穴・極選』2日目

 笹川賞(開幕戦)から9戦連続ノーヒット、いつになったら当たるのか、皆さん、しげ爺さん、すいません!!の坊主頭Hです。
 今日のマクリ屋たちは1・6号艇など枠番がイマイチで、なかなか「3・4コースのマクリ屋の外」作戦が見当たりませんね。が、そんな中で、とびっきりの極選がありました。11R、山と山に挟まれた鬱蒼とした笹木の中にとんでもない宝箱が潜んでおりますぞ。

  11R
  ①平田忠則
  ②魚谷智之
○③今村 豊
◎④佐々木康幸
×⑤寺田 祥
  ⑥高橋 勲

 最近絶好調の平田&銘柄の魚谷とくればどうしても1-2は売れちゃいますね。しかし、その外に今村&寺田の「山口マクリ屋コンビ」がいることを忘れちゃ困る。今節もふたり揃って伸び型、魚谷が差しハンドルを入れた瞬間、今村の強ツケマイと寺田の全速ぶん回しが飛んできます。
 となると、美味しい展開になるのは4カド必至の佐々木。元々が濱野谷級のまくり差し名人ですから、ここは飛び道具の間隙を縫って、バックで突き抜けてしまうはず。相手も山口マクリ屋コンビに絞ります。
3連単★本線4-35-全、押さえ35-4-全


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“本紙予想”グラチャン2日目

“本紙予想”でございます。初日は、1、2Rと連続的中したのですが、その後はジリ貧気味でありました。ヒモ抜けもいくつかありましたね。本日も、最低でも昨日のペースを落とすことないよう、がんばります。担当は引き続きKでございます。

1R このメンバーなら烏野の逃げ切り
◎烏野 ○吉田 ▲都築
3連単 1-43-全

2R 井口の差し怖い
◎井口 ○笠原 ▲三嶌 △今垣
3連単 2-345-全

3R 白井の逃げが断然
◎白井 ○濱野谷 ▲金子 △秋山
3連単 1-345-全

4R スリット伸びて山本のマクリ差し
◎山本 ○湯川 ▲市川 △今村
3連単 3-615-全

5R 吉川がカドに引いて攻める
◎吉川 ○菊地 ▲高橋 △石川
3連単 4-612-全 ※←ごめんなさい! 吉川選手3号艇でした……(K)

6R 西村のキメ差しが入る
◎西村 ○魚谷 ▲中島 △太田
3連単 2-514-全

7R 川﨑の巧差しに妙味
◎川﨑 ○松井 ▲笠原 △飯島
3連単 3-652-全

8R 山本浩次が外を押さえて逃げる
◎山本 ○田中 ▲上瀧
3連単1-42-全

9R 原田が握れば井口に差し場
◎井口 ○原田 ▲渡邉
3連単 4-35-全

10R 湯川がスリット伸びてマクる
◎湯川 ○山崎 ▲坪井
3連単 3-52-全

11R 平田が渾身の逃走
◎平田 ○魚谷 ▲今村 △佐々木
3連単 1-234-全

12R 松井が盤石の運び見せる
◎松井 ○濱村 ▲重成
3連単 1-45-全


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2日目! 

おはようございます。グランドチャンピオン決定戦、2日目の朝でございます。昨夜、取材班が宿泊している小倉は雨が降り出しまして、本日の天候が心配されたわけですが、芦屋も雨は落ちた形跡がございますが、現在のところはあがっております。といても、薄暗い曇天模様、なんとかもってくれるといいんですけどね……。まあ、これが梅雨というものでございまして、選手たちには雨を吹き飛ばす熱戦に期待しましょう。

2008_0624_0971 さて、現在芦屋競艇場では、「グラチャン出場選手写真パネル展」が行なわれています。この写真を提供しているのが、Nifty取材班でもある、われらがBOATBoyの3名――中尾茂幸、池上一摩、山田愼二でございます。芦屋競艇場にお越しの際は、ぜひスタンド2Fに展示された写真をご覧くださいませ。あ、もしかしたら急遽出場が決まった濱村芳宏選手の写真はまだ展示されてないかも。というわけで、今日の一発目は濱村選手の写真であります。撮影は、中尾茂幸でございます。

それでは皆様、本日も頑張りましょう!


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機力診断つき「本日のグラチャンTOPICS」初日

グランドチャンピオン決定戦、初日が終了いたしましたね。初っ端から熱戦が続出でありました。そしてまた、前検では見えなかったアシ色も見えてまいりました。はたして王の中の王は誰になるのか。水面の様子を追いかけていくことにしましょう。

●エース機候補・重成一人がオープニングレースを制す
2008_0624_0510  1Rを制したのは、重成一人でしたね。インからコンマ08のトップスターとで鮮やか逃げ切り。まったく揺るぎのない足色で、1マークであっさり決着をつけました。インの弱い平和島から、インの強い芦屋へ。SGの舞台はまるで性格の違う水面に変わったわけですが、その象徴的な場面がオープニングから飛び出したわけです。
「前半より後半のほうがよかった。アシがいい分、中途半端につっかけて着を落とした」
 重成のコメントはこのようになっています。後半とは7R4着。道中は3番手を走っていて逆転されているのですが、しかしアシはさらに良くなっていた、と。香川の玉三郎、目が離せない存在になりそうです。

2008_0624_0677●エース機候補2・渡邉英児も素軽い動き
 2連対率ナンバーワンの63号機を手にした渡邉英児は、本日2回乗りで2着2本。今節初勝利はお預けになっています。しかし、パワーの一端はしっかりと見せつけた。何より、11Rは4コースから強烈な行きアシを見せて1マークは握りマイを放っています。ただ、5Rもそうだったのですが、1マークでやや流れていったあたり、掛かりがまだ完全ではないかも。それでも、自分でも認める“差し屋”である英児が、2度も1マークでツケマイを放ったほど、スリットからのアシは抜けている。2日目以降も要注意なのであります。

2008_0624_0809 ●テラショー、レンショー!
 1号艇にすわった4R、こちらはまあ順当に逃げきったと言うべきでしょう。3コースから山崎智也がいい伸びを見せましたが、まるで寄せ付けることなく、先マイを果たしています。圧巻は11R。こちらは6号艇6コースからのレースだったのですが、スリットから圧巻の行きアシを見せた渡邉英児の攻めに乗って、見事なまくり差し! 寺田祥、初日を連勝発進であります。まさにテラショー、レンショー! これが3レンショーになるのかどうか、明日も楽しみにしましょう。

2008_0624_1264 ●濱野谷憲吾、1号艇が鬼門に……!?
 笹川賞優勝戦を1号艇で敗れた際、「濱野谷憲吾、記念優勝戦1号艇3連敗」と騒がれたのが、発端だったのでしょうか。つづく多摩川周年も笹川賞同様、地元で予選1位突破、優勝戦1号艇というシチュエーションで、2着に敗退……。まるでトラウマが残ったかのように勝利を逃した憲吾でありました。そして、本日は1号艇……何かに魅入られたかのように、渡邉英児にマクられた憲吾……。彼にとって、白いカポックは忌むべき存在となってしまったのでしょうか。今節、再び着ることがあるのなら、なんとか払拭してもらいたいのですが……。

2008_0624_0217 ●節イチは湯川か?
 まず、昨日横綱候補にあげていた辻栄蔵ですが、まったくの見立て違いでしたね。今日は何もできずに6着。「何もないですね」というコメントが物悲しい……。西村勝、菊地孝平は、インからきっちりと逃げ切りを収めました。こちらは見立てに狂いはないようで、西村はバランスが取れており、菊地は回った後のアシに鋭さが見えました。気になる山崎智也は、スリットからの行きアシが素晴らしい。渡邉英児の域には達していませんが、同体からでも伸びていくアシは、さらに上向いていくなら“マクリ屋”智也の強力な武器になりそうです。あ、そうそう。昨日はあげていませんでしたが、山本隆幸の行きアシも上位だと思います。
2008_0624_0887  ただ……節イチは、その4人でも、エース機候補の2人でもないような気がします。だれかといえば、ドリーム快勝の湯川浩司! 最近のこの人、「出てない」ってことがありませんね、まったく。
 ドリーム1号艇の湯川はインから先マイを放ちますが、内を魚谷智之が差し込み、1マークので出口では魚谷の差し切りか、とも思われました。湯川自身、レース後に「出足は魚谷さんのほうが上」と証言しています。しかし、そこからの伸びが凄かった。スリット裏の手前では併走状態にも近かったはずが、2マークが近づくにつれ、湯川があっさりと1艇身の差をつけます。魚谷も2マーク粘ろうとするそぶりを見せているのですが、これがまるでかなわない。決して引いたわけではないのに、湯川が軽く先マイを決めてしまうのですから、強烈な伸びアシだと言えるでしょう。笹川賞も噴いてましたし、グラチャンも絶好調。しかも笹川賞と違って、序盤は好リズムに持ち込めましたから、こりゃあ、グラチャン2連覇も充分だなあ……。
 というわけで、機力評価としては、横綱:湯川 大関:智也、英児、重成 関脇:西村、菊地、隆幸としておきましょう。まあ、天候が変わればまた変化があるのかもしれませんが……。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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THEピット――ボートリフトとカポック脱ぎ場

2008_0624_1202   ピットにいたら、ヒザが痛み出した。そういえば少しジメジメしていると思い、ピット内の温度計を見に行くと、湿度が70%を超えている。やっぱり梅雨だなあ、明日は雨かなあ……気温は高くなくても、湿度の数字を見てしまったせいか、昨日の爽快さはもう感じなくなってしまった。これから大変な時期の到来だ……。
 しかし選手はそんなことなど言っていられない。すでにモーターにパワーを感じている選手はともかく、そうでない選手は汗だくになろうとも、必死で動かねばならない。整備室をちらりと覗くと、赤岩善生が本体に手をつけているのを見かけたし、初戦Fに散ってしまった今垣光太郎も頻繁に整備用テーブルと部品庫を行ったり来たりしている。秋山直之も、黙々とペラを磨いていた。
2008_0623_0735  整備室はまだ空調も動いているだろうが、水面はそうはいかない。11Rの展示が終わって、試運転OKの緑ランプがつくと、別府昌樹と山崎哲司が飛び出していった。こんな時間まで、懸命な調整の成果を確認すべく、水面を走りまわっているのだ。これに続いて、重野哲之が試運転へ。初日に思うような走りができなかった彼らは、こうして時間を惜しむように懸け続ける。その執念たるや、さすがSGの中のSGに登場する男たちである。先に引き上げてきた別府が、1周多く走って戻って来た山崎のもとに笑顔で駆け寄る。足合わせの感触を確認し合う二人。別府のほうがアドバイスらしき言葉を発して、テツが頭を下げる場面も見かけられた。別府のいかつい(←失礼)顔つきが、柔和にほころぶ。足色の手応えはともかく、充実の色は浮かんでいたように思えた。
2008_0624_0603  彼らのあとに、水面に飛び出ていったのは、木村光宏である。木村のこうした姿――一番最後まで試運転を繰り返す――は、彼が出場するSGのたびに、ほぼ毎回と言っていいくらい、目にする。まるでそれが己のアイデンティティであるかのように、ひたすら水面を独占するのだ。1~2周ほどして、2マーク手前で減速した木村を見て、ボートリフトの係員は木村を引き上げる準備を始めたが、しかし木村はもういちど係留所のほうにボートをつけようとした。まだ何か気になることがあるのだろうか……。結局は、係留することなく、水上で簡単なチェックをしたあと、リフトに収まっていったが、やはりこれも執念の表れなのであろう。装着場に戻り、ボートにスポンジを設置している時、同期の西村勝が笑顔で歩み寄った。「セ・ン・パ・イ★」。いや、違う言葉だったのか……でも、たしかにそう聞こえたのだ。西村は木村をからかいながらも、敬意を表したのかもしれない。
2008_0623_0955  ところで、ここに書いた4人のエンジン吊りをしていたのは、すべて笠原亮であった。重野は同郷の先輩ではあるが、他の3人はそういうつながりは特にない。だが、なぜか笠原はただ一人、彼らの試運転終りに駆けつけて、エンジン吊りを手伝っていたのである。笠原といえば、好不調が非常にわかりやすい男であり、好調のときはハツラツとしているし、不調の時は見ているこちらがツラくなるくらい肩を落としている。それが、この男の魅力なのだ。今日の笠原は……ハツラツ。別府のモーターを整備室に運んでいる途中で、僕と目が合うとニヤニヤニヤッと目じりを下げたほどだった。今日は6着だったが、ひょっとしたら……という気にさせられた。

 11Rが終わって、カポック脱ぎ場に移動する。ここは、レースを終えた選手たちが装備を解くところであり、お互いが将棋で言う感想戦のように、レースを振り返り合う場所である。着順が上である選手ほど、早くピットに上がることになるから、おおむね上位着順の選手が先にカポック脱ぎ場に到着し、下位の選手は遅れることになりがちだ。
2008_0623_0210  11R、真っ先に戻って来たのは2着の渡邉英児。すぐにコメントをとる記者さんに話しかけられて、笑顔をこぼす。2着2本の発進は、エース機の賜物か。頬のゆるみは、機力好調の手応えを感じさせるものだ。続いて勝った寺田祥が戻って来た。微塵も笑顔がないのは、いつものテラショー。なまじのことで、スマイルを見せるような男ではないのだ。次に、3着の濱野谷憲吾が戻って来た。目尻は下がったが、これはいわゆる苦笑い。1号艇の3着は、決して納得のいく成績とは言えないだろう。記者さんに声をかけられても、笑顔に冴えはない。山本浩次と中島孝平が、無言のまま、やるせない表情でやって来て、最後に戻って来たのは田中信一郎だった。2008_0623_0380 田中の顔つきを見ていたら、どこか憤慨しているようにも見えていたのだが、濱野谷と顔を合わせると、表情が和らぐ。濱野谷も、再び苦笑いで頭を下げると、信一郎は妙に丁寧にぺこりとお辞儀をするのだった。渡邉とも同じようにお辞儀のし合い。どうみても、おどけているようにしか思えないのだった。信一郎もゴキゲンの様子だ。

2008_0623_0476  そんなシーンを見届けて、装着場に戻ると、ドリーム戦の展示が終わって、6戦士が戻って来たところだった。上瀧和則の気合い十分の表情を間近で見て、思わず震えた。その顔が見られただけで、ドリーム戦の結果などどうでもよくなった。九州の上瀧は、やっぱりスーパー上瀧なのだ(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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THEピット――独特なピット

Cimg3977 芦屋のピットは、独特な形態となっている。2マーク奥の一辺がぜ~んぶピットなのだ。2マークのちょうど延長線上あたりにボートリフトがあるのだが、その向って右手というか、対岸寄りが整備室になっている。装着場はその手前からで、出走ピットの後方も装着場だ。そう、「出走ピットの後方に装着場」というのも、非常に珍しいな。というわけで、控室から出走前整列、また出走へ向かう姿は見ようと思えばごく間近で見ることができる。また、出走ピットだってすぐ眼前にあるわけだから、こちらも出走前の選手の様子を近くでまじまじと見つめていることだって可能だ。まあ、緊張感漂う選手を前にすれば、とてもそんな気など起こるはずもなく、やや離れたところから目立たないように観察しているのが精いっぱいってものではあるが。写真は6R。ここまで出走ピットに近づける場は、ほとんどない。

Cimg3980_4  で、このピットは非常に縦長である。そりゃそうだ。水面の一辺の距離がまるまるピットなんだから。選手控室がある競技棟はもっともスタンド寄り、つまり整備室とは真反対の場所にある。ボートリフトまでだって、ゆうに100mはあるだろうか。記者席も実は競技棟の建物の中にあって、そもそもピットへの入口はこちら側にある。というわけで、競技棟の周辺にうろうろしていることも多いわけだが、そうすると控室とピットを往来する選手に山ほど出くわすということになるわけだ。
2008_0623_0711   これがまたけっこう緊張するというか、何と言うか。たとえば、こちらは何をするわけでもなくそのへんに突っ立っていて、たまたま装着場のほうから吉川元浩が控室に向かって歩いて来る。僕との距離は100mはあるだろうか。……こういうときのふるまいって、難しくありません? もちろん気づいたらさっさと会釈なり何なりすればいいんだろうけど、それくらいの距離でこちらに気づいているのかどうかがわからない。いや、二人の間には何も遮蔽物がなく、吉川もまっすぐこちらに歩いてくるのだから、気づいているには違いないのだけれど、それでもやっぱりもう少し近づいてから……ってなりますよね? で、そんなこんなで挙動不審になっていたら、僕の30mくらい手前でほかの記者さんにつかまった吉川選手、僕はすっかり挨拶するタイミングを失したのでありました。アホや。

Cimg3978  その場で選手の往来を眺めていると、いろいろな選手の後ろ姿を見ることになる。山本浩次がゆったりとリフトに向かい、その後ろを魚谷智之が早足で歩いていく。思わず心の中で「魚谷、差せっ!」と叫んだりして。魚谷がしっかり追い抜いのを見て、いい気分になっている私はやっぱりアホでしょうか。確かな足取りで歩いていた今村豊に、松井繁が追いついて声をかける、なんて場面を目撃すると、それはそれでやっぱりなんか得をしたような気分になるというものだ。どうやら松井が今村の乗艇着をからかった様子。今村は松井に何か一言返すと、服の胸のあたりをささっと払って、しばし眺めていたのだった。

 とまあ、初日前半のピットから、舟券的にはまったく役に立たないお話しか書いていないのだけれど、今日のピットは昨日同様に爽快な風。初日にしては、慌ただしい雰囲気もなく、思わずその空気を満喫してしまったという次第。慌ただしく感じないのは、ピットが広いせいもあるのかもしれないが、それでもその形態と同じでかなり独特な、初日のピットなのでありました。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)


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開会式&イベント情報

 初日といえば、開会式・選手紹介。芦屋競艇場には「夢リア」というイベントホールがあって、こうしたステージイベントはここで行なわれるのであります。その夢リアに、グラチャン戦士52名が集合! 早朝から詰めかけたファンの前で、決意を語っていったのでありました。

2008_0624_0012 上瀧和則
「九州なんで、気合いだけは負けないよう、がんばります」
 エースのジョーが、いつもより声に張りがあり、また「気合い」を口に出すあたり、九州のSGなんだなあ、と感慨が沸きますね。
2008_0624_0070 菊地孝平
「北九州でやらなかったら、やるところはないんで、がんばります」
 若松でSG初制覇を果たした菊地が、久しぶりのSGを芦屋で迎える。気合いが入らないはずがない、のであります。
 とにかく、約2年半ぶりの芦屋SG、思い入れをもって戦う選手たちには、どうしたって目を引かれるのでありますね。

2008_0624_0007 魚谷智之
「グランドチャンピオンになるために、力を出し切ります」
 そうです、これを勝った選手はまさしくグランドチャンピオン。SGの中のSG、チャンプの中のチャンプ、王の中の王! これぞグラチャンなのであります。ハッキリとその座を手にしたいと言い切った覇王に、いつも以上の気合いを感じましたね~。

2008_0624_0043 今村豊
「47歳になりました。最年長です」
 日曜日がミスター競艇の誕生日なのでありました。まだまだ元気、まだまだバリバリの今村さんには、心から声援を送りたいものであります。あ、ちなみに我らがH記者が同い年です。でも、取材班の中では最年長ではないのですから、我々もなかなかオッサン揃いなのであります。

2008_0624_0127 西村勝
「60日間の育児休暇を満喫してきました」
 F休みは、しっかりと子供孝行をしてきたわけですね。きっと家で、お子さんたちも応援していますよ! それにしても、昨日から妙に西村勝が目につくのでありますが、気のせいでしょうか……。

 さてさて、開会式はこれくらいにして、今節のイベントを少しご案内しましょう。
 注目はやはり、「福岡支部選手サイン会&撮影会」でしょうか。本日はすでに日高逸子、藤崎小百合、篠崎元志、池永太、寺田絵理香の各選手が登場して、ファンと交流をしておりましたぞ。明日からの予定選手は次のとおり。
25日 富永修一 大橋栄里佳 今井貴士 那須啓太 村上彰一
26日 岩崎正哉 乙藤智史 篠崎仁志 矢野真梨菜 寺田絵理香
27日 白水勝也 桂林寛 今井貴士 木下大將 幸野史明
28日 田頭実 渡辺浩司 松田竜馬 前田健太郎 水摩敦
29日 藤丸光一 郷原章平 犬童千秋 西山貴浩 川野芽唯
 第5R発売中にサイン会、第6R発売中に撮影会が行なわれますので、お目当ての選手がいる場合にはその時間帯に西プラザ特設会場へ! サイン会は各選手先着30名ですから、お早めに!

 もうひとつ、このグラチャンでは、もうひとつの「SGグラちゃん」が行なわれるのをご存知でしょうか。えっ? チャンがひらがなになってる? それでいいんです。このイベントは「スーパーグルメ グランドちゃんぽん決定戦」なのであります! 芦屋といえば、場内の食堂のちゃんぽんがもう大絶品なのでありますが、そのちゃんぽんの聖地でナンバーワンちゃんぽんを決定しようという試みなのですな。
 当日の未出走舟券1000円以上をお持ちの上、西プラザ特設会場へ行くと、ガラポンでちゃんぽんが食べられるのです。そして、もっとも人気を集めたちゃんぽんが、栄えあるグランドちゃんぽんの座に!……よくわからない? そうかもしれませんね。というわけで、これは24~26日の間に取材いたします。この3日間に芦屋にいらっしゃる方は、ぜひご参加を!


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“本紙予想”グラチャン初日・後半編

 失礼いたしました。“本紙予想”、後半もアップいたします。その間に、H記者の「極選」もアップされていますね。7Rが真っ向対決になるわけですが、果たして……。もちろん、今節も「H記者に負けるな」なのであります(笹川賞はまったく負けてませんでしたけどね)。

7R 白井のマクリが決まる
◎白井 ○田中 ▲池田 △重成
3連単 3-246-全

8R 山崎の攻めに乗って辻
◎辻 ○山崎 ▲佐々木 △濱村
3連単 5-412-全

9R 西村の逃走劇だ
◎西村 ○今垣 ▲横澤 △吉田
3連単 1-352-全

10R 三嶌の速攻逃げ
◎三嶌 ○平尾 ▲太田 △菊地
3連単 1-436-全

11R エース機渡邉がここも強力
◎渡邉 ○濱野谷 ▲田中 △寺田
3連単 4-156-全

12R ドリームは王者が自在に抜け出す
◎松井 ○湯川 ▲魚谷 △上瀧
3連単 2-135-全


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H記者の『穴・極選』グラチャン初日

Hです。今節は徹底して「まくり屋の外」にこだわります。正確に言うと「獰猛な天然系まくり屋が3、4コースになりそうなときの外選手を軸にする」。この単純な攻めを貫いて穴を召しとります!

で、今日の極選はもちろん7R。

7R
 ①飯島昌弘(茨城)
 ②田中信一郎(大阪)
○③白井英治(山口)
◎④池田浩二(愛知)
 ⑤金子良昭(静岡)
×⑥重成一人(香川)

並びが123456でも125346でも、殺人白鮫をマークする池田には絶好の差し場が生まれるはず。そんな展開になったら重成のアウトまくり差しも怖いっすね。3着付けを押さえます。

3連単★4=3-全、4-全-6


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“本紙予想”グラチャン初日

 こんにちは。今節も、“本紙予想”をお届けいたします。できるだけ正攻法で、的中にできるだけこだわって、予想を発表してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。もちろん、“しげ爺さんに負けるな!”が合言葉であります。担当は、本日はKでございます。

1R 重成が軽やかに逃げ切る
◎重成 ○西村 ▲平田 △濱村
3連単1-635-全

2R 今村が盤石の逃げ
◎今村 ○吉田 ▲平尾 △佐々木
3連単1-536-全

3R 今垣が自在に攻める
◎今垣 ○佐藤 ▲高橋 △飯島
3連単 4-126-全

4R 山崎のマクリ差しが突き刺さる
◎山崎 ○寺田 ▲横澤 △三嶌
3-126-全

5R エース機が火を噴くか、渡邉
◎渡邉 ○鳥飼 ▲坪井 △江口
3-451-全

6R 菊地の全速逃げだ
◎菊地 ○川﨑 ▲濱野谷 △倉谷
1-462-全

後半は後ほどアップします。


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初日です!

おはようございます。グランドチャンピオン決定戦、いよいよ開幕です! 芦屋競艇場は朝からアツいですよ! 一節間、熱く盛り上がっていきましょう!

2008_0623_0041 昨日、一番乗りはこの二人と吉田弘文選手だったようですね。埼玉支部の西村勝と飯島昌弘です。リーダー格の平石和男がケガで欠場となってしまったのは本当に残念ですが、その分も二人は気合を入れることでしょう。埼玉バンディット(?)結成のためにも、存在感を発揮してほしいですね。

それでは皆様、今節も頑張りましょう!


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THEピット――前検は爽快に

 芦屋のピットは、おそらく全国屈指の広さ。これがまた、今日のように気温がそれほど高くなく、向かい風が吹きこんでくると、めっちゃ気持いいのだ。風に吹かれて水面を眺めていると、取材していることを忘れ……ちゃいけないんだけど、でもしばしポケーッとしてしまうのである(寝不足?)。
 慌ただしく前検作業に飛び回る選手たちは、とてもそんな気分を味わっているヒマなどないんだろうけど、それでもどこか皆ゴキゲンに見えるのは、この爽やかな風のせいではないのか、と思えてくる。
2008_0623_0430  前検4班でハプニングがあった。展示タイムが計測できず、全員再展示になったのだ。4班の面々はさすがに驚いた様子だったそうで、渋々といった感じでもういちど水面に降りていく。というか、別の場所で取材をしていて僕自身が見かけたわけではないのだが、池上一摩カメラマンの証言によると、そんな様子だったようだ。そこで、田中信一郎がジョークを一発。「僕は、6秒88でいいっすわぁ」。ダハハ、適当に数字入れといて、って感じ? でも信一郎選手、それは遅すぎます。再展示を走った信一郎の展示タイムは6秒70でしたからね。ただまあ、それも気分の良さが言わせた冗談なのであろう。

2008_0623_0713  その信一郎も含めて、近畿勢の充実ぶりは強烈である。総理杯のドリームがほとんど近畿地区選みたいになっていたのは記憶に新しいが、このグラチャンのドリームもそれに近い状況。1~4号艇が近畿地区で占められているのである。それを象徴するかのように、近畿勢の顔は明るい。ボートリフトの前で魚谷智之と中島孝平が談笑しているのを見かけたが、二人とも顔に「好調!」と書いてあるかのように朗らかな顔つきだった。2008_0623_0433 そこに、口元をにやけさせながら、太田和美が歩み寄っていく。なんだよぉ、何話してるんだよぉ、俺も仲間に入れろよぉ……てな様子で魚谷の背後から近づいていくと、後輩たちの会話にうんうんとうなずきながら、顔がどんどんとほころんでいくのであった。うーん、いいなあ、この雰囲気。
2008_0623_0643  好調かどうかはともかく、非常に気になったのは、西村勝のゆったりとした過ごし方だ。前検日というのは、とにかく整備室やペラ室が満員御礼。外回りの作業くらいは今日のうちに終わらせてしまおうと、スタート練習を終えた選手たちは整備室やペラ室に居場所を作る。エンジン吊りのたびに、整備室などから選手がダッシュでボートリフトに向かうのはおなじみの光景(その先頭を切って今村豊が走ってきたりすると、本当に感動する)。ところが、西村は割と早い段階から装着場を所在なげにウロウロとしたりしており、ついにはボートリフト横の階段に座り込んで水面を眺めたりしていた。西村選手、気分いいっすよねえ……などと眺めていたら、隣に座ったのは気になる山崎智也。2008_0623_0902_2 こちらも今日の分の作業はさくっと終えていたようで、西村とキャッキャ言いながら、談笑しているのであった。さらには江口晃生も加わって、井戸端会議ならぬボートリフト端会議。大舞台では西に押されて元気のない関東勢だが、こうした姿を見ていると、今節にでも巻き返しそうな気がしてくる。
2008_0623_0840  思い立ってペラ室を覗きに行こうとしたら、こちらが到達する5歩くらい手前で、中からどっと爆笑が巻き起こった。ささっと駆け寄って覗き込んでみると、松井繁がゲラゲラ笑っている。倉谷和信も大笑いしていて、誰かが「やっちまったな!(クールポコ風)」とからかうように言った。再び巻き起こる爆笑。ペラ室の隅で、先輩たちのゴキゲンな様子を耳にしながら、重成一人が穏やかに微笑んでいた。で、どうやら話題の中心は川﨑智幸だった様子。倉谷が何かからかう言葉をかけると、川﨑は「まったくもう……」という感じで、体をよじらせながら苦笑いを見せていた。いやはや、ベテランたちも朗らかに前検作業に励んでいる。
2008_0623_0035  で、ふと後ろを振り向いたら、モーターを乗せる架台をリフトのもとに運んでいる烏野賢太を発見! 若手の仕事を、烏野がやってる! 別に手が空いてる人間がやりゃいいんだから、どうってことないよ……てな風情で、まるで当たり前のように架台を運んでいる烏野賢太。まったく関係ないのに、思わずあわててしまった僕なのであった。テツは何やってんだ!と大きなお世話で山崎哲司を探したら、その7~8m先でちゃんと架台を運んでいた。えらいぞ、テツ……というか、それだけに烏野の飾ることない人柄に感動するのであった。あ、もちろん若手がサボってたとかじゃないっすからね。単に、そこにいた烏野が、「手空いてるからさ」てな感じで、若手が来る前にやってしまったということである。うん、やっぱり感動するぞ、賢太には。

2008_0623_0499  午後3時半にはスタート練習もすべて終わり、ピットは一気に静かになる。風はなおも爽快に吹き続けていて、うーん、記者席に帰りたくないよぉ(帰宅拒否?)。それでもピットを後にするときに、ふと振り返ってみたら、秋山直之がJLCのインタビューに応えて、とびきりの笑顔を見せていた。ん? ピットでこんなにも笑ってる秋山って、そんなに見たことないような気がするんだけど……。
 なんだか、みんな揃って気分爽快! そんな前検だったのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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前検チェック!@グラチャン

2008_0623_0027_2  13時30分頃、静かな水面に突如モーター音が轟く。空気を切り裂くように、誰も足を踏み入れていない水面に飛び出したのは、都築正治と田中信一郎の69期コンビ。いきなり併走で直線を走り抜け、それから内外入れ替わりながら2周、足合わせでターンしていく。
 実はこれ、SG前検日の風物詩だ。この2人が参戦しているSGでは、試運転一番乗りは必ず、都築と信一郎。いち早くモーターを装着して、いち早く駆ける。まるでそれが自分たちに課した規律であるかのように、二人はいっつも処女水面を独占するのだ。
 ……で、足合わせの様子を見ると、信一郎のほうがちょっと強めに見えました。ターン回りも非常にスムーズかな、と。笹川賞に続いて、いいアシに仕上がるかもしれないぞ。

 というわけで、前検チェックであります。都築と信一郎に続けとばかりに、続々と試運転に飛び出してくる選手たち。西島義則がいれば、2番手は彼なんですけどね。今日のところは、2番手がだれかなんてどうでもいいくらいに、あっという間に水面は選手たちで埋まっていったのでありました。
 目についたところを何人か。
2008_0623_0040 ●辻栄蔵
 足合わせでは、ターン周りで軒並みやっつけている感じで、かかりが非常にいいように見えました。コメントでは「回りすぎで直線は止まっていた」とのこと、伸びよりも出足回り足系、ということでしょうか。変幻自在のターンを見せる、辻らしいアシに思えます。
●西村勝
 ターン足はもちろん、伸びも悪くないように見えました。足合わせでもおおむね強めですね。バランスがとれて全体的に上位、ってな感じですかな。コメントは「足は問題ない」とのことなので、おおむね見立て通りと考えていいのではないでしょうか。今日のところは、横綱候補です。
●山崎智也
 さすがに機歴のいいモーターで、動きは上々。伸びも悪くないし、ターンしたあとの舟の向きがいい感じでした。最近のSGで、智也が前検からこれだけ良く見せるのは珍しいんじゃないかなあ、と。いきなり注目していいのではないでしょうか。
2008_0623_0104 ●菊地孝平
 コメントを見ると、「調整が合っていない」「伸び型で起こしが不安」とありますが、足合わせでは出足、回り足も悪くないように思えます。足合わせではまず負けてなかったし。調整でどう変わってくるかに注目したいところです。

 ひとまず、前検での横綱大関候補は、このあたりかと私は見ました。これが、どう変わっていくのか、明日からも足合わせなどを注意してみたいと思います。

 さて、前検といえば、スタート練習が行なわれるわけですが、今日はその一覧表を掲載してしまいましょう。
 全9班で行なわれ、1班はドリーム組で以下は登番順。52名ですので、8班と9班は5名1班となります。また、6班終了後に、いったん休憩が入り、7~9班の選手はそこで試運転を。スタート練習は3本で、その後に展示タイムをはかる、というのが芦屋の方式です。そうそう。初日のコメントで「班で一緒」みたいなものをよく目にしますが、ようするに、この前検の班の中で皆と一緒くらいの感触、というような意味ですね。
 なお、少なくとも6班終了前までは、明日の番組表は出ていませんでした。すなわち、初日の出走レースと艇番がわかっているのは1班のみ。7班以降は番組が決まっていましたが、作業や試運転に飛び回る彼らがそれを見ていたかどうかは定かではありません。

    コース ST コース ST コース ST
  1班            
1 湯川浩司 1 F05 1 .12 1 .35
2 松井繁 2 F06 2 .04 3 F08
3 魚谷智之 3 F07 F11 F12
4 吉川元浩 4 .04 .12 F07
5 上瀧和則 5 .14 .16 .60
6 井口佳典 6 .15 F06 F06
  2班            
1 今村豊 1 .09 .12 .15
2 金子良昭 2 F03 .23 .10
3 江口晃生 3 .01 F01 F03
4 倉谷和信 4 .01 F01 .06
5 濱村芳宏 5 F03 F01 .18
6 川﨑智幸 6 F04 .09 .07
  3班            
1 烏野賢太 1 .11 .37 .10
2 今垣光太郎 4 F03 .31 .05
3 石川真二 2 .13 .16 .01
4 市川哲也 3 .12 .13 .17
5 渡邉英児 5 .08 .18 .01
6 高橋勲 6 .11 .18 .02
  4班            
1 三嶌誠司 1 F04 F01 .21
2 都築正治 3 F01 .17 .02
3 田中信一郎 2 F07 .04 .12
4 太田和美 4 .03 .09 .01
5 山本浩次 5 F02 F04 .19
6 木村光宏 6 .20 .07 .01
  5班            
1 西村勝 1 .02 6 .03 .07
2 濱野谷憲吾 2 F04 5 F05 5 .25
3 山崎智也 3 .16 3 .20 6 .18
4 飯島昌弘 4 F05 .13 1 .08
5 鳥飼眞 5 .16 1 .11 4 .15
6 辻栄蔵 6 .04 .17 2 .37
  6班            
1 原田幸哉 1 .06 .10 F08
2 佐藤大介 2 .11 .16 F08
3 平尾崇典 3 F01 .12 F01
4 別府昌樹 4 .12 .14 .09
5 白井英治 5 .15 .22 .11
6 平田忠則 6 .18 .42 .23
  7班            
1 吉田弘文 1 .17 F02 .05
2 重成一人 2 .14 F08 .11
3 佐々木康幸 6 .14 .23 .25
4 池田浩二 4 .10 .37 .22
5 寺田祥 3 F06 .01 .10
6 赤岩善生 5 .14 .04 .23
  8班            
1 横澤剛治 2 .22 .17 .11
2 坪井康晴 3 .14 .14 .11
3 菊地孝平 1 .05 .20 .13
4 齊藤仁 4 .14 .07 F01
5 重野哲之 5 .25 .09 .05
  9班            
1 秋山直之 1 .07 .09 .04
2 中島孝平 2 .08 .27 .20
3 笠原亮 3 .26 .10 .24
4 山本隆幸 4 .02 .11 .22
5 山崎哲司 5 .14 .19 .25

 というわけでしたが、いかがでしょうか? 先ほども申し上げたとおり、初日に自分が何号艇に乗るかはわかっていないのですから、1班以外はそれぞれのコースは翌日を意識したものではありません。お気づきかと思いますが、多くの選手が、内、中、外を試してみている感じですよね。そんななか、都築正治が外2本。F2の足かせがあるだけに、外から無理をしない一節、という意思表示でしょうか……などという深読みが可能なわけですね。実際はどうなるかは何ともいえませんが。
 私がもうひとつ気になるのは、西村勝がゼロ台3本を決めていること。もちろん、今日のスタートタイミングは、速いか遅いかではなく、「自分の勘と比べてどのくらいか」が重要なのであって、その意味では30でもフライングでもいいわけですが、しかしゼロ台3本は気になる。もし明日以降、今日と同じような状況ならば、ビシッとスタートを決めてくれるのではあるまいか……ちなみに、今日は向かい風が吹いております。
 皆様も、数字を見ながら、あれこれ深読みをしていただければ、と。

2008_0623_0118  といったところで、展示タイムです。
1位 今村豊 6秒63
   重成一人
3位 白井英治 6秒64
   寺田祥
5位 三嶌誠司 6秒66
   坪井康晴
   湯川浩司
8位 池田浩二 6秒67
9位 山崎智也 6秒69
   平尾崇典
   吉田弘文
   佐々木康幸

ワーストは……
山崎哲司 6秒82
辻栄蔵 6秒80
吉川元浩
重野哲之

 あらら~、見立てとはちょいとズレておりますが……。しっかし、最近の山口勢は本当に伸び強烈ですね。今節も注目したほうがいいかも。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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エース機は英児!

2008_0623_0089_22008_0623_0091   昨年度の成績が優秀であることが認められて、日本モーターボート競走会から吉川元浩&湯川浩司が表彰された。おめでとうございます! その表彰式が神妙に行なわれ、連絡事項がもろもろと選手に伝えられて、さあ、モーター抽選!

2008_0623_0095  さてさて。抽選前にスポーツ報知の井上記者からいただいた「虎の巻」。モーターの近況や短評が詳細に記されており、選手にも配られるすぐれものであります。これによれば、「S評価」は40号機、43号機、63号機。なかでも63号機は2連対率もトップで、バリバリの注目モーター。BOATBoy8月号にも、「カドからの一撃に魅力十分」と書かれている、エース機であります。とにかく、動向が注目されたのはこの3機でありまして、選手たちも当然、虎視眈々と狙っているわけであります。
 今節の選手班長は上瀧和則。その上瀧が、番号の書かれた玉をガラポンの中に入れて、いよいよ抽選がスタート。事前抽選で決められた1番目の抽選者は赤岩善生で、気合い十分にガラガラポンと引くと33番が出てきて、戦いのゴングが鳴り響いたわけであります。ちなみに33号機は評価B、「パイプ外れて上向き。勝率よりいい」。整備得意な赤岩だけに、さらに強力に仕上がる可能性もあるかもしれません。

2008_0623_0112  比較的淡々と進んでいった抽選ですが、最初にざわついたのはやっぱり63号機が出た瞬間であります。引いたのは、渡邉英児!「63!」という上瀧班長のコールが出ると、ニコニコニコッと目元を緩めていった英児でありました。それを見て、さざ波のように他選手もざわわ、ざわわ、ざわわ。英児はちょうど真ん中くらいの抽選だったこともあり、残された約半分の選手はちょいと残念な面持ちでもありました。
2008_0623_0134  これをきっかけに、やや和やかさが増した抽選会場。烏野賢太、濱村芳宏、倉谷和信の60期トリオが時に爆笑しながらお互いの機評価を話し合っていたり、2連対率41%の64号機を引いた山本隆幸が、嬉しそうに師匠の松井繁のもとに駆け寄ったり、「伸び型の強力機」という下馬評の45号機を引いた湯川浩司が、先に抽選を済ませていた井口佳典に左手を指差しつつ「ツイてる」などと大笑いしてみせたりと、あちらこちらで笑顔が散見されていました。
2008_0623_0148  それにしても、40号機と43号機がちっとも出ない。抽選順が後半の選手になっても、誰も引き当てないのであります。2つのうち最初に出たのは、43号機。引いたのは、気になる山崎智也だ! しかし智也、特別顔をほころばせることもなく、クールな面持ちでありました。一方の40号機を引いたのは、ケツから2番目の重成一人! さすがににこやかに席に戻ると、隣の席だったケツ3の池田浩二が「うわっ! エース機じゃん!」とのけぞっておりました、そうです、池田もこれを引く可能性があったんですなあ。池田の引いた10号機は評価C「中の上」。うーむ。これは悔しいかも。
 ちなみに、抽選ラストは吉川元浩。ガラポンの中には玉は1つだけ、ということでなかなか穴から転がり出てくれず、上瀧班長に「玉が出てくるの嫌がっとるわ」などと笑顔でからかわれておりました。

2008_0623_0145  というわけで、「虎の穴」による注目機と、それを引いた選手は以下の通り。
7号機「赤岩が直した。伸びは平凡の傾向」……原田幸哉
12号機「伸び型の良機」……石川真二
19号機「パワー強力」……別府昌樹
30号機「合えば強力。レース足いい」……白井英治
31号機「上昇機」……今村豊
39号機「須藤、吉村(過去の操者)はトップ級」……濱野谷憲吾
40号機「前節節一級。特に伸び」……重成一人
43号機「底力ある」……山崎智也

44号機「元エース機」……寺田祥
45号機「伸び型の強力機」……湯川浩司
48号機「確実に上位」……西村勝
54号機「上昇機」……平尾崇典
57号機「伸び型で上位機の一つ」……松井繁
63号機「注目機!」……渡邉英児
64号機「パイプ外れてから以前ほどでは……」……山本隆幸

 このなかにエース機があるのか、それとも!? 前検の様子も含めて、チェックしていきたいと思います。


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大熱狂の選手入り!

 アツい! 本当に、アツい!
 暑い、じゃないっすよ。熱い、のだ。いやあ、芦屋のファン、本当に熱いっす! もちろん地元の方だけが集まったわけではないだろうが(いろんな場で見かける方もけっこういらっしゃいましたね)、芦屋ピットの通用門に集結したファンの方々は、ほんと、爽快なまでにアツい! SGの前検日のいわゆる“入り待ち”は、いつだって熱心なファンの方が選手との交流で盛り上がっているが、何と言うのだろう、ここ芦屋はその周辺の気温が高い、というか。芦屋には、2005年の競艇王チャレンジカップでやって来て以来だが、そう言えばあのときもこんな感じだったっけ、と当時を思い出してみたりして。

Sn2_4092 「松井さん!」
「松井さん!」
「松井さん!」
 王者の登場とともに、ファンから一斉に声がかかる。まるで、歌舞伎の「成駒屋!」とかの発声みたい。そう、芦屋ピット入口が、にわかに花道化しているのだ。軽く会釈しながら通り過ぎる松井繁。それでも「松井さん!」の声はやまず、松井は「着替えてから、来るから」と一言残して荷物検査へ。で、その10分後に現われて、ファンの輪の中に飛び込んでいった松井は、それから10分近くもかけて、ファンのサイン、記念撮影に応え続けていたのだった。
Sn2_4120  もちろん、松井だけではない。タクシーがピット入口に乗りつけられ、ドアが開いて選手が降りてくるたびに、その選手への歓声が飛ぶ。「江口さん!」「菊地さん!」「吉川さん!」「テツ!」……ん? 我らが山崎哲司は、呼び捨てだ(笑)。「川﨑さん川﨑さん!」。川﨑智幸は連呼されていましたぞ。「山本さん!……………………山本さん!」。山本浩次は、トランクから荷物をおろしている瞬間に声をかけられ、即座に反応できなかったのだが、しばらく間があってもう一度呼ばれ、苦笑い混じりの照れ笑いで声の方向へ顔を向けた。

Sn2_4203  ひときわ大きな輪の真ん中にいたのは、今垣光太郎。さすがの人気者は、取り囲むファンも非常に多い。また、光ちゃんは本当にファンを大事にする人なので、どんなに多くの人に囲まれようとも、どんなに時間がかかろうとも、快くリクエストに応え続けている。その輪があまりに大きくなって、守衛さんが「すいませーん! もう少し端っこでお願いしまーす!」と整理しなければならない場面もあった。実際、入口は決して広いわけではなく、タクシーが複数入場すると、かなり窮屈な感じになるほどだから、守衛さんも右往左往しつつ汗だくだ。
Sn2_4184  同じくらい人気を集めていたのは、もっとも新しいSGチャンプ、井口佳典! ズラリと並ぶファンの列の端から端まで、丁寧に交流しまわって、かなりの時間を要した後に、ようやく荷物検査に向かっていたのだった。うーん、笹川賞はついこの間のような気がしますなあ。

 てなわけで、大熱狂のなか、グラチャン出場選手たちは芦屋に到着しております。この熱気はきっと、水面にも反映されるはずだぞ!(PHOTO/中尾茂幸)

Cimg3976 ←荷物検査を終えて、写真撮影をする選手たち。これが、JLCやオフィシャルwebの出走表に使われる近影となるわけです。SGでは毎度毎度、こうして撮影されるんですね。


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芦屋でーす!

皆様、おはようございます。取材班、芦屋競艇場に到着いたしました! 先週来、九州地区は大雨なども降ったようですが、本日は降雨はなく曇り空。予報はあまり良くないんですけど……。

Cimg3972_2 明日より、グランドチャンピオン決定戦が、ここ芦屋競艇場で行なわれます。6月下旬といえば、1年の折り返しになるわけですが、08年のSGもはや3戦目。賞金王への道も、バリバリと盛り上がっていきますよ! 気温も上昇しますが、水面の熱気も上昇する時期でございます。

本日は前検日。いつものように、選手入りから前検の様子まで、現地より更新してまいります。一発目はお昼過ぎかと思われます。

それでは皆様、今節もどうぞよろしくお願いいたします。


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グラチャンです!

2008年SG第3戦、グランドチャンピオン決定戦が6月24日に芦屋で開幕します! SGの中のSGとも呼ばれる、昨年度のSG成績によって出場選手が決定するハイレベルの戦い。今年の舞台は芦屋競艇場、2005年の競艇王チャレンジカップ以来のSG開催であります。

なお、出場予定だった平石和男選手と中村有裕選手が欠場となり、平田忠則選手と濱村芳宏選手が繰り上がりで出場となっております。

取材班はすでに芦屋(の近く)に前乗りして、明日からの取材に備えております。今回も前検から最終日まで、現地から記事更新してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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